イマジニア 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

イマジニア 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所スタンダード市場に上場する、コンテンツ事業を展開する企業です。モバイルコンテンツやパッケージゲーム、キャラクターグッズなどを手掛けています。2025年3月期の連結業績は、売上高65億円(前期比8.8%増)、経常利益9.2億円(同40.7%増)と増収増益を達成しています。


※本記事は、イマジニア株式会社 の有価証券報告書(第48期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月19日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. イマジニアってどんな会社?


コンテンツ事業を主軸とし、スマートフォンゲームや家庭用ゲームソフトの企画・開発・販売等を展開しています。

(1) 会社概要


1986年に設立され、1996年に株式を店頭登録しました。2004年にJASDAQへ上場し、2018年にはNintendo Switch用ソフト「Fit Boxing」を発売しました。2022年の市場区分見直しに伴い、東京証券取引所スタンダード市場へ移行しています。

連結従業員数は127名、単体では93名です。筆頭株主は創業者である神藏孝之氏の資産管理会社であるIIB、第2位は資産管理業務を行う信託銀行、第3位は創業者本人となっています。

氏名 持株比率
IIB 45.70%
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 3.84%
神藏孝之 3.23%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長兼CEOは澄岡和憲氏が務めています。社外取締役比率は62.5%です。

氏名 役職 主な経歴
澄岡 和憲 代表取締役社長CEO 1996年同社入社。モバイル関連事業の執行役員、取締役を経て、2006年代表取締役社長兼COOに就任。2019年より現職。
神藏 孝之 取締役会長 トヨタ自動車販売、ミサワホームを経て1986年同社設立とともに代表取締役社長に就任。2006年代表取締役会長兼CEOを経て、2019年より現職。
中根 昌幸 取締役CFO 1995年同社入社。経営企画グループシニアマネージャー等を経て、2006年取締役兼CFOに就任。2023年より現職。


社外取締役は、小宮山宏(元東京大学総長)、曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授)、荒竹純一(弁護士)、大上二三雄(エム・アイ・コンサルティンググループ代表取締役)、小林伸行(公認会計士)です。

2. 事業内容


同社グループは、「コンテンツ事業」を展開しています。

(1) コンテンツ事業


モバイルコンテンツ、キャラクターグッズの製造・ライセンス、パッケージソフト、海外展開などを行っています。顧客は一般ユーザーのほか、ライセンス供与先の企業などが含まれます。主要タイトルには「Fit Boxing」シリーズや「メダロット」シリーズなどがあります。

収益は、スマートフォン向けゲームの課金収入、パッケージソフトの販売収入、キャラクター等のライセンス料などが主な柱です。運営は主にイマジニアが行っているほか、子会社のimagineer nexus、SoWhatも事業を展開しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は60億円から70億円前後で推移しています。経常利益は9億円から15億円の範囲で、利益率は10%台から20%台と高い水準を維持しています。2025年3月期は増収増益となり、利益率も回復傾向にあります。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 72億円 63億円 66億円 60億円 65億円
経常利益 15億円 13億円 9億円 7億円 9億円
利益率(%) 21.2% 21.1% 14.0% 11.0% 14.2%
当期利益(親会社所有者帰属) 10億円 9億円 6億円 4億円 6億円

(2) 損益計算書


直近2期間の損益構成を見ると、売上高の増加に伴い売上総利益も増加しています。売上総利益率は60%台と高い収益性を確保しています。営業利益も増加しており、本業の収益力が向上していることがうかがえます。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 60億円 65億円
売上総利益 37億円 41億円
売上総利益率(%) 61.7% 63.2%
営業利益 3億円 5億円
営業利益率(%) 5.8% 7.1%


販売費及び一般管理費のうち、支払手数料が9億円(構成比24%)、研究開発費が7億円(同21%)を占めています。売上原価においては、モバイルインターネット売上原価が16億円(売上原価合計に対し65%)を占めています。

(3) セグメント収益


コンテンツ事業の単一セグメントであるため、全社の売上高が増加したことがそのままセグメント売上の増加につながっています。パッケージゲームの新作タイトル販売やスマートフォンゲームの展開が寄与しています。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期)
コンテンツ事業 60億円 65億円
連結(合計) 60億円 65億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF 1.8億円 -0.4億円
投資CF -16.8億円 13.6億円
財務CF -3.5億円 -4.6億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は5.0%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は89.5%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


社名である「イマジニア」は「Imagination」と「Engineer」を組み合わせた造語で、「想像を形に変える者」を意味しており、これを経営スタンスとしています。豊かな社会の実現に向けた貢献を目指すことを基本方針としています。

(2) 企業文化


すべてのステークホルダーとの「共創」による新たな価値の創造に「誠実」に取り組むことを重視しています。また、高いコストパフォーマンスによる顧客満足を追求する企業活動を行っています。

(3) 経営計画・目標


グループの企業価値を継続的に高めていくことを経営上の重要課題として認識しています。客観的な指標としては、企業の主たる営業活動から生じる「営業利益」と、株主還元の原資となる「当期純利益」を重要な経営指標として掲げています。

(4) 成長戦略と重点施策


中長期的な収益基盤の確立を目指し、パッケージゲームおよびスマートフォンゲームへの研究開発費を大幅に増額しています。これにより、同社の成長をけん引する柱となる新しいコンテンツの創出に取り組んでいます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


コンテンツ事業において社員の創造性が事業成長に大きく関わるとの認識のもと、少数精鋭のプロフェッショナル集団として、新しい取り組みにチャレンジする人材の育成に取り組んでいます。また、多様な人材が能力を発揮できるよう、時差勤務やハイブリッド勤務などの環境整備に努めています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 41.6歳 10.1年 6,742,284円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、フルタイム労働者の月平均残業時間数(17時間)、男性社員の育児休業取得率(50%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 市場動向および競合について


主力とするモバイルコンテンツ市場は、技術革新や業界標準の変遷により環境が大きく変化しており、変化への対応遅れやユーザー嗜好の急変が業績に影響を与える可能性があります。また、参入障壁が低く競争が激しいため、顧客ニーズに合致したサービスを提供できなくなった場合、顧客数減少のリスクがあります。

(2) 特定事業者への依存について


Apple社、Google社、NTTドコモ等のプラットフォーム提供会社への収益依存度が高く、決済回収も各通信キャリアの代行サービスを利用しています。これらの事業者の経営方針変更、手数料改定、技術的障害、取引関係の停止等が生じた場合、業績に重要な影響を与える可能性があります。

(3) 人気コンテンツへの依存について


モバイルコンテンツの売上のうち、人気コンテンツが占める割合が比較的大きくなっています。これらのコンテンツに不具合が生じたり、競争環境の変化によりサイト会員数が減少したりした場合は、業績に影響を与える可能性があります。新たな人気コンテンツの創出に注力しています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。