※本記事は、株式会社バッファロー の有価証券報告書(第43期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月19日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. バッファローってどんな会社?
オートバックスの有力フランチャイジーとしてカー用品販売を行うほか、飲食FC事業も展開する企業です。
■(1) 会社概要
同社は1983年に設立され、埼玉県川口市にオートバックス川口店を開設しました。2003年に現在の社名へ変更し、2004年にはジャスダック証券取引所へ上場を果たしています。その後、事業多角化の一環として2019年に飲食事業を運営する子会社バッファローフードサービスを設立しました。2022年の市場区分見直しに伴い、現在は東証スタンダード市場に上場しています。
2025年3月31日時点で、連結従業員数は297名(単体231名)です。大株主構成を見ると、筆頭株主はフランチャイザーである事業会社のオートバックスセブンで、第2位は個人(増田清高氏)、第3位は同社代表取締役社長の坂本裕二氏となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| オートバックスセブン | 21.29% |
| 増田 清高 | 11.09% |
| 坂本 裕二 | 9.83% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長執行役員営業本部長は坂本裕二氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 坂本 裕二 | 代表取締役社長執行役員営業本部長 | 1988年同社入社。総店長、専務取締役等を経て2000年代表取締役社長に就任。2011年より現職。 |
| 牧野 博章 | 取締役常務執行役員営業副本部長 | 1997年同社入社。北エリア営業部長、南エリア営業部長等を歴任。2023年より現職。 |
| 日下部 直喜 | 取締役常務執行役員管理本部長 | 1988年オートバックスセブン入社。2003年同社入社。管理部長を経て2023年より現職。 |
| 藤田 俊介 | 取締役(監査等委員) | 元兼松エレクトロニクス常勤監査役。2010年同社入社、東浦和店事務長等を経て2018年より現職。 |
社外取締役は、井手秀博(元オートバックスセブン常勤監査役)、山口乾(元ロートピア社長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「オートバックス事業」および「飲食事業」を展開しています。
■(1) オートバックス事業
埼玉県南西部から東京都北部にかけて「オートバックス」を15店舗展開しています。一般消費者を対象に、タイヤ・ホイール、カーエレクトロニクス等のカー用品の販売・取付を行うほか、車検・整備、自動車の買取・販売、自動車保険サービスなどを提供しています。
収益は、店舗に来店した顧客からの商品代金およびサービス料です。運営は主にバッファローが行っており、事業エリアを集約することで効率的な運営体制を構築しています。オートバックスセブンのフランチャイジーとして地域に密着した店舗展開を行っています。
■(2) 飲食事業
都市部の繁華街を中心に「焼肉ライク」を6店舗運営するほか、イタリアンレストラン「PISOLA」のフランチャイズ展開を開始し、2025年3月期末時点で3店舗を運営しています。個人客をターゲットとした焼肉店や、リゾート感を重視したレストランを提供しています。
収益は、店舗を利用する顧客からの飲食代金です。運営は連結子会社であるバッファローフードサービスが行っています。オートバックス事業に次ぐ第2の柱として育成を進めており、新規出店による事業拡大を図っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は95億円から122億円へと拡大傾向にあります。経常利益は4.4億円から6.7億円の間で推移しており、2024年3月期に一時減少しましたが、直近では回復しています。当期利益も増益基調を維持しており、全体として堅調な成長を見せています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 95億円 | 100億円 | 108億円 | 112億円 | 122億円 |
| 経常利益 | 4.4億円 | 5.7億円 | 5.6億円 | 4.6億円 | 5.4億円 |
| 利益率(%) | 4.7% | 5.7% | 5.2% | 4.1% | 4.5% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 2.9億円 | 3.5億円 | 3.3億円 | 1.1億円 | 3.4億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は約10億円増加し、売上総利益率も47.5%から52.3%へと改善しました。営業利益は4.1億円から5.1億円へ増加しています。売上原価の減少や飲食事業の拡大などが寄与し、収益性が向上していることが読み取れます。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 112億円 | 122億円 |
| 売上総利益 | 53億円 | 64億円 |
| 売上総利益率(%) | 47.5% | 52.3% |
| 営業利益 | 4.1億円 | 5.1億円 |
| 営業利益率(%) | 3.7% | 4.2% |
販売費及び一般管理費のうち、従業員給料及び手当が21億円(構成比36%)、支払ロイヤリティが10億円(同17%)、地代家賃が7億円(同12%)を占めています。
■(3) セグメント収益
オートバックス事業はタイヤ販売や車検・整備が好調で増収増益となりました。飲食事業は新規出店により売上が大幅に増加しましたが、先行投資等の影響で赤字となっています。
