※本記事は、伊澤タオル株式会社 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
伊澤タオルは、日用品としてのタオルの使い心地にこだわり、「悩んだらこのタオルを買えば間違いない」というグローバル・スタンダードを創ることをビジョンに掲げています。タオル製品の企画、製造、販売を手掛けるファブレスメーカーであり、自社ブランド「タオル研究所」を軸に事業を展開しています。
単体従業員数は76名です。同社は「タオル製品等の企画、製造及び販売」の単一セグメントで事業を展開しています。
国内においては伊澤タオルが生産・販売を一手に担い、海外2社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
伊澤タオルは、タオル製品の企画から製造、販売までを一貫して手掛ける企業です。同社では、持続的な成長と企業価値向上を目指し、人材育成や多様な働き方を重視する姿勢が見られます。社員一人ひとりの成長を支援し、働きやすい環境づくりにも力を入れていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が38.5歳と比較的に若く、平均勤続年数は5年2ヶ月となっています。このことから、若手から中堅社員が中心となって活躍しており、一定の定着感と新しい人材の流入がバランス良く進んでいる状況がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,509,000円 |
| 平均勤続年数 | 5年2ヶ月 |
| 平均年齢 | 38.5歳 |
| 単体従業員数 | 76人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
伊澤タオルは、「革命児として、圧倒的な地位を築き、社会に対して大きな価値を約束する。」というミッションのもと、人材育成を事業拡大の基盤と位置付けています。労働人口の減少や高齢化といったリスクを想定し、人材の多様性確保と育成に力を入れています。
具体的には、国籍、性別、年齢など多様なバックグラウンドを持つ社員の採用を推進しています。OJTを基本としつつ、外部研修も活用した丁寧な指導を通じて、社員の成長を支援する方針です。
また、全社員を対象にコンプライアンス、人権教育、情報セキュリティに関する研修を実施し、企業としての基盤強化を図っています。産休・育児休業の取得支援や復職支援、短時間勤務制度、安全教育、熱中症対策など、社員が安心して長く働ける環境整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異については、公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 50.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
伊澤タオルは、日用品としてのタオルの使い心地にこだわり、「悩んだらこのタオルを買えば間違いない」というグローバル・スタンダードを創ることをビジョンに掲げるファブレスメーカーです。消費者目線を第一に、タオル製品の企画、製造、販売を一貫して手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「タオル製品等の企画、製造及び販売」の単一セグメントで事業を展開しています。自社工場を持たないファブレスモデルを採用し、主に海外の協力工場に製造を委託しています。製品の設計や製造工程の開発は同社が担い、協力工場への詳細な指示を通じて品質を保証し、大量生産を可能にしています。研究・開発から企画、製造委託、販売までを一気通貫でマネジメントすることで、消費者のニーズに合わせた機動的な生産体制を整えています。
事業は大きく3つの分野に注力しており、ODM生産、キャラクターIP製品、EC販売を展開しています。ODM生産では、コンビニエンスストアやディスカウントストア、ホームセンター、総合スーパー、ドラッグストアなどの顧客に対し、ベーシックなタオルから高価格帯のタオルまで幅広い製品を提供しています。キャラクターIP製品では、エンターテインメント事業会社向けに、キャラクター柄を配したタオル製品や雑貨を供給しています。EC販売では、Amazonを中心に自社ブランド「タオル研究所」のタオル製品を展開しており、高い評価を得ています。
「タオル研究所」ブランドで得た販売動向や消費者からの声は、各販売チャネルの製品開発にも反映されています。同社は研究開発にも注力し、タオルの使い心地の数値化や科学的な実証、試作、検証を通じて開発力を高めています。特許取得にも積極的で、大学との共同研究や大手メーカーとの共同開発も進めています。
販売においては、営業担当者が顧客の企画段階から製造委託先との交渉までを一貫して担当する体制を構築しています。これにより、迅速な営業活動と顧客への効果的な提案を可能にしています。また、過去のODM製品の実績データを活用し、価格、スペック、デザインのバランスを最適化する独自のシステム「IOPMS」を導入しています。
2026年2月期における製品群の売上高比率は、ODM生産が55.9%、キャラクターIP製品が22.6%、EC販売が21.5%となっています。同社は中国中心の生産体制に加え、インドやベトナムでの生産体制構築を進め、サプライチェーンの安定化を図っています。また、為替変動が業績に影響を与える傾向があり、当期には為替差益を営業外収益に計上しています。主要な販売先として、アマゾンジャパン合同会社や株式会社BANDAI SPIRITSへの販売実績が示されています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が増加傾向にある一方で、営業利益は減少しています。経常利益と当期純利益は増加しています。
