※本記事は、株式会社アルファ の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アルファグループは、広告等販売促進用品の企画・提案から販売までを手がける総合販売促進業です。特に、購買時点の販売促進ツールであるPOP広告を主力とし、IT関連分野ではPOP作成アプリサービス「POPKIT」の運営・提供も行っています。
単体従業員数は323名、連結従業員数は334名です。同社グループは「広告等販売促進に係る事業」の単一セグメントで構成されています。
主な国内グループ会社は、オーケー企画(販売促進用品の・販売)、POPKIT(アプリサービスの開発及び運営)などです。
新たな販売促進として、IT関連分野の子会社POPKITを設立し、日本初のPOP作成アプリサービス「POPKIT」の運営・提供を開始しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社アルファは、広告等販売促進用品の企画・製作・販売を手がける企業です。同社グループでは、従業員が長期的に活躍できる環境づくりに注力しており、多様な人材の確保と育成に力を入れています。働きがいのある職場環境の整備を通じて、持続的な成長を目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員の定着が進んでいる傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が中心となって事業を支えていることがうかがえるでしょう。安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,913,761円 |
| 平均勤続年数 | 14.8年 |
| 平均年齢 | 40.4歳 |
| 単体従業員数 | 323人 |
| 連結従業員数 | 334人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.7% |
同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。この制度は同社および一部の連結子会社に適用されています。また、退職一時金制度があり、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給される仕組みです。当連結会計年度末時点の退職給付債務は10.0億円、年金資産は24.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、日本の就労人口減少という社会課題に対応するため、将来にわたる継続的な労働力確保を人材戦略の基本方針としています。年齢、性別、国籍等に関わらず多様な人材を確保し、従業員がやりがいを持って働ける環境の整備に注力しています。
具体的には、様々な経営環境に対応できる人材を育成するため、総務部が実施部門となり階層別の研修に取り組んでいます。また、社員が働きやすい環境を整えるため、新しい分野や業務に挑戦できる社内公募制度や副業制度、取得目的別の有給休暇制度、勤続年数に応じた特別休暇など、多様な制度を実施しています。
さらに、意欲と能力のある優秀な従業員が管理職を目指したり、専門スキルを磨き続けたりすることで適切に処遇される人事制度を整備し、人材の管理・登用を行っています。2022年9月からは新人事制度を導入し、その定着に努めている状況です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の差異については、男性労働者の賃金に対する女性労働者の賃金の割合を示しており、同一労働の賃金に男女差はなく、管理職や等級別の人数構成の差によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 18.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 65.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 68.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 48.8% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社アルファは、広告や販売促進用品の企画から販売までを一貫して手掛ける総合販売促進業を展開しています。流通小売業を中心に、顧客の販売促進を目的とした店頭・店内装飾物の企画・製作・販売を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、スーパーマーケットなどの流通小売業を主な顧客とし、店頭や店内に設置されるポスター、のぼり、POPといった多種多様な販売促進ツールを提供しています。これらのツールは、店舗の季節感を演出したり、商品の特徴や価格を消費者に明確に伝えたりすることで、集客や購買行動に結びつけることを最大の目的としています。
また、新たな販売促進の取り組みとして、IT関連分野での新事業も展開しています。子会社であるPOP KIT株式会社を通じて、POP作成アプリサービス「POP KIT(ポップキット)」の運営・提供も行っています。
同社グループの事業は「広告等販売促進に係る事業」の単一セグメントで構成されています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の10%以上を占めることはなく、また本邦以外の外部顧客への売上高もありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期間において一時的な減少が見られたものの、直近2期間では増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、過去3期間で損失を計上していましたが、直近2期間で黒字に転換し、経常利益は大きく改善しました。
