※本記事は、トランス・コスモス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
トランス・コスモスは、国内・海外で付加価値の高いサービスをワンストップで提供する企業グループです。お客様企業の経営と事業の変革を支援するCXサービス・BPOサービスを積極的に展開しています。
単体従業員数は18,141名、連結従業員数は43,571名です。セグメントは単体サービス、国内関係会社、海外関係会社の3つです。
主な国内グループ会社は、Jストリーム(国内関係会社)、応用技術(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
トランス・コスモスは、DX企業としてお客様の生産性向上を支援し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。人材を「people & technology」という価値創造の中核に位置付け、専門性の高い人材育成と最先端技術の融合を重視する企業文化が特徴です。従業員のWell-beingを最大化するための多様な取り組みを通じて、働きやすい環境づくりにも注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
トランス・コスモスでは、従業員の平均勤続年数と平均年齢から、比較的安定した人材構成と長期的なキャリア形成が可能な環境がうかがえます。同社グループは、DX事業を通じて社会課題解決に貢献するとともに、プロフェッショナル人材の育成や健康経営の推進にも力を入れています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,993,509円 |
| 平均勤続年数 | 9年8ヶ月 |
| 平均年齢 | 37歳7ヶ月 |
| 単体従業員数 | 18,141人 |
| 連結従業員数 | 43,571人 |
| 単体のグループ内比率 | 41.6% |
退職給付制度として、同社は確定拠出年金制度と退職金前払制度(選択制)を採用しています。一部の連結子会社では、確定拠出年金制度および確定給付型の制度として退職一時金制度を設けております。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付型の退職給付債務は36百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
トランス・コスモスは、「お客様の満足の大きさが我々の存在価値の大きさ」という経営理念と「共に挑み、実現する。かなえる力を、もっと世界に。」というパーパスのもと、人材を重要な経営資源である人的資本と捉え、人材戦略を経営戦略の実行基盤としています。特に「people & technology」を価値創造の中核に位置付け、専門性の高い人材と最先端技術の融合により付加価値の高いサービス創出を目指しています。
給与の決定にあたっては、職務内容、責任の範囲、期待される役割、業務遂行能力および成果を基本要素とし、経営状況や事業環境、社会情勢、物価動向等を総合的に勘案しています。正社員には長期的なキャリア形成と企業価値向上への貢献を前提とした職能グレード制度が適用され、契約社員の給与は各事業所の職務内容や勤務条件に基づいて決定されます。
重点施策として、DX人材を中心とした専門性強化、次世代リーダー・マネジメント人材の育成、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進、健康経営の推進、人権尊重の推進に取り組んでいます。具体的には、経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人」に4年連続で認定されており、人事部門、産業保健スタッフ、労働組合、健康保険組合が連携して従業員の健康増進活動を推進しています。
また、付加価値の高いサービス提供のため、多様な人材の獲得、500講座以上の社内研修プログラム、専門技術研修、資格奨励金制度、選抜型次世代人材・リーダー育成を目的とした「経営塾」、マネジメント人材の育成、DX(デジタルスキル強化)人材の育成、自律的なキャリア形成支援(社内公募制度やキャリアコンサルティング制度)などを推進しています。従業員エンゲージメント向上のため、全正社員と役員を対象としたエンゲージメント調査(eNPS)を2020年より実施し、経営陣からの情報発信や対話機会の拡充にも取り組んでいます。
DE&Iの推進においては、性別、年齢、国籍、性的指向・性自認、障がいの有無など、多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍できる環境づくりを目指し、「D&I」から「DE&I」へと取り組みを進化させています。ジェンダー平等、障がい者雇用、LGBTQ+への取り組み、Well-being(持続可能な働き方)、クロスカルチャー(異文化理解)の5つの重点領域で施策を展開しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき、育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。男女賃金差異は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 27.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 99.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 67.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 79.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 76.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正社員(管理監督者)) | 89.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正社員(一般職)) | 92.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(契約社員(正規雇用)) | 97.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(契約社員(非正規雇用)) | 89.3% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社Jストリーム
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 12.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 80.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 88.0% |
▼ トランスコスモスパートナーズ株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 30.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 90.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 72.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 93.0% |
