0 編集部が注目した重点ポイント
① 人材派遣の新会社を設立し労働力不足の解決へ参入する
2025年5月に正社員型の人材派遣事業を担う「スターツキャリアマネジメント株式会社」を設立し、10月より営業を開始しました。20~30代をメインターゲットに自社で正社員採用を行い、派遣法の制限を受けない長期的な人材確保を企業へ提案します。総合生活文化企業として、住まい以外でも新たなキャリア支援の機会を創出しています。
② ストック型ビジネスを強化し安定的な収益積層を実現する
建設、不動産管理、仲介の3事業が営業利益構成の約8割を占める安定したビジネスモデルを確立しています。特に不動産管理では、通常管理世帯数が12万世帯を超え全国第1位の実績を誇ります。この強固な顧客基盤を背景に、リノベーション提案や資産コンサルティングなど、既存顧客への多角的なサービス展開が可能となっています。
③ 官民連携の大型プロジェクトを相次いで推進し事業を拡大する
愛知県豊橋市の多目的屋内施設整備や、神奈川県三浦市の市民交流拠点整備など、大型のPFI・PPP事業が相次いで動いています。単なる建物の建設に留まらず、30年にわたる運営までを一貫して担うなど、地域社会のインフラを支える公共性の高い大規模プロジェクトでのキャリア機会が豊富に存在します。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.19
2026年3月期中間期の業績は、売上高が1,185億円(前年同期比8.9%増)、営業利益が160億円(同6.3%増)と増収増益で着地しました。建設事業における大型案件の進捗や、不動産管理事業での管理戸数増加に伴う手数料・メンテナンス売上の伸長が大きく寄与しています。
通期予想(売上高2,500億円、営業利益350億円)に対する進捗率は、売上高で47.4%、営業利益で45.7%となっており、第2四半期時点としては概ね順調な推移と言えます。下期に向けても、免震住宅などの差別化商品やPFI事業の積み上げにより、安定した成長を見込んでいます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.5
建設事業
事業内容:賃貸住宅、戸建住宅、商業ビル等の建築請負。スターツCAM等が主導。
業績推移:売上高343億円(前年同期比+7.7%)、営業利益35億円(同+20.0%)。
注目ポイント:累計645棟の実績を持つ免震技術が最大の強みです。RC造・鉄骨造の大型案件の受注が増加しており、差別化商品である「コンセプト住宅」の展開により、高付加価値な建築提案が可能となっています。
不動産管理事業
事業内容:アパート・マンション管理、ビル管理、駐車場運営。スターツアメニティー等が主導。
業績推移:売上高491億円(前年同期比+5.9%)、営業利益68億円(同+4.8%)。
注目ポイント:グループの営業利益の4割以上を稼ぐ最大の収益柱です。管理戸数は順調に増加しており、自社運営のコールセンター「アクセス24」は87万世帯以上に導入されるなど、サービス品質の高さが解約防止と安定収益に繋がっています。
賃貸・売買仲介事業
事業内容:「ピタットハウス」ブランドによる仲介業務。スターツピタットハウス等が運営。
業績推移:(賃貸・売買合計)売上高82億円(前年同期比+8.2%)、営業利益23億円(同+6.0%)。
注目ポイント:売買仲介において、法人取引の強化により取扱高が増加しています。独自サービス「マイホームオークション」の累計出品件数は4万7千件を超え、透明性の高い取引を武器に地域密着型の営業を全国634店舗(ネットワーク店含む)で展開しています。
分譲不動産事業
事業内容:分譲住宅の開発・販売。スターツデベロップメント等が主導。
業績推移:売上高46億円(前年同期は5億円)、営業利益2億円(同 損失1億円)。
注目ポイント:デジタル証券(不動産セキュリティ・トークン)の対象資産として賃貸住宅を譲渡するなど、新たな出口戦略を積極的に開拓しています。在庫を長期保有せず、金融手法を組み合わせた機動的な開発が特徴です。
ホテル・レジャー事業
事業内容:「ホテル エミオン」等の宿泊施設運営。スターツホテル開発等が運営。
