バッファロー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

バッファロー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

バッファローは東京証券取引所スタンダード市場に上場し、関東エリアでカー用品店「オートバックス」のフランチャイズ運営を行う企業です。近年は「焼肉ライク」や「PISOLA」のフランチャイズ展開で飲食事業の多角化も進めており、直近の業績は両事業の堅調な推移により増収増益を達成して成長を続けています。


※本記事は、株式会社バッファローの有価証券報告書(第44期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月18日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準はJapan GAAPです。

1. バッファローってどんな会社?


オートバックスのフランチャイズ運営と飲食事業の多角化を進める企業です。

(1) 会社概要


1983年にバッファローオートパーツとして設立され、オートバックスセブンとフランチャイズ契約を締結して埼玉県川口市に第1号店を開設しました。2003年に現在のバッファローへ商号変更し、2004年にジャスダックへ上場を果たします。2019年にはバッファローフードサービスを設立して飲食事業へ参入しました。

従業員数は連結で336名、単体で261名です。筆頭株主はフランチャイズ本部である事業会社のオートバックスセブンで、第2位は個人株主の増田清高氏、第3位は創業家で現代表取締役社長の坂本裕二氏となっています。

氏名 持株比率
オートバックスセブン 21.29%
増田 清高 11.09%
坂本 裕二 9.94%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員営業本部長は坂本裕二氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
坂本 裕二 代表取締役社長執行役員営業本部長 1988年同社入社。総店長等を経て2000年に代表取締役社長へ就任。2011年より現職。
牧野 博章 取締役常務執行役員営業副本部長 1997年同社入社。北エリア営業部長や南エリア営業部長等を経て、2023年より現職。
日下部 直喜 取締役常務執行役員管理本部長 1988年オートバックスセブン入社、2003年同社入社。管理本部長等を経て2023年より現職。
藤田 俊介 取締役(監査等委員) 1970年兼松事務機入社。兼松エレクトロニクス経理部長等を経て2010年同社入社。2018年より現職。


社外取締役は、井手秀博(元オートバックスセブン取締役常務執行役員)、山口乾(元あいおいニッセイ同和損害保険理事名古屋支店長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「オートバックス事業」および「飲食事業」を展開しています。

オートバックス事業


カー用品の小売販売や車検・整備、自動車の買取・販売、自動車保険サービスを提供しています。一般の個人顧客を対象とし、埼玉県南西部から東京都北部にかけて15店舗を展開しています。

商品販売やピットサービス工賃などを顧客から受け取るモデルです。フランチャイズ本部であるオートバックスセブンからの商品の仕入れやロイヤリティの支払いを行いつつ、店舗運営は同社が単独で行っています。

飲食事業


個人顧客をメインターゲットとし、繁華街を中心に焼肉ファストフード「焼肉ライク」やイタリアンレストラン「PISOLA」を運営しています。食のニーズの多様化に応えるサービスを提供しています。

店舗での飲食代金として顧客から直接料金を受け取る収益モデルです。焼肉ライクおよびピソラとそれぞれフランチャイズ契約を結び、運営は連結子会社のバッファローフードサービスが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5年間の売上高は右肩上がりで成長を続けており、100億円台から137億円へと着実に規模を拡大しています。経常利益は一時的に落ち込む時期もありましたが、直近は持ち直し、増収増益のトレンドを維持しています。利益率も安定して推移しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 100億円 108億円 112億円 122億円 137億円
経常利益 5.7億円 5.6億円 4.6億円 5.4億円 6.5億円
利益率(%) 5.7% 5.2% 4.1% 4.5% 4.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 3.6億円 2.7億円 1.1億円 3.5億円 5.0億円

(2) 損益計算書


売上高の拡大に伴い、売上総利益も順調に増加しています。売上総利益率は50%台半ばで推移し、営業利益も増加傾向にあることから、本業での収益力が着実に高まっていることが分かります。

