【平均年収1238万円】MS&ADインシュアランスグループホールディングス 転職ガイド(三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険など):知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収1238万円】MS&ADインシュアランスグループホールディングス 転職ガイド(三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険など):知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険などを傘下に持つ持株会社です。国内損害保険や海外事業など多岐にわたる事業を展開し、直近期は増収増益となりました。


目次

※本記事は、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


MS&ADインシュアランスグループホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は478名、グループ連結従業員数は46,856名です。

同社グループは、連結子会社236社を中心に、国内損害保険、国内生命保険、海外事業、金融サービス、デジタル・リスク関連サービスといった多岐にわたる事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、三井住友海上火災保険(国内損害保険事業)、三井住友海上あいおい生命保険(国内生命保険事業)、MS&ADインターリスク総研などです。

同社グループは、国内損害保険事業体制の再編を進めており、2027年4月1日を効力発生日として、三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険が合併することに最終合意しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を推進しています。同社グループは、中長期的な目標達成に向けて「人的資本経営」を重要な柱と位置づけています。社員の成長、人財ポートフォリオの構築、そしてWell-beingの向上を軸に、多様な人財が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期的にキャリアを形成している傾向が見られます。安定した環境で経験を積むことができる企業文化がうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 12,376,260円
平均勤続年数 21.7年
平均年齢 47.2歳
単体従業員数 478人
連結従業員数 46,856人
単体のグループ内比率 1.0%


なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。

会社名 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
三井住友海上火災保険株式会社 42.2歳 14.8年 8,148,828円
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 44.6歳 16.4年 7,580,511円


同社には、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度があります。これらの制度は、国内および海外のグループ会社に適用されます。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、「グループの2030年度目指す姿」の実現に向けて「人的資本経営」を重要な戦略としています。社員のスキル発揮とキャリア形成、経営戦略と連動した人財ポートフォートフォリオの構築、そしてWell-beingの向上を三つの柱としています。

同社の報酬は、スキルの習得・発揮状況と成果の達成状況を中心に決定され、社員の成長と貢献を短期・中期・長期で評価し報いることを基本方針としています。業界を牽引するリーディングカンパニーとして、競争力のある報酬水準の維持を目指し、スキルベースの人事制度を導入しています。個人の成果や会社の業績に応じた賞与が支給され、管理職の報酬は職務・職責に応じたウエイトが高く設定されています。

同社グループが目指す人財像は「自律的に行動し、変革にチャレンジし、新たな価値を創造する人財」であり、人財育成に積極的に投資しています。特に「デジタル人財」と「海外人財」の育成に注力しており、大学等との連携プログラムや海外派遣研修などを多面的に実施しています。専門人財の育成では、グループ会社間の人財交流や人事異動と連動した育成、資格取得奨励、自己啓発のための休暇制度などを整備しています。

社内環境整備においては、社員一人ひとりの能力・スキル・意欲を最大限発揮できる職場環境を重視しています。自律的なキャリア形成機会として公募制度(ポストチャレンジ)を拡大し、グループ会社間での人財流動化を活性化しています。また、在宅勤務と出社の組み合わせ、ジョブ型雇用の活用、副業・兼業の緩和など、多様で柔軟な働き方を推進しています。意思決定層の多様化に向けては、女性管理職や女性ライン長の登用を強化し、メンター制度やアシスタントマネージャー制度を導入しています。男性労働者の育児休業取得促進にも取り組み、社員のWell-being推進のため、心身の健康、働きがい、働きやすさの向上につながる各種施策に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。基準日は女性管理職比率が2026年4月1日、男性労働者育児休業取得率と労働者の男女の賃金の額の差異は2025年4月1日から2026年3月31日です。

指標 数値
女性管理職比率 12.8%
男性労働者育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 67.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 66.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 71.5%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 三井住友海上火災保険株式会社

