※本記事は、東洋製罐グループホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
東洋製罐グループホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は533名、グループ連結従業員数は19,067名です。
同社グループは、金属・プラスチック・紙・ガラスを主原料とする容器の製造販売を主軸とする総合容器メーカーとして、連結子会社74社を中心に多岐にわたる事業を展開しています。包装容器事業を核に、エンジニアリング・充填・物流、鋼板関連、機能材料関連、不動産関連など、幅広い分野で事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、東洋製罐(東京都品川区)(包装容器・事業)、ティーエムパック(仙台市宮城野区)、東洋鋼鈑(東京都品川区)(鋼板・関連事業)などです。
東洋製罐グループホールディングスは、当連結会計年度中にマレーシアのPREMIER CENTRE GROUP SDN. BHD.を連結子会社化し、広州南沙斯多里機械有限公司を増加させました。一方で、Stolle EMS Precision Limitedは清算結了しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、持株会社としてグループ全体の人材マネジメントを統括し、多様な事業を支える働きがいのある環境づくりを目指しています。既存事業の維持・強化に加え、新規事業領域での収益拡大を支える人材育成と環境整備に注力している点が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も比較的安定しており、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,573,087円 |
| 平均勤続年数 | 16.9年 |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 単体従業員数 | 533人 |
| 連結従業員数 | 19,067人 |
| 単体のグループ内比率 | 2.8% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、当社および国内連結子会社に適用されています。
退職一時金制度も設けていますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
2026年3月31日現在の退職給付債務は866億円、年金資産は1,064億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「既存事業領域を維持しながら、グループのリソースを最大限活用して新規事業領域での収益を拡大すること」を経営戦略の基本としています。この戦略を実現するため、既存事業のオペレーションを高いレベルで維持・継続できる人材に加え、グループ全体最適の視点で新たな仕組みを構築できる人材、そして新たな製品・技術・事業を生み出せる人材の育成に注力しています。
当社、東洋製罐、東洋鋼鈑では役割等級制度に基づく役割給を本給とし、プライム上場企業(製造業)水準を意識した採用競争力のある年収水準を設定しています。管理職賞与は、1人あたりEBITDAに支給月数を連動させる業績連動型を採用しており、国内グループ会社を対象とした従業員持株制度も導入しています。
人材戦略の重点課題として、製造部門および30代社員のエンゲージメント向上、女性管理職比率向上と男女賃金格差の解消、グループ意識およびグループ内人材流動化比率の向上に取り組んでいます。これらの課題に対し、キャリア研修やキャリアコンサルティング面談、ダイバーシティ推進部会での施策提言、グループ内の公募制やキャリア自己申告の拡充などを進めています。
人材育成では、新任役職者研修や階層別研修に加え、次世代経営者育成研修やTSGBC(東洋製罐グループビジネスカレッジ)といった選抜研修を実施しています。また、グループ内の人材流動化を促進するため、主要グループ会社の人事制度共通化やITインフラ整備、グループ一括採用、キャリア形成支援の拡充にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率は、提出会社単体の数値は本記事では取得できていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 9.9% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 88.9% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 90.9% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 90.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 子会社1
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 1.5% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
▼ 子会社2
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | 75.0% |
▼ 子会社3
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 6.8% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
従業員の尊重(グループ7社)
対象は東洋製罐グループホールディングス、東洋製罐、東洋鋼鈑、東罐興業、日本クロージャー、メビウスパッケージング、東洋ガラスの7社です。エンゲージメント、総合健康リスク、成長できる職場はMBK Wellnessが提供する「HoPEサーベイ」を使って測定しています。グループの理念・ビジョン浸透度は、当社グループの理念・ビジョンを「理解している」「ある程度理解している」と回答した社員の割合です。時間外45h超過者数は、各年度における100人・月当たりの平均発生人数を、管理職を除いて算出しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 5.6% |
| 女性採用比率 | 26.3% |
| 男女の平均継続勤務年数の差異 | 3.7年 |
| 10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別継続雇用割合(男性) | 57.4% |
