【平均年収509万円】スプリックス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収509万円】スプリックス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

スプリックスは、教育サービス事業を展開し、グループ各社とともに幅広い教育ニーズに対応しています。連結従業員数は1,550名に上り、直近期は売上高が増加し、利益も大きく増加しました。


目次

※本記事は、株式会社スプリックス の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


スプリックスは、教育サービス事業を展開しており、学習塾サービスを中心に多様な教育関連サービスを提供しています。個別指導塾「森塾」や集団指導塾「湘南ゼミナール」の運営、大学進学塾「河合塾マナビス」のフランチャイズ展開など、幅広い教育ニーズに対応しています。

単体従業員数は823名、連結従業員数は1,550名です。セグメントは「森塾」、「湘南ゼミナール」、「河合塾マナビス」の3つです。

主な国内グループ会社は、湘南ゼミナール、湘南ゼミナールオーシャン(事務・軽作業支援)、プログラミング総合研究所、和陽日本語学院(日本語学院の運営)、イングリッシュスクエア(英会話教室の運営)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


スプリックスは教育サービスを主軸に事業を展開しており、従業員の平均年齢が比較的若く、活気のある職場環境がうかがえます。同社グループは人材育成や多様な働き方を重視する姿勢を見せています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は比較的若い年齢層の従業員が中心であり、平均勤続年数も短めであることから、成長フェーズにある企業の特徴がうかがえます。人材の流動性がありつつも、新たな人材が継続的に加わり、組織が活性化している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 5,085,757円
平均勤続年数 3.6年
平均年齢 29.9歳
単体従業員数 823人
連結従業員数 1,550人
単体のグループ内比率 53.1%


同社は従業員の退職給付に充てるため、非積立型の確定給付制度を採用しています。確定給付型制度は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

同社の退職給付債務は1.4億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、成長にとって最も重要な経営資源である人材への投資を積極的に行っています。厳しい採用環境下においても、採用方法の改善や内部リクルートの強化、グループ採用の実施などにより「適正人材の確保」に努めています。

また、教務力向上のための研修やマネジメント研修、毎週のPDCAを通じて「人材の育成」に取り組んでいます。生徒保護者や非常勤講師、社員の満足度の定点観測による「定量マネジメント」を通じて職場環境の整備も進めています。

ダイバーシティ実現に向けて、障がい者雇用や女性・高齢者の活躍推進を促進することを社内環境整備方針としています。特に精神障がい者の1年後職場定着率は100%という実績があります。教育サービスを提供する同社グループでは、エンゲージメントや従業員満足度の高さが提供する教育サービスの品質に大きく影響すると考え、全社員を対象に従業員満足度調査を年に2回、非常勤講師については年に3回実施しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異は、職種及び等級ごとの人数構成の差、または男女の構成比率の差によるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 8.6%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 91.7%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 88.5%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 103.1%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社湘南ゼミナール

上記の正規雇用労働者の男女の賃金の差異は、職種及び等級ごとの人数構成の差によるものであり、パート・有期労働者の男女の賃金の差異は、職種ごとの人数構成の差によるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 4.3%
男性労働者の育児休業取得率 27.8%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 74.0%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 72.5%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 84.6%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
会社の理念に共感している:社員の割合 89.2%
いい仲間に恵まれていると感じる:社員の割合 86.8%
メンバーとしての総合的な満足度:社員の割合 76.5%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


スプリックスは、教育サービス事業を主軸とする企業グループです。小・中・高校生を対象とした学習塾の運営を中心に、多様な教育関連サービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、小・中・高校生向けの学習塾を中核事業として展開しており、個別指導、集団指導、映像授業、オンライン指導など、様々な学習形態を提供しています。これらの学習塾サービスを通じて、生徒の学力向上と進学をサポートしています。

収益モデルとしては、各学習塾の授業料や教材費、フランチャイズ事業からの対価、および教育関連サービスの提供による収入が主な柱となっています。国内事業が中心であり、特定の顧客への収益集中は見られません。

森塾

小・中・高校生を対象とした個別指導型の学習塾「森塾」を運営しています。中学生向けには「1科目20点以上成績が上がること」を保証する成績保証制度を導入しており、生徒の成績向上にコミットしています。収益は、学習塾サービスから得ています。運営は、スプリックスが行っています。

