【平均年収823万円】近鉄グループホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収823万円】近鉄グループホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

近鉄グループホールディングスは、近畿日本鉄道、近鉄バスホールディングスなどを傘下に持つ持株会社です。運輸、不動産、国際物流など多岐にわたる事業をグループ全体で展開し、連結従業員数は4万人を超えます。直近期の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、近鉄グループホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


近鉄グループホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は264名、グループ連結従業員数は44,759名です。

同社グループは、運輸、不動産、国際物流、流通、ホテル・レジャーなど多岐にわたる事業を展開しています。子会社237社を中心に、幅広い領域で人々の生活を支えるサービスを提供しています。

主な国内グループ会社は、近畿日本鉄道、近鉄バスホールディングス、近鉄バス、奈良交通、、北日本観光自動車、防長交通、近鉄タクシーホールディングス、近鉄タクシー、奈良近鉄タクシー、などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


近鉄グループホールディングスは、多岐にわたる事業を展開する持株会社として、グループ全体の持続的な成長を牽引する人材の育成と働きやすい環境整備に注力しています。経営戦略と連動した人材戦略を推進し、多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織づくりを目指しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


近鉄グループホールディングスは、グループ全体の経営を担う持株会社として、長期的な視点での人材育成と働きやすい環境づくりに取り組んでいます。従業員が安心して能力を発揮し、多様な経験を通じて成長できるような基盤構築を目指していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の平均年齢が40歳代半ばであり、平均勤続年数も比較的長い傾向が見られます。これは、人材の定着性が高く、長期的なキャリア形成が可能な環境であることを示唆しています。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 8,228,945円
平均勤続年数 17.7年
平均年齢 44.6歳
単体従業員数 264人
連結従業員数 44,759人
単体のグループ内比率 0.6%


同社グループでは、確定給付型と確定拠出型の両方の退職給付制度を導入しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は国内グループ会社に適用されています。

また、退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいて一時金が支給されます。なお、退職給付債務は720億円、年金資産は1,390億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「長期ビジョン2035・近鉄グループ中期経営計画2028」に掲げる重点戦略の実現に向け、採用・定着、育成、配置・異動の3つの人材戦略を推進しています。これにより、持続的に価値を創造する企業グループへの進化を目指しています。

給与や手当については、各社ごとに人事賃金制度を整備し、従業員一人ひとりの職位やスキル、評価に応じて公正に決定しています。事業環境や会社業績、採用競争力の強化、従業員のエンゲージメント向上等を総合的に勘案し、見直しを行っています。

グループを牽引する人材の育成に努めており、グループを跨ぐジョブローテーションやタレントマネジメントシステムを活用した成長支援、1on1ミーティングに力を入れています。また、近鉄沿線の生活基盤を支える使命感を育む沿線地誌研修や、感性を磨く美術鑑賞研修、寺社仏閣研修なども実施しています。グローバル化に対応するため、ビジネスレベルの外国語ができる人材や情報系人材の採用・育成にも注力しています。

働きやすい環境整備として、フレックスタイム制度や育児・介護と仕事の両立支援制度、社員向け保育所・診療所の充実を図っています。健康経営推進体制を構築し、疾病予防対策やメンタルヘルス対策にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 10.0%
男性育児休業取得率 92.3%
男女賃金差異(全労働者) 59.4%
男女賃金差異(正規雇用) 61.8%
男女賃金差異(非正規雇用) 43.6%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 近畿日本鉄道

指標 数値
男性育児休業取得率 95.4%


▼ 近鉄エクスプレス

指標 数値
女性管理職比率 14.9%

多様性・登用


▼ 近鉄グループホールディングス(単体)

当社籍管理職417人中24人が女性。当社籍社員の多くが近畿日本鉄道からの転籍社員であり、1999年まで女性の深夜業が原則禁止されていたため、女性の採用数が少なかったことが大きく影響しています。

指標 数値
総合職採用者数に占める女性の割合 37.5%
総合職採用者数に占めるキャリア採用の割合 17.5%
当社籍管理的地位にある労働者に占める女性の割合 5.8%
ビジネスレベルの外国語資格を有する総合職の人数 79人
総合職情報系人財(DX人財)の採用者数 5人
障がい者雇用率 2.0%


▼ 近畿日本鉄道

2026年4月新卒入社者の実績を記載しています。

指標 数値
鉄道運輸部門の採用者に占める女性比率 14.0%
鉄道技術部門の採用者に占める女性比率 8.4%
障がい者雇用率 2.35%


▼ 近鉄エクスプレス

指標 数値
障害者雇用率 2.50%

育児・介護支援


▼ 近畿日本鉄道

指標 数値
配偶者が出産した男性に占める育児休業取得率 95.4%
平均取得期間 5.1カ月

健康・安全


▼ 近畿日本鉄道

指標 数値
肥満者割合 32.7%
高ストレス者割合 15.6%
喫煙率 14.0%
度数率(労働災害の発生の頻度) 0.81
強度率(労働災害の重さの程度) 0.028


