※本記事は、株式会社ディー・エヌ・エー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
ディー・エヌ・エーは、主にモバイル・PC向けのインターネットサービスを提供する企業です。同社グループは、エンターテインメント領域や社会課題領域で多岐にわたる事業を展開し、収益基盤の形成や事業間のシナジー創出に取り組んでいます。
単体従業員数は1,400名、連結従業員数は2,483名です。セグメントはゲーム事業、ライブストリーミング事業、スポーツ・スマートシティ事業、ヘルスケア・メディカル事業、新規事業・その他の5つです。
主な国内グループ会社は、横浜DeNAベイスターズ(スポーツ・スマートシティ事業)、DeSCヘルスケア(ヘルスケア・メディカル事業)、DeNA Games Tokyo(ゲーム事業)などです。
なお、同社グループは当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、従来のスポーツ事業とスマートシティ事業を合算し、スポーツ・スマートシティ事業としています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ディー・エヌ・エーは、インターネットやAIを活用した多様な事業を展開しており、その働き方や給与水準も事業特性を反映しています。同社グループは、挑戦を重視し、個々の成長と成果に報いる文化を醸成しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の挑戦と成長を重視する企業文化を持ち、実務を通じた育成に力を入れています。平均勤続年数や平均年齢からは、一定の経験を積んだ人材が活躍している様子がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 11,179,000円 |
| 平均勤続年数 | 7年1ヶ月 |
| 平均年齢 | 38.6歳 |
| 単体従業員数 | 1,400人 |
| 連結従業員数 | 2,483人 |
| 単体のグループ内比率 | 56.4% |
同社グループは、国内の従業員を対象とした確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の複数事業主制度である総合型のベネフィット・ワン企業年金基金に加入しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「一人ひとりに想像を超えるDelightを」というミッションのもと、「人材の周りに事業ができる」という人的資本経営上の基本コンセプトを掲げています。変化を面白がり未知へ挑戦する個々の情熱と才能を起点として事業を構想・創造していくことを重視しています。また、「人は仕事で育つ」という考え方のもと、成功確率が五分五分程度のストレッチな目標に挑戦する機会を従業員に提供し、挑戦を通じた成長を重視しています。
AIを核とした「AIオールイン」戦略を中長期の成長戦略の柱とし、これを実現する人材の獲得・育成が不可欠であると認識しています。人材戦略上の重点投資テーマとして、「当社グループの可能性を広げる変化を起こせる人材の採用」「成功確率五分五分の高い目標と大胆な権限委譲による人材育成」「優れた人材への報酬とさらなる挑戦機会の提供」の三つを一体的に運用しています。報酬体系は、個人の役割と成長段階を示す「グレード」、その期待に対する「評価」、それらに連動した「報酬」で構成されており、専門性を活かす「Professionalコース」と組織を率いる「Managementコース」の複線型キャリアパスを設けています。
給与等の決定方針は、挑戦を通じて成果を出した人材には大胆に報い、競争力ある報酬水準により優秀な人材の獲得・維持を図ることを基本としています。標準年収は、各コースごとの標準年収テーブルに基づき、個人のグレードとロールの市場報酬水準を参考に決定されます。人事評価は「成果評価」と「発揮能力評価」の2軸で構成され、年2回実施されます。
具体的な施策としては、新規事業創出に向けた「変化を起こせる人材」の採用に注力し、起業経験者や異業種専門家も積極的に採用しています。2027年度以降の新卒採用では、AIを駆使して領域を横断し活躍する「AIジェネラリスト」コースを新設し、報酬体系を引き上げる方針です。育成面では、実務を通じた経験学習を中核に「ストレッチアサイン」を実施し、従業員の潜在能力を引き出しています。また、「シェイクハンズ制度」(社内公募)、「クロスジョブ制度」(社内副業)、社外での「副業制度」を整備し、社内求人プラットフォーム「OpenQuest」を運用しています。成果を上げた人材には、2024年度より市場連動型報酬レンジの柔軟化や全社業績連動賞与の導入等の新制度で大胆に報いる方針です。さらに、「DeNA Galaxy」として、従業員の独立・起業など社外での挑戦も積極的に後押ししています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
女性管理職比率および男女賃金差異は女性活躍推進法に基づき、男性育児休業取得率は育児介護休業法に基づき算出されています。対象は提出会社単体の直接雇用労働者(正規雇用労働者および有期雇用労働者)です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 12.3% |
| 男性育児休業取得率 | 69.4% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 70.6% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 76.5% |
| 男女賃金差異(アルバイト・契約社員等有期労働者) | 118.5% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社横浜DeNAベイスターズ
株式会社横浜DeNAベイスターズの対象期間は2025年1月1日~2025年12月31日です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 64.3% |
| 労働者の男女の賃金差異(全労働者) | 53.8% |
| 労働者の男女の賃金差異(正規雇用労働者) | 74.2% |
| 労働者の男女の賃金差異(アルバイト・契約社員等有期労働者) | 146.1% |
▼ 株式会社データホライゾン
株式会社データホライゾンの対象期間は2025年4月1日~2026年3月31日です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 25.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
