※本記事は、ロート製薬株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ロート製薬は、ヘルス&ビューティケア領域で幅広い製品(サービス)を製造・販売しています。アイケア、スキンケア、内服・食品、メディカル関連など多岐にわたる事業を展開しています。
単体従業員数は1,786名、連結従業員数は9,292名です。セグメントは日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、その他の5つです。
主な国内グループ会社は、当社、連結子会社 14社、持分法適用関連会社 2社、他 19社、連結子会社 9社などです。
直近では、シンガポールのユーヤンサン・インターナショナル社やオーストリアのモノ社を連結子会社に加えるなど、M&Aを通じた事業拡大を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ロート製薬は、事業を通じて健康に関する社会課題解決を目指し、Well-beingな社会の実現をパーパスとしています。同社グループは、多様な事業ポートフォリオとグローバル展開を背景に、社員一人ひとりの成長と組織の持続的な価値創造を重視する働き方を推進しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員が主体的にキャリアビジョンを実現できるよう、ダイバーシティ・マネジメントを推進し、多様な個を活かした組織づくりを通じて個人と会社が共に成長することを目指しています。平均勤続年数と平均年齢からは、比較的長く勤める社員が多く、安定したキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,505,000円 |
| 平均勤続年数 | 13.8年 |
| 平均年齢 | 42.1歳 |
| 単体従業員数 | 1,786人 |
| 連結従業員数 | 9,292人 |
| 単体のグループ内比率 | 19.2% |
退職給付制度
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は152億円、年金資産は176億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、Well-beingな社会の実現と持続的な成長のため、社員一人ひとりの成長を不可欠と捉え、人材戦略を経営戦略と一体で推進しています。多様な事業ポートフォリオとグローバル展開を踏まえ、社員が学び続け、挑戦し、周囲と共創しながら価値を創出できる人材・組織基盤の強化を重視しています。
具体的には、採用、人材育成、自律的なキャリア形成支援、学習機会の提供、理念浸透、組織風土の醸成、DE&I、健康経営、労働安全衛生などの取り組みを推進しています。社員との対話を通じて、個々の志向、適性、成長段階を踏まえた配置・登用を進め、専門性の向上と自律的な成長を支援することで、個人と組織の持続的な成長を図っています。
報酬制度においては、従業員が創出する価値を事業成果への貢献だけでなく、顧客・社会への価値提供の観点も含めて捉え、これに見合った処遇を行うことを基本としています。給与や賞与は、職務・役割の重要性、成果・貢献、成長に向けた挑戦の状況などを踏まえ、適切な評価を通じて決定されます。
また、短期的な成果だけでなく、中長期の成長につながるよう評価・処遇を設計・運用し、上司・同僚との対話を通じて納得感を醸成し、成長機会の提供につなげています。多様な価値観・働き方・キャリア志向を尊重し、雇用形態や属性にかかわらず公正で説明可能な評価・処遇の実現に努め、業界・市場水準を踏まえた採用競争力と内部の整合性にも留意して決定しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児・介護休業法に基づき、育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。労働者の男女の賃金の差異は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 31.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 92.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 67.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規(無期)雇用労働者) | 69.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規(有期)雇用労働者) | 46.3% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ クオリテックファーマ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 77.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規(無期)雇用労働者) | 81.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規(有期)雇用労働者) | 52.3% |
▼ ロートニッテン
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 65.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規(無期)雇用労働者) | 67.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規(有期)雇用労働者) | 49.1% |
▼ 天藤製薬
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 9.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 76.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規(無期)雇用労働者) | 76.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規(有期)雇用労働者) | 59.0% |