湘南ゼミナール

小・中・高校生を対象とした集団指導型の学習塾「湘南ゼミナール」を運営しています。独自の「QE授業」を活用し、定期テスト対策から難関校受験対策まで幅広いコースを提供しています。収益は、学習塾サービスから得ています。運営は、湘南ゼミナールが行っています。

河合塾マナビス

現役高校生を対象とした大学進学塾「河合塾マナビス」のフランチャイズ展開を行っています。映像授業と「学習ナビゲーション」と呼ばれる対人サポートを組み合わせた指導が特徴です。収益は、学習塾サービスから得ています。運営は、湘南ゼミナールが行っています。

その他の事業セグメント

「その他の事業セグメント」には、報告セグメントに含まれない多岐にわたる教育関連サービスが含まれています。具体的には、教育ITを活用した学習塾「自立学習RED」の運営とフランチャイズ展開、オンライン個別指導塾「そら塾」の運営、学習塾用教材「フォレスタ」シリーズの開発・販売などがあります。また、社会人向けダンススクール「東京ダンスヴィレッジ」の運営や、プログラミング学習サービス、中国語検定関連事業なども展開しています。収益は、これらの多様な教育関連サービスから得ています。運営は、スプリックス、湘南ゼミナール、湘南ゼミナールオーシャン、プログラミング総合研究所、和陽日本語学院、イングリッシュスクエア、SPRIX MANABIE EDUCATION PRIVATE LTD、Edutainment-Labなどが行っています。

セグメント 売上高(2024年9月期) 売上高(2025年9月期)
森塾 163億円 186億円
湘南ゼミナール 90.9億円 93.0億円
その他の事業セグメント 33.4億円 39.1億円
河合塾マナビス 31.2億円 33.5億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は継続的に増加傾向を示しています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近2期は減少傾向にありましたが、当期は前期から大きく増加に転じています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 259億円 294億円 304億円 319億円 351億円
経常利益 24.3億円 27.8億円 13.2億円 11.3億円 22.2億円
経常利益率 9.4% 9.5% 4.3% 3.6% 6.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 14.7億円 16.1億円 5.6億円 5.0億円 10.9億円
1株当たり当期純利益(円) 85.41 93.80 32.51 28.69 61.73

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて増加しており、同社グループ全体の生産性が向上している傾向が見られます。

指標 2024年9月期 2025年9月期
従業員1人あたり売上高(連結) 21.4百万円 22.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 1.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も継続しながら、手元資金を厚くしている状況です。財務基盤は堅固であり、安定した経営状態を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性を確認できます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、財務の安定性を示しています。ROEもプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用ができている状況です。

また、手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備えていることがうかがえます。これらの指標は、同社グループが安定した経営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する財務体質であることを示しています。

指標 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
純資産 95.6億円 99.8億円
自己資本比率 46.6% 44.2%
ROE(自己資本利益率) 5.2% 11.2%
現金及び預金 53.6億円 64.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長のための投資に充てている状況です。営業活動によるキャッシュフローは増加しており、事業活動が順調に推移していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローはマイナス幅が拡大しており、有形及び無形固定資産の取得や投資有価証券の取得など、将来に向けた積極的な投資が行われていることがうかがえます。

フリーキャッシュフローは増加しており、本業で得た資金が投資を上回っているため、資金に余裕がある状態です。財務活動によるキャッシュフローは配当金の支払いや長期借入金の返済によりマイナスとなっています。これらの資金の流れは、同社グループが安定した財務基盤を維持しつつ、事業の成長に積極的に取り組んでいることを示しており、従業員の雇用安定性や将来的な給与水準の維持・向上に繋がる可能性があります。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF 18.8億円 35.8億円
投資CF △15.3億円 △16.1億円
財務CF △9.9億円 △10.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3.4億円 19.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、少子化の進行による生徒数の減少リスクを認識しています。新規開校や展開エリアの拡張が計画通りに進まない場合、業績に影響を与える可能性があります。

