※本記事は、株式会社ゼネラルパッカー の有価証券報告書(第64期、自 2024年8月1日 至 2025年7月31日、2025年10月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. ゼネラルパッカーってどんな会社?
自動包装機械および製菓・食品製造機械の設計・製造・販売を行う機械メーカーです。
■(1) 会社概要
同社は1961年に自動包装機の販売を目的に設立され、翌年には製造会社も設立されました。1969年に製販が合併し現在の商号となりました。2004年にジャスダック証券取引所へ上場し、2016年には中国子会社を設立するとともに、製菓機械メーカーのオサ機械を完全子会社化し、事業領域を拡大しています。
連結従業員数は215名、単体では175名です。筆頭株主は同社の資本業務提携先でありロボット応用システムの仕入先でもある事業会社のFAMSで、第2位はゼネラルパッカー従業員持株会、第3位は資産管理業務を行う信託銀行(りそな銀行)となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| FAMS | 15.02% |
| ゼネラルパッカー従業員持株会 | 12.38% |
| りそな銀行 | 4.36% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性9名、女性1名の計10名で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は牧野研二氏が務めています。取締役10名のうち5名が社外取締役であり、社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 牧野 研二 | 代表取締役社長 | 1985年同社入社。開発部長、技術部担当、生産部担当などを歴任し、2017年より代表取締役社長。2021年よりオサ機械代表取締役を兼務。 |
| 水野 智之 | 常務取締役資材部担当 | 1982年同社入社。システム営業部長、技術部長などを経て、2023年常務取締役。技術・生産部門を担当し、2025年8月より現職。 |
| 安藤 正行 | 取締役営業本部統括 | 1978年同社入社。本社営業部長、システムソリューション部長などを経て、2021年取締役営業本部長。2024年10月より現職。 |
| 塚本 真也 | 取締役営業本部副統括兼システムソリューション部担当 | 1990年アネスト岩田入社。同社取締役上席執行役員等を経て、2020年オサ機械入社。同社代表取締役社長を経て2024年同社会長。2024年10月より現職。 |
| 杉田 篤紀 | 取締役管理部長 | 1990年協和銀行(現りそな銀行)入行。支店長等を経て2020年同社入社。経営企画・管理担当執行役員を経て2021年10月より現職。オサ機械代表取締役兼務。 |
社外取締役は、久野浩介(税理士・元名古屋中税務署長)、村橋泰志(弁護士)、浅井一郎(元りそな総研取締役常務)、森田卓寿(FAMS代表取締役社長)、井上理津子(元りそなビジネスサービス執行役員)です。
2. 事業内容
同社グループは、「包装機械」および「生産機械」事業を展開しています。
■(1) 包装機械
食品メーカー等を顧客とし、自動包装機械および包装システムの設計・製造・販売・保守サービスを行っています。主力製品である給袋式自動包装機は、多品種少量生産のニーズに対応し、高い国内シェアを有しています。
収益は、顧客への製品販売および部品販売、保守サービスなどから得ています。運営は主に同社(ゼネラルパッカー)が行っているほか、中国においては蘇州日技通用包装机械有限公司および錦通日技包装科技(江蘇)有限公司が、米国においてはGeneral Packer America Corporationが事業を行っています。
■(2) 生産機械
食品・製菓メーカーを主な顧客とし、食品製菓製造機械および装置の設計・製造・販売・保守サービスを行っています。チョコレート製造に関わる全工程の機械を取り扱っており、顧客の要望に応じたカスタマイズ製品を提供しています。
収益は、顧客への製品販売および保守サービス等から得ています。運営は、同社の連結子会社であるオサ機械が担当しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は増加傾向にあり、直近の2025年7月期には100億円を突破し過去最高を更新しました。利益面でも、経常利益率は10%を超える水準を安定して維持しており、堅調な業績推移を示しています。
| 項目 | 2021年7月期 | 2022年7月期 | 2023年7月期 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 88億円 | 86億円 | 91億円 | 99億円 | 101億円 |
| 経常利益 | 10億円 | 11億円 | 9億円 | 10億円 | 11億円 |
| 利益率(%) | 11.9% | 13.1% | 10.4% | 10.4% | 10.6% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 9億円 | 8億円 | 7億円 | 7億円 | 8億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の増加に伴い売上総利益も増加していますが、人的資本への投資強化等により販売費及び一般管理費も増加しています。しかし増収効果が上回り、営業利益率は前年から改善し10.6%となりました。
| 項目 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 99億円 | 101億円 |
| 売上総利益 | 29億円 | 31億円 |
| 売上総利益率(%) | 29.2% | 30.7% |
| 営業利益 | 10億円 | 11億円 |
| 営業利益率(%) | 10.2% | 10.6% |
販売費及び一般管理費のうち、給与及び手当が7.5億円(構成比36.8%)、旅費及び交通費が2.1億円(同10.3%)を占めています。
■(3) セグメント収益