多様性の確保に関する目標と状況
同社全正社員を対象としたアンケート調査結果です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性という理由で活躍しづらいと感じている比率(2025年10月) | 13.7% |
| 外国籍という理由で活躍しづらいと感じている比率(2025年10月) | 15.6% |
| 中途採用という理由で活躍しづらいと感じている比率(2025年10月) | 11.7% |
人材戦略に関する主要な指標及び目標
同社単体の正社員を対象とした指標です。
| 指標 | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|
| 採用クオリティ度(入社1年後評価で期待を満たす又は上回った割合:中途) | 92% | 100% |
| 採用クオリティ度(同上:新卒) | 98% | 100% |
| 新卒採用者のうち期待を大きく上回った割合 | - | 50% |
| 全体ストレッチ度(組織状況アンケートで挑戦的なストレッチな目標に取り組んでいると回答した割合) | 78% | 95% |
| 評価インパクト度(高い成果・パフォーマンスに対して大胆な処遇があると感じる従業員の割合) | - | 80% |
AI技術に関する指標
| 指標 | 2025年度実績 |
|---|---|
| AIエージェント利用者数 Gemini Advanced MAU | 1,480人 |
| 従業員のAIスキル評価 DARSレベル2以上(個人) | 76% |
| 組織のAIスキル評価 DARSレベル2以上(組織) | 100% |
情報セキュリティに関する指標と目標
| 指標 | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|
| 全従業員向け研修 年間実施回数 | 4回/年 | 4回/年 |
| 診断実施件数 アプリケーション診断 | 189件/年 | 150件/年 |
| 診断実施件数 NW(ネットワーク)診断 | 3,632 IP/年 | 4,000 IP/年 |
気候変動に関する指標と目標
| 指標 | 目標 |
|---|---|
| スコープ1,2のGHG排出量削減目標(2033年度末までに2023年度比) | 58.8%削減 |
| スコープ3のGHG排出量削減目標(2033年度末までに2023年度比) | 35.0%削減 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ディー・エヌ・エーグループは、主にモバイル・PC向けのインターネットサービスを提供しており、エンターテインメント領域と社会課題領域で多岐にわたる事業を展開しています。それぞれの事業特性を活かし、収益基盤の形成や持続的な成長を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ゲーム、ライブストリーミング、スポーツ・スマートシティ、ヘルスケア・メディカル、新規事業・その他の5つのセグメントで事業を展開しています。各セグメントは、サービスの種類に応じて包括的な戦略を立案し、事業活動を進めています。
ゲーム事業
モバイル向けゲーム関連サービスを日本国内および海外で提供しています。主要サービスにはゲームアプリの配信や「Mobage(モバゲー)」などがあります。
収益は、アイテム等の販売から得ています。当連結会計年度では、新規リリースしたタイトルからの反動などにより、売上収益が減少する傾向にありました。
ライブストリーミング事業
日本国内および海外でライブストリーミング関連サービスを展開しています。主要サービスは「Pococha(ポコチャ)」や「IRIAM(イリアム)」などです。
収益は、アイテムの販売から得ています。国内の「Pococha」では収益性の改善に注力し、「IRIAM」は堅調に推移しました。
スポーツ・スマートシティ事業
日本国内でスポーツ関連サービスとスマートシティ関連サービスを提供しています。主要サービスには「横浜DeNAベイスターズ」や「横浜スタジアム」の運営、「BASEGATE横浜関内」の賃貸および運営などがあります。
収益は、プロスポーツ興行や複合施設の不動産賃貸から得ています。運営は、横浜DeNAベイスターズが行っています。プロスポーツ興行は好調に推移しましたが、スマートシティ関連では開業に向けた費用が先行する傾向にありました。
ヘルスケア・メディカル事業
日本国内および海外でヘルスケア・メディカル関連サービスを提供しています。主要サービスはヘルスビッグデータ関連サービスの提供や、医療DX関連サービス「Join(ジョイン)」などです。
収益は、ヘルスケア領域とメディカル領域におけるサービス提供から得ています。ヘルスケア領域は増収傾向にありましたが、メディカル領域では固定費の低減を進めつつ、特定の取り組みに集中しています。
新規事業・その他
新規事業およびその他のサービスを日本国内で展開しています。AIに関する取り組みなど、中長期的な成長や事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組みが含まれています。
収益は、これらの新規事業等から得ています。当連結会計年度では、売上収益が減少する傾向にありました。
同社グループの売上収益は日本国内が大部分を占めており、海外からの売上収益はわずかです。また、特定の顧客である株式会社ポケモンへの売上収益が、同社グループ全体の売上収益の2割以上を占める傾向にあります。
| セグメント | 売上収益(2025年3月期) | 売上収益(2026年3月期) | セグメント利益(2025年3月期) | セグメント利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゲーム事業 | 781億円 | 644億円 | 386億円 | 297億円 | 46.1% |
| ライブストリーミング事業 | 406億円 | 398億円 | △2.0億円 | 39.8億円 | 10.0% |
| スポーツ・スマートシティ事業 | 313億円 | 328億円 | 18.5億円 | 17.9億円 | 5.5% |
| ヘルスケア・メディカル事業 | 108億円 | 87.2億円 | △36.2億円 | △23.3億円 | △26.7% |
