※本記事は、グロースエクスパートナーズ株式会社 の有価証券報告書(2025年8月期、2024年9月1日 ~ 2025年8月31日、2025年11月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
グロースエクスパートナーズグループは、大手企業の組織およびIT変革を支援する「エンタープライズDX事業」を展開しています。顧客が自ら事業価値を創造し続ける「自走型DX組織」への変革を特徴としており、ヘルスケア、小売・流通、モビリティ、通信、建設、製造、金融など多岐にわたる業界のリーディングカンパニーを主要顧客としています。
単体従業員数は29名、連結従業員数は246名です。セグメントはエンタープライズDX事業の単一です。
主な国内グループ会社は、GxP、グロース・アーキテクチャ&チームス、ミエルカなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
グロースエクスパートナーズグループは、ITを駆使したDX事業を通じて顧客企業の価値創造を目指しており、その基盤として多様な人財の確保・育成・定着を重視しています。社員一人ひとりがプロフェッショナルとして成長し、安心して長く活躍できる環境づくりに注力している点が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が30代後半、平均勤続年数が6年程度であり、比較的若手から中堅層が中心となって活躍している組織構成がうかがえます。同社グループは、社員の長期的な成長と定着を重視し、多様な働き方を支援する環境整備に力を入れています。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,863,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.2年 |
| 平均年齢 | 39.4歳 |
| 単体従業員数 | 29人 |
| 連結従業員数 | 246人 |
| 単体のグループ内比率 | 11.8% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、事業の継続と持続的な成長のために優秀な人財の採用、育成、定着を不可欠と認識しています。ステークホルダーとともに成長する企業を目指し、年齢・性別・国籍といった属性にとらわれず、多様な個性やバックグラウンドを持つ人財を積極的に採用しています。
2026年9月期より、エキスパート職とマネジメント職に分かれていたキャリアパスを一本化し、社員全員がプロフェッショナルとして成長できるキャリアグレード制度を導入する予定です。人財育成の強化と専門性の深化、事業の持続的成長を牽引できる高いコンピテンシーを備えた人財の育成・能力開発に注力しています。
業務時間の約10%を自己成長や社内プロジェクトに充てることを推奨し、学び続ける文化を醸成しています。新卒採用ではインターンシップや海外留学生の採用を強化し、中途採用ではエンタープライズ企業での経験を持つ「プリンシパル人財」の採用を強化しています。プログラミング未経験者向けの技術研修プログラムやグループ子会社間の人財交流も実施しています。多様な人財が安心して働けるよう、D&I推進活動や健康経営にも積極的に取り組んでおり、厚生労働省の「えるぼし」認定3つ星や「健康経営優良法人(大規模法人部門)」認定を取得しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社および連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
グループ全体(連結)
連結会社における管理職に占める女性労働者の割合です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 23.5% |
人材育成・エンゲージメント
グループ社員数の10%程度の新卒採用を継続するとともに、海外出身人財比率40%以上を目指しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 新卒採用継続(グループ社員数の10%程度) | - |
| 海外出身人財比率目標 | 40.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
グロースエクスパートナーズは、大手企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「エンタープライズDX事業」を展開しています。ITを駆使して顧客企業の価値創造に貢献することをミッションとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「A Company for Imagination & Innovation 常に変化と成長を続け顧客と社会に革新をもたらす知的創造企業」を企業理念とし、大手企業を主な顧客とする「エンタープライズDX事業」を展開しています。ヘルスケア、小売・流通、モビリティ、通信、建設、製造、金融など、各業界のリーディングカンパニーに対し、組織とITの変革に伴走しています。顧客自ら事業価値を創造し続ける「自走型DX組織」への変革支援を特徴としており、「出島型アプローチ」や「データ駆動型プラットフォーム」の構築を通じて、顧客のDX推進を支援しています。
同社グループの事業は「エンタープライズDX事業」の単一セグメントですが、その内容は「DX推進支援事業」「DX支援プロダクト・サービス事業」「デジタルサービス共創事業」の3つのカテゴリーに分類されます。DX推進支援事業では、コンサルティングからアプリケーション開発・クラウド活用まで総合的な支援を提供しています。DX支援プロダクト・サービス事業では、組織変革やDX人財育成教育サービス、自社および他社のプロダクトを提供し、人的リソースに依存しない収益モデルも構築しています。デジタルサービス共創事業では、顧客と共同でデジタルサービスを開発し、顧客ビジネスの拡大に伴って収益が増加するレベニューシェアモデルに取り組んでいます。