業績推移:売上高76億円(前年同期比+5.6%)、営業利益10億円(同+35.0%)。
注目ポイント:インバウンド需要の回復により客室単価(ADR)が大幅に上昇しました。京都では前年比12.0%増、札幌でも8.2%増を記録。リピート率の高い「ANA楽パック賞」受賞施設など、顧客満足度の高さが収益力向上を支えています。
高齢者支援・保育事業
事業内容:介護施設・保育所の運営。スターツケアサービスが運営。
業績推移:売上高63億円(前年同期比+5.1%)、営業利益2億円(同 ほぼ横ばい)。
注目ポイント:1都3県を中心に128事業所を展開。人件費上昇の影響があるものの、海外人材の積極採用(期末100名体制)など採用力の強化により安定運営を継続。今後もグループの建設技術を活かした新規開設を加速させます。
金融・コンサルティング事業
事業内容:信託、証券、保険、人材派遣。スターツ証券・信託等が主導。
業績推移:売上高41億円(前年同期比3.0%減)、営業利益9億円(同8.2%減)。
注目ポイント:金利上昇に伴う住宅ローン手数料の減少はあったものの、信託受託物件数は前期比6.7%増と伸長。新規設立の人材派遣会社を含め、不動産を基軸とした金融コンサルティングの守備範囲を広げています。
出版・物販・文化事業
事業内容:「OZmall」運営、出版、カードキー製造。スターツ出版等が主導。
業績推移:(出版)売上高35億円(前年同期比19.5%減)。(物販他)売上高4億円(同13.1%増)。
注目ポイント:出版は前年の映画ヒットの反動減となりましたが、主力IPの海外展開やアニメ化が続々と決定。OZmallのレストラン予約組数も堅調で、リアルな生活文化を支える重要なコンテンツ事業としての役割を担っています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.15
同社は、2026年3月期の通期見通しを据え置いています。注目すべきは、単なる不動産会社から「総合生活文化企業」への進化を加速させている点です。建設・管理で培った技術力を武器に、2029年度竣工予定の「関内駅前地区再開発」など、超長期の都市再生プロジェクトを複数抱えています。
また、海外展開においてもアメリカ、タイ、カンボジアなどの既存拠点に加え、ニュージャージーやパリ(提携)への新規拠点開設を予定しています。国内では人材派遣事業という新たな柱を立てるなど、グループ全体のサービス領域が拡大中。これにより、不動産実務以外の金融、福祉、メディアなど多様なバックグラウンドを持つ人材の活躍の場がさらに広がっています。
4 求職者へのアドバイス
同社の企業理念である「人が、心が、すべて。」は、採用の最重要指針です。建設から介護、金融まで多角的に展開していますが、すべてが既存顧客への「末永いお付き合い」という軸で繋がっています。志望動機では「単一の商材を売るだけでなく、顧客のライフイベントにトータルで寄り添いたい」という姿勢を示すのが有効です。また、PFI事業や海外展開など、自分の専門性をどうグループの総合力(リレーション)に還元できるかを具体化して伝えましょう。
- 「正社員型人材派遣事業への参入により、既存の不動産オーナー様や法人顧客に対してどのような新たな相乗効果(クロスセル等)を見込んでいますか?」
- 「免震レトロフィット工法の受注が歴史的建造物でも増えていますが、既存物件のバリューアップにおいて他社にはない技術的な優位性を教えてください。」
- 「デジタル証券(セキュリティ・トークン)を活用した物件譲渡など、新しい金融手法は今後どの程度の頻度・規模で実施される計画でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- スターツコーポレーション株式会社 2026年3月期 第2四半期 決算説明資料
- スターツコーポレーション株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



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