0 編集部が注目した重点ポイント
① コンビニ事業への特化を完了し過去最高益を達成
2026年2月期(2025年度)は、スーパー事業を展開するヨークHDやセブン銀行の非連結化(事業分離)を完了し、純利益が過去最高を更新しました。不採算事業からの撤退と「ピュアCVS(コンビニエンスストア)モデル」への転換という大きな構造改革が実を結び、成長に向けた筋肉質な経営基盤が整っています。転職者にとっては、収益性の高い中核事業に資源が集中される好機と言えます。
② 配達サービス「7NOW」が成長の主軸に浮上
既存の店舗ネットワークを活かした独自デジタルプラットフォーム「7NOW」の売上が急拡大しています。日本国内では売上伸び率が+28.2%を記録、北米でも約1,000億円規模の売上を誇る独自の経済圏を構築中です。従来の「待ち」の小売から、デジタルを駆使した「届ける」小売への変革が加速しており、IT・DX人材の活躍フィールドが急速に広がっています。
③ 2027年度以降の海外IPOを見据えたグローバル展開
北米事業(SEI)の最短2027年度のIPO(新規株式公開)を目指す方針が示されました。世界1日約3,000万人の来店客を誇る比類なき店舗網を武器に、グローバル成長を加速させる構えです。オーストラリア事業の完全子会社化など、国境を越えたバリューチェーンの最適化が進んでおり、グローバル規模での事業開発や管理に携わるキャリア機会が増大しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明資料 P.10
※EBITDA = 営業利益 + 減価償却費 + のれん償却費(キャッシュを稼ぐ力を示す指標)
2026年2月期の連結業績は、営業収益こそ事業分離の影響で前年を下回ったものの、利益面では修正計画を上回る着地となりました。特に親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失の減少や事業分離に伴う利益計上により、前年比+69.2%と大幅な増益を達成しています。
通期計画に対する進捗は、主要全項目で100%を超えており、業績は順調と評価できます。不採算であったネットスーパー事業の撤退や店舗閉鎖といった膿を出し切ったことで、次期以降の「増益トレンド」への回帰に強い自信を見せています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明資料 P.11
国内コンビニエンスストア(セブン-イレブン・ジャパン)
【事業内容】
日本最大の店舗網を誇るCVS事業。出来立て商品の提供や「7NOW」を通じた利便性向上を推進しています。
【業績推移】
既存店売上は+1.2%と堅調に推移しましたが、原材料高騰による荒利低下やシステム投資増により、営業利益は前期比▲4.7%の2,225億円となりました。
【注目ポイント】
「セブンカフェ ベーカリー」を約8,000店、「セブンカフェ ティー」を約2,000店に導入するなど、店舗での体験価値向上に注力。また、2030年度までに店舗純増1,000店を目指し、都市部小型店や省人化サテライト店など多様なフォーマットを展開予定です。新店舗形態の構築や、店舗業務の省人化を支えるシステム企画のニーズが高まっています。
海外コンビニエンスストア(7-Eleven, Inc. / 7-Eleven International)
【事業内容】
北米を中心としたグローバルCVS事業。ガソリン販売を含む独自のビジネスモデルを展開しています。
【業績推移】
北米の既存店売上は▲0.4%と苦戦しましたが、コスト適正化の効果で営業利益は2,222億円(前期比+2.8%)を確保しました。
【注目ポイント】
「食のコンビニ」への転換を掲げ、日本流の高品質なフレッシュフードを北米へ積極導入中。ガソリン事業の垂直統合により約7,000万ドルのコスト改善を見込むなど、供給網の抜本的改革を進めています。海外IPOを見据えた組織力強化や、グローバルなサプライチェーンマネジメントの知見を持つ人材が不可欠となっています。
その他の事業(金融・スーパー事業他)
【事業内容】
(注:ヨークHDおよびセブン銀行は2025年度中に非連結化済み)現在は関連会社としての持分損益等が中心となります。
【業績推移】
事業分離の影響により売上・利益ともに大幅に縮小。現在はセグメント間の調整や周辺事業が計上されています。
【注目ポイント】
構造改革の一環として、スーパーストア事業はベインキャピタル出資の買収目的会社へ承継されました。グループ外への切り出しにより、本体はCVS事業に特化した高収益体質を目指しています。一方、セブン銀行とは引き続き加盟店へのATM設置などの協業関係を維持し、店舗のインフラ機能を支え続けています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明資料 P.23
2027年2月期の業績予想では、事業分離の影響を除く実質ベースで5.3%の営業増益を計画しています。特に海外CVS事業において+11.5%の大幅な増益を見込んでおり、グローバルな成長基盤への自信がうかがえます。構造改革を終え、これからは「クオリティ(顧客体験向上)」と「バリュー(収益構造強化)」の好循環を生み出すフェーズに入ります。
また、質疑応答ではSEI(北米事業)のIPO時期を最短で2027年度に変更したことが言及されました。不透明な市場環境下でも株主還元の方針は変えず、2030年度までの2兆円の自己株式取得を継続する方針です。投資家からの規律ある経営への要請に応えつつ、ITインフラや店舗改装への積極的な投資が予定されており、大規模なプロジェクトマネジメントを担える人材へのニーズはこれまで以上に高まっています。
4 求職者へのアドバイス
「国内No.1小売」という安住を捨て、ピュアCVSへの業態転換という歴史的な変革期に立ち会えることに魅力を感じる、という視点が有効です。特に「7NOW」に代表されるデジタルシフトや、北米市場への日本型食文化の導入など、グローバルな小売イノベーションを自身の手で推進したいという意欲は、現在の経営方針と強く合致しています。
- 「2027年度以降の海外IPOを見据え、グローバルな管理体制やガバナンスの強化において、中途採用者に期待される役割は何ですか?」
- 「7NOWの売上が急伸していますが、店舗オペレーションとデジタル配信の融合をさらに深めるために、現場レベルで現在直面している最大の課題は何ですか?」
- 「ピュアCVSモデルへの転換により、バリューチェーンの最適化が重点課題となっていますが、具体的に製造や物流の現場でどのような技術革新を計画されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
平日はいくらかゆっくりした業務になる
店舗業務としては品出し、発注、接客と、特に特殊な業務は無い。休日や祝日などに忙しさが左右される為、何も無い平日はいくらかゆっくりした業務になるだろう。
(20代後半・フロアスタッフ・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社セブン&アイ・ホールディングス 2025年度 決算説明資料
- 株式会社セブン&アイ・ホールディングス 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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