給与基準上は男女の賃金差異はありません。同じ社員区分・転居区分・ジョブグレードでの男女の賃金差異はなく、在籍年数などによる差異が若干生じています。パート・有期労働者の男女の賃金に差異がある主な要因は、理事、産業医、高度専門職など、相対的に賃金水準が高い有期労働者においては男性の割合が高い一方、パート・有期労働者の大半を占めるスタッフ社員については女性が多いことです。

指標 数値
女性管理職比率 26.3%
男性労働者育児休業取得率 105.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 50.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 57.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 29.5%


▼ あいおいニッセイ同和損害保険株式会社

給与基準上は男女の賃金差異はありません。同じ社員区分・役割区分での男女の賃金差異はなく、在籍年数などによる差異が若干生じています。正規雇用労働者の男女の賃金に差異がある主な要因は、「管理職に占める女性の割合が低いこと」および「転居転勤を前提に賃金水準を相対的に高く設定している社員区分に占める男性の割合が高いこと」です。パート・有期労働者の男女の賃金に差異がある主な要因は、相対的に賃金水準・専門性の高い有期労働者においては男性の割合が高い一方、短時間労働の契約社員・コミュニケーター職については女性が多いことです。

指標 数値
女性管理職比率 25.2%
男性労働者育児休業取得率 105.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 62.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 65.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 68.5%


▼ 三井住友海上あいおい生命保険株式会社

給与基準上は男女の賃金差異はありません。同じ社員区分・役割区分での男女の賃金差異はなく、在籍年数などによる差異が若干生じています。正規雇用労働者の男女の賃金に差異がある主な要因は、「管理職に占める女性の割合が低いこと」および「転居転勤可を選択する場合の賃金水準を相対的に高く設定しており、転居転勤可を選択する割合は男性が高いこと」です。パート・有期労働者の男女の賃金に差異がある主な要因は、理事、上席部長など、相対的に賃金水準が高い有期労働者においては男性の割合が高い一方、主に定型的な業務を担う社員であるアソシエイト社員については女性が多いことです。

指標 数値
女性管理職比率 27.1%
男性労働者育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 64.9%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 64.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 46.1%

グループ全体(連結)


女性管理職比率の基準日は2026年4月1日、男性労働者育児休業取得率と労働者の男女の賃金の額の差異は2025年4月1日から2026年3月31日です。対象は提出会社および主要な国内保険会社5社の合計値です。

指標 数値
女性管理職比率 24.9%
男性労働者育児休業取得率 104.8%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 67.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) 66.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) 71.5%

人財育成


デジタル人財はグループ国内保険会社5社合計、海外人財は三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、三井住友海上あいおい生命保険、三井住友海上プライマリー生命保険の4社合計のデータです。いずれも翌年度4月1日時点のデータです。

指標 数値
デジタル人財 11,549人
海外人財 1,261人

社内環境整備


女性管理職比率、女性ライン長比率、年次有給休暇取得日数、運動習慣者比率、社員意識調査は提出会社およびグループ国内保険会社5社合計のデータです。管理職に占める経験者採用比率、男性労働者育児休業取得率、男性労働者育児休業取得日数はグループ国内保険会社5社合計のデータです。女性管理職比率、女性ライン長比率、管理職に占める経験者採用比率、女性アシスタントマネージャー比率は翌年度4月1日または5月時点のデータです。社員意識調査は6段階スコアで評価されています。

指標 数値
女性管理職比率 24.9%
女性ライン長比率 21.7%
管理職に占める経験者採用比率 25.6%
男性労働者育児休業取得率 104.8%
男性労働者育児休業取得日数 17.8日
年次有給休暇取得日数 17.4日
運動習慣者比率 30.1%
女性アシスタントマネージャー比率 49%
私は、今の仕事に誇りと働きがいを持っている 4.5
私の職場は、年齢・経験・国籍・性別・障がいの有無等で差別することなく、多様な人財の多様な価値観や意見が受け容れられ、人権を尊重し、いきいきと活躍できる環境にある 4.8

