※本記事は、システム・ロケーション株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
システム・ロケーションは、ファイナンステクノロジーとインフォメーションテクノロジーを融合したITプラットフォームを提供する、自動車関連事業者向けのクラウド型BPOサービス企業です。中古車の価値評価・算定システムを中心に、多様なソリューションを展開しています。
単体従業員数は31名、連結従業員数は59名です。同社グループは単一セグメントで事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、Inspiration、ジェイ・コアなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
システム・ロケーションは、自動車関連の解析エンジン技術を核に、プラットフォーム企業を目指す企業です。専門性の高い人材を重視し、多様な働き方を推進する方針が示されており、従業員のキャリア形成と働きやすい環境づくりに注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着とキャリア形成を重視する姿勢が見られます。平均勤続年数と平均年齢からは、一定の経験を積んだ人材が長く活躍している傾向がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,493,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.7年 |
| 平均年齢 | 43.3歳 |
| 単体従業員数 | 31人 |
| 連結従業員数 | 59人 |
| 単体のグループ内比率 | 52.5% |
退職給付制度について、同社は退職金規程に基づく確定給付型の退職一時金制度を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、AI技術やビッグデータを活用できる企画力と技術力を持つ人材、および業務に精通した熟練人材を不可欠な存在と認識しています。持続的な企業価値向上は、AI人材をはじめとする専門性の高い人材と安定した人材基盤の確保・育成に強く依存していると説明しています。
2025年4月からは「複線型人事制度」を導入し、働き方や適性に応じたコース選択と柔軟なコース転換を可能にしました。専門職コース、総合職コース、一般職コースの3つを設定し、それぞれ異なる評価体系と給与体系を適用しています。特に専門職コースでは、豊富な経験を持つプロフェッショナル人材を適切に処遇する設計となっています。
また、多様な個性と能力の尊重、多様な働き方の実現、公平・公正・機会均等を基本方針として、ダイバーシティと機会均等を推進しています。フレックス制度や在宅勤務の推進、女性管理職比率や男性育休取得率の向上など、柔軟な働き方を実現するための環境整備も継続して進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社および連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
システム・ロケーションは、自動車関連事業者向けにファイナンステクノロジーとインフォメーションテクノロジーを融合したITプラットフォームを提供するクラウド型BPOサービス企業です。同社グループは、自動車資産の評価・算定システムや、オートファイナンス事業者に有用なASPサービスなどを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、自動車関連事業者向けのシステム業務支援を主要な事業としています。中古車の相場情報を活用した車両価値の評価・算定システムや、新車販売会社向けの販売支援システムなどを提供しています。
具体的な商品としては、統計学的分析に基づき自動車資産の現在価値や将来価値を算定する「RV Doctor」、現在の標準的な車両価値を算出する「PV Doctor」、メーカーオプションや税金情報を含む「車種カタログデータベース」があります。また、オートリース会社向けのASPサービス「シスろけっと」や、新車販売会社向け販売支援システム「CA Doctor」、車両の将来価値を見込んだファイナンス見積作成システムなども提供しています。
同社グループの売上は、継続課金型の性質を持つものが大半を占めており、安定的に推移しています。海外の外部顧客への売上高は僅少であり、特定の主要顧客への売上集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にあり、当期も前期から増加となりました。営業利益および経常利益も同様に増加傾向を示しています。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、当期に投資有価証券評価損の計上があったことにより、前期から減少となりました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 13.0億円 | 17.0億円 | 17.4億円 | 16.7億円 | 17.3億円 |
| 経常利益 | 5.6億円 | 6.0億円 | 6.2億円 | 5.9億円 | 6.4億円 |
| 経常利益率 | 42.6% | 35.6% | 35.6% | 35.3% | 36.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.2億円 | 3.7億円 | 3.7億円 | 3.3億円 | 3.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 119.73 | 104.68 | 105.98 | 93.77 | 84.19 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しており、従業員一人あたりの収益創出力と利益創出力が向上していることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 29.2百万円 | 29.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 9.4百万円 | 10.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階を示しています。これらの状況は、入社後の安定性や成長性を判断する上で重要な情報となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率を維持しており、安定した経営状況を示しています。これは、事業の継続性や雇用安定性にとって重要な要素となります。
一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は前期から減少しましたが、一定の残高を確保しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 37.0億円 | 40.4億円 |
| 自己資本比率 | 84.5% | 82.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.1% | 7.7% |
| 現金及び預金 | 21.7億円 | 13.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の営業活動では安定して資金を生み出しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは前期から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の計上によるものです。
