※本記事は、ヒラキ株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ヒラキは、自社企画開発による靴・履物(直輸入商品)を中心に、衣料や日用雑貨品などの幅広い商品を展開しています。通信販売事業、店舗販売事業、卸販売事業を通じて、多様なチャネルで顧客に商品を提供しています。
単体従業員数は230名、連結従業員数は234名です。事業セグメントは通信販売事業、店舗販売事業、卸販売事業の3つです。
ヒラキは、連結子会社1社(上海平木福客商業有限公司)とともに事業を展開しています。上海平木福客商業有限公司は、同社グループの各事業セグメントで販売する商品を調達する役割を担っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ヒラキは、従業員の平均勤続年数が長く、比較的年齢層も高めであることから、安定した環境でキャリアを築ける可能性がうかがえます。同社グループは人材を重要な資本と位置付け、多様な人材の活躍推進や次世代育成に力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均勤続年数が長く、平均年齢も高めであることから、従業員が長期的に定着し、経験を積んでいる傾向が見られます。単体従業員数が連結従業員数に占める割合が非常に高く、同社がグループ全体の事業運営において中心的な役割を担っていることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,850,000円 |
| 平均勤続年数 | 17.0年 |
| 平均年齢 | 46.5歳 |
| 単体従業員数 | 230人 |
| 連結従業員数 | 234人 |
| 単体のグループ内比率 | 98.3% |
同社は、確定給付型の制度として退職一時金制度を、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を採用しています。
退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を投資によって価値が増大する人的資本と位置付け、中長期的な持続的成長の根幹をなすものと認識しています。事業環境の変化に対応し、成長戦略を推進するため、専門性の向上、多様な人材の活躍推進、次世代人材の育成、適所適材の配置を人材戦略の基本方針としています。特にDX推進による商品力・販売力強化、EC領域の高度化、業務効率化を担う人材の育成に注力しています。
従業員の給与その他の給付は、中期経営計画に基づく人材戦略との整合性を踏まえ、従業員の役割、職責、能力、成果、および同社グループの業績等を総合的に勘案して決定することを基本方針としています。安定的な処遇を確保する基本給をベースとしつつ、職務・役割の重要性、発揮された能力、業績評価、貢献度を適切に反映する体系を採用しています。給与水準は、外部労働市場の動向、同業他社の水準、物価動向、同社グループの支払能力等を踏まえ、社内の公平性および納得性にも配慮して決定されています。
「企業は人で決まる」という考えのもと、多様な価値観を持った人材が集い、活かせる環境づくりに取り組んでいます。採用・登用は性別や国籍等に関わりなく、同一の基準で行うことを基本としています。女性の管理職への登用を積極的に推進し、母集団の拡大に努めています。
中途採用者を積極的に採用し、即戦力として登用する一方で、今後は新卒採用者の管理職育成を重要課題と位置付け、年度採用計画において新卒採用者の割合を増やしていく方針です。従業員の人間性尊重を経営の基本原則とし、仕事を通じて能力を開発する環境を整備し、意欲ある者が挑戦して報われる社風づくりを目指しています。働き方の多様化に対応し、女性を含む全ての従業員が能力を十分に発揮できる明るく働きやすい職場を目指すとともに、デジタル技術を使った仕組みにより生産性の向上を図り、ニューノーマル時代を見据えた働き方改革を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 7.1% |
| 男性育児休業取得率 | 50.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 58.1% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 72.7% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 97.5% |
商品開発に関する指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| サステナブル商品の開発割合 | 7.1% |
適正な在庫管理に関する指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 棚卸資産回転率 | 3.9 |
人材の育成に関する指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 係長以上に占める女性の割合 | 24% |
| 年度採用者に占める新卒採用割合 | 50% |
| 社員の年次有給休暇平均取得日数 | 26%増 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ヒラキは、自社で企画開発した靴・履物を中心に、衣料や日用雑貨品などを多角的に販売する事業を展開しています。通信販売、店舗販売、卸販売の3つの事業セグメントを通じて、幅広い顧客層に商品を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ヒラキグループは、ヒラキ株式会社を中核とし、連結子会社1社で構成されています。同社グループは、自社で企画開発した靴・履物を主力商品とし、これに加えて衣料品や日用雑貨品なども取り扱っています。これらの商品は、通信販売、店舗販売、卸販売という異なるチャネルを通じて顧客に提供されており、連結子会社である上海平木福客商業有限公司が商品の調達を担っています。同社グループの事業は、主に国内市場に焦点を当てて展開されています。
通信販売事業