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、国内外で多岐にわたる保険事業を展開する持株会社です。同社グループは、損害保険と生命保険を主軸に、幅広い金融サービスやリスク関連サービスを提供しています。収益は主に保険契約の引受業務と資産運用業務から得ており、多様な事業ポートフォリオを通じて安定的な収益基盤を構築しています。

同社グループの事業は、国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外事業、その他の事業セグメントに区分されています。特に海外事業が最大の収益源であり、次いで国内損害保険事業が大きな割合を占めています。

国内損害保険事業(三井住友海上)

日本国内で損害保険事業を営んでいます。収益は、損害保険の引受業務と資産運用業務から得ています。運営は、三井住友海上火災保険が行っています。

国内損害保険事業(あいおいニッセイ同和損保)

日本国内で損害保険事業を営んでいます。収益は、損害保険の引受業務と資産運用業務から得ています。運営は、あいおいニッセイ同和損害保険が行っています。

国内損害保険事業(三井ダイレクト損保)

日本国内で損害保険事業を営んでいます。収益は、損害保険の引受業務から得ています。運営は、三井ダイレクト損害保険が行っています。

国内生命保険事業(三井住友海上あいおい生命)

日本国内で生命保険事業を営んでいます。収益は、生命保険の引受業務と資産運用業務から得ています。運営は、三井住友海上あいおい生命保険が行っています。

国内生命保険事業(三井住友海上プライマリー生命)

日本国内で生命保険事業を営んでいます。収益は、生命保険の引受業務と資産運用業務から得ています。運営は、三井住友海上プライマリー生命保険が行っています。

海外事業(海外子会社・関連会社)

諸外国において保険引受業務と資産運用業務を展開しています。収益は、海外での保険契約の引受業務と資産運用業務から得ています。運営は、国内損害保険子会社の海外部門、海外現地法人、国内損害保険子会社の海外支店が行っています。

その他の事業セグメント

金融サービス事業やデジタル・リスク関連サービス事業などを営んでいます。収益は、アセットマネジメント事業、ベンチャー・キャピタル事業、リスクマネジメント事業などから得ています。運営は、三井住友DSアセットマネジメントやMS&ADインターリスク総研などが行っています。

セグメント 売上収益(2025年3月期) 売上収益(2026年3月期)
海外子会社・関連会社 2兆1,270億円 2兆4,681億円
三井住友海上 1兆8,479億円 1兆9,347億円
あいおいニッセイ同和損保 1兆3,886億円 1兆4,452億円
三井住友海上あいおい生命 2,525億円 2,563億円
三井住友海上プライマリー生命 1,080億円 1,067億円
三井ダイレクト損保 359億円 403億円
その他の事業セグメント 211億円 202億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間における業績推移を見ると、保険収益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、直近2期で増加傾向を示しています。特に当期は、前期に比べて大幅な増加となりました。1株当たり当期利益も同様に、直近2期で大きく伸びています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上収益 - - - 5兆9,495億円 6兆4,360億円
税引前利益 - - - 4,585億円 7,035億円
税引前利益率 - - - 7.7% 10.9%
親会社の所有者に帰属する当期利益 - - - 3,002億円 5,106億円
1株当たり当期純利益(円) 158.17 130.54 231.83 193.36 342.98

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの収益性と生産性は、直近2期で向上しています。従業員1人あたり売上収益は前期から増加し、従業員1人あたり税引前利益も前期から大きく伸びています。これは、同社グループが事業規模を拡大しつつ、効率的な経営を進めていることを示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 127.9百万円 137.4百万円
従業員1人あたり税引前利益(連結) 9.9百万円 15.0百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動も行いながら、手元に資金を残している状況です。財務基盤の厚みと資金の流れから、同社グループの経営の安定性を確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本と手元資金の厚みによって支えられています。自己資本比率は前期から増加傾向にあり、ROE(自己資本利益率)も改善しています。潤沢な現金及び現金同等物を確保しており、事業運営の安定性を示すものとなっています。これらの財務状況は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与水準を維持していく上での基盤となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
自己資本 5兆3,816億円 6兆4,198億円
自己資本比率 20.1% 21.7%
ROE(自己資本利益率) 5.3% 8.6%
現金及び現金同等物 2兆3,414億円 2兆5,138億円


