※本記事は、株式会社安楽亭 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
安楽亭グループは、焼肉レストラン「安楽亭」「七輪房」を中心に、ステーキレストラン「ステーキのどん」、しゃぶしゃぶ「しゃぶしゃぶどん亭」などのレストラン事業をグループ各社とともに展開しています。多様な食のニーズに応える幅広い業態を提供しています。
単体従業員数は225名、連結従業員数は551名です。同社グループの事業セグメントは、安楽亭・七輪房業態、アークミール業態、その他業態の3つです。
主な国内グループ会社は、アークミール(アークミール業態)、サリックスマーチャンダイズシステムズなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
安楽亭グループは、外食産業において多様な業態を展開しており、従業員の働きがいと成長を重視する環境が特徴です。人材の採用・育成・定着に力を入れ、多様な人材が能力を最大限に発揮できる職場づくりを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数や平均年齢から、比較的若い世代の従業員が活躍している傾向が見られます。人材戦略として、若い世代の積極的な採用を進めていることが、これらの傾向に影響していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 3,903,143円 |
| 平均勤続年数 | 6.9年 |
| 平均年齢 | 36.9歳 |
| 単体従業員数 | 225人 |
| 連結従業員数 | 551人 |
| 単体のグループ内比率 | 40.8% |
退職給付制度
同社グループは、退職金規程に基づく社内積立の退職一時金制度を採用しています。また、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を導入しています。
退職給付債務は5.2億円、年金資産は1.4億円となっています。連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は21百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「食を通じて地域社会の豊かな生活文化の向上に貢献する」という経営理念の実現に向けて、「人」を最も重要な経営基盤と位置付けています。人材の採用・育成・定着の対策強化、幹部人材育成、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境整備を進めています。
報酬制度は、適切な報酬体系と働きやすい職場環境を整備し、従業員が目標達成と自己成長へのモチベーションを高められるように設計されています。具体的には、「課題の達成」「プロセス・努力」「連携協力」「新たな学び・インプット」等の評価基準に基づき、四半期ごとに評価査定を実施し報酬に反映しています。
また、多様な人材の確保・育成、労働環境の改善にも取り組んでいます。必要とする専門的知見や能力を持った人材の積極的な中途採用と、実務に即した人事制度に基づく人材育成が中心です。組織体制および人事制度の刷新、店内労働へのIT支援導入等を通じて、働き方の多様性を尊重した労働環境改善も目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 9.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 80.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 75.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 106.7% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱アークミール
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 37.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 70.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 68.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 113.5% |
▼ ㈱サリックスマーチャンダイズシステムズ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 28.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 64.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 89.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 60.9% |
▼ ㈱アン情報サービス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 50.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 48.5%
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社グループは、レストラン事業を主軸に展開しており、顧客への飲食サービスの提供を通じて収益を上げています。収益は、顧客からの注文に基づく料理提供が完了し、対価を受領した時点で認識されます。同社グループの事業は、主に「安楽亭・七輪房業態」「アークミール業態」「その他業態」の3つのセグメントで構成されています。
国内での外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えるため、事業は日本国内が中心となっています。特定の顧客への売上高が連結売上高の10%以上を占めることはありません。
安楽亭・七輪房業態
郊外型で開放的な空間での焼肉をリーズナブルな価格で提供する「安楽亭」と、客単価が高く個室を多く配置し落ち着いた空間での食事を提供する「七輪房」のレストラン事業を展開しています。収益は、焼肉を中心とした飲食サービスの提供から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しました。
アークミール業態
「ステーキのどん」「しゃぶしゃぶどん亭」「フォルクス(ステーキ)」といったレストラン事業を展開しています。収益は、ステーキやしゃぶしゃぶを中心とした飲食サービスの提供から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。
その他業態
「からくに屋」「花炎亭」といった焼肉レストランのほか、「上海菜館(中華)」「カフェビーンズ(喫茶)」「安楽亭ベトナム(焼肉)」など、多様なコンセプトのレストランを展開しています。収益は、焼肉以外の和食、洋食、中華を含む幅広い飲食サービスの提供から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| アークミール | 186億円 | 196億円 |
| 安楽亭・七輪房業態 | 114億円 | 107億円 |
| その他事業 | 4.3億円 | 5.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期にわたり増加傾向を示しています。経常利益は変動が見られるものの、直近2期は10億円を超える水準で推移しています。親会社株主に帰属する当期純利益も変動がありますが、直近の連結会計年度では増加となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、直近の連結会計年度において大幅な増加を記録しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 235億円 | 286億円 | 303億円 | 304億円 | 308億円 |
| 経常利益 | 8.7億円 | 2.5億円 | 13.1億円 | 13.7億円 | 13.2億円 |
| 経常利益率 | 3.7% | 0.9% | 4.3% | 4.5% | 4.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.8億円 | △2.5億円 | 9.7億円 | 5.9億円 | 8.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 112.92 | △59.37 | 217.28 | 127.66 | 184.23 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する傾向を示しています。これらの指標は、組織全体の効率性や収益創出能力の推移を示すものとなります。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 65.7百万円 | 55.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.2百万円 | 2.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
安楽亭グループは、安定した財務基盤を維持しつつ、事業活動を通じて着実に資金を生み出している状況です。入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で、財務の健全性は重要な要素となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