また、教育サービス事業は参入障壁が低く、多数の既存事業者との競争激化や新規参入事業者の出現による競争力低下のリスクも挙げています。これらの要因が同社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人材を重要な経営資源と位置づけており、中長期的な成長のためには採用計画に沿った人材の確保が不可欠であると認識しています。経営環境の変化により、人材の確保や育成が計画通りに進まない場合や、予測を超える多数の退職者が発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


スプリックスは、「教育で人生を新しく。」という企業ミッションを掲げ、教育サービスを通じて社会に貢献することを目指しています。子どもたちが自信を育み、自分らしく人生を切り拓く力を養うことを重視する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの企業ミッションは『教育で人生を新しく。』です。このミッションのもと、教育サービス事業を展開しています。

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、規模、収益性、資本効率を重視した経営を行っています。

サステナビリティミッションもコーポレートミッションと同一であり、SDGsゴール「質の高い教育をみんなに」を重視しています。経済、所得、地域などの事情によって生じる教育格差の解消に取り組むことを掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、生徒の学校での成績向上を追求することを重視しています。テスト結果や教材内容の分析、講師による指導効果の分析を継続的に行い、指導力の向上を図っています。

人材の確保と育成・開発を重要視しており、同社グループの企業ミッション・ヴィジョン・ACTIONライン(行動指針)を理解し、実行できる人材の育成に取り組んでいます。

また、従業員満足度の高さが提供する教育サービスの品質に大きく影響すると認識しており、社員や非常勤講師を対象に定期的な満足度調査を実施しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、企業ミッション達成のために複数の課題に取り組んでいます。具体的には、生徒の成績向上、サービスの認知度向上とブランド確立、エリアマーケティング・地域展開を重点テーマとしています。

さらに、教育コンテンツの品質向上、研究開発活動にも継続的に取り組んでいます。

人材の確保と育成・開発、そして経営体制のさらなる強化も重要な課題として認識し、事業の拡大・成長に対応できるよう努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


スプリックスは監査等委員会設置会社として、取締役会が業務執行を監督し、監査等委員が経営の意思決定に加わる体制を採用しています。これにより、コーポレート・ガバナンスの充実と企業価値の最大化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


スプリックスの株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社フラットストーンであり、同社取締役平石明氏の資産管理会社です。また、代表取締役社長である常石博之氏も上位株主の一人となっています。このように、創業家やその関連会社が主要な株主として同社を支えていることが特徴です。

株主名 持株比率
有限会社フラットストーン 48.62%
常石 博之 8.94%
UBS AG SINGAPORE-054600251021U9 6.95%


なお、有限会社フラットストーンは、同社取締役平石明氏の資産管理会社です。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は常石博之氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
常石 博之 代表取締役社長 1994年4月株式会社三菱銀行入行。2004年3月同社取締役就任、2007年12月同社取締役副社長就任。2018年12月同社代表取締役社長就任より現職。
平石 明 取締役 事業部門 管掌 1987年4月長岡第一ゼミ入社。1997年1月同社設立、代表取締役社長就任。2018年12月同社取締役就任、事業部門管掌就任より現職。
平井 利英 取締役 コーポレート部門 管掌 1998年4月エームサービス株式会社入社。2000年2月同社入社。2008年12月同社取締役就任、2018年12月コーポレート部門管掌就任より現職。


社外取締役は、菅井善朗氏(あすか製薬CVC担当アドバイザー)、松浦剛志氏(有限会社ウィルミッツ代表取締役・監査等委員)、浅見裕子氏(名古屋大学大学院経済学研究科教授・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役を含めた取締役会が業務執行を監督し、監査等委員が経営の意思決定に加わる体制を採用しています。社外取締役は、それぞれの分野での豊富な経験と高い見識を活かし、取締役会及びその業務執行に対する監督を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化に寄与しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


スプリックスの役員報酬は、固定報酬を基本としています。業績連動報酬や非金銭報酬は採用されていません。報酬額は、株主総会で決定された範囲内で、会社の業績や経営状況、各人の成果や責任を考慮して決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 91百万円 30.3百万円
監査等委員(社外除く) 1名 13百万円 13.0百万円
社外取締役 3名 14百万円 4.7百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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