※本記事は、株式会社ゼンショーホールディングス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ゼンショーホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は1,129名、グループ連結従業員数は20,626名です。
同社グループは、フード業の経営を幅広く行っており、連結子会社174社を中心に事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、ゼンショーグローバルファストホールディングス(ファストフード・事業統括)、すき家(牛丼チェーン・「すき家」の経営)、なか卯、かつ庵(とんかつ専門店「かつ庵」の経営)などです。
同社グループは、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しました。従来の「グローバルファストフード」セグメントから海外テイクアウト寿司事業を「グローバル中食」セグメントとして分離し、7区分で開示しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ゼンショーホールディングスは、「食を通じて、人類社会の安定と発展に責任をおい、世界から飢餓と貧困を撲滅する」という経営理念を掲げ、グローバルに事業を展開しています。同社グループは、人材を「人財」と捉え、多様な人財が活躍できる職場環境の整備と育成に注力しており、グローバル展開を支える人財戦略を推進しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数は8年台半ばとなっています。これは、比較的若手から中堅層が中心となって活躍し、一定の定着が見られる組織構成を示していると言えます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,302,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.5年 |
| 平均年齢 | 39.4歳 |
| 単体従業員数 | 1,129人 |
| 連結従業員数 | 20,626人 |
| 単体のグループ内比率 | 5.5% |
同社グループは、従業員の退職給付制度として、主に確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。また、一部の連結子会社では確定給付型の退職一時金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)も採用しています。
退職一時金制度については、適格退職年金制度および退職一時金制度の廃止時(2007年3月)までの勤務期間に対応する退職金が、旧規程に基づき将来の退職時に支給されることになっています。
退職給付債務は383百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、企業理念の実現と中長期的な企業価値向上を支える最も重要な経営資源として「人財」を位置付けています。理念に共感する優秀な人財の採用、持続的な成長を推進する人財の育成、女性社員の活躍推進を含む多様な働き方の促進、グローバル人財の採用・育成に注力しています。
給与や賞与、その他の給付については、従業員一人ひとりの職務、役割、能力、成果、勤務状況等を総合的に勘案し、公正かつ透明性の高い処遇制度を構築しています。給与は職務内容や業績への貢献度、評価制度に基づき決定され、賞与は会社業績や所属部門の業績、個人の成果・貢献度を踏まえて決定されます。
同社グループは、世界的に競争力ある人財の育成を目指し、専門分野ごとの教育制度や資格試験制度の運用、積極的な配置転換、自己啓発の奨励に取り組んでいます。また、グローバル展開を加速する中で、語学力や異文化対応力、現地マネジメント力向上を目的とした研修・OJT・海外派遣などの成長機会を積極的に提供しています。
多文化共生の相互理解を深めるため、2021年7月には「日本文化研修センター」を京都市に設置し、日本文化に触れる研修を展開しています。女性活躍推進と育児との両立支援にも力を入れており、産休・育休からの職場復帰支援や、男性従業員向けの育児休業取得相談窓口、時短勤務・時間差出勤制度などを導入しています。従業員の安全と健康を促進するため、健康支援室の設置や産業医による相談、特定保健指導の実施、インフルエンザ予防接種補助金支給などの取り組みも行われています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合は勤務会社、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は雇用会社にて算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 48.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 69.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 73.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 102.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱すき家
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 61.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 96.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 90.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 97.3% |
▼ ㈱なか卯
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 18.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 93.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 99.6% |