安楽亭グループの自己資本比率は、前期から増加し、プライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)も前期から向上し、プライム市場平均を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び預金も増加しており、財務基盤の厚みが増していることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 74.3億円 | 82.7億円 |
| 自己資本比率 | 30.6% | 32.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.3% | 10.8% |
| 現金及び預金 | 71.9億円 | 79.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における安楽亭グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の計上等により、前期と比べて収入が増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等により、前期と比べて支出が増加しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出が増加したこと等により、前期の収入から支出へと転じました。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは前期から増加し、プラスを維持しています。本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いつつ、自由に使える資金を確保している状況です。これは、事業の持続的な成長と雇用・給与の安定性につながる財務状況を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 13.0億円 | 19.7億円 |
| 投資CF | △3.0億円 | △6.9億円 |
| 財務CF | 12.3億円 | △4.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10.0億円 | 12.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
安楽亭グループは、食の安全・安心に関する問題が発生した場合、風評被害により業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模災害や天候不順等により製造・物流機能が停止したり、原材料価格が高騰したりした場合にも、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性を認識しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、経営資源の中で人材の確保と育成を最重要課題としています。しかし、そのような人材の確保と育成ができなかった場合、将来の成長、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
安楽亭グループは、「食を通じて地域社会の豊かな生活文化の向上に貢献する」という理念を掲げ、お客様に「安全・健康」に配慮した商品と「おもてなし」のサービスを提供することを目指しています。地域社会に深く根ざし、多くの人々の喜びを実現できる企業となることを追求する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「食を通じて地域社会の豊かな生活文化の向上に貢献する」という経営理念を基本方針としています。お客様のご要望に適う、魅力あふれる「安全・健康」に配慮した商品を、心をこめた「おもてなし」のサービスにより提供することを目指しています。
お客様から信頼される地域サービスの提供者として継続的な発展を追求し、企業活動に関わる多くの人々の喜びを実現できる企業になることを目標としています。中長期的な経営戦略としては、「外部環境の変化への対応と店舗営業力の強化」「社会的責任への対応」を二大方針に据え、企業価値の向上を目指す方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「食を通じて地域社会の豊かな生活文化の向上に貢献する」という理念に基づき、お客様への「安全・健康」と「おもてなし」を重視する企業風土があります。サステナビリティの推進においては、コスト削減、生産性向上、環境負荷低減のため、省エネ設備の導入や食材廃棄・プラスチックごみの減量に取り組んでいます。
人的資本への投資を重視しており、多様な人材の確保・育成、労働環境の改善を進めています。専門的知見や能力を持った人材の積極的な中途採用と、実務に即した人事制度に基づく人材育成が中心です。組織体制や人事制度の刷新、IT支援導入を通じて、働き方の多様性を尊重した労働環境改善を目指しています。管理職の登用においては、性別・国籍・採用ルート・勤続年数等の制約を一切設けておらず、中途採用者、女性、外国人ともに積極的に人材登用されています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、外食業界における食材費や人件費等のコスト上昇、消費者の節約志向、人手不足といった厳しい経営環境に直面しています。このような状況に対し、お客様に選ばれるレストランであるために、より価値ある外食体験を優れたコストパフォーマンスで提供することを重要課題と捉えています。
新時代のニーズに応える新業態や新商品の開発、サービス向上、各業態の魅力や強みをお客様に実感いただくための施策に力を入れています。また、DXやAI活用によって業務生産性とお客様の利便性を両立して引き上げていく計画です。これらの取り組みを支えるため、明確な目的感を持った組織構築と、多様な人材の確保と育成をさらに進め、計画的な人的投資を進めていく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
安楽亭の取締役会は社外取締役を含む6名で構成され、経営に関する重要事項の決定と業務執行の監督を行っています。同社は監査役会設置会社として、監査役が取締役の職務執行を監査する体制を整えています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
安楽亭の筆頭株主は豊山開発です。上位株主には、同社の代表取締役社長である柳先氏といった個人株主が名を連ねています。また、上位には関連会社と見られる法人株主も複数存在しており、創業家やその関連会社が同社の資本構成において一定の影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 豊山開発 | 11.60% |
| 北与野エステート | 4.58% |
| 柳 先 | 4.42% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は柳先氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 柳 先 | 代表取締役社長 | 2000年11月同社入社、アン情報サービス代表取締役社長、アークミール代表取締役社長などを経て、2019年6月より同社代表取締役社長。 |
| 柳 允 | 常務取締役商品本部長 | 2001年3月同社入社、サリックスマーチャンダイズシステムズ代表取締役社長、相澤代表取締役社長などを経て、2022年4月より同社常務取締役商品本部長。 |
| 青 木 茂 雄 | 取締役営業副本部長 | 2001年11月同社入社、同社埼玉エリア部長、営業本部長などを経て、2024年6月より同社取締役営業副本部長。 |
| 日比野 健朗 | 取締役東海エリア部長 | 2010年4月同社入社、同社静岡エリア次長、東海エリア部長などを経て、2024年6月より同社取締役東海エリア部長。 |
社外取締役は、河合明弘氏(さいたま新都心税理士法人代表社員・養和監査法人代表社員・東京産業取締役監査等委員)、蒲島竜也氏(社会保険労務士法人LMC社労士事務所代表社員)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名を含む6名の取締役会と、社外監査役2名を含む3名の監査役会で構成されています。社外取締役は専門知識と経験に基づき、経営への助言と監督機能を通じて透明性・客観性の向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
安楽亭の役員報酬は、企業価値の持続的向上と優秀な人材確保を目的として設計されています。報酬体系は固定金額報酬を基本とし、社内取締役には業績連動報酬として賞与が支給される仕組みです。社外取締役の報酬は固定金額報酬のみで構成されており、監督機能の独立性が保たれています。業績連動報酬は、経常利益や当期純利益の達成状況、個人の貢献度などを総合的に評価して決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 61百万円 | 15.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 7.1百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 17百万円 | 4.2百万円 |
当事業年度において、報酬等の支給対象となった役員の総数は9名であり、報酬等の総額は84百万円です。なお、提出会社の役員が当事業年度に受けている報酬等は基本報酬のみとなっています。
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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