▼ TTピーエム株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 15.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | - |
健康経営の推進
健康経営の推進に関する指標です。
| 指標 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|
| プレゼンティーイズム | 83.5% | 79.9% | 80.0% |
| アブセンティーイズム | 4.82日 | 5.02日 | 4.77日 |
| ワークエンゲイジメント | 2.42点 | 2.56点 | 2.44点 |
| 広く従業員に行う施策の参加状況 | 836名 | 3,313名 | 6,481名 |
| 女性の健康課題に関する施策への参加状況 | 125名 | 131名 | 430名 |
| 各施策の従業員の満足度 | 91% | 92% | 94% |
| 社員一人当たりの月平均残業時間 | 17.8h | 17.3h | 16.7h |
| 有給休暇取得率 | 89.0% | 87.4% | 87.4% |
高い専門性を持つプロフェッショナル人材の育成
人材育成に関する指標です。
| 指標 | 2024年度 |
|---|---|
| 教育研修総時間 | 397,475時間 |
| 一人当たりの平均時間 | 26.3時間/人 |
| 教育研修費 | 246百万円 |
| 新入社員研修・新卒フォローアップ研修 | 609名 |
| マネジメント人材の育成人数 | 1,508名 |
| 選抜型次世代人材・リーダー育成(経営塾) | 34名 |
| デジタルスキル研修 | 1,820名 |
| 中途・経験者正社員採用比率(2025年度) | 59.5% |
| 社内公募実施職種数(2024年度) | 107 |
| 社内公募応募者数(2024年度) | 66名 |
ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)
DE&Iに関する指標です。
| 指標 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|
| エンゲージメント調査(eNPS)回答人数 | 11,010人 | 11,646人 | 11,781人 |
| エンゲージメント調査(eNPS)有効回答率 | 85.9% | 87.2% | 84.9% |
ジェンダー平等
ジェンダー平等に関する指標です。
| 指標 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|
| 女性管理職数 | 277人 | 283人 | 279人 |
| 女性管理職比率 | 26.2% | 26.4% | 27.2% |
| 課長層(女性比率) | 32.8% | 32.5% | 33.9% |
| 部長層(女性比率) | 20.2% | 22.3% | 21.8% |
| 本部長相当層(女性比率) | 17.5% | 15.4% | 18.3% |
| 女性役員数 | 1人 | 2人 | 2人 |
| 女性役員比率 | 6.3% | 11.8% | 11.1% |
| 女性社員数 | 6,580人 | 6,988人 | 7,274人 |
| 女性社員比率 | 48.2% | 49.1% | 49.9% |
| 新卒女性社員数 | 346人 | 432人 | 356人 |
| 新卒女性社員比率 | 59.1% | 57.3% | 58.5% |
| 指標 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 外国人の管理職への登用(確保の状況) | 1.1% | 1.1% |
| 中途採用者の管理職への登用(確保の状況) | 64.3% | 63.4% |
障がい者
障がい者雇用に関する指標です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 障がい者雇用率(2025年6月時点) | 2.72% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
トランス・コスモスは、国内および海外で多岐にわたるアウトソーシングサービスを提供する企業集団です。お客様企業の経営と事業の変革を支援するCXサービスとBPOサービスをワンストップで展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、お客様企業の経営課題解決を支援するCXサービスとBPOサービスを積極的に提供しています。進展するAI技術の活用や専門人材の不足に対応し、業務効率化やコスト競争力強化、売上拡大に繋がるサービスへの需要に応えています。
収益は、主にこれらのアウトソーシングサービスの提供から得ています。国内では独自のCXプラットフォームやAIを活用したソリューションを展開し、BPO事業では物流DXソリューションや建設現場データ活用プラットフォームの開発を進めています。海外では、グローバル企業との取引拡大やサービス提供体制の強化に注力しています。
単体サービス
当社が展開するアウトソーシング事業を担っています。BPOサービスおよびCXサービスの売上増加と収益性改善が、このセグメントの収益に貢献しています。
国内関係会社
国内グループ会社が展開するアウトソーシング事業を担っています。BPO合弁会社の受託範囲拡大や新規連結が、このセグメントの収益増加に寄与しています。
海外関係会社
海外グループ会社が展開するアウトソーシング事業を担っています。中華圏や韓国の子会社における売上増加が、このセグメントの収益を牽引しています。インドネシアでのRPAサービス提供拠点開設やインドでの戦略的パートナーシップ締結など、サービス体制の強化も進めています。
同社グループの売上高は、特定の顧客に大きく依存することなく、多様な顧客基盤から収益を得ています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 単体サービス | 2,430億円 | 2,543億円 |
| 海外関係会社 | 967億円 | 996億円 |
| 国内関係会社 | 362億円 | 400億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5年間で売上高が着実に増加傾向を示しています。利益面では変動が見られるものの、直近の会計年度では増益を達成しました。
当連結会計年度の売上高は前期から増加し、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益もそれぞれ前期比で増益となりました。これは、CXサービスおよびBPOサービスの収益性が改善したことによるものです。
キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは前期と比べて収入が増加しています。投資活動によるキャッシュ・フローは支出が増加し、財務活動によるキャッシュ・フローも支出が増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3,541億円 | 3,738億円 | 3,622億円 | 3,758億円 | 3,939億円 |