▼ ㈱かつ庵
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 97.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 97.5% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ゼンショーホールディングスは、多岐にわたるフード事業を国内外で展開する持株会社です。食材の調達から製造、物流、店舗販売まで一貫したシステムを構築し、幅広い食のサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、フード業の経営を幅広く行っており、国内外で多様なブランドを展開しています。食材調達から製造、物流、店舗販売まで一貫して設計・運営するマス・マーチャンダイジング・システム(MMD)を強みとしています。収益は、主に各セグメントが展開する店舗での飲食料品の提供から得ています。同社グループは海外展開も積極的に進めており、グローバル事業が収益に大きく貢献しています。
グローバルすき家
牛丼チェーン「すき家」を日本国内、中国、東南アジア、中南米で直営展開しています。ご家族やグループなど幅広いお客様に、主力の牛丼を中心に安全で美味しい商品を、手軽な価格で提供しています。収益は、店舗での飲食料品の販売から得ており、当期は前期から増加しました。運営は、すき家、泉盛餐飲(上海)有限公司、台湾善商股份有限公司、ZENSHO (THAILAND) CO., LTD.、ZENSHO DO BRASIL COMERCIO DE ALIMENTOS LTDAなどが行っています。
グローバルはま寿司
寿司チェーン「はま寿司」を日本国内と中国などで直営展開しています。新鮮な海産物を使用した寿司に加え、麺類やデザート、ドリンクなどのサイドメニューも充実させています。収益は、店舗での飲食料品の販売から得ており、当期は前期から大幅に増加しました。運営は、はま寿司、泉盛餐飲(上海)有限公司、台湾善商股份有限公司などが行っています。
グローバル中食
欧米を中心にテイクアウト寿司店などを直営及びフランチャイズで展開しています。主要ブランドとして「AFC」「ZENSHI」「sushicircle」「SNOWFOX」「Bento」「Taiko」「YO!」「SNOWFRUIT」などがあります。収益は、テイクアウト寿司等の商品提供から得ており、当期は前期から増加しました。運営は、Advanced Fresh Concepts Corp.、Sushi Circle Gastronomie GmbH、Wonderfield TopCo Limitedなどが行っています。
グローバルファストフード
親子丼・京風うどんの「なか卯」をはじめ、ハンバーガーチェーンの「ゼッテリア」、ラーメン専門店の「伝丸」、とんかつ専門店の「かつ庵」、武蔵野うどん・天ぷら・しゃぶしゃぶの「久兵衛屋」などを展開しています。マレーシアではチキンライス専門店の「The Chicken Rice Shop」も直営展開しています。収益は、各ファストフード店舗での飲食料品の販売から得ており、当期は前期から増加しました。運営は、なか卯、バーガー・ワン、エイ・ダイニング、かつ庵、久兵衛屋、TCRS Restaurants Sdn.Bhd.などが行っています。
レストラン
ファミリーレストランの「ココス」をはじめ、ハンバーグ&ステーキレストランの「ビッグボーイ」「ヴィクトリアステーション」、パスタ専門店の「ジョリーパスタ」、焼肉レストランの「熟成焼肉いちばん」、本格イタリア料理専門の「オリーブの丘」、和食レストランの「華屋与兵衛」などを展開しています。収益は、各レストラン店舗での飲食料品の販売から得ており、当期は前期から増加しました。運営は、ココスジャパン、ビッグボーイジャパン、ジョリーパスタ、TAG-1、オリーブの丘、華屋与兵衛などが行っています。
小売
スーパーマーケット経営や青果の販売を行っています。北関東を中心に「マルヤ」「ジョイフーズ」などのスーパーマーケットを展開しています。収益は、スーパーマーケットでの食料品販売や青果の販売から得ており、当期は前期からわずかに増加しました。運営は、ジョイマート、ユナイテッドベジーズなどが行っています。
本社・サポート
食品の製造・加工、食材の仕入・販売、物流機能、店舗設備・メンテナンス、備品・ユニフォーム等の調達・販売といったグループ全体のサポート業務を担っています。収益は、グループ内へのサービス提供や販売から得ており、当期は前期から大幅に増加しました。運営は、GFF、ゼンショー商事、グローバルフレッシュサプライ、テクノ建設、グローバルテーブルサプライなどが行っています。
その他の事業セグメント
外販製造卸売事業、介護事業、畜産水産事業など多角的な事業を展開しています。家庭用冷凍食品等の販売を行うトロナジャパン、醤油やドレッシングなどの製造・販売を行うサンビシ、介護事業を運営する輝、玄米・精米の販売を行うゼンショーライスなどが含まれます。収益は、これらの各事業における商品やサービスの提供から得ており、当期は前期から減少しました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| グローバルはま寿司 | 2,485億円 | 3,203億円 |
| グローバルすき家 | 2,958億円 | 3,145億円 |
| グローバル中食 | 2,099億円 | 2,219億円 |
| レストラン | 1,561億円 | 1,713億円 |
| グローバルファストフード | 1,042億円 | 1,128億円 |
| 小売 | 760億円 | 770億円 |
| その他の事業セグメント | 413億円 | 356億円 |
| 本社・サポート | 48.9億円 | 107億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前年同期を上回る結果となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,585億円 | 7,800億円 | 9,658億円 | 1兆1,367億円 | 1兆2,641億円 |
| 経常利益 | 231億円 | 281億円 | 509億円 | 719億円 | 783億円 |