なお、保険会社は責任準備金等の保険負債が大きい構造上、自己資本比率は一般事業会社より低くなります。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、9,540億円となりました。これは、税引前利益の増加や保険契約負債の増減額などが主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の取得による支出が増加したことなどにより、前期から減少して△7,195億円となりました。財務活動によるキャッシュフローは、社債の発行による収入や自己株式の取得による支出の減少などにより、前期から増加し△1,388億円となっています。

これらの結果、フリーキャッシュフローは前期から増加し、2,345億円となりました。同社グループは事業活動で安定的に資金を生み出し、積極的な投資活動を行いながらも、手元に余剰資金を確保している状況です。この資金状況は、同社グループが将来の成長に向けた投資を継続しつつ、安定した事業運営を維持できる可能性を示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 7,074億円 9,540億円
投資CF △5,559億円 △7,195億円
財務CF △6,804億円 △1,388億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1,515億円 2,345億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、保険市場の変化として、少子高齢化の進展や人口減少に伴う市場規模・構造の変化による事業ポートフォリオへの影響を認識しています。また、国内外での対立激化や政治・経済・社会的な分断・分極化、および安全保障の危機に伴う金融市場の変動や経済安全保障関連規制の強化によるサプライチェーンの分断などもリスクとして挙げています。これらのリスクは、同社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、人財を取り巻く環境の変化を重要なリスクとして認識しています。具体的には、人財市場や労働需給の変化、ビジネスモデルの変革に必要なスキル・専門性の変化、経験豊富な人財の退職や計画的な育成不足による人財ポートフォリオのギャップ拡大を挙げています。また、社員のエンゲージメント低下や人財流出、採用力の低下につながるリスクも認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、グローバルな保険・金融サービスを通じて社会に安心と安全を提供し、持続的な成長と企業価値向上を追求する企業グループです。活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えることを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えることを経営理念(ミッション)としています。

また、持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造することを経営ビジョンに掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、以下の5つの行動指針(バリュー)を定めています。

お客さま第一として、常にお客さまの安心と満足のために行動します。誠実に行動し、あらゆる場面で、あらゆる人に、誠実、親切、公平・公正に接することを大切にしています。

チームワークを重視し、お互いの個性と意見を尊重し、知識とアイデアを共有してともに成長することを目指しています。革新を追求し、ステークホルダーの声に耳を傾け、絶えず自分の仕事を見直す姿勢を持っています。

プロフェッショナリズムを発揮し、自らを磨き続け、常に高い品質のサービスを提供することを求めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、保険業界における「顧客本位の業務運営の徹底」と「健全な競争環境の実現」を最優先とした取り組みを進めています。

「グループの2030年度目指す姿」として、保険本来の価値提供を追求し、「お客さまから最も選ばれる保険・金融グループ」となることを目指しています。不確実性が増す時代において、「リスクに挑み、世界をリードする」存在として社会のリスクを解決していく方針です。

事業基盤の強化においては、戦略機能強化、ガバナンス強化、人的資本経営、AI・DX、サステナビリティを重点テーマとしています。人的資本経営では、社員の「スキル発揮」と「キャリア形成」による成長、「人財ポートフォリオの構築」、「Well-being」の向上に取り組んでいます。

サステナビリティの分野では、自然災害リスクを低減し、未来に続くレジリエントな社会の創造を目指しています。また、人口動態等の社会構造の変化を見据えた豊かで幸せな社会の創造、人権を守り、責任ある事業活動による社会からの信頼の向上にも貢献していくとしています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