▼ 近鉄エクスプレス

プレゼンティーズム算出方法:WHO-HPQ(世界保健機関が公開している「健康と労働パフォーマンスに関する質問紙」)を使用。アブセンティーズム算出方法:傷病により1か月以上休業した人数÷従業員の人数。

指標 数値
プレゼンティーズム 33.7%
アブセンティーズム 0.8%

人材育成・エンゲージメント


▼ 近鉄グループホールディングス(単体)

指標 数値
高い企業倫理意識を培う研修の総合職1人あたりの受講時間 1時間
能力開発研修の総合職1人あたりの受講時間 38.0時間
No.6のうちIT・DX研修の受講時間 4.8時間
当社籍総合職の離職率 0.9%
当社籍総合職に占める人事部直接面談者の割合 45.9%
当社籍課長級社員の部下マネジメント研修受講済割合 80.4%
当社籍のエンゲージメント調査の評価点 66.6点


▼ 近畿日本鉄道

研修実績の延べ時間を期首社員数で除した数を記載しています。当社が実施するエンゲージメント調査のスコアです。離職者を期首社員数で除して算出(定年退職者・再雇用満了者による離職者及び再雇用満了まで1カ月以内の離職者を含まない)。当社は2025年度より、有給休暇の取得期間を2年2カ月に延長しました。

指標 数値
従業員一人当たりの年間平均研修時間 53.4時間
離職率 2.26%
有給休暇取得率 86.3%
エンゲージメント調査の評価点 60.6点


▼ 近鉄エクスプレス

ワークエンゲージメント算出方法:KWE実施のストレスチェック結果より。

指標 数値
従業員エンゲージメントスコア 51.4点
年次有給休暇取得率 63.0%
ワークエンゲージメント 51.4点

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


近鉄グループホールディングスは、運輸事業を基盤としつつ、不動産、国際物流、流通、ホテル・レジャーなど多岐にわたる事業を展開する持株会社です。同社グループは、幅広い事業領域で顧客にサービスを提供し、多様な収益源を確保しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、鉄道事業を核に、人々の生活や経済活動を支える幅広いサービスを提供しています。各事業セグメントは相互に連携し、地域社会の発展に貢献しながら収益を上げています。特に国際物流事業が同社グループの営業収益の大きな部分を占めており、次いでホテル・レジャー、流通、運輸、不動産事業が続きます。

国際物流

国際物流事業では、航空貨物輸送、海上貨物輸送、ロジスティクスサービスなどを提供しています。半導体関連や電子部品の荷動きは堅調に推移しているものの、市場競争の激化や販売価格の下落により、営業収益は前期から減少しました。東南アジアでの倉庫建設など、今後の成長に向けた施策も推進しています。

ホテル・レジャー

ホテル・レジャー事業は、ホテル、旅行、映画、水族館、観光施設などの運営を行っています。ホテル業では大阪エリアを中心にインバウンド需要を確実に取り込み、客室単価や稼働率の向上に繋がりました。旅行業では大阪・関西万博関連ツアーや海外旅行の取扱いが増加しましたが、観光施設業の入場者数減少により、営業利益は前期から減少しています。

流通

流通事業では、百貨店、ストア、駅売店での商品販売などを手掛けています。百貨店業では大阪・関西万博のオフィシャルストアが好調に推移し、ストア・飲食業では人流の増加が駅ナカ店舗の売上に寄与しました。これらの要因により、営業収益、営業利益ともに前期から増加しています。

運輸

運輸事業は、鉄道、バス、タクシーの営業などを中心に展開しています。鉄軌道事業では大阪・関西万博開催に伴う旅客増加や、名阪特急「ひのとり」の増発効果、インバウンド需要の増加が寄与しました。安全対策への取り組みも継続しており、営業収益、営業利益ともに前期から増加しています。

不動産

不動産事業では、不動産の販売、賃貸、管理などを行っています。不動産販売業では首都圏を中心にマンション分譲が好調に推移し、中古住宅等の買取再販ビジネスも伸長しました。不動産賃貸業でも首都圏における収益物件の取得等により増収となり、営業収益、営業利益ともに前期から増加しています。