| 経常利益率 | 3.5% | 3.6% | 5.3% | 6.3% | 6.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 139億円 | 133億円 | 307億円 | 393億円 | 458億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 91.17 | 87.30 | 195.41 | 240.45 | 275.85 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期から当期にかけてわずかに減少しました。これらの指標は、同社グループの事業規模拡大と従業員一人あたりの収益創出能力の動向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 60.6百万円 | 61.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.0百万円 | 3.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ゼンショーホールディングスは、安定した財務基盤を築きながら、事業活動を通じて着実に資金を生み出している状況です。積極的な投資も継続しており、今後の成長に向けた基盤を強化していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)の推移から安定していることがわかります。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回っており、財務の健全性が高い水準にあることを示しています。ROEもプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。
手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、事業運営における資金の安定性が確保されている状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を持ち、将来にわたる事業継続性や雇用・給与の安定性にもつながる要素であると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2,404億円 | 3,414億円 |
| 自己資本比率 | 29.5% | 35.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 17.3% | 15.8% |
| 現金及び預金 | 797億円 | 1,281億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費等の計上により、1,012億円の資金増加となりました。これは本業で安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店と改装に伴う有形固定資産の取得等により、△781億円の資金減少となりました。これは将来の成長に向けた積極的な投資が行われている状況です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、第1回社債型種類株式の発行等により198億円の資金増加となりました。営業活動で得た資金と社債発行による資金を、事業拡大のための投資に充てていることがわかります。フリーキャッシュ・フローは231億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金が投資を上回る状況です。これらの資金の流れから、同社グループは安定した事業運営を基盤としつつ、成長投資を継続していることがうかがえ、今後の事業拡大とそれに伴う雇用・給与の安定性にも期待が持てます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 789億円 | 1,012億円 |
| 投資CF | △665億円 | △781億円 |
| 財務CF | △162億円 | 198億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 125億円 | 231億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、海外市場での事業拡大を戦略の一つとしており、展開国における戦争、政情、経済、法規制、自然災害等の予測できない変動リスクやビジネス慣習等のカントリーリスクを認識しています。また、出店候補地の減少や外部環境の変化等により、出店計画に変更が生じる場合には、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループにとって人財の確保は、お客様に満足してもらえる店舗オペレーションを維持する上で重要な経営課題となっています。労働需給バランスの悪化などによって十分な人財確保ができない場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ゼンショーホールディングスは、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という創業当初からの企業理念を掲げ、食を通じて人類社会の安定と発展に貢献することを目指しています。同社グループは、この理念に基づき、グローバルに事業を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ゼンショーホールディングスは、「世界から飢餓と貧困を撲滅する」という創業当初からの企業理念を掲げています。この理念をさらに進化させ、「食を通じて、人類社会の安定と発展に責任をおう」企業であり続けることを目指しています。
同社グループは、人種・宗教・民族文化が生み出す様々な対立を乗り越え、人類全体が平和的に共生できる「食のインフラ」の構築を通じて、この責任を全うする方針です。その使命として、世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供するため、グローバルに事業を展開しています。メニュー開発から販売までを一貫してコントロールするMMD(マス・マーチャンダイジング・システム)の構築にも努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ゼンショーホールディングスは、「食を通じて、人類社会の安定と発展に責任をおい、世界から飢餓と貧困を撲滅する」という経営理念を掲げています。同社グループの行動指針である「ゼンショーグループ憲章」の冒頭には、「ゼンショーグループ宣言」として「万人が真に平等で、持続可能な調和的発展を続けることのできる社会を実現する」ことを掲げています。
