※本記事は、株式会社ワールド の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月21日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
ワールドは持株会社であり、単体従業員数は263名、グループ連結従業員数は7,094名です。
同社グループは、国内外で婦人、紳士、子供衣料品や服飾雑貨の販売を行うブランド事業、ECモール運営やデジタルソリューションを提供するデジタル事業、そして衣料品等の生産・調達や空間創造支援を行うプラットフォーム事業を営んでいます。子会社48社を中心に、多岐にわたる事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、ワールド・ブランズ、フィールズインターナショナル(衣料品等の企画及び販売)、ワールドインダストリーファブリック(衣料品の製造)などです。
同社グループは、2027年2月期より事業セグメントを「B2C」「B2B」の2大事業に再編予定です。また、エムシーファッションやライトオン、ナルミヤ・インターナショナルを連結子会社化し、事業基盤を強化しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、ファッション業界において多角的な事業を展開する持株会社です。従業員の成長と多様性を重視し、持続可能な働き方を支援する環境づくりに注力しています。個々のキャリア形成を支援し、変化に対応できる人材の育成に力を入れていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ワールドは、従業員の平均勤続年数が長く、安定したキャリアを築ける環境が整っていることがうかがえます。平均年齢も比較的高い水準にあり、経験豊富な人材が多数活躍している傾向が見られます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,577,180円 |
| 平均勤続年数 | 15.2年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 263人 |
| 連結従業員数 | 7,094人 |
| 単体のグループ内比率 | 3.7% |
同社グループは、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。退職一時金制度も導入されていますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は26.7億円、年金資産は65.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ワールドグループは、『価値創造企業グループ』の実現に向けて「人」の力を最も大切にし、その力を最大化する「人的資本経営」を推進しています。人事戦略や重要人事、施策の決定は経営会議や取締役会で審議・決定されており、処遇改善や男女の賃金格差是正にも積極的に取り組むことで、適正な評価と報酬を提供する仕組みを整えています。
人材育成においては、多様な事業形態を運営する同社グループならではの「複数のキャリアパスの整備」と「誰もが学び続けられる育成プログラム」を推進しています。具体的には、全社員が利用可能なEラーニングシステムへのノウハウ蓄積や、部門・職種を超えたコミュニケーション強化を目指す「つなぐワールド」コミュニティの発足などがあります。
また、ワークフォースの最適化、多様性の向上、エンゲージメントの向上を重点テーマとしています。従業員のライフスタイルと生産性を両立するライフ優先型勤務や副業制度、育児休業制度、介護フレックス制度などの各種制度を運用し、健康経営の推進にも力を入れています。DE&I研修や女性活躍推進に向けた座談会を通じて、多様性への理解を深め、誰もが安心して働き活躍できる環境整備を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。これらの指標は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき算出されています。男女の賃金差異は、雇用形態別の賃金水準や男女構成比、勤続年数、職位・等級の差により生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 38.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 79.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 73.4% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱フィールズインターナショナル
男性の育児休業取得対象者がいないため、男性労働者の育児休業取得率は記載されていません。男女の賃金差異は、雇用形態別の賃金水準や男女構成比、勤続年数、職位・等級の差により生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 58.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 61.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 50.3% |
▼ ㈱エクスプローラーズトーキョー
男女の賃金差異は、雇用形態別の賃金水準や男女構成比、勤続年数、職位・等級の差により生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 80.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 102.0% |
▼ ㈱ワールドライフスタイルクリエーション
男性の育児休業取得対象者がいないため、男性労働者の育児休業取得率は記載されていません。男女の賃金差異は、雇用形態別の賃金水準や男女構成比、勤続年数、職位・等級の差により生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 58.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 71.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 41.3% |