| 新規事業・その他 | 35.8億円 | 24.9億円 | △1.3億円 | △15.5億円 | △62.2% |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上収益は変動しながら推移しています。親会社の所有者に帰属する当期利益は、直近の2期間はプラスで推移しているものの、その前の期間には損失を計上していました。この損失は、営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスとなるなど、本業のキャッシュ創出力にも影響を与えていました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,309億円 | 1,349億円 | 1,367億円 | 1,640億円 | 1,477億円 |
| 税引前利益 | 294億円 | 136億円 | △281億円 | 318億円 | 258億円 |
| 税引前利益率 | 22.5% | 10.1% | △20.6% | 19.4% | 17.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 305億円 | 88.6億円 | △287億円 | 242億円 | 190億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 256.45 | 76.78 | △257.60 | 217.24 | 171.36 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は、前期から当期にかけて減少する傾向にあります。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に減少しています。これらの指標は、同社グループ全体の生産性が前期と比較して低下していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 63.8百万円 | 59.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 11.3百万円 | 7.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、自己資本比率が高水準であり、手元資金も潤沢に確保されています。本業で安定した資金を生み出しつつ、投資活動も活発に行われている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は当期に69.8%となり、前期の61.3%から増加しました。これは東京証券取引所プライム市場の平均と比較しても高水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期8.0%で、前期の10.7%から減少しましたが、プライム市場平均(9.4%)に近い水準にあります。
現金及び現金同等物は当期末に1,030億円となり、前期末の928億円から増加しました。高い自己資本比率と潤沢な手元資金は、事業環境の変化に対する耐性を示しており、安定した事業運営の基盤となっていることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 2,417億円 | 2,326億円 |
| 自己資本比率 | 61.3% | 69.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.7% | 8.0% |
| 現金及び現金同等物 | 928億円 | 1,030億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に334億円の収入となりました。前期の390億円の収入から減少しましたが、税引前当期利益が主な収入要因となっています。投資活動によるキャッシュ・フローは、当期に348億円の収入となり、前期の123億円の支出から大幅なプラスに転じました。これは主に有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入が要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当期に581億円の支出となり、前期の54億円の支出から増加しました。長期借入金の返済、自己株式の取得、配当金支払いが主な支出要因です。営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは、当期に683億円のプラスとなり、前期の267億円から増加しました。
同社グループは本業で安定した資金を創出し、投資活動も効率的に行い、財務活動では借入金返済や株主還元を進めています。これは、事業の持続的な成長と安定した経営基盤を維持する姿勢を示しており、長期的な雇用安定性や給与水準の維持に繋がる要素と考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 390億円 | 334億円 |
| 投資CF | △123億円 | 348億円 |
| 財務CF | △54億円 | △581億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 267億円 | 683億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、インターネット及びAI関連業界の変化並びに新しい技術への対応についてリスクを認識しています。市場の構造変化や新技術への対応の遅れが競争力低下や経営成績に影響を与える可能性があります。
また、モバイルゲーム等のコンテンツを用いた事業においては、ユーザの嗜好の移り変わりが激しく、ニーズに対応できない場合に収益性が低下するリスクがあります。コンテンツの拡充が計画通りに進まない可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後のさらなる業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、グループ内の各部門において人材の強化が必要であると考えています。人材育成や外部からの人材採用等が計画通りに進まない場合、競争力の低下や業容拡大の制約要因となり、経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ディー・エヌ・エーは、「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」というミッションを掲げ、お客様に驚きや喜びを提供することを目指しています。変化の速いインターネット市場において、設立以来「永久ベンチャー」として挑戦を続けてきた企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」をミッション(企業使命)として掲げています。これは、一人ひとりのお客様に想像を超える驚きや喜びを感じていただけるよう、そして一人ひとりが自分らしく輝ける世界の実現に向けて、Delightの提供に真っすぐに向かうという意味が込められています。