任意開示
任意開示指標は、当社および国内主要子会社(クオリテックファーマ、ロートニッテン、天藤製薬)を対象とした集計値です。ただし、Well-beingアンケートスコアと喫煙者の割合は当社を対象としています。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 障がい者雇用率 | 2.8% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休暇取得率 | 91.4% |
| 有給休暇取得率 | 80.6% |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 健康診断受診率 | 100.0% |
| 喫煙者の割合 | 2.0% |
| 重大労働災害(休業)発生件数 | 1件 |
人材育成・エンゲージメント
Well-beingアンケートは、同社グループ社員が大切にする価値観を共有し、事業や仕事を通じて社員一人ひとりがWell-beingを高められているかを可視化するため、5つの観点を質問項目とした独自サーベイです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 時間外労働(時間/月) | 11.7 |
| Well-being アンケートスコア(5項目平均) | 6.99pt |
| 全従業員に対する人権・ハラスメント教育の実施 | 実施 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ロート製薬は、ヘルス&ビューティケア領域を中心に多岐にわたる製品とサービスを提供し、グローバルに事業を展開しています。人々の健康と美を支える製品を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、アイケア関連、スキンケア関連、内服・食品関連、メディカル関連、その他の製品やサービスを製造・販売しています。収益は、これらの製品やサービスの顧客への提供から得ています。
同社グループの事業は、主に地域別のセグメントに分かれています。
日本
アイケア、スキンケア、内服・食品、メディカル、その他の製品・サービスを製造・販売しています。収益は、これらの製品・サービスの販売から得ています。運営は、ロート製薬を中心に、ロートニッテン、クオリテックファーマが主にメディカル関連の製品・サービスを製造・販売しています。当期の売上高は前期から増加しましたが、セグメント利益は減少しました。
アメリカ
主にスキンケア関連の製品・サービスを製造・販売しています。医療用消毒薬や「肌ラボ」、医療用眼科事業も好調に推移しています。収益は、スキンケア製品、医療用消毒薬、医療用眼科製品の販売から得ています。運営は、メンソレータム社を中心に、ブラジルの連結子会社も貢献しています。当期の売上高、セグメント利益ともに前期から増加しました。
ヨーロッパ
主にスキンケア関連の製品・サービスを製造・販売しており、「Hadalabo Tokyo」や「YOSKINE」、点眼薬「ロート ドライエイド」などが順調に推移しています。収益は、スキンケア製品、点眼薬の販売から得ています。運営は、メンソレータム社・イギリスを中心に、ポーランドのダクス・コスメティクス社やオーストリアのモノ社も貢献しています。当期の売上高は前期から大幅に増加しましたが、セグメント利益は減少しました。
アジア
主にアイケア関連、スキンケア関連の製品・サービスを製造・販売しており、「肌ラボ」、「アクネス」、フケ抑制シャンプー「セルサン」、目薬等が増収に寄与しました。内服・食品関連の製品・サービスも提供しています。収益は、アイケア、スキンケア、内服・食品関連製品の販売から得ています。運営は、メンソレータム社・アジアパシフィック、メンソレータム社・中国、ユーヤンサン・インターナショナル社、その他の現地法人が担当しています。当期の売上高、セグメント利益ともに前期から大幅に増加しました。
その他の事業セグメント
報告セグメントに含まれない事業活動を行っています。収益は、オーストラリアの現地法人の事業活動から得ています。運営は、オーストラリアの現地法人です。当期の売上高は前期から増加しました。
同社グループの売上高は海外比率が高く、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。また、特定の顧客である㈱大木への売上高が全体の15.6%を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 日本 | 1,650億円 | 1,693億円 |
| アジア | 1,003億円 | 1,253億円 |
| ヨーロッパ | 192億円 | 239億円 |
| アメリカ | 208億円 | 216億円 |
| その他の事業セグメント | 33.7億円 | 36.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は過去5年間で一貫して増加傾向にあります。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も同様に増加しており、堅調な業績推移を示しています。特に当期は売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から増加しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,996億円 | 2,387億円 | 2,708億円 | 3,086億円 | 3,437億円 |
| 経常利益 | 288億円 | 356億円 | 424億円 | 397億円 | 480億円 |