一方で、投資活動によるキャッシュフローは前期に比べて大幅なマイナスとなりました。これは主に有価証券及び投資有価証券の取得による支出が要因です。結果として、営業活動で得た資金を上回る投資を行っており、フリーキャッシュフローはマイナスに転じています。財務活動によるキャッシュフローは配当金の支払額によりマイナスとなっていますが、前期とほぼ同水準です。
これらの状況は、同社グループが本業で稼ぎながらも、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている段階を示しています。このような投資フェーズは、事業拡大による成長性への期待につながる一方で、短期的な資金流出を伴うため、今後の投資効果が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.9億円 | 6.6億円 |
| 投資CF | △1.4億円 | △18.4億円 |
| 財務CF | △1.3億円 | △1.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.6億円 | △11.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、成長性を確保するため、自動車関連事業者向けの新たな業務支援サービスの開発や新規事業への参入を進めています。先行投資を行った場合に、当初予測した収益を上げられなかった場合には、同社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、同社グループは新たな成長機会を求めてビジネスモデルの海外展開を進めています。各国政府の予期しない法律や規制の変更、政治・社会及び経済情勢の変化、為替変動などにより、投下資本の回収計画の遅延や撤退等が生じた場合、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、サービスの品質向上あるいは維持のため、優秀な人材による開発体制が必要不可欠であると考えています。必要な人材を適時に確保できない場合や、現在在籍している人材が予期せず退職した場合には、同社グループの提供するサービス品質や事業展開の計画に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
システム・ロケーションは、クルマの価値を軸としたシステムを提供し、プラットフォーム企業を目指しています。持続可能な社会への貢献と人材育成を重視する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
システム・ロケーションは、クルマの「価値(将来価値・現在価値)」を算出し、自動車関連企業や金融機関、ユーザーを結びつけるシステムを提供しています。あらゆる人や企業がクルマの価値を日常的に意識できるような、事業を構築するプラットフォーム企業を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、安定的かつ持続的な成長を実現するため、財務体質の強化と収益性・安定性の向上を重視しています。気候変動を重要な社会的課題と捉え、脱炭素社会の実現や温室効果ガス排出量の削減に貢献することを目指しています。
「Co-Creation」の理念のもと、顧客企業とのビジネスやコラボレーションを通じて社会貢献を推進しています。人材を重要な要素と認識し、多様な個性と能力の尊重、多様な働き方の実現、公平・公正・機会均等を基本方針としてダイバーシティと機会均等を推進する企業風土です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業の継続と拡大、成長戦略の実現において、優れた人材の確保と育成を重要な課題と認識しています。特にAIをはじめとする先端技術を活用できる「AI人材」の確保と育成を急務と捉え、全社的なAIリテラシーの向上を含む取り組みを推進しています。
組織の活性化や生産性を高める職場環境構築も不可欠であり、企画力・技術力の強化も主要な課題です。AIをはじめとする新技術への取り組みを強化し、顧客ニーズに応えるサービスの開発・提供を目指しています。
不透明な経営環境変化に対し、企画力・技術力の強化と営業力の強化を通じて迅速に対応し、変化を新たな強みへと転換できるよう努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
システム・ロケーションは監査役会設置会社であり、取締役会は経営方針の決定と業務執行の監督を担っています。社外取締役や社外監査役を設置し、客観性と中立性を確保したガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
システム・ロケーションの株主構成を見ると、筆頭株主は(有)タイムラーであり、代表取締役社長である千村岳彦氏がそれに続いています。創業家やその関連会社が上位株主として名を連ねており、同社の経営基盤を支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| (有)タイムラー | 48.47% |
| 千村岳彦 | 22.02% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 6.54% |
| UH Partners 2投資事業有限責任組合 | 3.62% |
| 千村紫乃 | 1.28% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は千村岳彦氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 千村 岳彦 | 代表取締役社長 | 1992年7月 同社創業 営業部長、1996年7月 同社 代表取締役社長、2023年6月 同社 代表取締役会長、2024年5月 同社 代表取締役社長より現職。 |
| 内村 裕一 | 常務取締役 営業管掌 開発部門管掌 兼 開発部門長 | 2001年2月 同社入社 営業担当部長、2006年1月 同社 営業部長、2006年6月 同社 取締役、2017年6月 同社 常務取締役、2018年10月 同社 営業管掌、2025年4月 同社 開発部門管掌兼開発部門長より現職。 |
| 後藤 清文 | 取締役 管理部門管掌 | 2021年7月 同社 顧問、2022年6月 同社 常勤監査役、2025年6月 同社 管理部門管掌取締役より現職。 |
社外取締役は、森吉平氏(アピシウス取締役)、吉村桂氏(大同通運常務取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名を設置することで、経営監視機能の客観性と中立性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
システム・ロケーションの役員報酬は、固定報酬のみで構成されており、業績連動報酬は導入していません。報酬額は、株主総会で決議された限度額の範囲内で、各役員の役割や貢献度、会社業績などを考慮して決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 66百万円 | 13.2百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 6百万円 | 2.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 8.6百万円 |
| 社外監査役 | 4名 | 7百万円 | 1.8百万円 |
なお、役員ごとの報酬等の総額については、1億円以上を支給している役員がいないため、個別の記載は省略されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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