| 10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の男女別継続雇用割合(女性) | 47.5% |
| エンゲージメント | 51.2 |
| グループの理念・ビジョン浸透度 | 60.8% |
| 総合健康リスク | 99 |
| 成長できる職場 | 52.3 |
| 中核人材のグループ他社経験比率 | 57.9% |
| 時間外45h超過者数 | 4.6人 |
女性活躍推進(グループ7社・15社)
採用・定着・登用の指標は当社を含む主要なグループ会社7社(正社員)の数値です。総合結果指標は、2022年度はグループ14社、2023年度以降は15社の数値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性採用比率(新卒) | 27.5% |
| 女性採用比率(キャリア) | 24.9% |
| 10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の継続雇用割合(男性) | 57.4% |
| 10事業年度前及びその前後の事業年度に採用された労働者の継続雇用割合(女性) | 47.5% |
| 平均継続勤務年数の男女差 | 3.7年 |
| 30代女性係長比率 | 11.5% |
| 女性管理職比率 | 5.6% |
| 男女賃金格差(全労働者) | 69.6% |
連結ベースの1人当たりEBITDA
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 1人当たりEBITDA | 558万円 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
東洋製罐グループホールディングスは、金属、プラスチック、紙、ガラスを主原料とする容器の製造販売を核に、関連するエンジニアリング、充填、物流、鋼板、機能材料、不動産賃貸など多岐にわたる事業を展開する総合容器メーカーです。持株会社体制をとり、グループ全体で幅広い製品とサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、総合容器メーカーとして培った技術とノウハウを活かし、多様な製品とサービスを国内外に提供することで収益を上げています。各事業セグメントがそれぞれの専門分野で事業活動を展開し、グループ全体の収益を構成しています。
包装容器事業
金属、プラスチック、紙、ガラスを主原料とする容器の製造販売を行っています。国内・海外での価格改定を実施したものの、一部製品の販売数量減少により、当期の売上高は前期並みとなりました。
収益は、各種容器の製造販売から得ています。運営は、東洋製罐、日本クロージャー、東罐興業、メビウスパッケージング、日本トーカンパッケージ、東洋ガラスなどの連結子会社や持分法適用関連会社が行っています。
エンジニアリング・充填・物流事業
包装容器関連機械設備の製造販売、飲料充填品やエアゾール製品、一般充填品の受託製造販売、貨物自動車運送業や倉庫業を行っています。前期に低迷していた海外エンジニアリング事業が回復に転じたことや、マレーシアでの充填事業会社の連結により、当期の売上高は前期を大幅に上回りました。
収益は、機械設備の販売、充填品の受託製造、物流サービスなどから得ています。運営は、Stolle Machinery Company, LLC、東洋製罐グループエンジニアリング、東洋エアゾール工業、Toyo Seikan (Thailand) Co., Ltd.、東洋メビウスなどの連結子会社が行っています。
鋼板関連事業
鋼板及び鋼板の加工品の製造販売を行っています。電気・電子部品向けや食缶向けが増加したことにより、当期の売上高は前期を上回りました。
収益は、鋼板およびその加工品の製造販売から得ています。運営は、東洋鋼鈑などの連結子会社や持分法適用関連会社が行っています。
機能材料関連事業
磁気ディスク用アルミ基板、光学用機能フィルム、釉薬、顔料、ゲルコート、微量要素肥料などの機能材料の製造販売を行っています。データセンター向けハードディスク用途で市況が回復したことにより、当期の売上高は前期を上回りました。
収益は、各種機能材料の製造販売から得ています。運営は、東洋鋼鈑、TOMATECなどの連結子会社が行っています。
不動産関連事業
オフィスビルや商業施設などの賃貸を行っています。当期の売上高は前期を上回りました。
収益は、不動産の賃貸収入から得ています。運営は、東洋製罐グループホールディングスや東罐共栄などの連結子会社が行っています。
その他の事業セグメント
自動車用プレス金型・機械器具・硬質合金・農業用資材製品などの製造販売、石油製品などの販売、損害保険代理業などを行っています。当期の売上高は前期を上回りました。
収益は、多岐にわたる製品の製造販売やサービス提供から得ています。運営は、連結子会社や持分法適用関連会社が行っています。
同社グループの売上高は日本が大部分を占めていますが、アジアやその他の地域でも事業を展開しており、当期はアジアやその他の地域での売上高が前期から増加しています。特定の顧客への収益集中は見られず、包装容器事業が最大の事業セグメントとなっています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 包装容器事業 | 6,024億円 | 6,023億円 |
| エンジニアリング・充填・物流事業 | 1,464億円 | 1,793億円 |
| 鋼板関連事業 | 900億円 | 915億円 |
| 機能材料関連事業 | 519億円 | 578億円 |
| その他の事業セグメント | 237億円 | 240億円 |
| 不動産関連事業 | 80.8億円 | 83.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
過去5期の連結業績を見ると、売上高は増加傾向にあり、特に当期は前期から大きく伸びています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、期間中に変動はあったものの、当期は前期から大幅な増加を示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,216億円 | 9,060億円 | 9,507億円 | 9,225億円 | 9,632億円 |
| 経常利益 | 457億円 | 138億円 | 387億円 | 372億円 | 583億円 |
| 経常利益率 | 5.6% | 1.5% | 4.1% | 4.0% | 6.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 444億円 | 104億円 | 231億円 | 225億円 | 550億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 240.61 | 57.07 | 130.15 | 134.60 | 361.63 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
