※本記事は、株式会社ジェノバ の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジェノバは、衛星測位による測量において、GNSS測位で発生するメートル級の誤差をセンチメートル級に補正する情報を提供する企業です。リアルタイムデータ配信と後処理データ配信の2種類のサービスを展開しています。
同社の単体従業員数は17名です。GNSS補正情報配信サービス等事業の単一セグメントで事業を展開しています。
同社は、国土地理院の電子基準点約1,300点を活用し、地殻変動の影響も加味した高精度なGNSS補正情報を提供しています。GPS、GLONASS、QZSS(みちびき)、Galileoなど全ての衛星システムに対応しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ジェノバは、GNSS補正情報配信サービス等、専門性の高い事業を展開する企業です。少数精鋭の組織体制で、社員一人ひとりが事業に深く関わりながら働く環境が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ジェノバでは、平均勤続年数と平均年齢から、比較的経験豊富な人材が長く定着している傾向が見られます。専門性の高い事業領域において、安定したキャリアを築いている社員が多いと考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,846,815円 |
| 平均勤続年数 | 9.6年 |
| 平均年齢 | 45.5歳 |
| 単体従業員数 | 17人 |
ジェノバは確定拠出型の退職給付制度として、東京商工会議所の特定退職金共済制度に加盟しています。会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ジェノバは、「高品質な位置情報の提供により安心・安全な社会づくりに貢献する。」というミッションを掲げています。事業が持続的に成長していくためには、長期的に多様な人材の採用・育成が重要であると考えています。
人的資本への投資については、組織における年齢構成の適正化を図るための採用に重点を置く方針です。年代や職歴等、多様な人材で組織づくりを推進しています。中長期的な観点からも従業員の成長支援のため、キャリアデザインや研修制度の整備・充実を図り、多様な人材が活躍できる社内環境を整備していく考えです。年齢や性別、経歴等では区別せずに平等に機会を得られる社内環境を構築しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
ジェノバは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社は、高精度な位置情報を必要とする顧客に対し、衛星測位の誤差を補正する情報を提供するサービスを展開しています。このサービスを通じて、さまざまな産業の効率化と自動化を支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、GNSS(全地球測位システム)測位で発生するメートル級の誤差をセンチメートル級に補正する情報を配信するサービスを主力事業としています。この補正情報は、国土地理院が全国に設置した約1,300点の電子基準点網を活用し、高精度で安定したデータを提供しています。主なサービスは、リアルタイムで補正データを提供する「リアルタイムデータ配信」と、観測記録を後日分析して補正データを提供する「後処理データ配信」の2種類です。また、サービス利用に必要な通信機器の販売も行っています。
これらのサービスは、測量・土地家屋調査、ICT施工、IT農業、ドローン関連、モビリティ分野など、幅広い用途で活用されています。特に、国土強靭化政策やスマート農業法の施行といった国策を背景に、ICT土木やIT農業分野でのニーズが強く、契約数と利用時間が順調に拡大しています。収益は主にデータ配信サービスから得ており、通信機器販売は比較的小規模な収益源となっています。同社の売上高は本邦の外部顧客へのものが大部分を占めており、特定の取引先への依存は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高と各利益項目において過去最高を更新しました。売上高は前期から増加し、営業利益、経常利益、当期純利益もそれぞれ前期比で二桁の伸びを記録しています。これは、測量分野における国土強靭化関連事業の継続的な需要や、ICT土木・IT農業分野での国策による利用拡大が主な要因となっています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
このセクションでは、同社の事業活動における潜在的なリスクと、それが雇用に与える影響について解説します。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、高精度の位置補正情報のニーズ拡大に伴い競合他社が参入しており、他社との品質や価格競争が激化する可能性があります。また、同社が利用する電子基準点データは日本測量協会のみからの提供であり、依存度が高い状況です。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は小規模組織であるため、事業規模の拡大やサービスの多様化に応じた適切な内部管理体制や業務執行体制を柔軟に変化させることができない場合、企業競争力や事業推進力に影響が出る可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジェノバは、高精度な位置情報サービスを通じて社会貢献を目指す企業です。安心・安全な社会づくりへの貢献と、リアルタイムかつ高精度な位置情報サービスによる事業拡大を重視しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「高品質な位置情報の提供により安心・安全な社会づくりに貢献する。」というミッションを掲げています。また、「リアルタイムかつ高精度な位置情報サービスで事業を拡大する。」をビジョンとしています。