企業価値を継続的に高めていくことを経営上の最重要課題と認識しています。中長期的には、構造的・継続的に成長する事業群を形成し、各事業が有意な利益貢献をする構造を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社会の一員として約束する「DeNA Promise」と、Delightにまっすぐ向かうチームであるための「DeNA Quality」をバリュー(共有価値観)としています。取締役及び従業員は、グループ行動規範を遵守しています。
お客様に本質的な価値や喜びを提供できているか、社会的価値や意義を創造し提供できているかという観点から、役職員の意識向上及び組織づくりを推進しています。多様性の確保は、社会へのDelightの提供と持続的な企業価値向上のために必須であるという基本的な考え方を持っています。
ビジョンでは、挑戦心豊かな社員それぞれの個性を余すことなく発揮することで、世界に通用する新しいDelightを提供し続けることを表明しています。バリューとして「多様な社員が活躍し成長する環境作り」を掲げ、多様性の尊重と歓迎を重視しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、一層強い中長期の成長と事業ポートフォリオ実現に向けた挑戦を課題としています。経営のスピードを格段に上げ、将来の事業環境を前提とした組織運営や事業モデルへの変革を早急に進める必要があると捉えています。
本質的な価値・喜びの提供の実現を図る組織・風土の強化にも取り組んでいます。経営陣の後継者育成、各種の人事制度、優秀な人材の採用及び育成強化等を通じて組織力の強化を推進しています。
また、コーポレート・ガバナンスの強化を図り、経営の透明性・公正性を確保し、企業価値の持続的向上のための挑戦をし続ける体制の維持・強化を目指しています。コンプライアンス及びリスク管理体制の強化も重点テーマであり、企業倫理の一層の向上、コンプライアンス体制及びリスク管理体制の充実・強化に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ディー・エヌ・エーは監査役会設置会社として、取締役会による迅速な意思決定と、社外取締役および監査役による二重の監視体制でガバナンスを強化しています。任意の指名委員会と報酬委員会も設置し、経営の透明性と客観性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ディー・エヌ・エーの株主構成を見ると、創業者が筆頭株主として名を連ね、事業会社や信託銀行が上位に位置しています。これにより、創業者の経営理念が色濃く反映されつつ、多様なステークホルダーからの視点も取り入れられていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 南場 智子 | 18.47% |
| 任天堂 | 14.04% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 10.17% |
| ATRA | 5.46% |
| 日本カストディ銀行 | 4.14% |
なお、2026年5月11日付の大量保有報告書(変更報告書)において、野村證券及びその共同保有者が2026年4月30日現在で5,782,462株(株券等保有割合4.73%)を保有している旨が記載されていますが、2026年3月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含められていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性7名・女性3名)で構成され、女性役員比率は30.0%です。代表取締役社長執行役員最高経営責任者(CEO)は岡村信悟氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岡村 信悟 | 代表取締役社長執行役員最高経営責任者(CEO) | 郵政省(現総務省)入省後、2016年に同社に入社。スポーツ事業部門の要職を歴任し、2021年4月より同社代表取締役社長兼執行役員最高経営責任者(CEO)より現職。 |
| 南場 智子 | 代表取締役会長 | マッキンゼー・アンド・カンパニー・インコーポレイテッド・ジャパンを経て、1999年に有限会社ディー・エヌ・エーを設立。同社代表取締役社長、CEOを歴任し、2021年4月より同社代表取締役会長。株式会社横浜DeNAベイスターズ取締役オーナーなどを務める。 |
| 渡辺 圭吾 | 取締役執行役員 経営企画本部 本部長 | 全薬工業株式会社を経て、2002年に同社に入社。インターネットマーケティング事業や渉外統括本部の要職を歴任し、2024年6月より同社取締役兼執行役員経営企画本部本部長より現職。 |
社外取締役は、宮城治男氏(特定非営利活動法人エティック代表理事・指名委員会委員長)、久保田雅也氏(World Innovation Lab(WiL)パートナー・報酬委員会委員長)、木谷哲夫氏(京都先端科学大学国際学術研究院教授)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は6名の取締役で構成され、うち3名が独立社外取締役です。社外取締役は、独立した立場から取締役会の意思決定や業務執行を監督し、ガバナンス強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、現金報酬と株式報酬型ストックオプションで構成されています。社外取締役以外の取締役には固定報酬と業績連動報酬が支給され、社外取締役および監査役には固定報酬のみが支給される体系です。株式報酬型ストックオプションは、株主との価値共有を目的としたインセンティブとして付与されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 2.2億円 | 54.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 18百万円 | 18.0百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 64百万円 | 8.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、個人別報酬は開示されていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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