0 編集部が注目した重点ポイント
① 2025年5月の中国事業解消により経営リスクを抜本的に解消する
Belle社との中国合弁事業を2025年5月に解消しました。これにより、不透明感の強かった中国市場における投資損失リスクをオフにし、関係会社株式売却益の計上によって当期純利益は黒字に転換しています。今後は安定的なロイヤリティ収入を主軸とする筋肉質な経営体制へと移行し、転職者にとっても財務健全性が高まった状態での挑戦となります。
② 主力ブランドAZULの立て直しに向けた構造改革を断行する
国内売上の約30%を占める主力ブランド「AZUL BY MOUSSY」において、客数減少という大きな課題に直面しています。これに対し、ヒット創出力を持つMOUSSYのノウハウを応用し、ブランド価値の再構築を推進中。商品企画からVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング:視覚的な陳列手法)まで抜本的な見直しを行っており、店舗運営や企画職での活躍機会が拡大しています。
③ JD.comとの協業でアパレルの枠を超えた新規事業を創出する
中国最大のECリテール企業「JD.com」と2025年12月に合弁会社「DB Capital Limited」を設立しました。圧倒的な物流インフラとECネットワークを活用し、日本の技術や製品を世界へ発信するプラットフォーム事業を開始。単なるアパレル企業から、グローバルな小売ビジネスモデルへの進化を目指しており、DXや新規事業開発などの専門スキルを持つ人材の重要性が増しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 通期 決算補足説明資料 P.4
売上高
514.9億円
(前年比 88.5%)
営業利益
3.2億円
(前年比 39.5%)
親会社株主に帰属する純利益
3.6億円
(黒字転換達成)
2026年2月期の連結売上高は514.9億円となり、前年同期比で11.5%減少しました。これは主に中国合弁事業の解消に伴う連結除外の影響によるものです。国内事業においても主力ブランドAZULの苦戦が響きましたが、仕入コントロールの厳格化により商品評価損を大幅に圧縮。売上総利益率は60.1%と3.2ポイント改善しており、稼ぐ力の底上げが進んでいます。
営業利益はAZULの低迷等が影響し3.2億円にとどまりましたが、最終的な純利益は3.6億円を確保し、前年の赤字から黒字転換を達成しました。通期計画に対しては不採算店舗の整理や固定費抑制といった「筋肉質な経営」への転換が着実に進捗しており、来期に向けた再スタートの準備が整ったと評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 通期 決算補足説明資料 P.6
FB・SBブランド(MOUSSY, SLY等)
事業内容:ファッションビルや駅ビルを中心に、MOUSSY、SLY、rienda等のトレンドを牽引する主要ブランドを展開する中核部門。
業績推移:売上高は192.5億円、前年同期比で100.9%と伸長。MOUSSYがデニムやコラボ施策の成功により全体を牽引しました。
注目ポイント:MOUSSYはリブランディング後も勢いを維持しており、アジアNo.1ジーニングブランドを目指した攻めの開発が続いています。ブランド力を背景としたデジタル接客やSNS発信に強みがあり、最前線の感性を活かしたい企画・販促人材にとって最も勢いのあるフィールドと言えます。
SCブランド(AZUL, RODEO CROWNS等)
事業内容:ショッピングセンター向けに、AZUL BY MOUSSYやRODEO CROWNS WIDE BOWL(RCWB)等のファミリー・カジュアル層向けブランドを展開。
業績推移:売上高247.7億円、前年同期比95.3%。RCWBは既存店前年比112.3%と大復活を遂げた一方、AZULの客数減少が全体の重石に。
注目ポイント:最大の課題であるAZULの立て直しに向け、他ブランドの成功事例を注入する抜本的な組織再編が行われています。既存のやり方に捉われず、大規模ブランドのVMD刷新や商品ポートフォリオの改善をリードできる、改革マインドを持った実務人材が強く求められています。
百貨店ブランド(ENFÖLD等)
事業内容:高感度層をターゲットとしたENFÖLD、någonstans等の百貨店向けハイエンドブランドを展開。
業績推移:売上高52.6億円、前年同期比92.0%。インバウンド需要はあるものの、国内百貨店チャネルの構造変化により微減となりました。
注目ポイント:高いクリエイティビティと品質を強みに、韓国など海外の高級百貨店への出店も進んでいます。日本のものづくりを世界基準に引き上げる挑戦をしており、グローバル視点でのブランド育成に携わりたい方には最適なステージです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 通期 決算補足説明資料 P.18
同社は2027年2月期からの2年間を「業績の回復・新規事業の創出期間」と位置づけています。来期目標として連結売上高529.7億円(前年比2.9%増)、営業利益13.5億円(前年比320.9%増)という野心的な数値を掲げており、利益重視の経営へ大きく舵を切ります。
特筆すべきは、JD.comとの合弁「DB Capital Limited」を通じたアパレルの枠を超えた挑戦です。日本の優れた技術・製品を世界規模のプラットフォームに乗せる「小売プラットフォーム事業」は、同社の新たな収益柱となる可能性を秘めています。さらに100億円規模を狙う新規ブランドの開発も計画されており、既存ブランドの枠に収まらない、起業家精神を持った人材の採用が加速すると見込まれます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
バロックジャパンリミテッドは今、中国事業の解消やJD.comとの協業など、第二の創業期とも呼べる変革期にあります。単に「洋服が好き」という動機だけでなく、同社の持つ「ブランド創出力」という資産を活かして、いかに組織の全社最適化や新規ビジネスモデルの創出に貢献できるかを語ることが重要です。特にAZULの立て直しやJD.comとの新プロジェクトといった、現在進行形の課題への参画意欲は高く評価されるでしょう。
面接での逆質問例
「新中期経営計画では事業運営の集約型への転換が掲げられていますが、具体的に現場のオペレーションや意思決定スピードはどのように変わっていくのでしょうか?」や、「JD.comとの合弁会社における日本製品のグローバル展開において、アパレルの知見がどのように他分野の製品発信に活かされると考えていらっしゃいますか?」といった、経営戦略の解像度を深める質問が有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
管理監督ができる体制がない
上長は部下の仕事ぶりや人間関係、労働環境に興味がないので、何が起きているか把握もされていないし、管理監督ができる体制がないとおもう。
(30代前半・マーケティング・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 通期 決算補足説明資料(2026.4.14発表)
- 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026.4.14発表)
- 新中期経営計画 2027-2028 資料



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