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編集部が注目した重点ポイント
① インクルード社の買収で復職支援へ参入する
2026年3月末に復職支援(リワーク)のパイオニアである株式会社インクルードを完全子会社化します。これにより、産業保健から医療連携、そして復職後の定着支援までを「産業医クラウド」上で一気通貫で提供する独自のプラットフォームが完成します。リワーク領域への進出は、同社のLTV(顧客生涯価値)を飛躍的に高める構造的変化であり、専門職としてのキャリア機会も大きく広がります。
② 過去最高の売上高と営業利益を達成する
2025年12月期の連結業績は、売上高が前年比+25.3%の64.3億円、営業利益は+445.6%の5.9億円となり、創業以来の過去最高益を更新しました。主力であるメンタルヘルスソリューション事業と、買収したタスクフォース社によるメディカルワークシフト事業が共に成長を牽引しており、収益基盤の質がストック型へと大きく改善しています。
③ 大手企業向けの契約数が大幅に伸長する
従業員1,000名以上のENT(エンタープライズ)顧客との契約数が前年比+23.2%の223グループへと大幅に増加しました。大手企業の経営層において人的資本経営への意識が高まる中、DXを活用したワンストップ提供ができる同社の優位性が発揮されています。今後は新規獲得に加え、既存顧客へのアップセルによる単価向上がさらなる成長の鍵を握ります。
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連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 通期決算説明資料 P.7
売上高
64.3億円
+25.3%
営業利益
5.9億円
+445.6%
調整後営業利益※
7.3億円
+236.0%
※調整後営業利益 = 連結営業利益 + M&Aに伴うのれん(顧客関連資産含む)償却費。M&Aによる一時的な費用影響を除いた事業の稼ぐ力を示す指標です。
2025年12月期は、主要2事業が着実に成長し、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。特に利益面では、前年の赤字要因であった買収関連費用や新株予約権に係る株式報酬費用が剥落したことで、本来の収益力が顕在化しています。また、安定的な収益基盤の確立に基づき、創業以来初の配当(1株当たり10円)の実施と、株主優待制度の新設も決定しました。
通期業績予想に対する達成率は、売上高が99.7%、営業利益が102.5%となっており、修正後の計画通り着地しました。ストック収益が売上の大半を占めるビジネスモデルへの移行が成功しており、中長期的な安定成長への土台が整っています。
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事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 通期決算説明資料 P.12
メンタルヘルスソリューション事業(MHS)
【事業内容】
産業医や保健師による役務提供と、クラウド型健康管理システム「ELPIS」を組み合わせた「産業医クラウド」を展開。
【業績推移】
売上高30.5億円(前年比+19.0%)、利益8.9億円(同+35.4%)と大幅な増収増益を達成。
【注目ポイント】
利益率が29.2%まで向上しており、グループの利益成長を力強く牽引しています。大手企業(ENT顧客)の解約率が0.2%と極めて低水準で推移しており、DXによる業務効率化と付加価値提供が両立されています。さらなる単価向上に向けたコンサルティング営業やカスタマーサクセスの強化が進められており、専門性を活かしたキャリア構築が可能です。
メディカルワークシフト事業(MWS)
【事業内容】
大規模急性期病院を対象に、看護補助者を中心とした人材サービスを提供。医療現場のタスクシフトを支援。
【業績推移】
売上高32.6億円(前年比+35.9%)と伸長。前年は3月からの7ヶ月分のみの寄与に対し、当期は通期で貢献。(注:前年比は単純比較不可)
【注目ポイント】
看護補助者領域で愛知県内シェア30%超を誇るタスクフォース社が中核です。処遇改善による人材投資を先行させたため利益率は一時的に低下していますが、診療報酬改定を追い風とした価格転嫁交渉や、海外人材(特定技能)の活用により、収益性の再浮上を狙っています。首都圏や福岡への拠点拡大も決定しており、組織拡大に伴う管理職ポストも増加しています。
その他事業
【事業内容】
医師の有料職業紹介(旧MCS事業)や、医学会向けサービス等のデジタルマーケティング(旧DM事業)を統合。
【業績推移】
売上高1.1億円(前年比30.5%減)。経営資源の選択と集中により規模を大幅に縮小中。
【注目ポイント】
既存の医師データベースを活かしたハブ機能として、主要事業(MHS・MWS)との連携を強化しています。単体での拡大を追うのではなく、グループ内マーケティング支援に特化する体制へと組織変更を実施済みです。
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今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 通期決算説明資料 P.35
同社は今後、リワーク(復職支援)事業を単なる一サービスではなく、社会インフラとしての「OS(仕組み)」へと昇華させる戦略を描いています。インクルード社のグループ化により、産業保健と医療・リワークが分断されていた従来の課題を解決し、「二度と壊れない状態」を社会側から設計するという高次元のミッションを掲げています。
BPaaS(Business Process as a Service)プロバイダーとしての立ち位置を強化し、人手に頼る労働集約型モデルからの転換を図っています。2026年12月期の業績予想については、インクルード社の連結影響を精査中として3月下旬に公表予定ですが、中期経営計画「MHT100/20-25」の達成に向けた成長速度はさらに加速する見通しです。
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求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「単なる産業医紹介にとどまらず、BPaaSモデルで社会課題を構造から解決しようとする姿勢」に共感したことを伝えましょう。特にインクルード社の連結により、休職から復職、定着までを一気通貫で支援する「リワークOS」というビジョンは、社会インフラとしての意義が非常に高く、自身のキャリアを通じた社会貢献の場として強力な訴求ポイントになります。
面接での逆質問例
・「インクルード社の買収によりプラットフォームが完成しましたが、法人顧客(ENT)への提案シナジーを最大化するために、現場の営業職にはどのような新しい専門性が求められていますか?」
・「MWS事業では処遇改善や採用費の価格転嫁が課題とされていましたが、医療機関の経営安定化支援(BPaaS)へと上流展開する中で、我々のような中途採用者に期待される役割は何でしょうか?」
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転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
人によっては長時間で働かれていた
営業は女性でもバリバリ働かれていたので、そういう環境が合う人でないと厳しいと感じました。カスタマーサポートについても人によっては長時間で働かれていました。
(20代後半・企画営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]サービスを提案し役に立てる
メンタルヘルスという働く人なら誰でも抱える問題に対して、サービスを提案しお役に立てるところはやりがいに感じました。
(20代後半・企画営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
・株式会社メンタルヘルステクノロジーズ 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
・株式会社メンタルヘルステクノロジーズ 2025年12月期 通期決算説明資料



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