| 経常利益率 | 14.4% | 14.9% | 15.7% | 12.9% | 14.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 211億円 | 264億円 | 309億円 | 308億円 | 342億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 92.61 | 115.62 | 135.61 | 135.38 | 151.56 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、従業員一人ひとりが生み出す利益も伸びています。これらの指標の改善は、組織全体の効率化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 33.8百万円 | 37.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.2百万円 | 4.4百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ロート製薬グループは、安定した財務基盤を構築しており、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てながらも、手元資金を確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ロート製薬グループは、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、強固な財務体質を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。また、手元資金も十分に確保されており、事業活動における安定性が高い状態です。これらの財務状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる基盤を持っていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2,807億円 | 3,202億円 |
| 自己資本比率 | 60.2% | 62.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 12.1% | 12.1% |
| 現金及び預金 | 772億円 | 868億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ロート製薬グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の増加などにより、前年同期に比べて増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が大きかったのに対し、当連結会計年度は無形固定資産や有形固定資産の取得による支出があったものの、全体としては使用した資金が減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に非支配株主からの払込みや転換社債型新株予約権付社債の発行による収入があった一方、当連結会計年度は配当金の支払いやリース債務の返済による支出があり、資金の流出に転じました。
結果として、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動に必要な資金を賄った上で、自由に使える資金(フリーキャッシュ・フロー)も確保できている状況です。これは、同社グループが事業の成長と安定性を両立させながら、将来に向けた投資余力も持っていることを示しており、従業員の雇用や給与の安定性、そして今後の成長性にも期待が持てる財務状況であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 369億円 | 478億円 |
| 投資CF | △892億円 | △298億円 |
| 財務CF | 353億円 | △118億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △523億円 | 180億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、グローバルに事業を展開しており、海外売上高が連結売上高の51.0%を占めています。各国・地域における政治・経済情勢の悪化、法規制・行政運用の変更、為替変動などにより、販売活動や生産・調達に支障が生じる可能性があります。また、同社グループが展開する市場は、消費者ニーズの変化、価格競争、新規参入、技術革新などにより、競争環境が大きく変化する可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、持続的な成長に向けて、多様な人材の確保・育成・活躍、組織能力の向上、企業文化の継承を重要な課題と認識しています。少子高齢化、労働市場の流動化、人材獲得競争の激化などにより、研究開発、製造、品質保証、海外事業、デジタル領域等に必要な人材を計画どおりに確保・育成できない可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ロート製薬は、創業以来「健康」をコアバリューに掲げ、人々のWell-being(身体も心もイキイキとした状態)とLongevity(長く楽しい人生)の実現を目指しています。グローバルな視点と地域に根差したアプローチを両立させながら、持続可能な社会の実現に貢献する企業風土を醸成しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ロート製薬は、世界の人々に商品やサービスを通じて健康を届け、社会全体をWell-beingに導き、明日の世界を元気にすることを存在意義(パーパス)としています。豊かで幸せな生活を送るための心身の健康に貢献し続けることを最大の責務と捉え、長期視点での経営と価値創出に努めています。
同社グループは「Connect for Well-being & Longevity」をビジョンに掲げています。これは、サイエンスを通じて健康を最大限に引き出し、世界の人々が健やかに長く幸せに過ごせる持続可能な社会を実現することを目指すものです。社会の公器としての使命を自覚し、ステークホルダーと協働して社会課題を解決し、便益を共有することを経営理念としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、グローバル共通の理念、価値観、品質・倫理基準を徹底しつつ、各地域・各子会社の自主性・自立性を尊重するグループ経営を基本方針としています。グループ内外の多様なステークホルダーとの協業・共創を積極的に推進し、競争力向上と新たな価値創出を図るカルチャーがあります。
