※本記事は、イマジニアの有価証券報告書(第49期、自 2025年4月1日 至 2026年3月31日、2026年6月17日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. イマジニアってどんな会社?
スマートフォン向けゲームや家庭用ゲームソフトなどを手掛けるコンテンツ事業を展開しています。
■(1) 会社概要
1986年の設立以降、ゲームソフトの開発・販売事業を展開しています。1990年に海外パソコンゲーム「シムシティ」などを発売したほか、1997年の「メダロット」、2018年のNintendo Switch用ソフト「Fit Boxing」などヒット作を継続的に生み出しています。2004年にジャスダックへ上場し、2022年に東証スタンダード市場へ移行しました。
従業員数は連結125名、単体93名です。筆頭株主は創業者一族の資産管理会社であるIIBで、第2位は個人投資家、第3位は創業者の神藏孝之氏となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| IIB | 45.60% |
| 内藤征吾 | 3.30% |
| 神藏孝之 | 3.30% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長兼CEOの澄岡和憲氏が経営を牽引しています。社外取締役は5名選任されています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 澄岡和憲 | 代表取締役社長CEO | 1996年4月同社入社。モバイルインターネット事業グループオペレーション担当取締役等を経て、2019年6月より現職。 |
| 神藏孝之 | 取締役会長 | 1980年トヨタ自動車販売入社。1986年1月同社設立、代表取締役社長に就任。2019年6月より現職。 |
| 中根昌幸 | 取締役CFO | 1995年4月同社入社。経営企画グループシニアマネージャー等を経て、2023年6月より現職。 |
社外取締役は、小宮山宏(三菱総合研究所理事長)、曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授)、荒竹純一(さくら共同法律事務所パートナー)、大上二三雄(エム・アイ・コンサルティング グループ代表取締役)、小林伸行(栄伸パートナーズ代表取締役社長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「コンテンツ事業」の単一セグメントで事業を展開しています。事業モデルに応じて以下の2つの領域に分けられます。
■(1) デジタルコンテンツ
個人ユーザーに対してスマートフォン向けゲームの提供やコンシューマーゲームのダウンロード版を販売しています。また、「Fit Boxing」シリーズなどに代表される家庭用ゲーム機向けパッケージソフトの企画・開発も行っています。
ユーザーに対してコンテンツの提供等を行った時点で料金を受け取るモデルです。任天堂、NTTドコモ、Apple、Googleなどの各種プラットフォームを通じてサービスを展開しており、運営は主にイマジニアと同社子会社のSoWhatなどが行っています。
■(2) ロイヤリティ
自社の保有する知的財産(キャラクターやゲームタイトルなど)のライセンス供与や、他社の知的財産のサブライセンスを行っています。自社開発だけでなく、パートナー企業の有力コンテンツを活用した展開も行っています。
ライセンス利用者に対してコンテンツの提供等を行った時点で、ライセンス料として収益を獲得するモデルです。本事業についてもイマジニアと同社の子会社が連携してビジネスを展開しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は60億円前後で推移していましたが、直近ではコンテンツ事業の売上減少により減収となりました。一方、利益面では投資有価証券売却益の計上など営業外収益の貢献もあり、利益率が20%を超える水準へと大幅に改善しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 63億円 | 66億円 | 60億円 | 65億円 | 57億円 |
| 経常利益 | 13億円 | 9億円 | 7億円 | 9億円 | 12億円 |
| 利益率(%) | 21.1% | 14.0% | 11.0% | 14.2% | 20.3% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 9億円 | 6億円 | 4億円 | 6億円 | 7億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の減少に伴い、売上総利益および営業利益も減少傾向にあります。将来のヒット作創出に向けた研究開発投資を積極的に行っているため、一時的に本業の営業利益率が低下している状況です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 65億円 | 57億円 |
| 売上総利益 | 41億円 | 36億円 |
| 売上総利益率(%) | 63.2% | 62.6% |
| 営業利益 | 5億円 | 1億円 |
| 営業利益率(%) | 7.1% | 2.6% |
販売費及び一般管理費のうち、支払手数料が8億円(構成比24%)、研究開発費が6億円(同16%)、販売促進費が5億円(同14%)を占めています。