項目 2025年3月期 2026年3月期
売上高 122億円 137億円
売上総利益 64億円 76億円
売上総利益率(%) 52.3% 55.4%
営業利益 5.1億円 6.1億円
営業利益率(%) 4.2% 4.4%


販売費及び一般管理費のうち、従業員給料及び手当が25億円(構成比35%)、支払ロイヤリティが11億円(同15%)、地代家賃が7.6億円(同11%)を占めています。

(3) セグメント収益


オートバックス事業は、車検整備の拡大やタイヤ販売の堅調な推移により増収となっています。飲食事業は、新規出店の効果や既存店の来店客数回復により大幅な売上成長を記録し、事業規模の拡大を牽引しています。

区分 売上(2025年3月期) 売上(2026年3月期)
オートバックス事業 110億円 117億円
飲食事業 11億円 20億円
連結(合計) 122億円 137億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFがプラス、投資CFと財務CFがマイナスとなっており、営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業の健全型パターンを示しています。企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は7.0%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は66.1%で市場平均を上回っています。

項目 2025年3月期 2026年3月期
営業CF 6.0億円 9.3億円
投資CF -6.6億円 -4.6億円
財務CF 3.9億円 -0.2億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「接客こそ人間形成である」という人材育成の信念の下に、接客販売を基本とした固定客づくりを実践しています。接客・接遇の質を高め、お客様に最良の商品・技術・サービス・情報を提供するとともに、コンプライアンスの徹底や透明性の高い経営により、ステークホルダーの信頼に応えることを方針として掲げています。

(2) 企業文化


創業時から接客販売を通じた顧客との信頼関係構築を重視し、「従業員ファースト」の企業風土が根付いています。現役員陣の多くが現場経験者であり、従業員の悩みや不安に寄り添い的確な指導ができる風通しの良い環境が特徴です。また、「フレンドリー」で「プロフェッショナル」な人材育成を重視しています。

(3) 経営計画・目標


2025年3月期から2029年3月期までの5ヶ年を対象とする「中期経営計画2024」において、以下の経営目標(2029年3月期)を掲げています。

* 売上高:163億円
* 経常利益:10億円

(4) 成長戦略と重点施策


オートバックス事業では、車検・整備の顧客数拡大やオリジナル板金・塗装サービス等の拡販を図りつつ、低価格帯タイヤの品揃え強化やWeb予約の活用で販売効率を高めます。飲食事業では新たな事業の柱としてイタリアンレストラン「PISOLA」の展開を進めるなど、事業規模の拡大と経営基盤の確立を目指しています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


「フレンドリー」で「プロフェッショナル」な人材の育成を目指し、高度な専門性を備えたスタッフの育成や接遇力の向上に努めています。また、働きがいのある職場づくりとして「週休3日制」の導入等によるワークライフバランスの推進や、特定技能労働者などの外国人材の受け入れによる多様な人材確保を進めています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年3月期 39.5歳 12.0年 6,453,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 0.0%
男性育児休業取得率 0.0%
男女賃金差異(全労働者) 68.4%
男女賃金差異(正規雇用) 68.4%
男女賃金差異(非正規雇用) 93.1%


また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性正社員の採用人数比率実績(33.3%)、女性の平均勤続年数実績(6.0年)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 競合等について

カー用品市場および外食市場は既に成熟し多数の競合店が存在するため、相対的な事業競争力が低下した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。対策として接客力の強化やオリジナルサービスの提供、独自コンセプトの飲食店舗展開で差別化を図っています。

(2) フランチャイズチェン契約の出店計画への影響について

フランチャイズ契約下で店舗を展開しており、新規出店の可否はフランチャイズ本部の決定に依存します。本部の判断により計画通りの出店が進まない場合、事業領域の拡大や業績成長に影響が生じるリスクがあります。

(3) 人材確保について

少子高齢化等の要因で小売・外食業界全般で採用難や人手不足が顕在化しており、人材確保にかかるコストが上昇するリスクがあります。採用活動の多様化や週休3日制の導入など、労働環境の向上と定着化を図り対策を進めています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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