サステナビリティに関する考え方として、事業を通じて健康に関わる多様な社会課題を解決し、社会的価値と企業価値の双方を生み出す活動を重視しています。経営理念、価値行動規範(7つの宣誓)、各種方針等に基づき、全てのステークホルダーと協働し、Well-beingな社会の実現と企業価値向上に努めることをサステナビリティ方針としています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を経営戦略の重要な課題と捉え、継続的なイノベーション創出とデジタルヘルスケアへのシフトに対応しています。Connect for Customer(D2Cプラットフォーム)の実装や、DX人財育成ロードマップの策定・推進に取り組んでいます。
また、サステナビリティにおける重点課題の解決に向け、ESG/SDGsの観点から5つのマテリアリティ(重要課題)を特定しています。具体的には、事業を通じたWell-beingの実現、企業価値向上に向けた人的資本の最大化、持続可能な地球環境への貢献、社会との共生、さらなる経営基盤の強化を掲げ、これらの活動テーマを推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ロート製薬は、監査役会設置会社として、社外役員を積極的に登用することで経営の透明性と監視機能の強化を図っています。任意の指名委員会および報酬委員会も設置し、ガバナンス体制を充実させています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ロート製薬の株主構成は、信託銀行や海外の機関投資家が上位を占める一方で、創業家や関連企業、そして従業員持株会も主要な株主として名を連ねています。これにより、幅広いステークホルダーによって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 13.46% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223(常任代理人 みずほ銀行決済営業部) | 5.44% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.92% |
| ㈲山田興産 | 3.72% |
| 三菱UFJ銀行 | 3.36% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は19名(男性11名・女性8名)で構成され、女性役員比率は42.1%です。代表取締役会長は山田邦雄氏、代表取締役社長は瀬木英俊氏が務めています。社外取締役比率は35.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山田 邦雄 | 代表取締役会長 | 1980年同社入社。取締役、専務取締役、取締役副社長を経て、1999年代表取締役社長に就任。2009年代表取締役会長、最高経営責任者(CEO)に就任し、2019年より現職。 |
| 瀬木 英俊 | 代表取締役社長 | 1985年日本ヴィックス(現P&Gジャパン)入社。1997年同社入社。取締役、常務取締役を経て、2025年より代表取締役社長に就任し現職。 |
| 斉藤 雅也 | 取締役副社長チーフファイナンシャルオフィサー(CFO) | 1986年同社入社。ロート・メンソレータム・ベトナム社取締役社長、取締役、経営戦略推進本部ディレクターを経て、2018年より取締役副社長に就任し現職。 |
| 國﨑 伸一 | 取締役副社長チーフテクニカルオフィサー(CTO) | 1981年サントリー入社。2007年同社入社。執行役員、研究開発本部長、取締役、常務取締役を経て、2023年より取締役副社長に就任し現職。 |
| 藤本 陽子 | 常務取締役チーフメディカルオフィサー(CMO) | 1992年東京都立神経病院等にて神経内科医員。ファルマシア(現ファイザー)入社、取締役執行役員ワクチン部門長を経て、2025年より同社常務取締役に就任し現職。 |
| 河﨑 保徳 | 取締役チーフヒューマンリソースオフィサー(CHRO) | 1982年日本生命保険入社。1986年同社入社。執行役員、人材開発教育担当を経て、2023年より取締役に就任し現職。 |
| 山中 雅恵 | 取締役チーフトランスフォーメーションオフィサー(CXO) | 1987年日本アイ・ビー・エム入社。日本マイクロソフト、LIXIL、パナソニックを経て、2024年同社入社。同年より取締役に就任し現職。 |
| 本間 陽一 | 取締役チーフサイエンティフィックオフィサー(CScO) | 1992年同社入社。研究開発本部副本部長、経営戦略本部ディレクター、執行役員を経て、2024年より取締役に就任し現職。 |
| 末延 則子 | 取締役チーフリサーチオフィサー(CRO) | 1991年ポーラ化成工業入社。執行役員、研究担当取締役執行役員、ポーラメディカル代表取締役社長を経て、2025年同社入社。同年より取締役に就任し現職。 |
社外取締役は、入山章栄氏(早稲田大学ビジネススクール教授・指名委員会委員長)、米良はるか氏(READYFOR代表取締役CEO)、林依利子氏(依利法律事務所代表)、片田江舞子氏(Red Capital代表取締役)、岩田彰一郎氏(フォース・マーケティングアンドマネージメント代表取締役CEO)です。
ロート製薬は監査役会設置会社であり、社外取締役5名と社外監査役3名を選任することで、外部からの視点を取り入れ、経営監視機能の強化を図っています。社外役員は、独立した立場から取締役会での議論を活性化させ、客観的な助言や意見を述べる役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ロート製薬の役員報酬は、職責に応じた基本報酬と、個別の評価や業績に連動する成果報酬で構成されています。社外取締役の報酬は、独立した監督機能を重視し、基本報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 10名 | 5.4億円 | 53.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 43百万円 | 21.5百万円 |
| 社外役員 | 9名 | 73百万円 | 8.1百万円 |
役員報酬の総額は6億5500万円であり、対象となる役員の合計は21名です。
個人別報酬が開示されている役員は、山田邦雄氏(2.08億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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