MS&ADインシュアランスグループホールディングスは、グループの事業を統括する持株会社として、監査等委員会設置会社を採用しています。取締役会が監督機能を担い、重要な業務執行決定の一部を取締役に委任することで、意思決定の迅速化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


MS&ADインシュアランスグループホールディングスの株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が筆頭株主となっています。その他、日本生命保険相互会社や株式会社日本カストディ銀行(信託口)といった機関投資家や事業会社が上位に名を連ねています。幅広い株主によって支えられている資本構成です。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 13.59%
日本生命保険相互会社 7.49%
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 5.16%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は13名(男性9名・女性4名)で構成され、女性役員比率は30.8%です。取締役社長社長執行役員(代表取締役)は舩曵真一郎氏が務めています。社外取締役比率は46.2%です。

氏名 役職 主な経歴
舩曵 真一郎 取締役社長 社長執行役員 (代表取締役) 1983年住友海上火災保険入社。三井住友海上火災保険執行役員経営企画部長、取締役専務執行役員、取締役社長社長執行役員を経て、2024年6月より同社取締役社長社長執行役員、2026年4月より三井住友海上火災保険取締役会長会長執行役員より現職。
金杉 恭三 取締役副会長 副会長執行役員 (代表取締役) 1979年大東京火災海上保険入社。あいおい損害保険常務役員、あいおいニッセイ同和損害保険執行役員、取締役専務執行役員を経て、2020年6月より同社取締役副会長副会長執行役員、2022年4月よりあいおいニッセイ同和損害保険取締役会長より現職。
工藤 成生 取締役 副社長執行役員 (代表取締役) 1987年大正海上火災保険入社。三井住友海上火災保険執行役員経営企画部長、取締役専務執行役員を経て、2025年4月より同社副社長執行役員、2025年6月より取締役副社長執行役員より現職。
原 典之 取締役会長 会長執行役員 1978年大正海上火災保険入社。三井住友海上火災保険執行役員企業品質管理部長、取締役専務執行役員、取締役社長社長執行役員を経て、2024年6月より同社取締役会長会長執行役員より現職。
新納 啓介 取締役 執行役員 1988年大東京火災海上保険入社。あいおいニッセイ同和損害保険執行役員、常務執行役員、取締役社長を経て、2025年6月より同社取締役執行役員より現職。
ロッシェル・カップ 取締役 1994年Japan Intercultural Consultingマネージングプリンシパル(社長)より現職。2020年6月より同社取締役より現職。


社外取締役は、石渡明美氏(元花王執行役員コーポレートコミュニケーション部門統括)、鈴木純氏(元帝人代表取締役社長執行役員CEO)、岡島敦子氏(公立大学法人埼玉県立大学理事)、瀬口二郎氏(株式会社産業革新投資機構代表取締役社長CEO)、國井泰成氏(公認会計士・監査等委員)、村山由香里氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会が監督機能を果たし、監査等委員会が取締役の職務執行を監査する体制です。取締役13名のうち過半数を社外取締役が占め、業務執行から独立した視点を取り入れることで、監視・監督機能の強化と透明性の高い経営を目指しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


MS&ADインシュアランスグループホールディングスの役員報酬は、固定報酬と業績連動報酬で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役には固定報酬のみが支給され、その他の取締役には金銭報酬と株式報酬からなる業績連動報酬も加わります。業績連動報酬は、グループ修正利益や連結当期純利益といった財務指標と、基本戦略や基盤に関する非財務指標を50:50の割合で評価し決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 8名 3.7億円 46.4百万円
監査等委員(社外除く) 1名 27百万円 27.0百万円
監査役(社外除く) 2名 18百万円 9.0百万円
社外役員 9名 1.2億円 13.9百万円


個人別報酬が開示されている役員は、原典之氏(2.26億円)、金杉恭三氏(1.37億円)、舩曵真一郎氏(2.26億円)、新納啓介氏(1.46億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。