連結従業員1人あたりの売上高は、当期は前期から増加しています。また、連結従業員1人あたりの営業利益も、当期は前期から大きく増加しています。これらの指標の改善は、同社グループ全体の生産性が向上している傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 49.0百万円 | 50.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.8百万円 | 2.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、財務基盤を堅固に保ちながら事業を展開しています。これにより、将来に向けた投資余力も確保されている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、堅固な状態を示しています。ROE(自己資本利益率)も前期から大きく改善し、収益性の向上が見られます。手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態にも対応できる体制が整っています。これらの状況は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる基盤を持っていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 6,949億円 | 7,276億円 |
| 自己資本比率 | 55.5% | 56.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.4% | 8.1% |
| 現金及び預金 | 1,198億円 | 1,232億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは890億円のプラスとなりましたが、前期からは減少しています。これは主に売上債権や棚卸資産の増加、法人税等の支払額によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券の売却による収入もあり、支出の減少幅が前期より縮小しています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払いにより、前期から支出が増加しています。結果として、事業活動と投資活動で自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローは684億円のプラスとなり、前期から増加しています。この状況は、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、事業の維持・拡大に必要な投資を行いながらも、手元資金を確保できていることを示しており、安定した事業運営が期待できる状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 941億円 | 890億円 |
| 投資CF | △511億円 | △206億円 |
| 財務CF | △188億円 | △661億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 430億円 | 684億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが主として事業を展開する容器市場では、競合他社との価格競争激化や取引先による容器の自社製造拡大が続いています。これにより、価格交渉力の低下や製品価格の下落傾向が強まる懸念があります。
また、為替や景気、国際情勢の緊迫化などにより、原材料・エネルギー価格、人件費、物流費などの生産コストが変動するリスクがあります。価格転嫁の達成状況によっては、同社グループの収益性が低下する懸念があります。
③ 人材・組織に関するリスク
日本国内では少子高齢化や生産年齢人口の減少により、人材確保が困難な状況が続いています。必要な人材が確保できない場合、同社グループの事業運営に影響を及ぼす懸念があります。特に、将来の持続的な成長には有能なリーダーの存在と優秀な人材の確保・育成が重要であり、これが達成できない場合には成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
東洋製罐グループホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営を統括し、社会の持続的発展と自社の成長の両立を目指しています。創業以来培ってきた技術とノウハウを活かし、未来を見据えた新たな価値創造に取り組む企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は「常に新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現を希求して、人類の幸福に貢献します」と定められています。ビジョンとしては「世界中の人に必要とされる斬新で革新的な技術と商品を提供するグループ」を目指しています。
2050年を見据えた「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」では、「世界中のあらゆる人びとを安心・安全・豊かさでつつむ『くらしのプラットフォーム』」を目指す姿としています。具体的には、「多様性が受け入れられ、一人ひとりがより自分らしく生活できる社会の実現」と「地球環境に負荷を与えずに、人びとの幸せなくらしがずっと未来へ受け継がれる社会の実現」を目指しています。
その実現のため、「食と健康」「快適な生活」「環境・資源・エネルギー」の3つの分野で、素材開発、成形加工、エンジニアリング等の技術・ノウハウを活用し、オープンイノベーションやIoT・DXを推進しています。包装容器メーカーの枠を超え、社会を変える新たな価値創造に取り組む方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループの信条は「品格を重んじ、あらゆる事に日々公明正大に努めます」と「一人ひとりの力を最大限に発揮し、自己の成長と共に社会の繁栄に努めます」です。これらの信条は、働くうえでの拠り所となる経営思想として位置づけられています。
「東洋製罐グループサステナビリティ憲章」を制定し、「経営思想の実践」「ステークホルダーとの対話」「マテリアリティの特定」「グループ一体となった事業活動の推進」を柱としています。同社グループは、持続可能な社会の実現に貢献するため、優先的に取り組む課題を「東洋製罐グループのマテリアリティ(重要課題)」として特定しています。