同社グループの収益モデルはストック性が高く、2025年8月期の実績では顧客維持率が86.6%となっています。年間取引金額1億円以上の顧客が9社、うち2億円以上の顧客が6社を占めています。主要な顧客としては、ニプロデジタルテクノロジーズ株式会社、ニプロ株式会社、豊田通商システムズ株式会社からの売上高が全体の10%を超えています。なお、同社グループの売上高はすべて日本国内の外部顧客によるものであり、海外比率や為替リスクに関する記載はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に当連結会計年度は、売上高の伸びを上回る利益の成長が見られ、収益性が向上していることがうかがえます。経常利益率は17.1%に達しており、営業活動によるキャッシュ・フローも着実に増加しています。
| 項目 | 2021年8月期 | 2022年8月期 | 2023年8月期 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 32.9億円 | 37.4億円 | 44.2億円 | 50.9億円 |
| 経常利益 | - | 3.1億円 | 4.0億円 | 6.1億円 | 8.7億円 |
| 経常利益率 | - | 9.5% | 10.6% | 13.8% | 17.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | 2.0億円 | 2.8億円 | 4.2億円 | 6.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | 74.94 | 102.96 | 153.89 | 183.91 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に増加しており、同社グループ全体の生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、事業規模の拡大と収益性の向上に伴い、従業員一人ひとりが生み出す価値が高まっていることを示しています。
| 指標 | 2024年8月期 | 2025年8月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 19.6百万円 | 20.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.7百万円 | 3.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性は、企業の持続的な成長と従業員の安心感に直結します。グロースエクスパートナーズは、堅実な財務基盤とキャッシュフローの状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
自己資本比率は企業の財務健全性を示す重要な指標であり、手元資金の厚みは不測の事態への耐性を表します。ROEは自己資本をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示し、企業の収益力を測る上で役立ちます。これらの指標は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で参考となります。
| 指標 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 19.1億円 | 33.8億円 |
| 自己資本比率 | 54.0% | 71.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 24.8% | 22.7% |
| 現金及び預金 | 11.1億円 | 20.6億円 |
同社グループの自己資本比率は前期の54.0%から当期は71.4%に増加しました。これはプライム市場平均(製造業46.8%・非製造業24.2%)と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期の24.8%から当期は22.7%となりましたが、プライム市場平均(9.4%)と比較すると高い水準を維持しています。現金及び預金は前期の11.1億円から当期は20.6億円に増加しており、手元資金の厚みが増している状況です。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは増加に転じており、保険積立金の払戻による収入があった一方、投資有価証券や有形固定資産の取得による支出がありました。財務活動によるキャッシュ・フローは増加となり、株式の発行や自己株式の売却による収入があった一方、短期借入金が純減しました。
当期は営業活動によるキャッシュ・フローがプラスであり、本業で安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュ・フローは増加に転じ、フリーキャッシュ・フローもプラスを維持しています。これは、本業で得た資金が投資を上回り、返済や再投資の余力があることを示しています。このようなキャッシュフローの状況は、企業の安定した成長と財務的な健全性を示しており、雇用や給与の安定性にも良い影響を与えると考えられます。
| 項目 | 2024年8月期(前期) | 2025年8月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.5億円 | 5.6億円 |
| 投資CF | △0.2億円 | 0.0億円 |
| 財務CF | △0.8億円 | 3.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 5.2億円 | 5.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
事業構造・収益性に関するリスクの記載はありません。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人財の確保及び育成をリスクとして認識しています。このリスクは影響度「中程度」、発生頻度「中程度」と評価されており、リスク評価スコアは9となっています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
グロースエクスパートナーズグループは、「A Company for Imagination & Innovation ― 常に変化と成長を続け顧客と社会に革新をもたらす知的創造企業」を企業理念としています。ITを駆使し、顧客企業の価値創造を通じて社会に革新をもたらすことを使命としている会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「A Company for Imagination & Innovation ― 常に変化と成長を続け顧客と社会に革新をもたらす知的創造企業」を企業理念としています。ITを駆使して顧客企業の価値を創造することをミッションに掲げています。
