0 編集部が注目した重点ポイント
① 子会社上場でグループ成長を加速させる
連結子会社の株式会社ビタブリッドジャパンが2026年4月に東証グロース市場へ新規上場しました。独立した経営体制により機動的な運営が可能となり、グループ全体の競争優位性がさらに高まる見込みです。ダイレクトマーケティング領域でのキャリア機会がより広範かつ強固なものへと変化しています。
② ショート動画領域へ経営資源を集中する
2025年4月に株式会社gracemodeを新規連結するなど、PR×ショート動画施策への全振りを表明しています。従来の広告手法に代わる次世代インフラの構築を急いでおり、SNSマーケティングや動画制作に強みを持つ専門人材の重要度が急速に増している状況です。
③ 事業ポートフォリオの最適化を断行する
2026年2月27日付で株式会社あしたのチームの全株式を売却し、連結範囲から除外しました。選択と集中により資本効率を改善し、主力事業への投資余力を拡大させています。構造的変化を経て、より筋肉質な組織へと変貌を遂げたタイミングでの採用と言えるでしょう。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.5
※EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却費(現金支出を伴わない費用を除いた稼ぐ力を測る指標)
2026年2月期は、国内経済の緩やかな回復とデジタル投資の加速を背景に、過去最高の連結業績を達成しました。戦略PR事業の拡大に加え、タクシーサイネージやプレスリリース配信事業(PR TIMES)が大幅増益を牽引しています。また、前期赤字だったNews TVや海外(韓国)事業が黒字化したことも利益押し上げに貢献しました。
通期計画に対する進捗状況については、すべての主要指標において当初の予想を上回る実績を残しており、業績の推移は極めて順調であると評価できます。不確実な経済環境下でも特定産業に依存しない収益基盤が機能しており、次期以降のさらなる成長に向けた盤石な体制が整っています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.11
PR・広告事業
事業内容:株式会社アンティル、プラチナム、イニシャル等による戦略PRサービスや、タクシー内デジタルサイネージ「GROWTH」の運営を担当。
業績推移:売上高34,870百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益4,898百万円(+34.7%)。過去最高を更新。
注目ポイント:戦略PRとIoTサイネージの好調に加え、2025年4月に仲間入りした株式会社gracemodeの業績が堅調に拡大。モノの広め方がデジタルへ移行する中、SNSマーケティング領域の強化が急務であり、コンサルティングとテクノロジーを繋げる人材が強く求められています。
プレスリリース配信事業
事業内容:株式会社PR TIMESが手掛ける国内トップシェアのプレスリリース配信プラットフォーム「PR TIMES」の運営。
業績推移:売上高9,546百万円(前年同期比19.3%増)、営業利益3,622百万円(+93.0%)。
注目ポイント:利用企業社数が124,000社を突破。既存顧客の利用頻度向上と、機能改修・広告投資が結実しました。社会インフラとしての地位を確立しつつ、今後はAI活用による原稿生成支援など、より高度なプラットフォームへの進化を担うエンジニアや企画職の活躍が期待されます。
ダイレクトマーケティング事業
事業内容:株式会社ビタブリッドジャパン等による、ウエルネスケア関連商品の開発・D2C(消費者直接取引)販売。
業績推移:売上高16,350百万円(前年同期比20.9%増)、営業利益1,137百万円(+52.2%)。
注目ポイント:主力商品「ターミナリアファースト」が好調。2026年4月に東京証券取引所グロース市場へ上場し、今後は独立した上場企業としての更なる飛躍が期待されます。広告効率を重視した新商品育成と販路拡大を両立できるマーケティングのプロが活躍できる環境です。
HR事業
事業内容:次世代型動画採用プラットフォーム「JOBTV」の運営。※あしたのチームは売却済み。
業績推移:売上高2,990百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益(損失)△23百万円。※あしたのチーム売却益は特別利益に計上。
注目ポイント:「JOBTV」の成長に注力。PR・広告事業のノウハウを横展開し、人材採用領域におけるショート動画施策を拡大することで黒字化を目指しています。既存の採用手法を刷新する強い意志を持ったイノベーターが必要とされています。
投資事業
事業内容:ベンチャー企業の成長支援および投資。現在までに34社のIPO実績あり。
業績推移:売上高288百万円(前年同期比88.6%減)、営業利益(損失)△518百万円。
注目ポイント:他事業の成長が想定以上に向上したため、戦略的に保有株式の売却を翌期以降へ選択。利益こそ一時的な減益となりましたが、スタートアップ市場の環境を踏まえた厳選投資を継続しています。PR支援と出資を組み合わせた独自のバリューアップ手法を磨けるフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 決算説明資料 P.35
2027年2月期の連結業績予想は、売上高68,000百万円(前年比6.6%増)、営業利益10,000百万円(同9.7%増)を計画。中期経営計画通りの利益100億円到達を射程に捉えています。成長の鍵を握るのは「PR×ショート動画」への注力です。テレビCM市場のシェア低下や生成AIによる検索広告の変容を受け、信頼性の高い第三者視点のショート動画拡散に予算がシフトすると予測しています。
今後の成長戦略では、AIを活用した動画生成やプレスリリース原稿作成、AI検索最適化(AIO)などのソリューション開発を加速。労働集約型モデルからの脱却を図るべく、PRのDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する方針です。既存の広告業界の枠組みを壊し、スピードとコストパフォーマンスを両立する「FAST COMPANY」の実現に向けて、テクノロジーとクリエイティブを融合できる人材の採用意欲が高まっていくでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ベクトルが掲げる「FAST COMPANY」構想への共感が鍵となります。「いいモノを世の中に広める」というシンプルなミッションに対し、ショート動画やAIといった最新テクノロジーをどう活用したいかを具体化してください。M&Aを通じた非連続な成長や海外展開の加速など、変化を楽しみながら事業を自ら創り出したいという意欲が評価されるはずです。
面接での逆質問例
・「PR×ショート動画エコシステムの構築において、現在の私のスキルはどのフェーズで最も貢献できると考えられますか?」
・「AIタレントによる動画生成など、制作フェーズの自動化が進む中で、コンサルタントやクリエイターには今後どのような役割の変化が期待されていますか?」
・「海外事業(韓国等)の黒字化を受け、次のターゲットとなるグローバル展開の優先順位と、そこで求められる専門性について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年2月期 決算説明資料



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