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インターアクション転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態
※本記事は、株式会社インターアクションの有価証券報告書(第33期、自 2024年6月1日 至 2025年5月31日、2025年8月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. インターアクションってどんな会社?
同社は、イメージセンサ検査用光源装置で高いシェアを持つ、光技術を核としたソリューション企業です。
■(1) 会社概要
同社は1992年に設立され、半導体検査装置の設計・開発を開始しました。2001年に東証マザーズへ上場し、その後、明立精機や東京テクニカルを完全子会社化して事業領域を拡大しました。2022年には東証プライム市場へ移行し、2025年には事業ポートフォリオの見直しに伴い、環境エネルギー事業を担っていた子会社の売却を実施しました。
2025年5月31日現在、連結従業員数は130名(単体56名)です。大株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行の信託口で、第2位は米国の証券会社、第3位は外国籍の投資ファンドとなっており、機関投資家や海外投資家の保有比率が高い傾向にあります。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 13.29% |
| INTERACTIVE BROKERS LLC | 9.09% |
| JAPAN ABSOLUTE VALUE FUND | 6.18% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性1名の計8名で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は木地伸雄氏が務めています。なお、取締役5名のうち4名が社外取締役であり、社外取締役比率は80.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 木地 伸雄 | 代表取締役社長 | 2006年同社入社。西安朝陽光伏科技有限公司董事長、明立精機および東京テクニカルの代表取締役社長などを歴任し、2017年同社代表取締役副社長を経て、2020年6月より現職。 |
社外取締役は、織田友理子(NPO法人PADM代表)、宍戸英樹(Generate Biomedicines Principal Scientist)、荒木昇(公認会計士・税理士)、植田祥裕(元アシックス執行役員)です。
2. 事業内容
同社グループは、「IoT関連事業」、「環境エネルギー事業」、「インダストリー4.0推進事業」の3つのセグメントを展開しています。
■(1) IoT関連事業
CCDおよびCMOSイメージセンサの製造工程で使用される検査用光源装置や瞳モジュール等を開発・製造・販売しています。主な顧客は半導体メーカーであり、スマートフォンのカメラ機能向上や車載向けセンサの需要に対応した製品を提供しています。
収益は、主にイメージセンサメーカー等の顧客に対する製品の販売代金から得ています。運営は主にインターアクションが行っています。
■(2) 環境エネルギー事業
輪転印刷機向けの乾燥脱臭装置や、工場から排出されるガスを処理する排ガス処理装置等を開発・製造・販売しています。印刷業界の設備更新需要や工場の環境対策需要に対応しています。なお、同事業を担う子会社は2025年7月に譲渡されました。
収益は、装置の販売およびメンテナンスサービス等の対価として顧客から受領しています。運営は主にエア・ガシズ・テクノスが行っています。
■(3) インダストリー4.0推進事業
精密除振装置、歯車試験機、AI画像処理装置、レーザ加工機等を開発・製造・販売しています。除振装置はディスプレイ製造や精密機器分野で、歯車試験機は自動車やロボット部品向けに使用されています。
収益は、各種装置の販売代金や業務システム開発支援等の対価から得ています。運営は、インターアクション、明立精機、東京テクニカルなどが担っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は60億円台から70億円台で推移していましたが、当期は前期比で減少しました。利益面でも、経常利益率は20%前後と高い水準を維持しているものの、当期は減益となりました。自己資本比率は80%を超える高水準で推移しており、極めて安定した財務基盤を有しています。
| 項目 | 2021年5月期 | 2022年5月期 | 2023年5月期 | 2024年5月期 | 2025年5月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 66億円 | 60億円 | 69億円 | 78億円 | 67億円 |
| 経常利益 | 17億円 | 12億円 | 15億円 | 16億円 | 14億円 |
| 利益率(%) | 26.4% | 19.9% | 21.9% | 21.1% | 20.8% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 12億円 | 8億円 | 10億円 | 11億円 | 10億円 |
■(2) 損益計算書
当期は前期と比較して減収減益となりました。売上高の減少に伴い売上総利益も減少しましたが、売上総利益率は高い水準を維持しています。営業利益率も20%を超えており、収益性の高さが伺えます。販管費の抑制も図られましたが、利益の減少をカバーするには至りませんでした。
| 項目 | 2024年5月期 | 2025年5月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 78億円 | 67億円 |
| 売上総利益 | 33億円 | 30億円 |
| 売上総利益率(%) | 42.6% | 45.0% |
| 営業利益 | 16億円 | 14億円 |