大手企業の組織及びITの変革に伴走する「エンタープライズDX事業」を展開しており、エンタープライズ企業が新たな価値を創出しながら組織とITの変革を進める取り組みを「エンタープライズDX」と位置づけています。
日本のエンタープライズ企業が持つレガシー資産を最大限活用し、本来の力を発揮できるようにすることを目的としています。エンタープライズDXの推進を通じて創出される新たな価値が、日本経済全体の再成長につながるものと確信しており、顧客企業の価値創造を通じて社会に革新をもたらすことを使命としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、ステークホルダーとともに成長する企業を目指しています。年齢・性別・国籍といった属性にとらわれず、多様な個性やバックグラウンドを持つ人財を積極的に採用し、安心して長く活躍し続けられる環境を整備しています。
人財のスキル向上においては、業務時間の約10%を自己成長や社内プロジェクトに充てることを推奨し、学び続ける文化を醸成しています。社員全員が主体的に学び続け、企業価値創造に貢献するサステナブルな組織づくりを推進しています。
2026年9月期からは、エキスパート職とマネジメント職に分かれていたキャリアパスを一本化し、社員全員が「プロフェッショナル」として成長できるキャリアグレード制度を導入します。多様な働き方を想定した人事制度に加え、D&I推進活動(国籍、年齢、性別、障がいの有無、宗教、ライフスタイル、ライフステージ等、さまざまな属性において多様性を持つメンバーが活躍できる組織を実現するための活動)や健康経営に関する取り組みを継続しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが優先的に対処すべき課題として、人財の確保・育成を挙げています。優秀な人財の確保は成長の礎であり、採用活動と人財育成活動の強化に継続的に取り組んでいます。
新卒採用活動に重点を置き、インターンシップ関連活動や採用広報活動を強化するとともに、海外からの留学生の採用強化も推進しています。人財育成活動では、プログラミング未経験者向けの技術研修プログラムを立ち上げ、DX人財育成を行うサービスへの展開を進めています。
また、グループ経営体制の強化・効率化も重要な課題です。持株会社の経営管理機能強化やグループ経営のオペレーション効率化に取り組んでおり、次世代経営陣の育成のため、各子会社では30代あるいは40代の役員が経営の舵取りをする体制を取っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
グロースエクスパートナーズは、監査役会設置会社として、取締役会が経営方針の決定と業務執行の監督を行い、監査役が独立した立場で監査を実施する体制をとっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
グロースエクスパートナーズの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長の資産管理会社であり、第2位には代表取締役社長個人が名を連ねています。このことから、創業家が同社グループの主要な株主として経営を支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| Watanabe&Partners | 34.53% |
| 渡邉 伸一 | 21.42% |
| ニプロ | 3.90% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役社長は渡邉伸一氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 渡邉 伸一 | 代表取締役 社長 | 2008年7月同社設立 代表取締役社長。ジーアールソリューションズ、グロース・インク、ニプロデジタルテクノロジーズ、Watanabe&Partnersなどの代表取締役や取締役を歴任し、2023年9月より同社取締役。 |
| 河西 健太郎 | 取締役コーポレート統括本部長 | 1987年4月野村證券入社。公認会計士登録後、ディー・ブレイン証券取締役などを経て、2018年1月より河西健太郎公認会計士・税理士事務所開設。2023年11月より同社取締役コーポレート統括本部長。 |
| 鈴木 雄介 | 取締役コンサルティング事業統括 | 1997年4月株式会社イセタン・データー・センター入社。2008年8月同社入社、執行役員を経て、グロース・アーキテクチャ&チームス代表取締役などを務め、2023年11月より同社取締役コンサルティング事業統括。 |
| 鎌田 悟 | 取締役営業企画統括 | 1991年4月日商エレクトロニクス入社。サイベース、日本ヒューレット・パッカードを経て、2014年12月同社入社。ジーアールソリューションズ代表取締役などを務め、2023年11月より同社取締役営業企画統括。 |
社外取締役は、浦田努氏(元三越伊勢丹システム・ソリューションズ代表取締役)、黒崎守峰氏(アイティーファーム代表取締役)、井熊実氏(有限会社みちのく代表取締役)、永松昌一氏(元野村ホールディングス代表執行役副社長)、曽我野麻理氏(サイクラーズ取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役が取締役会に出席して提言を行うことで、業務執行に対する監督機能の強化と透明性の向上を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
グロースエクスパートナーズの役員報酬は、取締役(社外を除く)に対しては固定の金銭報酬を基本としつつ、業績や経営状況に応じて業績連動報酬を支払うことがあります。社外取締役には固定の金銭報酬のみが支給され、新任取締役には中長期的な企業価値向上を目的とした新株予約権(ストックオプション)が付与される仕組みとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.3億円 | 31.8百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 46百万円 | 5.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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