■(3) セグメント収益
同社はコンテンツ事業の単一セグメントです。コンシューマーゲームやスマートフォンゲームの開発・販売が主な収益源であり、当期は減収となりました。
| 区分 | 売上(2025年3月期) | 売上(2026年3月期) |
|---|---|---|
| コンテンツ事業 | 65億円 | 57億円 |
| 連結(合計) | 65億円 | 57億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
本業・投資・財務いずれもマイナスで資金繰りが危機的な末期型となっています。ただし、これは法人税等の支払いや投資有価証券の取得等による投資CFのマイナス、および配当金支払による財務CFのマイナスが重なった結果です。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | -0億円 | -3億円 |
| 投資CF | 14億円 | -58億円 |
| 財務CF | -5億円 | -6億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は6.2%で市場平均を下回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は92.0%で市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社の社名である「イマジニア」は、「Imagination」と「Engineer」を組み合わせた造語で「想像を形に変える者」を意味しており、これが経営スタンスとなっています。全てのステークホルダーとの「共創」による価値創造に「誠実」に取り組み、顧客満足を追求することで豊かな社会の実現への貢献を目指しています。
■(2) 企業文化
少数精鋭のプロフェッショナル集団として、新しい取り組みにチャレンジする人材の育成に取り組んでいます。「誠実」と「共創」を重んじ、多様性に富み、安心安全な社会の構築と、さまざまな社会的課題の解決に向け、継続的に取り組む文化があります。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、企業価値を継続的に高めていくことが経営上の重要課題として認識しています。そのため、企業の主たる営業活動から生じる「営業利益」と、株主還元の原資となる「当期純利益」を重要な経営指標として位置付けています。
■(4) 成長戦略と重点施策
中長期的な収益基盤の確立を目指し、コンシューマーゲーム及びスマートフォンゲームへの研究開発費を大幅に増額しています。新しい技術や時代の変化に柔軟に対応しながら、同社の成長を牽引する柱となる新しいコンテンツの創出に取り組み、コンテンツ事業の中長期的な成長を目指しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
コンテンツ事業において社員の創造性が事業の成長に大きく関わっており、人材が重要であると認識しています。少数精鋭のプロフェッショナル集団として新しい取り組みにチャレンジする人材の育成に取り組むとともに、多様な人材がその能力を発揮できるよう、時差勤務やハイブリッド勤務の導入など働きやすい環境作りに努めています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年3月期 | 42.8歳 | 9.8年 | 6,923,664円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 8.3% |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | 57.7% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 75.1% |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | 42.2% |
※男性労働者の育児休業取得率については、常時雇用する労働者が101人以上300人以下であるため記載が省略されています。
また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、フルタイム労働者の月平均残業時間数(19.3時間)、女性社員の育児休業取得率(100%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) モバイルコンテンツ市場の変化と競争激化
主軸事業であるモバイルコンテンツ市場は、技術革新やユーザー嗜好の変化が速く、競争も激しいため、サービスの陳腐化や利用者獲得の困難化が生じた場合、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
■(2) 特定プラットフォームへの依存
AppleやGoogle、任天堂、通信キャリアなどが提供するプラットフォームに大きく依存しており、これらの事業環境の変化や手数料の変更、取引関係が継続できなくなった場合、事業に重大な影響を与えます。
■(3) 版権確保と人気コンテンツへの依存
事業展開において版権元からの使用許諾が不可欠であり、許諾が得られなくなるリスクがあります。また、特定の人気コンテンツへの売上依存度が比較的高いため、不具合や競争環境の変化による影響を受けやすい構造にあります。



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