グループ全体(連結)
グループ全体(連結)の人的資本に関する指標です。連結および国内連結会社には、株式会社ライトオンが含まれています。役職者は、組織の責任者としての役割を担っている人材を指します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 役職者に占める女性労働者の割合 | 38.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ワールドは、国内外でアパレル・服飾雑貨の販売を行うブランド事業を主軸に、ECモール運営やデジタルソリューションを提供するデジタル事業、そして生産・調達・空間創造支援などを担うプラットフォーム事業を展開する持株会社です。同社グループは、これら三つの事業を柱として多角的な収益構造を構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ワールドグループは、婦人、紳士、子供衣料品や服飾雑貨の販売、ファッションに特化したECモール運営、情報・物流システムの業務受託、そして衣料品の生産・調達・貿易、什器製造販売を通じた空間創造支援など、幅広い事業を展開しています。各事業セグメントは、それぞれの専門性を活かしながら、グループ全体の成長と収益性向上に貢献しています。
ブランド事業
ブランド事業では、国内を中心にアパレル・雑貨等の小売業を運営しています。百貨店を中心に展開するミドルアッパー業態と、ショッピングセンターを中心に展開するミドルロワー業態で、婦人、紳士、子供服、肌着などを取り扱っています。また、服飾雑貨や生活雑貨、ジュエリー、革小物などのライフスタイルブランドも展開しており、海外ではアジアを中心に事業を広げています。
収益は、主に直営店舗やEC販路を通じた商品の販売から得ています。運営は、アルカスインターナショナル、ワールドライフスタイルクリエーション、ライフスタイルイノベーション、W&Dインベストメントデザインなどが行っています。
デジタル事業
デジタル事業は、B2BソリューションとB2Cネオエコノミーで構成されています。B2Bソリューションでは、自社ブランドを販売する直営ファッション通販サイト「ワールドオンラインストア」の運営受託や、他社向けの基幹システム、CRMシステムなどのデジタルソリューションを提供しています。B2Cネオエコノミーでは、「サーキュラー」をキーワードに、ユーズドセレクトショップ「RAGTAG」の運営やオフプライスストア「& Bridge」、ブランドバッグのサブスクリプション型レンタルサービスなどを展開しています。
収益は、EC運営受託サービスやIT・システムサービスの提供、直営店販売、EC販売、レンタルサービスの提供から得ています。運営は、ファッション・コ・ラボ、ティンパンアレイ、アンドブリッジ、ラクサス・テクノロジーズなどが行っています。
プラットフォーム事業
プラットフォーム事業では、長年にわたり培ってきたノウハウと仕組みを凝縮したプラットフォームを、グループ企業だけでなく外部企業にも開放し、各種サービスを提供しています。生産プラットフォームでは、商品の生産・調達・貿易を行い、販売プラットフォームでは店舗開発、催事の企画・運営、アウトレットを通じた在庫消化、他業種小売業の運営受託などを担っています。また、シェアードサービスプラットフォームでは各種事務サービスを、ライフスタイルプラットフォームでは什器・家具の製造販売や空間創造事業を展開しています。
収益は、商品の供給、OEM受託事業、催事運営、販売代行業務、事務処理代行、什器・家具の製造販売など、多岐にわたるサービスの提供から得ています。運営は、ワールドプラットフォームサービス、ワールドストアパートナーズ、ワールドプロダクションパートナーズ、ワールドビジネスサポート、アスプルンド、エムシーファッション、ワールドソーイングなどが行っています。
共通部門
共通部門は、事業セグメントに属さないコーポレート関連業務を担っています。子会社からの配当や経営指導料を収入とし、ホールディングスのコーポレートスタッフ等の費用を賄う構造です。グループ全体の経営管理・指導、商品鮮度向上、ソフト開発監修、次世代OMOストア開発、情報・物流システムの開発・運用などを行っています。
収益は、主に子会社からの経営指導料等から得ています。
| セグメント | 売上収益(2025年2月期) | 売上収益(2026年2月期) | セグメント利益(2025年2月期) | セグメント利益(2026年2月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ブランド事業 | 1,989億円 | 2,001億円 | 92.8億円 | 89.2億円 | 4.5% |
| プラットフォーム事業 | 745億円 | 1,304億円 | 66.8億円 | 46.2億円 | 3.5% |
| デジタル事業 | 325億円 | 313億円 | 26.1億円 | △5.7億円 | △1.8% |
| 共通部門 | 100億円 | 75.9億円 | △11.4億円 | 30.6億円 | 40.3% |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上収益は、過去5年間で増加傾向にあります。親会社の所有者に帰属する当期利益も同様に増加傾向を示しています。直近の連結会計年度では、売上収益は前期から大きく伸びたものの、営業利益は前期を下回る結果となりました。これは、ブランド事業における収益構造改革や戦略的な仕入れ抑制が影響した一方で、プラットフォーム事業が大幅な増益を達成したこと、および連結子会社化に伴う一時的な収益計上や売却損失、投資損失の計上が複合的に作用したためです。