同社は人材を「人財」と表記し、「多様性、主体性、独創性を尊び、ひとりひとりがいきいきと働ける活力組織」を目指すべき組織像の一つとしています。多文化共生の相互理解を重視し、2021年7月には「日本文化研修センター」を設置しました。様々な国籍や文化を持つ人財が活躍できる環境づくりにも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ゼンショーホールディングスは、優先的に対処すべき課題として、食の安全性の追求を最重要視しています。Codex基準をベースとした自社基準を設定し、フードチェーン全体で食品安全マネジメントを完結させることで、食の安全のトレーサビリティーを保証しています。
また、人財の採用及び育成、労働環境の改善も重点テーマです。優秀な人財の採用と育成、女性社員の活躍推進を含む多様な働き方の促進、中途採用やグローバル人財の強化を進めています。労働環境改善のため、管理職層に対するコンプライアンス教育の強化やハラスメント防止対策、DX推進による作業効率化、人事評価制度・給与制度・福利厚生の見直し等に取り組んでいます。
さらに、お客様の利便性向上と迅速な経営判断に資するシステム構築、DXへの積極的な取り組み、気候変動や為替変動に対応した食材の安定供給も重要な課題としています。グローバルな調達網の強化や、調達・配送網の再編、新たな調達チャネルの開拓を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ゼンショーホールディングスは、取締役会の監督機能強化と意思決定・業務執行の迅速化を目指し、監査等委員会設置会社制度を採用しています。この体制により、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ゼンショーホールディングスの筆頭株主は、同社の代表取締役会長(当時)および二親等以内の血族が議決権を所有する日本クリエイトです。この構成は、創業家が同社グループの経営に強い影響力を持っていることを示しています。また、信託銀行やゼンショーグループ社員持株会も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本クリエイト | 36.16% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.92% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.84% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
ゼンショーホールディングスの役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長兼CEO兼グループデザイン室長は小川洋平氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小川 洋平 | 代表取締役社長兼CEO兼グループデザイン室長 | 2004年財務省入省。2016年同社入社、経営戦略室長。執行役員、取締役を経て、2025年6月より現職。 |
| 野々下 信也 | 常務取締役グループIT本部長 | 1979年日本アイ・ビー・エム入社。2007年同社入社、執行役員グループIT本部長。2019年取締役、2022年6月より現職。 |
| 平野 誠 | 取締役グループ食品安全追求本部顧問兼㈱ゼンショーファクトリーホールディングス顧問 | 1982年ネスレ日本入社。2004年同社入社、取締役。食品安全追求本部長などを歴任し、2025年9月より現職。 |
| 小川 一政 | 取締役日本文化研修センター代表 | 2001年日商エレクトロニクス入社。2006年同社入社、関連企業室マネジャー。取締役、常務取締役を経て、2023年6月より現職。 |
社外取締役は、伊東千秋氏(富士通元代表取締役副社長)、安藤隆春氏(警察庁元長官)、山名昌衛氏(コニカミノルタ元代表執行役社長兼CEO)、永妻玲子氏(X Corp. Japan元代表取締役社長)、渡辺秀雄氏(大和総研ホールディングス元代表取締役副社長・常勤監査等委員)、宮嶋之雄氏(双日インシュアランス元代表取締役社長・監査等委員)、金子健一氏(東京アドエージェンシー元代表取締役社長・監査等委員)、丸山寿氏(レゾナック元代表取締役社長執行役員兼CEO)です。
ゼンショーホールディングスは監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と意思決定・業務執行の迅速化を図っています。独立社外取締役は豊富な経験と幅広い知見に基づき、業務執行取締役の監督や経営全般への助言を通じて、経営の健全化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ゼンショーホールディングスの役員報酬は、固定報酬、業績連動報酬、そして業績連動型株式報酬で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役には固定報酬のみが支給されます。金銭報酬と株式報酬の割合は、業績や株価によって変動しますが、概ね金銭報酬が75%、株式報酬が25%となるように設計されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 8.7億円 | 1.75億円 |
| 社外役員 | 8名 | 99百万円 | 12.4百万円 |
同社グループの役員報酬等の総額は9.72億円であり、報酬の支給対象となった役員の合計人数は13名です。
個人別報酬が開示されている役員は、小川賢太郎氏(4.93億円)、小川洋平氏(1.97億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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