お客さまの課題に対し、リアルタイムかつ高精度な位置情報サービスと知見でアプローチし、最適なサービスを追求し課題解決を目指しています。これまでの分野・業界にとどまらず、必要とされる新しい分野・業界へもアプローチを継続し、サービスを拡大していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、公正で透明性の高い経営に取り組むことを基本的な考えとしています。事業を通じてさまざまな社会課題の解決を図り、株主や顧客、取引先、地域社会、従業員等の各ステークホルダーと良好な関係を築くことを重視しています。
持続的成長と中長期的視野での企業価値向上を目指すべく経営活動を推進しており、その実現のためにはコーポレート・ガバナンス体制の強化が重要課題であると認識しています。事業の持続的成長のためには、長期的に多様な人材の採用・育成が重要であると考えています。
年代や職歴等をはじめ、多様な人材で組織づくりを推進し、従業員が最大限の力を発揮し活躍できる社内環境の整備に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、事業の継続や拡大のためには、常に事業や組織運営上の課題や問題点の把握・集約・改善が必要であると認識しています。コンプライアンスの遵守や経営管理体制の構築、コーポレート・ガバナンスの強化が重要課題です。
この課題に対処するため、全役職員向けに定期的な教育研修等を行い、コンプライアンスの遵守及び経営管理体制の重要性について周知を図っていく方針です。また、専門的知見を有する高付加価値な能力を兼ね備えた人材の確保と、労働生産性の継続的な改善・向上が必要であると考えています。
人員計画に準じた採用活動、従業員への教育・研修体制の充実、各部門の業務効率化・省力化のための業務システム構築・連携により、全社的な生産性向上に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ジェノバの企業統治体制は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監視機能を担っています。取締役3名のうち1名が社外取締役、監査役3名のうち2名が社外監査役で構成されており、独立した視点からの経営監視が図られています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ジェノバの株主構成を見ると、南安子氏と南尚子氏が上位を占め、創業家とみられる個人株主が上位に名を連ねています。また、事業会社であるトプコンも主要株主として名を連ねており、多様な株主によって支えられている構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 南 安子 | 19.75% |
| 南 尚子 | 19.74% |
| トプコン | 11.34% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は戸上敏氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 戸上 敏 | 代表取締役社長 | 1988年株式会社ジェック入社後、同社で管理職を経験。2002年同社入社後は管理部で要職を歴任し、2013年同社取締役管理部長、2017年同社代表取締役専務を経て、2024年10月より現職。 |
| 細谷 素之 | 取締役 | 1972年株式会社パスコ入社後、同社で支店長を経験。2003年同社出向を経て、2003年同社常務取締役測量事業部長、2011年同社代表取締役社長を歴任。2024年12月より現職。 |
社外取締役は、長尾隆史氏(長尾法律事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役3名、監査役3名で構成されています。社外取締役は法律の専門家として、独立した客観的・専門的な視点から有益な助言を行い、業務執行を監督する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬、役員賞与、役員退職慰労金で構成されています。固定報酬と役員賞与は、職務内容や責任、役位、在任年数、業績に応じて決定されます。社外取締役の報酬は固定報酬のみであり、監査役の報酬は監査役の協議により決定される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 57百万円 | 18.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 12百万円 | 12.1百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 10百万円 | 3.4百万円 |
なお、報酬の支給対象となった人数には期中に退任した役員が含まれており、報酬等の総額には当該役員の在任期間に対する報酬が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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