カタログやインターネットを通じて、自社オリジナル商品を中心とした靴・履物、衣料品、日用雑貨品などを販売しています。収益は、これらの商品の販売から得ています。同事業では、新商品の投入やインフルエンサーとのコラボレーション、キャンペーン施策などを積極的に行っていますが、前期と比較して売上は減少しています。
店舗販売事業
ディスカウント業態の総合店舗や靴専門店を通じて、靴・履物、食料品、衣料品、日用雑貨品などを販売しています。収益は、店舗での商品販売から得ています。日用雑貨や新規出店の靴専門店が堅調に推移する一方で、季節商品や競合店の出店が売上に影響を与えることがあります。同事業は同社グループの売上において最も大きな割合を占めていますが、前期と比較して売上はわずかに減少しています。
卸販売事業
OEM開発商品を中心に、大手小売店や量販店などへ靴・履物などを供給しています。収益は、法人顧客への商品販売から得ています。既存取引先の強化や新規取引先の獲得に努めていますが、主力取引先の販売状況が業績に影響を与えることがあります。同事業の売上は前期と比較して減少しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 店舗販売事業 | 66.3億円 | 65.4億円 |
| 通信販売事業 | 61.4億円 | 52.2億円 |
| 卸販売事業 | 1.9億円 | 1.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ヒラキグループの直近5期間の業績を見ると、売上高は減少傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近2期間で損失を計上しています。当連結会計年度においては、売上高が前期から減少し、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失となりました。前期の親会社株主に帰属する当期純損失は減損損失の計上が主な要因でしたが、当期は売上不足が損失の主因であると同社グループは認識しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 152億円 | 143億円 | 133億円 | 130億円 | 119億円 |
| 経常利益 | 7.0億円 | 1.9億円 | 1百万円 | △0百万円 | △3.1億円 |
| 経常利益率 | 4.6% | 1.3% | 0.0% | △0.0% | △2.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.7億円 | 1.1億円 | △15百万円 | △7.7億円 | △4.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 95.78 | 22.94 | △3.12 | △158.59 | △87.66 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ヒラキグループの従業員1人あたりの売上高は、前期から減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益は、前期に比べて損失幅が拡大する結果となりました。これは、同社グループ全体の売上高の減少と営業損失の拡大が影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 54.0百万円 | 50.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △0.0百万円 | △1.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ヒラキは、財務の安定性において、自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を上回る水準を維持しています。一方で、当期は営業活動によるキャッシュフローがマイナスに転じ、本業で資金を使用している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。しかし、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、プライム市場平均を下回る状況です。手元資金は前期から減少しているものの、一定の残高を維持しており、不測の事態への耐性を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 64.8億円 | 60.0億円 |
| 自己資本比率 | 43.2% | 41.6% |
| ROE(自己資本利益率) | △11.2% | △6.8% |
| 現金及び預金 | 64.8億円 | 60.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失や棚卸資産の増加額などにより、資金を使用する状況となりました。投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の払戻による収入が大きく、資金を獲得しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出が長期借入れによる収入を上回り、資金を使用しています。
これらの状況から、本業での資金創出力は課題を抱えているものの、投資活動による資金流入があり、全体としては資金の流動性を確保していることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.6億円 | △0.9億円 |
| 投資CF | △0百万円 | 23.2億円 |
| 財務CF | △3.4億円 | △2.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.6億円 | 22.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、オリジナル商品の生産を主に中国の海外工場に委託しており、中国の経済情勢や為替相場変動が仕入コストに影響を及ぼす可能性があります。また、季節商品や多様なサイズの靴・履物を取り扱うため、商品の長期滞留や評価減が発生し、経営成績に影響を与えるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ヒラキは、「お客様に支持され、社会に貢献し、世の中に必要とされ、そして従業員の拠り所となる会社であり続けること」を経営の基本方針としています。創業以来の社訓とサステナビリティに関する考え方に基づき、持続的な成長と企業価値の向上を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、社訓「人の生命は限りがある。会社の生命を永遠のものにして、次の時代のための礎となろう。」を基盤としています。この社訓に基づき、「お客様に支持され、社会に貢献し、世の中に必要とされ、そして従業員の拠り所となる会社であり続けること」を経営の基本方針として、持続的な成長を目指しています。