ただし、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に多額の固定資産売却益があったことや、法人税等調整額の影響により、前期から減少しています。また、営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度において資金を使用する状況となりました。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 57.6億円 | 56.2億円 | 53.8億円 | 61.2億円 | 63.7億円 |
| 経常利益 | △4百万円 | △1.1億円 | △3.1億円 | 1.0億円 | 2.2億円 |
| 経常利益率 | △0.1% | △2.0% | △5.7% | 1.7% | 3.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △6.9億円 | △1.3億円 | △3.9億円 | 1.3億円 | 1.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △858.36 | △166.42 | △489.47 | 165.75 | 158.80 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から当期にかけて向上しており、組織全体の生産性が高まっている傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化や効率的な事業運営が進んでいることを示しています。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 17.5百万円 | 19.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.3百万円 | 0.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業での資金創出が一時的にマイナスとなり、フリーキャッシュフローもマイナスとなっています。これは、将来に向けた事業活動への投資が先行している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
アルファの自己資本比率は当期33.6%で、前期の32.4%から増加しています。これは、プライム市場の非製造業平均である24.2%と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は当期8.8%となり、前期の11.3%から減少しました。プライム市場平均の9.4%と比較すると、同程度の水準となっています。
現金及び預金は当期末で9.1億円となり、前期末の10.4億円から減少しました。これらの状況は、同社グループが一定の財務安定性を保ちつつも、収益性の改善と手元資金の確保に注力していることを示しています。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 13.8億円 | 15.2億円 |
| 自己資本比率 | 32.4% | 33.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.3% | 8.8% |
| 現金及び預金 | 10.4億円 | 9.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益が224百万円となったものの、退職給付に係る資産の増加額269百万円、売上債権の増加額31百万円、棚卸資産の増加額40百万円、未払消費税等の減少額39百万円などにより、1.0億円の使用となりました。
投資活動によるキャッシュフローは、無形固定資産の取得による支出11百万円があった一方で、投資有価証券の償還による収入50百万円があり、35百万円の獲得となりました。
財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純減少額50百万円や長期借入金の返済による支出278百万円が、長期借入れによる収入300百万円を上回り、69百万円の使用となりました。
この結果、フリーキャッシュフローは△66百万円となり、同社グループは本業での資金創出が一時的にマイナスとなり、将来に向けた事業活動への投資が先行している状況を示しています。このような資金の流れは、同社グループが事業の成長と安定性の両立を目指していることを示しています。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.7億円 | △1.0億円 |
| 投資CF | 3.0億円 | 35百万円 |
| 財務CF | △2.4億円 | △69百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.6億円 | △66百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
景気後退や消費低迷により、流通小売業の販促費予算が削減され、POP広告経費が減少した場合、同社グループの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、別注製品の需要動向や売上高・売上総利益の変化により、同社グループの製品構成比が大きく変わり、売上総利益率の変動が業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴うデータ及びデジタル技術の活用において、デジタル分野の技術革新が急速に進む中で、当初優位性を持った商品・サービス・事業が陳腐化し、無形固定資産の減損等が発生するリスクがあります。これは、新しい技術への対応や人材育成の重要性を示しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社アルファは、「伝える・伝わる・笑顔になる」をPOWER OF POPで実現するというビジョンを掲げ、消費者の「買いたい」という気持ちを創り続けることをミッションとしています。モノやサービスを通じて、人々の購買意欲と笑顔を生み出すことを目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「伝える・伝わる・笑顔になる」をPOWER OF POPで実現することをビジョンとしています。そして、「買いたい」をつくり続けることをミッションに掲げ、企業活動を行っています。