その他の事業セグメント

その他の事業セグメントには、金属機械器具の製造・販売、ケーブルテレビ、情報処理の営業などが含まれます。ケーブルテレビ業では積極的な営業活動によりサービス加入者数が増加し、営業収益、営業利益ともに前期から増加しました。

同社グループの営業収益は日本が大部分を占めますが、米国、中国、その他の地域でも収益を上げています。特定の顧客への収益集中は見られません。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期)
国際物流 7,968億円 7,531億円
ホテル・レジャー 3,427億円 3,672億円
流通 2,133億円 2,235億円
運輸 2,145億円 2,233億円
不動産 1,393億円 1,472億円
その他の事業セグメント 346億円 354億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績は、営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向にあります。特に第112期には、連結子会社の増加により営業収益が大きく伸長しました。当期においても、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のすべてが前期から増加しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 6,915億円 1兆5,610億円 1兆6,295億円 1兆7,418億円 1兆7,503億円
経常利益 307億円 746億円 846億円 815億円 846億円
経常利益率 4.4% 4.8% 5.2% 4.7% 4.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 428億円 916億円 478億円 467億円 538億円
1株当たり当期純利益(円) 224.81 481.63 251.38 245.65 282.77

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの連結従業員1人あたりの営業収益は前期からわずかに増加しており、生産性が維持されている状況です。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、収益性の改善が見られます。これらの指標は、同社グループが事業規模の拡大とともに、従業員一人ひとりの稼ぐ力を着実に高めていることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり営業収益(連結) 39.0百万円 39.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.9百万円 2.0百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


近鉄グループホールディングスは、財務の安定性を保ちつつ、将来に向けた積極的な投資を進めている状況です。現在の財務状況から、同社グループの経営の現在地を読み解きます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較してやや低い水準にあります。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均とほぼ同水準を示しています。手元資金である現金及び預金は、不況時や予期せぬ事態への耐性を示す指標の一つです。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 6,137億円 6,920億円
自己資本比率 21.7% 23.6%
ROE(自己資本利益率) 8.8% 9.3%
現金及び預金 2,591億円 2,149億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上や棚卸資産の取得減少により、前期と比較して収入が増加しました。本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは安定的にプラスを維持しています。

投資活動によるキャッシュフローは、固定資産の取得が増加したことにより、前期と比較して支出が増加しました。これにより、フリーキャッシュフローは前期のプラスから当期はマイナスに転換しています。財務活動によるキャッシュフローは、借入金が増加したものの、社債の純償還額が増加したことで支出が増加しました。

これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定した資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている状況を示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 897億円 1,181億円
投資CF △828億円 △1,389億円
財務CF △179億円 △199億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 69億円 △208億円


※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、近畿・東海を主たる事業エリアとするBtoC事業に事業領域が偏っており、外部環境の急激な変化に柔軟に対応しきれないリスクがあります。また、運輸業、不動産業、流通業、ホテル・レジャー業は景気や個人消費動向、国際物流業は国内外の経済・景気動向や地政学リスクの変動により、業績が悪化するおそれがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

少子高齢化による生産年齢人口の減少や労働市場の流動化により、同社グループでは今後十分な人財が確保できない場合や優秀な人財が流出した場合に、事業運営への支障や収支に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


近鉄グループホールディングスは、「いつも」を支え、「いつも以上」を創ることを経営理念に掲げ、幅広い事業を通じて社会に貢献することを目指しています。多様なステークホルダーとの共創による豊かな社会の実現を追求する企業グループです。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


近鉄グループホールディングスは、「いつも」を支え、「いつも以上」を創ることを経営理念としています。誠実な企業活動で暮らしの安心を支え、果敢な挑戦で新たな価値を創出し、多様な人々との協働で社会に貢献することを基本方針としています。

同社グループは、サステナビリティを重視し、社会課題の解決を通じて持続的な成長を目指しています。多様なステークホルダーとの「共創による豊かな社会」の実現に貢献することを掲げています。10年後の「ありたい姿」として「長期ビジョン2035」を策定し、その達成に向けた「中期経営計画2028」を推進しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


近鉄グループホールディングスは、経営理念である「いつも」を支え、「いつも以上」を創ることを実現するため、誠実な企業活動と果敢な挑戦、多様な人々との協働を重視しています。マルチステークホルダーとのエンゲージメントを高め、コーポレート・ガバナンスの充実を通じて経営の健全性向上に努めています。

同社グループは、「近鉄グループサステナビリティ方針」に基づき、7つの「サステナビリティの重要テーマ」を実践し、「共創による豊かな社会」の実現を目指しています。人財育成においては、高い企業倫理意識を培う教育を継続的に実施しています。