| 経常利益 | 289億円 | 231億円 | 138億円 | 157億円 | 190億円 |
| 経常利益率 | 8.2% | 6.2% | 3.8% | 4.2% | 4.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 215億円 | 158億円 | 101億円 | 113億円 | 131億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 518.12 | 389.22 | 269.46 | 302.41 | 349.18 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
従業員1人あたりの売上高は前期から横ばいで推移しています。一方、従業員1人あたりの営業利益は前期から増加しており、生産性の向上が見られます。これは、同社グループが事業活動を通じて効率的に利益を生み出す力を高めていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 9.0百万円 | 9.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 0.4百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動を通じて安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行っていることを示しています。これにより、経営基盤の安定性がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が当期で57.3%と、プライム市場平均と比較して高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)も当期10.6%と、プライム市場平均を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び預金も当期805億円と増加しており、安定した財務状況がうかがえます。これらの状況は、事業運営の安定性や将来的な成長投資の余力につながるものと考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,291億円 | 1,393億円 |
| 自己資本比率 | 57.0% | 57.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.0% | 10.6% |
| 現金及び預金 | 735億円 | 805億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが当期207.6億円の収入となり、前期から増加しています。これは主に税金等調整前当期純利益や仕入債務の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは当期△90.3億円の支出となり、前期から支出が増加しています。これは差入保証金の差入による支出の増加や回収による収入の減少が主な要因です。
財務活動によるキャッシュフローは当期△69.5億円の支出となり、前期から支出が増加しています。これは配当金の支払額が増加したことによるものです。結果として、フリーキャッシュフローは当期117.3億円のプラスとなっており、本業で得た資金を投資に充てつつも、手元に余剰資金を確保できている状況を示しています。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も有していることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 173.1億円 | 207.6億円 |
| 投資CF | △36.7億円 | △90.3億円 |
| 財務CF | △60.3億円 | △69.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 136.4億円 | 117.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、情報処理アウトソーシングサービスにおいて常に技術革新が起こっており、急速に進展する技術革新への適切な対応ができなかった場合や、サービスが市場動向・ニーズに合わなくなった場合は、事業運営および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、景気の変動による受託業務量の変更や、お客様企業のインソーシングへの転換が生じた場合も、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、付加価値の高いサービスを提供するために優秀な人材の確保および育成が不可欠であると認識しています。労働人口の減少や採用競争の激化等により、人材の確保および育成が計画通りに進まなかった場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
トランス・コスモスは、創業以来「people & technology」を事業の原点とし、顧客満足度の向上に努めてきた企業です。独立系総合情報サービス企業として、高度化・多様化・グローバル化する情報社会において、社会貢献とすべてのステークホルダーの信頼に応えることを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
トランス・コスモスは「お客様の満足の大きさが我々の存在価値の大きさ」を経営の基本理念としています。同社グループのパーパスは「共に挑み、実現する。かなえる力を、もっと世界に。」です。
優れた人と技術を「仕組み」で融合することを事業の原点とし、高品質なサービスを提供しています。独立系総合情報サービス企業として、情報社会での的確な事業活動を通じて社会に貢献し、すべてのステークホルダーの信頼と期待に応えることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
トランス・コスモスは「people & technology」を価値創造の中核に位置付け、専門性の高い人材とグローバルの最先端技術の融合を重視しています。創業以来、「お客様満足第一主義」と「現場主義」の理念を大切にしてきました。
同社グループは、ESGに配慮した経営と役職員のコンプライアンス意識向上を図るため、「トランスコスモスグループ行動指針」を策定しています。また、DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を重要な経営戦略とし、多様な人材が個性と実力を発揮できる環境づくりと、活躍機会の公平な提供を重視する企業風土です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
トランス・コスモスは、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを重点テーマとしています。サステナビリティ基本方針に基づき、事業活動を通じて社会課題や環境問題の解決を推進し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。