| 営業利益率(%) | 20.3% | 21.3% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が4億円(構成比24%)、役員報酬が3億円(同19%)を占めています。売上原価は売上高の55%を占めています。
■(3) セグメント収益
IoT関連事業は、国内顧客向けの販売が下期に低調に推移し、大幅な減収減益となりました。環境エネルギー事業は装置販売が減少しましたが、メンテナンス案件が好調で増益を確保しました。インダストリー4.0推進事業は、精密除振装置の販売が好調で増収となり、利益も大幅に増加しました。
| 区分 | 売上(2024年5月期) | 売上(2025年5月期) | 利益(2024年5月期) | 利益(2025年5月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| IoT関連事業 | 49億円 | 38億円 | 24億円 | 19億円 | 50.8% |
| 環境エネルギー事業 | 11億円 | 8億円 | 0.4億円 | 0.4億円 | 5.5% |
| インダストリー4.0推進事業 | 18億円 | 21億円 | 0.2億円 | 3億円 | 12.9% |
| 調整額 | - | - | -9億円 | -8億円 | - |
| 連結(合計) | 78億円 | 67億円 | 16億円 | 14億円 | 21.3% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
インターアクションのキャッシュ・フローの状況についてご説明します。
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権や棚卸資産の減少などにより大幅な収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出がありました。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどによる支出がありました。これらの結果、現金及び現金同等物は増加しました。
| 項目 | 2024年5月期 | 2025年5月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 0.1億円 | 36億円 |
| 投資CF | -2億円 | -3億円 |
| 財務CF | -5億円 | -4億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、「人・技術・組織の相互作用から革新を生み出し『見えない価値』に光をあてる」ことを使命としています。特定の技術にとらわれず、相互作用の力によって社会の持続的発展に資するソリューションを創出し、社会に本質的な変化を実装する企業を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は「クライアントファースト」をモットーとし、「人と社会の役に立つかどうか」を意思決定の基準としています。また、価値として「Interaction Value(共創価値)」を掲げ、同社がハブとなって技術・人・会社を繋ぎ、相互作用によって価値を共創していくことを重視しています。
■(3) 経営計画・目標
同社は新中期経営計画(2026-2030)を策定し、質の高い成長と企業価値向上を目指しています。重要指標として以下の5つを設定しています。
* ベース売上高(事業の強靭性)
* 売上総利益率(製品競争力)
* 一人当たり営業利益(人材)
* 営業利益成長率(CAGR)(利益成長)
* ROE(経営品質)
■(4) 成長戦略と重点施策
新中期経営計画に基づき、戦略的目標とオペレーショナル目標の分離、マーケティング能力の強化、パートナーシップ戦略の推進等に取り組みます。事業別には、IoT関連事業でモバイル・車載向け技術開発を強化し、インダストリー4.0推進事業では振動ソリューションやAI画像処理分野への挑戦を行います。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
人材育成方針として「確信・共創・貢献」を掲げ、社内教育プログラム「英雄アカデミア」を通じて社員のスキルアップを推進しています。多様性の確保に向けて、独自の「ファミリーサポート休暇」等を導入し、柔軟な職場環境を整備しています。人的資本については、技術開発部門への投資を優先しつつ、適切な配分を行っていく方針です。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年5月期 | 42.2歳 | 7.5年 | 7,386,893円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、技術職社員 女性比率(3.0%)、従業員の女性比率(約19.6%)、外国人比率(約1.8%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) イメージセンサ市場への依存
同社グループのIoT関連事業における主力製品である光源装置等の需要は、半導体メーカーの設備投資動向に大きく影響を受けます。スマートフォン市場の動向や半導体メーカーの経営方針の変化により需要が変動した場合、同社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
■(2) 小規模組織と人材確保
同社グループは従業員130名の小規模組織であり、競争力の源泉である技術開発力は専門性の高い人材に依存しています。優秀な人材の確保や育成が計画通り進まない場合や、人材が流出した場合には、業務遂行や技術開発に支障をきたし、業績に影響が生じるおそれがあります。
■(3) 特許・知的財産権のリスク
同社グループは技術特許の取得を推進していますが、技術公開により模倣されるリスクや、他社の特許を侵害するリスクが存在します。特許侵害訴訟等が発生した場合、業績に影響が生じる可能性があります。また、知財戦略としてリスクやメリットを慎重に判断して出願を行っています。



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