0 編集部が注目した重点ポイント
① 海外企業の新規連結で事業利益が13.8%増加
2026年1月より、オーストラリアでナチュラルビューティケア事業を展開するPNB社を新規連結化しました。ベトナムでの新規連結効果も加わり、海外事業の収益性が大幅に向上しています。グローバル市場での「利益ある成長」に向けた基盤が整いつつあり、海外マーケティングやPMI(買収後の統合プロセス)を担う人材にとって、活躍のフィールドが飛躍的に拡大しています。
② 不採算事業の売却で高収益な組織へ転換する
2026年6月予定で化学品事業子会社2社の株式譲渡を決定し、事業ポートフォリオの入れ替えを加速させています。経営資源をオーラルヘルスケア等の最重点領域へ集中させる戦略が鮮明です。不採算領域からの撤退と同時に、ビジネスユニット制への移行による機動力強化も推進されており、スピード感のある意思決定環境でキャリアを築きたい方には最適なタイミングと言えます。
③ 国内外でオーラルケアの高付加価値化が進展
国内では「デントヘルス」等の高価格帯製品が前年同期比で1.3倍の伸長を記録するなど、単価上昇による収益構造改革が成功しています。中国やベトナム等の海外市場でも、日本で培った予防歯科メソッドを横展開する施策が始動しました。単なる日用品販売に留まらない、高付加価値なブランド価値を創造できるブランディング・商品開発人材の需要が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:ライオン株式会社 2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.2
※事業利益 = 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る同社独自の利益指標です。
2026年12月期第1四半期は、売上高が前年同期比5.3%増の992億円、事業利益が13.8%増の60億円となりました。国内の主力ブランドである「クリニカ」や「システマ」がハミガキ・ハブラシともに伸長したほか、海外での新規連結効果が大きく寄与しています。原材料価格の影響や競争費用の増加を、高付加価値化とコストダウン、そして為替のプラス影響で吸収した形です。
通期予想(売上高4,300億円、事業利益350億円)に対する進捗率は、売上が23.1%、事業利益が17.2%となっています。第1四半期としては、連結全体でおおむね計画通りの進捗と評価されています。下期に向けた新製品投入や、6月に予定されている化学品事業の譲渡によるポートフォリオ適正化により、年初目標の達成を目指す構えです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:ライオン株式会社 2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.7
一般用消費財事業
【事業内容】 日本国内を中心に、ハミガキ、ハブラシ、洗剤、一般用医薬品等の製造販売を行っています。
【業績推移】 売上高は573億円(前年同期比+3.6%)と増収でしたが、広告宣伝費の積極投入により事業利益は40億円(同△8.1%)となりました。
【注目ポイント】 オーラルヘルスケア分野が+9.8%と好調です。特に歯科ルート向け製品が前年比1.3倍になるなど、専門領域での強みが顕著。高付加価値製品へのランクアップを促進するマーケティング戦略が奏功しており、データに基づいた緻密なブランド戦略を立案できる人材の重要性が増しています。
海外事業
【事業内容】 タイ、マレーシア、オセアニア、中国、韓国等での日用品製造販売を展開。2026年1月より豪州PNB社を連結しました。(注:前年同期は未連結のため単純比較不可)
【業績推移】 売上高は469億円(前年同期比+10.7%)、事業利益は28億円(同+60.7%)と、利益率が4.2%から6.2%へ大幅改善しています。
【注目ポイント】 マレーシアでの収益改善に加え、新規連結されたPNB社が高いマージンに寄与。既存の「低価格帯の量販」から「高付加価値なパーソナルケア」への構造転換が鮮明です。買収企業の事業成長を支えるPMI(買収後の経営統合)や、クロスボーダーでのサプライチェーン最適化の知見を持つ人材への期待が高まっています。
産業用品事業
【事業内容】 油脂活性剤、導電性カーボン、業務用洗浄剤等のB2B向け化学品・日用品を取り扱っています。
【業績推移】 売上高は132億円(前年同期比△6.5%)、事業利益は6.5億円(同△0.2%)と微減でしたが、利益率は維持しています。
【注目ポイント】 市場回復を受け、二次電池用導電性カーボンなどのハイテク分野が大幅伸長しました。6月に予定されている化学品子会社の譲渡後、残る高収益・成長分野にリソースを集中させる方針です。B2Bマーケティングや、環境対応型原料の技術営業など、専門性の高い領域でのキャリア形成が可能です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:ライオン株式会社 2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.12
同社は、2026年度を「変化に強い『先に仕掛ける会社』への進化」の年と位置づけています。バリューチェーン軸で一体的に運営するビジネスユニット制への移行により、現場への権限委譲と戦略実行のスピード加速を狙っています。これは、中東情勢の影響など不透明な外部環境に対し、グループ全体で機動的に施策を打つための組織変革です。
成長戦略の核心は「高収益な事業ポートフォリオへの転換」です。国内では「NANOX one」などの新製品による「洗濯習慣の再提案」を通じた価値向上を狙い、海外では豪州PNB社のブランド「Sukin」のアジア展開検討など、M&Aのシナジー創出を本格化させます。また、需要予測モデルの高度化による先行対応型SCM(サプライチェーンマネジメント)への転換も掲げられており、デジタル・ITを活用した業務変革を主導できる人材の採用が今後さらに重要視される見通しです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「単なる日用品メーカー」という枠組みを超え、「予防歯科の啓発」や「先行対応型SCMへの変革」といった社会・業務課題の解決を志向している点を評価するのが有効です。特に、豪州PNB社の買収やビジネスユニット制の導入など、「機動的な組織への変貌」に、自身のどのような専門性(海外事業管理、DX、ブランド開発等)が貢献できるかを具体的に語ることで、現中計の方向性に合致した強力なアピールになります。
面接での逆質問例
「ビジネスユニット制への移行により、現場での意思決定のスピードや裁量は具体的にどのように変化しましたか?」
「豪州PNB社とのシナジー創出において、今後日本国内市場へ導入予定のナチュラルケア製品等の計画はありますか?」
「『先行対応型SCM』への転換において、現在直面しているデジタル基盤構築上の課題と、中途採用者に期待する役割について教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ライオン株式会社 2026年12月期 第1四半期 決算説明資料
- ライオン株式会社 2026年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)



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