包装機械事業は、包装システムの販売が好調で増収となり、利益率も11.5%と高い水準を維持しました。一方、生産機械事業は大型プラントの販売実績減少により減収減益となりましたが、黒字は確保しています。
| 区分 | 売上(2024年7月期) | 売上(2025年7月期) | 利益(2024年7月期) | 利益(2025年7月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 包装機械 | 85億円 | 91億円 | 10億円 | 11億円 | 11.5% |
| 生産機械 | 13億円 | 10億円 | 0.5億円 | 0.2億円 | 2.1% |
| 調整額 | -0.1億円 | -0.0億円 | 0.0億円 | 0.0億円 | - |
| 連結(合計) | 99億円 | 101億円 | 10億円 | 11億円 | 10.6% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社のCF状況は、本業で稼いだ資金で借入返済や配当支払いを行いつつ、投資も実施している「健全型」です。
| 項目 | 2024年7月期 | 2025年7月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 11億円 | 4億円 |
| 投資CF | -1億円 | -0.5億円 |
| 財務CF | -3億円 | -3億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は11.1%で市場平均を上回っており、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も68.1%で市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、社是として『創造と挑戦』-感ずる、信ずる、行動する-を掲げています。経営理念では「独創的な技術を活かし、顧客の要請に応える高品質な『商品』を提供する」ことを使命とし、社会・株主・顧客・取引先・従業員の全てに対して誠実で透明性の高い経営を実践することで、信頼され支持される企業の実現を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は「新ペンタゴン経営の実践」を基本方針とし、5つの利害関係者(社会・株主・顧客・取引先・従業員)に対してバランスの取れた経営を行うことを重視しています。また、経営基本方針として「弛まぬ研究開発」「献身的な顧客主義」「プラス思考」「全員参画の経営」「全従業員の幸福追求」を掲げ、健全で強い体質を持つ永続的な発展を目指す文化があります。
■(3) 経営計画・目標
同社は2026年7月期を最終年度とする第7次中期経営計画を推進しており、以下の経営指標を目標として掲げています。
* 売上高経常利益率:10.0%以上
* ROA(総資産経常利益率):9.0%以上
* ROE(自己資本当期純利益率):10.0%以上
■(4) 成長戦略と重点施策
「飛躍的成長に向けたグローバル展開の加速と事業領域の拡大」を基本戦略としています。具体的には、グローバル市場売上高比率40%以上の達成、ワンストップで応えるソリューションビジネスの拡大、省人化や環境配慮型製品の開発推進などを重点施策として掲げています。また、生産体制やアフターサービス体制の充実、開発力強化のためのアライアンス・M&Aの推進、サステナビリティ経営の推進により、企業価値の向上を目指しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は「創造と挑戦の気概を持った人材を育成し少数精鋭主義の企業体質を強化する」などの基本理念のもと、OJT・OFF-JT・自己啓発を柱とした教育体制を整えています。職務専門性を高めるための各種研修や資格取得支援に加え、多様性を尊重し、性別や年齢、国籍等に関わらず能力を発揮できる職場環境づくりを推進しています。また、役割等級制度への移行など人事制度の改定も検討しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年7月期 | 38.7歳 | 13.0年 | 6,479,094円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 0.0% |
| 男性育児休業取得率 | 75.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 63.5% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 70.2% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 58.7% |
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、従業員の社外研修受講時間(1,370時間)、グローバル人材比率(3.39%)、有給休暇取得率(73.40%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 主要最終ユーザーの動向
同社グループの製品は主に食品業界向けです。そのため、食品業界における設備投資の動向や顧客ニーズの変化によって需要が変動し、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。
■(2) 特定の取引先への依存
同社グループは直接販売のほか、設備納入業者を経由した販売も行っています。特に度量衡製造業者である株式会社イシダへの売上高依存度は10.8%となっており、同社の販売政策や販売数量動向が、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 期間損益の変動
製品は主に個別受注生産であり、顧客の設備投資時期や高額案件の有無によって半期ごとの業績が大きく変動する傾向があります。また、検収基準で売上を計上しているため、顧客事情等により検収時期がずれた場合、期間損益に影響が出る可能性があります。



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