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,713億円 | 2,142億円 | 2,023億円 | 2,257億円 | 2,840億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 2.4億円 | 56.9億円 | 67.6億円 | 110億円 | 120億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △3.90 | 76.37 | 93.68 | 158.61 | 171.36 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益は、前期から増加しています。これは、事業規模の拡大や効率化への取り組みが進んでいることを示唆しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から横ばいとなっています。これは、売上収益の増加に対して、戦略的投資や人件費の増加、一部事業での収益構造改革に伴う先行費用などが影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 31.2百万円 | 40.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.3百万円 | 2.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、財務活動を通じて借入金の返済や株主への配当も実施しています。これにより、安定した財務基盤を維持している状況がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本は前期から増加しており、自己資本比率も上昇傾向にあります。プライム市場の非製造業平均と比較しても、自己資本比率は高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金である現金及び現金同等物は前期から減少していますが、引き続き一定の厚みを保っています。これらの状況は、同社グループが安定した財務基盤を維持しており、事業活動を継続していく上での安心材料の一つとなります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 812億円 | 947億円 |
| 自己資本比率 | 29.7% | 33.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.5% | 13.7% |
| 現金及び現金同等物 | 217億円 | 181億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは収入となりました。これは主に税引前当期利益の減少や、連結子会社化に伴う運転資本の増加があったものの、本業で安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは支出となりましたが、前期に比べて支出額は減少しています。これは、子会社の取得による支出がなくなったことや、店舗の出店・改装に係る投資をリースから自社取得に切り替えたこと、本社ビル売却による収入があったことなどが要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは支出が増加しており、借入金の返済が大きく進んだことや、配当金の支出額増加、金利上昇による利息の支払額増加が主な要因です。これらの結果、フリーキャッシュ・フローは前期から増加し、本業で得た資金を投資に回しつつ、余剰資金も確保できている状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も行える財務体質であることを示唆しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 320億円 | 310億円 |
| 投資CF | △103億円 | △41.3億円 |
| 財務CF | △208億円 | △309億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 217億円 | 269億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、ファッショントレンドの変化による消費者の嗜好の変化が事業に大きな影響を与えるリスクを認識しています。SNSの浸透や多様化する嗜好への対応が困難になる場合、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外での販売・生産活動を進める上で、現地の自然災害、政変、経済情勢の悪化、為替レートの変動、インフレ、生産コストの上昇、地政学的問題などのリスクが内在しています。これらのリスクが顕在化した場合、海外での売上減少や国内への商品供給体制に支障が生じる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人材を企業の競争力の源泉と捉え「人中心経営」を推進していますが、労働人口の減少や人材獲得競争の激化、人件費の高騰により、有能な人材の確保・育成・雇用継続が困難になるリスクを認識しています。これにより、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
当連結会計年度において、事業構造改革に係る引当金として203百万円が計上されています。この費用は新規連結子会社における店舗閉鎖に伴う損失に備えるものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ワールドは、ファッション産業において独自のビジネスモデルを構築し、持続可能な社会の実現を目指す企業グループです。お客様への価値提供と自己革新を追求する文化が根付いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ワールドグループは、「創造全力、価値共有。つねに、その上をめざして。」をコーポレート・ステートメントとして掲げています。お客様へ価値を提供し続け、常に新たな可能性に向けて自らを革新していくことに挑戦しています。
1992年には、顧客価値と生産性の最大化を目指し、「スパークス(SPARCS)構想」を発表しました。これは、消費者を起点に小売から生産までを一気通貫させ、ロス・無駄を価値に変えることで顧客満足と生産性を最大化する仕組みです。