| 区分 | 売上(2024年3月期) | 売上(2025年3月期) | 利益(2024年3月期) | 利益(2025年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| オートバックス事業 | 106億円 | 110億円 | 9億円 | 10億円 | 8.7% |
| 飲食事業 | 6.5億円 | 11億円 | -1.0億円 | -1.0億円 | -9.1% |
| 調整額 | - | - | -3.6億円 | -3.5億円 | - |
| 連結(合計) | 112億円 | 122億円 | 4.1億円 | 5.1億円 | 4.2% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は5.6%で市場平均(スタンダード市場7.2%)を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は68.0%で市場平均(スタンダード市場非製造業48.5%)を上回っています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.5億円 | 6.0億円 |
| 投資CF | -1.3億円 | -6.6億円 |
| 財務CF | -1.4億円 | 3.9億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「接客こそ人間形成である」という信念のもと、接客販売を基本とした固定客づくりを重視しています。顧客に最良の商品・技術・サービス・情報を提供し続けること、企業の社会的責任を意識した透明性の高い経営を行うことを基本方針としています。
■(2) 企業文化
創業以来、接客販売を通じた顧客との信頼関係構築を重視する文化があります。従業員には「フレンドリー」で「プロフェッショナル」であることが求められ、接客・接遇に関する教育への継続的な取り組みにより、顧客満足度の向上を目指す姿勢が社風として定着しています。
■(3) 経営計画・目標
2029年3月期を最終年度とする5ヶ年計画「中期経営計画2024」を策定しています。オートバックス事業の更なる拡大と、飲食事業の本格化による第2の柱の構築を目指しています。
* 2029年3月期 売上高:163億円(2024年3月期比45.3%増)
* 2029年3月期 経常利益:10億円(2024年3月期比117.6%増)
■(4) 成長戦略と重点施策
オートバックス事業では、車検・整備や板金・塗装などのピットサービスを強化し、顧客数拡大を図ります。また、2029年3月期までに5店舗を出店し、20店舗体制を目指します。飲食事業では、「焼肉ライク」に加え、イタリアンレストラン「PISOLA」のフランチャイズ展開を推進し、新たな事業の柱として確立することを目指しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
「フレンドリー」で「プロフェッショナル」な人材の育成を掲げ、接客・接遇教育に注力しています。また、高度化する整備技術に対応できる専門スタッフの育成や、外国人材を含む多様な人材確保を進めています。働き方改革として、週休3日制の導入やベースアップの実施など、労働環境の向上にも取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均(598万円)をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 40.1歳 | 13.1年 | 6,163,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | 0.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 68.8% |
| 男女賃金差異(正規) | 70.1% |
| 男女賃金差異(非正規) | 93.4% |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性正社員の採用人数(実績0.0%)、女性の平均勤続年数(実績6.0年)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 競合等について
カー用品市場および外食市場は成熟しており、商圏内に多数の競合店が存在します。特にタイヤに関しては、ネット通販業者との競合が激化しています。同社は接客・接遇の強化やオリジナルサービスの展開により差別化を図っていますが、競争力の低下は業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) 人材確保
小売・外食業界では少子高齢化等による人手不足が深刻化しています。労働需給の変化により採用難や人件費の高騰が進んだ場合、業績に影響を与える可能性があります。同社はベースアップや週休3日制の導入など、労働環境の改善により人材の確保・定着に努めています。
■(3) フランチャイズチェン契約の出店計画への影響
同社はフランチャイズ本部との契約に基づき店舗展開を行っています。新規出店の際には本部の許諾が必要であり、立地条件や採算性等の審査があります。本部の判断により計画通りの出店ができない場合、同社の成長戦略や業績に影響が生じる可能性があります。
■(4) 出店に関する規制等について
オートバックス事業の新規出店や増床に際しては、「大規模小売店舗立地法」や「都市計画法」等の規制を受ける可能性があります。これらの法的規制により計画通りの出店が困難となった場合、今後の事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。



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