これまでのPOP広告ツール提供に加え、今後は購買時点だけでなく、その前後の購買行動における価値提供を目指しています。具体的には、製品を提供する事業形態から、モノ・サービスを通じて消費者に「欲しい」「買いたい」という気持ちや笑顔を与え、買う意味を心に残す事業形態へと進化を進める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、付加価値を生み出す社員の人間力を活動の原動力と捉え、人的資本が有効に機能するよう経営資源を投じています。多様な人材の確保を年齢、性別、国籍等に関係なく行い、従業員がやりがいを持って働ける環境整備に努めています。
社員が働きやすい環境を整えるため、新しい分野・業務に挑戦できる社内公募制度や副業制度、取得目的別の有給休暇制度や勤続年数に応じた特別休暇など、様々な制度を実施しています。意欲と能力のある優秀な従業員が管理職を目指し、または専門スキルを磨き続けることで処遇される人事制度を整備し、適切な人材の管理・登用を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後社会的に重要性が高まるデジタル領域における製品・サービス、事業の開発を優先的に対処すべき課題としています。各事業においてデジタル領域の新しいサービス開発に取り組み、新サービス・事業提携・M&A等を模索し、高付加価値企画提案活動の強化を図っています。
WEB3.0、メタバース、NFT、仮想通貨、生成AIといった新しい概念や技術革新についても、ミッション・ビジョンに照らして事業の可能性を検討しています。また、人的資本が有効に機能するよう、教育投資、システム投資、人事制度構築等に継続的に経営資源を投じていく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アルファは、取締役会と監査役会が連携し、経営の意思決定の迅速化と効率性向上を目指すコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は経営方針や重要事項を決定し、監査役会は取締役の職務執行を監視しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アルファの株主構成を見ると、筆頭株主はタカオコーポレイションであり、同社グループの経営に深く関わる事業会社が上位を占めていることが特徴です。また、アルファ社員持株会も上位株主の一角を占めています。代表取締役会長の浅野薫氏や取締役執行役員の髙尾宏和氏も上位株主として名を連ねており、創業家や関連会社が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| タカオコーポレイション | 28.45% |
| シタナ | 6.21% |
| アルファ社員持株会 | 5.27% |
| トマト銀行 | 4.85% |
| 浅野 薫 | 3.36% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は岡本悟征氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 浅野 薫 | 代表取締役会長 | 1977年2月親栄商事株式会社入社専務取締役就任、1984年1月同社設立代表取締役社長就任、2019年11月取締役会長就任、2023年11月代表取締役会長就任より現職。 |
| 岡本 悟征 | 代表取締役社長 東日本企画営業部、西日本企画営業部、営業推進部、Can-a事業部担当 | 1989年3月同社入社、2017年11月執行役員東日本企画営業部長、2019年11月取締役就任、2023年11月代表取締役社長就任より現職。 |
| 髙尾 宏和 | 取締役 執行役員 総務部、情報システム室、経営企画室担当兼経営企画室長 | 1998年4月国際証券株式会社(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社)入社、2012年11月同社入社、2013年11月取締役就任、2023年11月執行役員、2025年9月経営企画室長より現職。 |
| 枝光 恭宏 | 取締役 執行役員 マーケティング部、ビジネスサポート部、WEB事業部、POPGALLERY事業部、メディア・デザイン部、業務部、業務管理部、物流部担当兼子会社統括部長 | 1988年4月同社入社、2017年11月執行役員、2019年11月取締役就任、2024年9月子会社統括部担当兼子会社統括部長、2025年9月業務部、ビジネスサポート部担当より現職。 |
社外取締役は、橋本義明氏(高島株式会社営業管理ユニットマネージャー)です。社外監査役は、安福勤氏(元トマト銀行理事審査部長)、有澤和久氏(有澤会計事務所所長)、青山智紀氏(板野法律事務所弁護士)です。
同社は監査役制度を採用する監査役会設置会社です。社外取締役は取締役会において、社外監査役は監査役会において、それぞれ客観的な視点から経営の監督や監査を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アルファは役員の報酬等の額またはその算定方法に関する決定方針を定めていません。役員報酬は、株主総会で承認された報酬総額の範囲内で、業績や経営内容を考慮し、取締役の報酬は取締役会の決議により、監査役の報酬は監査役会の決議により決定されています。取締役の報酬限度額は年額150,000千円、監査役の報酬限度額は年額30,000千円と決議されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 86百万円 | 17.3百万円 |
| 社外取締役 | 1名 | 5百万円 | 4.7百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 15百万円 | 4.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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