0 編集部が注目した重点ポイント
① 中国合弁事業を解消し不採算リスクを排除する
2026年2月期第3四半期より、不採算となっていた中国合弁事業を解消し、関連会社の株式を譲渡しました。これにより売上高は減少したものの、これまで重石となっていた投資損失が解消されています。不採算領域からの撤退により、今後は国内や米国、新設の合弁会社を通じた成長領域へのリソース集中が可能になる、大きな構造変化といえます。
② 中国大手JD.comとの合弁会社を設立する
2025年12月22日付で、中国最大級の小売業者であるJD.comグループと投資合弁会社を設立しました。日本の優れた「ものづくり」企業へ投資し、JD.comの販路を活かして中国市場へ展開する新事業を開始します。アパレルの枠を超えた投資・支援事業という新たなキャリア機会が生まれており、グローバルな事業開発に携わる好機です。
③ 主力ブランドの再生と収益構造の改善が進む
「MOUSSY」がデニムのヒットで前年同期比105.8%と伸長し、「RODEO CROWNS WIDE BOWL」も既存店売上112.5%とV字回復を遂げました。仕入れコントロールの厳格化により商品評価損を大幅に圧縮しており、売上高が減少する中でも国内事業の利益率は改善傾向にあります。ブランドマネジメントや企画精度の高さが証明されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 第3四半期 決算補足説明資料 P.4
売上高
38,004百万円
(前年同期比 -10.9%)
営業利益
643百万円
(前年同期比 -31.1%)
当期純利益
503百万円
(前年同期 黒字転換)
第3四半期累計の連結売上高は380億4百万円、営業利益は6億43百万円となりました。前年同期比で減収減益となっていますが、これは主に中国合弁事業の解消による連結除外が影響しています。一方で、持分法による投資損失がなくなったことや、関係会社株式売却益の計上により、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億3百万円と、前年同期の赤字から大幅な黒字化を達成しました。
通期連結業績予想については、主力のショッピングセンターブランドの客数減に伴う国内売上高の減少を踏まえ、下方修正を行いました。修正後の通期売上高予想517億97百万円に対し、第3四半期時点の進捗率は73.3%となっており、修正後の計画に対しては概ね順調な進捗といえます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 第3四半期 決算補足説明資料 P.6
国内事業(ブランド別展開)
事業内容:MOUSSY、AZUL BY MOUSSY、RODEO CROWNS WIDE BOWL等、複数のアパレルブランドの企画・販売。直営店およびECを展開。
業績推移:売上高374億70百万円(前年同期比96.9%)。国内営業利益は5億69百万円(前年同期比110.1%)と増益。
注目ポイント:ブランドごとに戦略の成否が明確です。「MOUSSY」はリブランディングとデニム施策が奏功し前年超えを継続。「RCWB」はIPコラボ等によりV字回復を達成しました。一方で「AZUL」の客数改善が課題となっており、今後は成功ブランドのノウハウをAZULへ水平展開するフェーズに入ります。ブランド再生やマーケティングのスペシャリストにとって、手腕を発揮しやすい環境です。
海外事業(米国・中国)
事業内容:米国での卸売・EC販売、および中国市場での卸売ビジネス。日本製高級デニムを主軸に展開。
業績推移:米国はEC売上が好調なものの、販管費が重く減益。中国合弁解消によりセグメント構造が激変。
注目ポイント:(注:中国はJV解消により前年同期との単純比較不可)。中国での自社小売モデルから撤退し、JD.comとの新合弁会社を通じた投資・卸売モデルへの転換を図っています。米国ではプロモーションに課題を抱えており、デジタルマーケティングの強化が急務です。グローバルな再構築期にあり、海外事業の立て直しや新規チャネル開拓の経験が強く求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 第3四半期 決算補足説明資料 P.12
今後の焦点は大きく2点あります。第一に、JD.comとの合弁会社による投資事業の本格化です。日本の優れた消費財企業に投資し、中国市場への販路拡大を支援するこのモデルは、同社のアパレル知見とJD.comのプラットフォーム力を融合させた新領域です。2025年12月に設立されたばかりであり、事業立ち上げメンバーとしての活躍が期待されます。
第二に、国内最大規模のブランド「AZUL BY MOUSSY」の全面刷新です。MOUSSYやRCWBで成果を出したプロモーション力や企画力を横展開し、客数の回復を急いでいます。SNSインフルエンサーの積極起用やターゲットの再定義を進めており、デジタルを活用した集客戦略に長けた人材の採用意欲が高まっています。配当については当初予想の1株当たり38円を据え置いており、構造改革中も株主還元姿勢を維持している点は、経営の安定性を示すポジティブな指標です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「不採算領域の整理を終え、JD.comという強力なパートナーと共に新事業(投資・支援)に踏み出すタイミング」であることに注目しましょう。単なるアパレル販売員ではなく、「日本のものづくりを世界へ広げる」というグローバルな視点や、デジタルを駆使したブランド再生に携わりたいという動機が、現在の経営戦略と強く合致しています。
面接での逆質問例
・「JD.comとの合弁会社における投資先選定の基準や、自社ブランドとのシナジーをどう描いていますか?」
・「AZULのリブランディングにおいて、MOUSSYの成功事例から具体的にどのような要素を抽出・反映させようとしていますか?」
・「不採算の中国小売から撤退した今、今後の海外事業における重点地域や販売チャネルの優先順位を教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
管理監督ができる体制がない
上長は部下の仕事ぶりや人間関係、労働環境に興味がないので、何が起きているか把握もされていないし、管理監督ができる体制がないとおもう。
(30代前半・マーケティング・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年2月期 3Q決算補足説明資料



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