この実現に向けて、「お客様が本当に欲しいと思われる商品を、気持ちよく買っていただくこと」をポリシーとした商品作りを行っています。お客様に「驚き」「楽しさ」「満足感」を届けることを通じて、長期安定的な企業価値の向上を図ることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「会社は100%世の中のためにある」というサステナビリティ基本方針を掲げ、全てのステークホルダーから必要とされる「価値」を生み続けることを使命としています。企業行動原理として、「企業の社会的責任の自覚」「お客様志向に徹する」「誠実・公正な行動」「社会貢献と調和」「人間性尊重」の5つを定めています。
特に「人間性尊重」では、ゆとりと心の豊かさを大切にし、バイタリティ溢れる、働き甲斐のある企業風土を築き上げることを目指しています。また、「企業は人で決まる」との考えのもと、多様な価値観を持った人材が集い、活かすことができる環境づくりに取り組んでいます。従業員の人間性尊重を経営の基本原則とし、意欲ある者が挑戦して報われる社風づくりを進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、次期の基本戦略として「ローコスト経営の徹底」および「未来への土台づくり」を掲げています。将来の成長につながる投資として、商品・サービスの見直し、新市場の開拓、人材育成を進めています。
中長期的な取り組みとしては、オリジナル商品力の強化、販売力の強化、靴に関連する事業展開、そしてローコストオペレーションの徹底を推進しています。サステナビリティに関する重要課題として、「商品開発」「適正な在庫管理」「人材の育成」に取り組んでおり、環境に配慮した商品開発や商品廃棄の低減、採用強化と教育体制の充実を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社グループは、長期安定的な企業価値の向上を目指し、経営責任の明確化と迅速な経営判断のため執行役員制度を導入しています。取締役会は業務執行体制を監督・支援し、公正かつ透明性の向上に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
マヤハが筆頭株主であり、同社グループの主要な株主として名を連ねています。その他、金融機関や従業員持株会も上位株主として同社グループを支える構成となっています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つような記述は見られません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| マヤハ | 15.44% |
| 神戸信用金庫 | 5.16% |
| ヒラキ従業員持株会 | 4.85% |
| みなと銀行 | 4.33% |
| 平木 和代 | 4.01% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長執行役員最高執行責任者は梅木孝雄氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 梅 木 孝 雄 | 代表取締役 社長執行役員 最高執行責任者 | 1992年同社入社、通信販売部長、常務執行役員、専務執行役員、取締役、営業本部長、店舗販売事業部長兼店舗統括部長を経て、2025年6月より現職。 |
| 阿 曽 薫 | 取締役専務執行役員 開発商品事業部・店舗販売事業部統括 | 1984年みなと銀行入行、支店長、執行役員、常務執行役員、みなとアセットリサーチ代表取締役社長、みなとビジネスサービス代表取締役社長、みなとリース代表取締役社長を経て、2025年4月同社入社、2026年6月より現職。 |
| 髙 下 幸 弘 | 取締役常務執行役員 経営戦略室長兼現業支援本部長兼総務部長 | 2007年同社入社、現業支援本部副部長、経営戦略室長、執行役員、上席執行役員を経て、2026年6月より現職。 |
| 堀 内 秀 樹 | 取締役執行役員 生野事業所長 兼品質管理部長 | 1999年同社入社、通信販売部長、執行役員、通信販売カンパニー社長、品質管理部長、開発商品事業部長を経て、2014年6月より取締役、2026年4月より現職。 |
社外取締役は、朝家修氏(公認会計士・税理士朝家事務所代表)、船瀬紗代子氏(学校法人西須磨幼稚園副園長)です。
同社は監査役会設置会社です。独立社外取締役は、ステークホルダーの視点から経営の監督を行い、企業価値の向上を図る役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
社外取締役を除く取締役の報酬等は、月例の固定報酬(基本報酬)と業績連動報酬で構成されています。上位の役位ほど業績連動報酬のウェイトが高まる設計です。社外取締役および監査役は、独立した立場での役割を考慮し、基本報酬のみが支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 60百万円 | 15.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 9百万円 | 2.2百万円 |
なお、同社は2004年2月29日をもって役員退職慰労金制度を廃止しており、2004年2月29日までの在任期間に対応する退職慰労金は各取締役の退任時に打ち切り支給されることになっています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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