0 編集部が注目した重点ポイント
① 海外事業が牽引し過去最高業績を更新する
2026年8月期上期において、営業収益は前年同期比14.8%増の4,385億円、営業利益は24.8%増の450億円と、いずれも上期ベースで過去最高を更新しました。特に海外事業が収益・利益ともに20%を超える大幅な伸びを見せており、グローバル市場での成長がグループ全体の業績を強力に押し上げています。
② 生産内製化による原価低減で収益力が向上する
生産の内製化に伴う原価低減効果や、値下げの抑制により、営業総利益率が52.4%(前年同期比1.3ポイント改善)へ向上しました。その結果、営業利益率は目標水準の10.3%を達成。効率的な運営体制の構築が、単なる売上増に留まらない質の高い成長を支える構造へと進化しています。
③ 3ヶ年計画を前倒しで上方修正を決定する
好調な上期実績を受け、通期の営業利益予想を100億円上方修正し、890億円(前期比20.5%増)を見込んでいます。これは3ヶ年ローリング計画の目標を1年前倒しで達成することを狙った攻めの計画です。また、再生可能エネルギー事業を行う「合同会社 MUJI ENERGY」を2025年9月に設立し、事業を通じた環境課題への対応も加速させています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年8月期上期決算説明会 P.5
上期業績は、国内外での積極的な出店による店舗数増加と、海外事業の既存店売上の大幅な伸長により、二桁の増収増益を達成しました。特筆すべきは収益性の改善で、生産の内製化による原価低減と値下げ率のコントロールにより、営業総利益率が52.4%へ改善しています。国内での人件費増加やIT関連費用の拡大といった販管費の押し上げ要因はあったものの、売上成長がそれを上回り、営業利益率10%超えを確固たるものにしました。 修正後の通期予想に対する上期進捗率は、営業収益で49.4%、営業利益で50.6%となっており、業績は順調に推移しています。通期では親会社株主に帰属する当期純利益も620億円へ上方修正されており、転職者にとっても事業の安定性と成長性を同時に感じられる実績と言えるでしょう。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年8月期上期決算説明会 P.8
国内事業
【事業内容】日本国内における「無印良品」の展開。郊外型店舗や旗艦店の出店、ECサイトの運営を通じた「生活圏」への浸透を推進。
【業績推移】営業収益2,443億円(前期比8.1%増)、セグメント利益274億円(同14.2%増)。利益率は11.3%へ向上。
【注目ポイント】システム障害による一時的なEC販売停止の影響を受けたものの、「無印良品週間」等のプロモーションが好調で増収増益を確保しました。生産内製化による原価低減が最も寄与しているセグメントであり、安定したキャッシュ創出源として、新規事業やグローバル投資を支える重要な役割を担っています。店舗とECを融合させるOMO戦略の再構築が急務となっており、デジタル人材の需要が高まっています。
東アジア事業
【事業内容】中国大陸、台湾、香港、韓国での事業展開。現地主導の商品開発(MD)による生活雑貨・食品の拡充が成長の柱。
【業績推移】営業収益1,360億円(前期比23.3%増)、セグメント利益275億円(同29.0%増)。海外事業最大の利益貢献。
【注目ポイント】中国大陸では既存店売上が二桁伸長し、現地開発の「米ぬか発酵ヘアケアシリーズ」などがヒット。韓国でも「毎日おかずシリーズ」等の食品が牽引しています。現地ニーズを捉えた商品開発が成功しており、各地域でのマーチャンダイジング機能の強化が進んでいます。利益率も20.3%と極めて高く、グローバルで培ったノウハウを日本や他地域へ逆輸入する「オペレーションの波及」の拠点となっています。
東南アジア・オセアニア事業
【事業内容】タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、フィリピン、豪州等。旗艦店出店によるブランディングを加速。
【業績推移】営業収益331億円(前期比35.4%増)、セグメント利益48億円(同47.0%増)。成長率でグループをリード。
【注目ポイント】マネジメント体制の強化と、タイ・ベトナムでの大型旗艦店の出店が功を奏し、大幅な増収増益となりました。売場改善と販売計画の精度向上が進み、営業利益率は14.7%に改善。現地でのブランド認知度が急速に向上しており、今後は衣服・雑貨に加え、ヘルス&ビューティーなどの生活雑貨の充足がさらなる成長のカギを握ります。
欧米事業
【事業内容】欧州(英・仏等)および北米事業。収益基盤の改善を経て、出店再開フェーズに移行。
【業績推移】営業収益250億円(前期比17.9%増)、セグメント利益39億円(同9.7%増)。
【注目ポイント】欧州でのECプラットフォーム統合による売上伸長や、在庫管理の徹底が成果を出しています。北米でも大寒波の影響がありながら売上は堅調で、物流センターの移管や出店の再開が進んでいます。2027年8月期にはパリ旗艦店のオープンを予定しており、先進国市場における「無印良品」の新たな価値提案を牽引する専門人材が求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年8月期上期決算説明会 P.19
良品計画は、2028年8月期を最終年度とする3ヶ年ローリング計画において、営業収益1兆円の大台突破を見込んでいます。これを支えるのが「8つの成長ドライバー」であり、600坪級の大型店舗のグローバル展開や、ヘルス&ビューティー・食品などのコア商品の拡充を強力に進める方針です。特に海外事業における生活雑貨の充足率を、2026年秋冬には80%完遂させる目標を掲げています。 一方で、本部業務の効率化を目指す「生産性向上委員会」を設置し、IT投資、人時生産性、商品原価の改善を2年周期で実行する再現性のある仕組みづくりを開始しました。質疑応答の内容も踏まえると、中東情勢などの外部リスクを注視しつつも、「世界での成長に挑戦」するためのリソース配分を優先する姿勢が鮮明です。持続的な高収益体質(営業利益率12%以上)の構築に向け、既存の小売業の枠を超えた構造改革を担える人材への期待は非常に大きい状況です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「世界で成長に挑戦」というスローガンの通り、国内の安定基盤の上にグローバルでの事業拡大が加速しています。単に商品を売るだけでなく、東アジアで見られるような「現地主導の商品開発」や「地域課題への貢献(ESG)」をビジネスの核に据えている点が特徴です。生産の内製化やSCM改革など、利益構造そのものを変革する局面にあるため、自身の専門性が「いかに収益性の改善やグローバル展開の再現性に貢献できるか」という視点で志望動機を構築すると、非常に高い評価に繋がるでしょう。
面接での逆質問例
- 「生産性向上委員会での取り組みにおいて、私の持つIT/業務改善の経験を具体的にどのプロジェクトで活かせると期待されていますか?」
- 「海外での生活雑貨充足率を80%に高める計画において、日本と現地のMD連携で現在最も課題となっている点はどこでしょうか?」
- 「MUJI ENERGYなどの新規事業は、今後の採用や組織構造にどのような影響を与えていく予定ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
地域に根ざした商品展開が魅力的
地域に根ざした商品展開が魅力的で、どの店舗も独自の個性を持っています。無印良品の店舗では、地域の特色を活かした商品が並び、訪れるたびに新しい発見があります。これにより、単なるチェーン店ではなく、地域と共に成長する企業としての強みを感じます。
(30代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]休みの申請が難しい場面もある
年末年始や大型連休の勤務については、商業施設内の店舗であるため、出勤が求められることが多いです。特に、子育て中のスタッフにとっては、休みの申請が難しいと感じる場面もあるかもしれません。
(40代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 株式会社良品計画 2026年8月期上期決算説明会資料(2026年4月10日発表)
- 株式会社良品計画 2026年8月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



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