中長期的には、この「SPARCS構想」をライフスタイルやサーキュラー領域にまで拡張し、「ワールド・ファッション・エコシステム」の確立と進化を目指しています。ロス・ムダのない持続可能なファッション産業の構築を目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ワールドグループは、「創造全力、価値共有。つねに、その上をめざして。」というコーポレート・ステートメントのもと、お客様への価値提供と自己革新を追求する文化を大切にしています。同社グループは「スパークス」モデルを日々進化させ、IT技術で事業基盤を絶え間なくアップデートし続けています。
「ワールド・ファッション・エコシステム」の確立を通じて、ファッション産業の多様性と持続性の両立を目指しています。人的資本経営を重視し、「変化対応力」を有する人材を同社グループの大きな強みと捉えています。
「知識の利用可能性向上」「ワークフォースの最適化」「多様性の向上」「エンゲージメントの向上」を人的資本経営の推進テーマとして掲げ、従業員が成長し活躍できる環境整備に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ワールドグループは、持続的な成長のため、事業収益力の向上を課題としています。2027年2月期より「B2C」事業と「B2B」事業の2大セグメントに再編し、グループシナジーを追求しています。
また、人材等のリソース確保を重要課題と認識しており、M&Aを通じたエンジニアや事業責任者の獲得を進めています。B2C事業からB2B事業への人材ローテーションやリスキリング、次世代経営チームの組成によるリーダー育成にも注力しています。
コーポレート・ガバナンスの強化も重点テーマです。持株会社としてグループ全体の経営戦略を立案し、意思決定プロセスの透明性確保やコンプライアンス体制の強化、監督と執行の分離に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ワールドは監査等委員会設置会社であり、経営の透明性向上と健全な経営管理組織の構築を重視しています。取締役会は業務執行の監督機能を担い、社外取締役が多数を占める構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ワールドの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家が上位に名を連ねています。個人株主も上位に位置しており、多様な株主によって支えられていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 9.10% |
| 寺井 秀藏 | 5.90% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 3.40% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性6名・女性3名)で構成され、女性役員比率は33.0%です。代表取締役社長執行役員は鈴木信輝氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 鈴木 信輝 | 代表取締役 社長執行役員 | 1999年3月アンダーセン・コンサルティング㈱入社、2004年9月㈱ローランドベルガー入社、2010年5月㈱企業再生支援機構入社、2012年2月㈱ボストンコンサルティング・グループ入社、2012年9月同社入社、2020年6月同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 中林 恵一 | 取締役 副社長執行役員 | 1995年4月㈱勧角総合研究所入社、1997年10月SBCウォーバーグ証券会社入社、2003年7月㈱産業再生機構入社、2007年1月フロンティア・マネジメント㈱入社、2013年7月同社入社、2024年5月同社取締役副社長執行役員より現職。 |
| 畑崎 充義 | 取締役 | 1987年3月旧㈱ワールド入社、1991年6月同社取締役、2013年6月同社執行役員経営支援本部副本部長、2017年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、青木英彦氏(東京理科大学大学院 経営学研究科 技術経営専攻 教授・取締役会議長)、堤はゆる氏(OFFICE HAYURU 代表)、大石良氏(㈱サーバーワークス 代表取締役社長 社長執行役員)、福島かなえ氏(宇都宮・清水・陽来法律事務所 パートナー・監査等委員)、冨田尚子氏(Y&N Management㈱ 代表取締役・監査等委員)です。
ワールドは監査等委員会設置会社であり、経営の透明性を高め、健全な経営管理組織の構築を目指しています。社外取締役は経営陣から独立した立場から、経営への助言と企業価値向上に貢献する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ワールドの役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬としての賞与、非金銭報酬としての譲渡制限付株式、株式報酬型ストック・オプションの4種類で構成されています。監査等委員と社外取締役には、その役割の性質から基本報酬のみが支給される方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.5億円 | 49.0百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 18百万円 | 18.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 49百万円 | 8.2百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった延べ人員を記載しています。使用人兼務取締役の使用人賞与相当額は、上記の金額には含まれていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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