また、「響きあう個性」を尊重し、多様性を力に変える組織の実現を目指し、女性採用やキャリア採用に積極的に取り組んでいます。近畿日本鉄道では「3つの基礎的な『ちから』」と「組織風土を創る発展的な『ちから』」を人財像として掲げています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、地政学リスク、国内人口減少・少子高齢化、人財不足、物価・金利上昇、地球温暖化の進行といった事業環境の不透明さに対応することを課題としています。これに対し、「中期経営計画2028」をアップデートし、事業や資産の「選択と集中」を加速させ、事業ポートフォリオの最適化に取り組んでいます。

また、コーポレート・ガバナンス体制の強化も重要な課題と位置付けています。第115期定時株主総会の承認を経て、監査等委員会設置会社へ移行する予定であり、取締役会の監督機能強化と迅速な業務執行を目指しています。

各事業部門では、運輸業における人手不足への対応として生産性向上やワンマン運転の拡大、国際物流業や流通業におけるDX推進による構造改革とローコスト運営体制の確立を進めています。旅行業では、2027年4月を目途に主要4社の統合を計画し、事業運営基盤の共通化に取り組んでいます。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


近鉄グループホールディングスは、監査役会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。経営の健全性向上に努め、経営に対する監督と監視、そして効率化のための制度を両立させています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


近鉄グループホールディングスの株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、複数の機関投資家が上位に名を連ねています。その他、生命保険会社や個人株主も上位に位置しています。幅広い投資家層に支えられていることが特徴です。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.40%
日本カストディ銀行(信託口) 3.90%
野村 絢 2.70%
日本生命保険(相) 1.50%
JP MORGAN CHASE BANK 385781 1.50%


なお、三井住友信託銀行は2025年9月15日現在で438千株、三菱UFJ銀行は2026年1月26日現在で1,316千株を保有している旨が記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は17名(男性15名・女性2名)で構成され、女性役員比率は11.8%です。代表取締役会長は都司尚氏、代表取締役社長は若井敬氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
都司 尚 代表取締役会長 1982年4月同社入社。近畿日本鉄道㈱代表取締役社長を経て、2023年6月同社代表取締役社長、2024年6月より現職。
若井 敬 代表取締役社長 1983年4月同社入社。近鉄不動産㈱取締役、同社取締役常務執行役員を経て、2024年6月より現職。
米田昭正 代表取締役副社長 海外戦略担任、総合政策本部長、台北支社担当 1982年4月同社入社。KINTETSU ENTERPRISES CO. OF AMERICA代表取締役社長、KNT-CTホールディングス㈱代表取締役社長を経て、2025年6月より現職。
小林哲也 取締役相談役 1968年4月同社入社。同社代表取締役社長、同社代表取締役会長を経て、2024年6月より現職。
林 信 取締役専務執行役員 管理本部長、管理本部総務部担当 1984年4月同社入社。㈱アド近鉄取締役、同社執行役員を経て、2024年6月より現職。
笠松宏行 取締役常務執行役員 管理本部経理部担当、監査部担当 1987年4月同社入社。同社経営戦略部長、㈱近鉄エクスプレス上席執行役員を経て、2023年6月より現職。
上田尚義 取締役常務執行役員 総合政策本部副本部長 1987年4月同社入社。㈱近鉄百貨店執行役員、㈱近商ストア代表取締役社長を経て、2024年6月より現職。
菅浦隆弘 取締役常務執行役員 管理本部人事部担当、ラグビー事業部担当 1989年4月同社入社。同社人事部長、北日本観光自動車㈱代表取締役社長を経て、2025年6月より現職。


社外取締役は、片山登志子氏(片山・平泉・椚座法律事務所弁護士)、長岡孝氏(三菱UFJ証券ホールディングス特別顧問)、三笠裕司氏(日本生命保険副会長執行役員)、髙橋宏輔氏(富国生命保険顧問)です。

同社は監査役会設置会社を採用しており、取締役会による業務執行の監督と監査役会による監査を通じて、経営の健全性を確保しています。また、2026年6月19日開催予定の定時株主総会で承認されれば、監査等委員会設置会社へ移行する予定です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


近鉄グループホールディングスの役員報酬は、固定金銭報酬、業績連動金銭報酬、および株式報酬で構成されています。業績連動金銭報酬は連結経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益を指標としており、業務執行の成果を反映する仕組みです。株式報酬は譲渡制限付株式として付与され、企業価値向上へのインセンティブを高めることを目的としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 10名 3.6億円 36.5百万円
監査役(社外除く) 3名 60百万円 20.0百万円
社外役員 8名 67百万円 8.4百万円


個人別の報酬総額が1億円以上の役員は存在しないため、個別の開示は行われていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。