マテリアリティには、「多様なライフスタイルを支える製品・サービスの開発と提供」「環境配慮型製品・サービスの開発と提供」「環境への貢献」「人権の尊重」「従業員の尊重」「コンプライアンスの徹底」の6つが設定されています。グループ全体でサステナビリティ経営を推進するため、「グループサステナビリティ委員会」を設置し、ESGのテーマごとに推進分科会も設けています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、事業環境の変化と社会課題の顕在化に対応するため、中長期的な経営戦略を策定しています。2026年度から5ヶ年の「中期経営計画2030」では、「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」とマテリアリティを基本に、さらなる事業成長を実現するための施策を定めています。
経営基盤強化の全体像として、成熟事業領域から成長事業領域への人材シフトに向けて、「人的資本の充実と変革」「デジタル技術を駆使した業務の効率化」「組織風土改革」の3つの取り組みを加速させていく方針です。
人事戦略においては、「製造部門のエンゲージメント向上」「30代社員のエンゲージメント向上」「女性管理職比率向上・男女賃金格差の解消」「グループ意識及びグループ内人材流動化比率の向上」を特に重要性の高い課題として取り組んでいます。これらの諸施策を着実に遂行することで、持続的な成長を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
東洋製罐グループホールディングスは、監査役会設置会社として、監査役による経営状況の監視体制を構築しています。また、執行役員制度を導入し、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能の明確化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
東洋製罐グループホールディングスの株主構成を見ると、学校法人東洋食品工業短期大学が筆頭株主となっています。また、公益財団法人東洋食品研究所も上位株主として名を連ねており、同社グループの設立経緯や歴史的背景に根ざした資本構成であることがうかがえます。信託銀行も上位に位置しており、幅広い株主層に支えられている状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 学校法人東洋食品工業短期大学 | 11.12% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 10.21% |
| 公益財団法人東洋食品研究所 | 8.29% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性10名・女性3名)で構成され、女性役員比率は23.1%です。取締役社長(代表取締役)は中村琢司氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中村 琢司 | 取締役社長(代表取締役) グループリスク・コンプライアンス委員長 最高技術責任者およびグループ技術開発機能統轄 | 1988年東洋鋼鈑入社。技術開発部門で要職を歴任し、2019年同社執行役員、2020年同社取締役。2025年6月より同社代表取締役社長、グループリスク・コンプライアンス委員長、最高技術責任者およびグループ技術開発機能統轄より現職。 |
| 副島 正和 | 取締役 専務執行役員 最高財務責任者および経営戦略機能統轄兼IRおよびグループ調達戦略管掌 | 1988年同社入社。経理部、経営企画部を経て、2016年同社執行役員、2017年同社取締役。2024年4月より同社専務執行役員、2026年4月より最高財務責任者および経営戦略機能統轄兼IRおよびグループ調達戦略管掌より現職。 |
| 室橋 和夫 | 取締役 常務執行役員 人事・人材開発・グループサステナビリティおよびグループリスク・コンプライアンス管掌 | 1986年同社入社。工場長、勤労部長、人事部長を歴任し、2017年同社執行役員、同年同社取締役。2020年4月より同社常務執行役員、2026年4月より人事・人材開発・グループサステナビリティおよびグループリスク・コンプライアンス管掌より現職。 |
| 小笠原 宏喜 | 取締役 常務執行役員 総務・法務・ITおよびグループ情報管理管掌 | 1988年同社入社。総務部で要職を歴任し、2017年同社執行役員、2018年同社取締役。2020年4月より同社常務執行役員、2026年4月より総務・法務・ITおよびグループ情報管理管掌より現職。 |
| 大塚 一男 | 取締役会長 グループサステナビリティ委員長 | 1983年同社入社。生産技術、海外事業部門を経て、2016年東洋製罐代表取締役社長。2018年同社代表取締役社長、2025年6月より同社取締役会長、グループサステナビリティ委員長より現職。 |
社外取締役は、谷口真美氏(早稲田大学商学学術院教授)、小黒健三氏(やまとパートナーズ代表取締役)、種岡瑞穂氏(グレンゲス・ジャパン代表取締役社長)、池川喜洋氏(三菱ケミカル取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役9名のうち4名が社外取締役です。社外取締役は独立した立場から、取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言や提言を通じて経営監視機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
東洋製罐グループホールディングスの取締役報酬は、基本報酬、短期業績連動報酬、中長期業績連動報酬で構成されています。基本報酬は月額の固定報酬として役位と職責に応じて決定され、短期業績連動賞与は事業年度ごとの業績目標達成度に基づき現金支給されます。中長期業績連動型株式交付信託は、中長期の企業価値向上への動機付けとして、ROEやEBITDA、サステナブル指標の達成度に応じて株式が交付される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 3.5億円 | 70.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 49百万円 | 24.5百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 64百万円 | 10.7百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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