具体的には、気候変動への対応、プロフェッショナル人材の育成、ガバナンスの強化といったESG課題に取り組んでいます。また、従業員を無限の可能性を秘めた最大の資産と捉え、健康経営の推進にも注力しています。
人権尊重の取り組みも加速しており、「トランスコスモスグループ人権方針」を改定し、人権デュー・ディリジェンスを継続的に実施しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
トランス・コスモスは、取締役会の構成とガバナンス体制を通じて、経営の意思決定と監督機能の強化を図っています。透明性の高い経営体制を確立し、企業価値の最大化を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
トランス・コスモスの株主構成を見ると、公益財団法人トランスコスモス財団が筆頭株主であり、創業家である奥田昌孝氏も上位に名を連ねています。このことから、同社は安定した基盤を持つ公益財団と創業家によって支えられていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 公益財団法人トランスコスモス財団 | 18.02% |
| 奥 田 昌 孝 | 17.09% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 8.55% |
| 平 井 美 穂 子 | 3.48% |
| CEPLUX- THE INDEPENDENT UCITS PLATFORM 2 | 3.11% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は18名(男性16名・女性2名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役会長は奥田昌孝氏、代表取締役共同社長は牟田正明氏と神谷健志氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 奥田 昌孝 | 代表取締役会長 | 1988年4月同社入社。2003年6月代表取締役社長兼COO。2023年4月代表取締役会長より現職。 |
| 牟田 正明 | 代表取締役共同社長 マーケティング本部担当 | 1989年4月株式会社リクルート入社。2003年6月同社入社。2022年6月代表取締役共同社長マーケティング本部担当より現職。 |
| 神谷 健志 | 代表取締役共同社長 事業開発総括 共同総括責任者 | 1998年4月日本電信電話株式会社入社。2015年10月同社入社。2023年11月代表取締役共同社長事業開発総括共同総括責任者より現職。 |
| 髙野 雅年 | 代表取締役 副社長執行役員 BPOサービス 統括責任者 兼品質管理本部担当 兼CX事業統括付 DCC連携担当 | 1986年3月同社入社。2021年6月取締役副社長執行役員。2026年4月代表取締役副社長執行役員BPOサービス統括責任者兼品質管理本部担当兼CX事業統括付DCC連携担当より現職。 |
| 松原 健志 | 取締役 副社長執行役員 CX事業統括責任者 | 1987年4月株式会社リクルート入社。2002年5月同社入社。2023年4月取締役副社長執行役員CX事業統括責任者より現職。 |
| 貝塚 洋 | 取締役 副社長執行役員 グループ営業統括責任者 兼グループ営業統括 営業統括責任者 | 1988年4月同社入社。2021年6月取締役専務執行役員。2024年4月取締役副社長執行役員グループ営業統括責任者兼グループ営業統括営業統括責任者より現職。 |
| 山下 栄二郎 | 取締役 専務執行役員 グローバル事業統括 共同統括責任者 | 1993年4月株式会社リクルート入社。2000年10月同社入社。2024年7月取締役専務執行役員グローバル事業統括共同統括責任者より現職。 |
| 門松 美枝 | 取締役 常務執行役員 BPOサービス統括 UES総括責任者 兼BPOサービス 統括副責任者 | 1978年4月丸栄計算センター株式会社入社。1985年6月同社入社。2024年6月取締役常務執行役員BPOサービス統括UES総括責任者兼BPOサービス統括副責任者より現職。 |
| 船津 康次 | 取締役相談役 | 1981年4月株式会社リクルート入社。2003年6月代表取締役会長兼CEO。2022年6月取締役相談役より現職。 |
社外取締役は、夏野剛氏(株式会社KADOKAWA取締役代表執行役社長Chief Executive Officer・監査等委員)、吉田望氏(playful株式会社代表取締役・監査等委員)、宇陀栄次氏(ユニファイド・サービス株式会社代表取締役社長・監査等委員)、鳩山玲人氏(株式会社鳩山総合研究所代表取締役)、玉塚元一氏(株式会社ロッテホールディングス代表取締役社長CEO)、鈴木則義氏(株式会社SUZUKI NORIYOSHI OFFICE 代表取締役社長)、松谷美和氏(虎ノ門一丁目法律事務所パートナー)、榑谷典洋氏(株式会社ソルフェ代表取締役)、山本正已氏(元富士通株式会社代表取締役会長)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、的確な意思決定と迅速な業務執行、適正な監査および監督を可能とする経営体制を構築しています。共同社長体制を導入し、取締役会で決定した経営の基本方針に基づいて経営および各業務運営管理に関する重要事項を協議する経営会議を設けています。社外取締役で構成される監査等委員会の設置により、取締役会から取締役への業務執行権限の委譲による監督と業務執行の分離を進め、取締役会の監督機能の強化と意思決定の迅速化を実現できる体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
トランス・コスモスでは、役員報酬の決定方針として、取締役会が報酬委員会の答申を踏まえて経営会議に決定を委任し、監査等委員会が監督する体制を採っています。社内取締役の報酬は、月額の金銭報酬に加え、中期経営計画の目標達成度を評価する中長期的業績連動報酬で構成されています。社外取締役の報酬は、独立性を担保するため固定の金銭報酬としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 9名 | 3.9億円 | 43.3百万円 |
| 社外取締役 | 9名 | 1.6億円 | 17.4百万円 |
なお、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の金銭報酬は、2025年6月25日開催の第40回定時株主総会において年額800百万円以内(うち社外取締役年額120百万円以内)と決議されています。監査等委員の金銭報酬は、2016年6月22日開催の第31回定時株主総会において年額60百万円以内と決議されています。社外取締役の基本報酬の金額は、社外取締役(監査等委員である取締役を除く。)および監査等委員である社外取締役に対する報酬であります。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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