「本社員」までの6ステップを明示
企業口コミサイト「キャリコネ」には、現役社員・OBOGからの声が寄せられています。その特徴は本部社員のほか、店舗勤務のスタッフからの書き込みが目につくことです。
店舗で働く20代の男性契約社員は、社内の出世ルートについてこう記しています。
小売業なので、売り上げを取った人が上に上がるようには当然できているようです。パートナーには階級があり、まずは階級をあげ、その上で試験に合格しなくてはならない(2018.9.23)
「階級」とはどのようなものなのか。良品計画の採用ページを見ると、アルバイトとパートナー社員の待遇に関する解説がありました。働ける時間と役割によって、パートナー社員とアルバイトは4段階、その上にパートナーリーダーが2段階の計6段階があるようです。
6段階目の「パートナーリーダー6」になるための標準的な期間は入社後26ヶ月(2年強)で、4段階目以上になると「本社員」の試験を受験することが可能に。このようなしくみについて、別の20代の男性契約社員は、報酬も含めて不満はなかったと書いています。
販売員としては妥当な給与であり、福利厚生面も問題はなかった。非常に驚いたのは、店舗においてきちんと研修制度が整っていること。慣れてくると惰性になりがちな販売業務も、商品の流れが垣間見えて働いててよかった(2017.5.31)
「真のMUJIラー」を育てる企業文化
良品計画のサイトには、入社10年目で4店舗目の店長を務めている人のインタビューが載っていました。キャリアパスの参考になるでしょう。キャリコネにも、20代の女性社員が店長として働く様子を書き込んでいます。
売上を取るために会社から細かな指示があるが、店舗の強み弱みを踏まえ店舗運営ができる。人材により売上が左右されるが、結果が出るとやりがいを感じる。スタッフも仕事に熱心な人間が多く、前向きに仕事に向かうことができる(2016.10.28)
店舗勤務から本社勤務になることもあるようです。本社マーケティング担当の30代男性は、出世の傾向の感想を書いています。
店舗勤務を経験している生え抜き社員が優遇されている。能力にかかわらず係長クラスまではエスカレーター式に上がっていくため、中途採用組からすると不公平感を覚えることもある(2019.8.7)
生え抜きを大事にする社風があるのでしょうか。20代の店長は次のように分析します。
最終的に本部で経営や開発に携われるまで、早くとも10-15年は掛かると実感している。何故なら、年功序列で時間を掛けて無印良品を本質から愛せる真のMUJIラーを育てる企業文化だからである(2016.4.19)
「MUJIラー」とは、無印良品をこよなく愛する人のこと。他にも、ショップで働く人について「無印良品のブランドイメージに合うような人が基本的に多いです。無印良品の商品が好きで生活を大切にしている人」と評する書き込みがありました。愛する商品を扱う会社で働けることは、幸せでしょうね。
16期連続で伸長し続ける売上高
無印良品は創業当時「わけあって安い」というキャッチコピーで展開し、ノーブランドで価格を抑えるコンセプトでした。しかしいまやMUJIは、もはや新しいブランドとして消費者に受け入れられています。
本部でマーケティングを担当する30代の男性は、「MUJIブランド」には将来性があると書き込んでいます。
無印良品が好きで入ったので、MUJIブランドの魅力を世界に広げていけるところにやりがいを感じる。海外売上比率も伸びており、まだまだ成長の余地は大きい(2019.8.7)
現在は旧セゾングループやファミリーマートとの関係はなくなったものの、創業時のコンセプトは維持されているようです。40代の契約社員は自社の強みをこう表現しています。
創業以来の精神を貫いており、これが社内に浸透し、商品やサービスという形で表現されている。ここが他社との差別化要因で他社がマネできないところ。この精神を海外に広げるべく、海外事業を急拡大させている。日本の伝統的メーカーの国際競争力が弱まる中、グローバルに成長するリーディングカンパニーの1社だと思う(2016.10.5)
やや古い口コミですが、確かにその後も会社は成長を続けています。2019年2月期決算は前期比で営業減益だったものの、売上高は16期連続で伸びています。
減益の理由も海外出店や改装などでコストが掛かったためで、ネガティブな要素はありません。企業文化の合う合わないはありますが、小売で働きたいけど普通の店では物足りない人には魅力的な職場かもしれませんね。