当期の売上高は102.8億円となり、前期から増加しました。営業利益は5.8億円となり、前期から減少しています。これは主に、体制強化のための中途採用や欧米の特許出願費用、マーケティング活動の強化による広告宣伝費の増加が販売費及び一般管理費を押し上げたことによるものです。
経常利益は11.5億円となり、前期から増加しました。これは為替差益の計上が主な要因となっています。当期純利益は7.3億円となり、前期から増加しました。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、財務の安定性に関する情報が限られている状況です。そのため、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上では、開示されている情報から慎重に検討する必要があります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤に関する具体的な数値は開示されていません。そのため、自己資本比率やROEといった指標から財務の安定性を判断することはできません。手元資金の厚みについても同様です。入社後の雇用や給与の安定性を判断する上では、これらの情報が不足している状況です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、本業の営業活動により資金を獲得しています。これは主に税引前当期純利益やのれん償却額により資金が増加した一方で、売上債権の増加や法人税等の支払額により資金が減少したことによるものです。投資活動では、子会社株式の取得による支出があり、将来に向けた投資を行っている状況です。財務活動では、配当金の支払いや長期借入金の返済により資金が減少しています。これらの資金の流れは、本業で得た資金を投資に回しつつ、負債の返済や株主への還元も行っていることを示しており、安定した経営基盤と成長への意欲がうかがえます。この状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながるものとなっています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、国内消費動向やタオルの国内市場の動向が財政状態及び経営成績に影響を及ぼす市場縮小リスクを認識しています。また、製品の多くを海外の生産工場から輸入しているため、決済通貨の急激な為替変動が財政状態及び経営成績に影響を及ぼす為替リスクも存在します。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、代表取締役社長が事業推進において重要な役割を担っており、その業務執行が困難になった場合や、後継となる人材を確保できなかった場合に、財政状態及び経営成績に影響を及ぼすリスクを認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
伊澤タオルは、タオルの「グローバル・スタンダード」を創出し、世界市場での存在感を示すことを目指しています。革命児としての自覚を持ち、社会に大きな価値を約束する企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
伊澤タオルは、企業理念として「ミッション/使命」「ビジョン/未来の姿」「バリュー/心構え」を掲げています。
ミッション/使命は「革命児として、圧倒的な地位を築き、社会に対して大きな価値を約束する」ことです。
ビジョン/未来の姿は「タオルの『グローバル・スタンダード』を創出し、世界市場で存在感を示す」ことを目指しています。
このビジョンを実現するため、同社はタオル業界のプラットフォーマーとして、製造業者及び小売業者と一体となり、タオル製品等の企画、製造及び販売を行っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
伊澤タオルは、企業理念の一部である「バリュー/心構え」として、以下の4点を掲げています。
「革命児の自覚を持ち最先端を突き進む」こと。
「やりとげる力でアイデアを具現化する」こと。
「真心を尽くし価値創造の関係を築く」こと。
そして「タオルのプロとして業界で存在感を示す」ことです。
これらの心構えを通じて、同社はタオルのグローバル・スタンダードを創出するというビジョンの実現を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
伊澤タオルは、内部管理体制の強化を重要な課題としています。
経営の透明性確保と事業基盤強化を進めています。
また、地球環境への配慮や人的資本に関するサステナビリティ経営の強化に努めています。
さらに、代表取締役社長によるパワーハラスメント等の事実を受け、ガバナンス体制の抜本的強化と再発防止策の徹底を最優先課題としています。
同社は監査等委員会設置会社への移行を決議し、組織風土の改革を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
伊澤タオルは監査役会設置会社であり、取締役会が業務執行の最高意思決定機関として機能しています。社外取締役および社外監査役が客観的・中立的な立場から経営を監督し、ガバナンス体制の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
伊澤タオルの筆頭株主は伊澤キャピタルパートナーズ合同会社であり、創業家が経営に影響力を持つ資本構成となっています。上位株主にはジャフコSV6投資事業有限責任組合など、複数のベンチャーキャピタルも名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 伊澤キャピタルパートナーズ合同会社 | 25.29% |
| ジャフコSV6投資事業有限責任組合 | 18.34% |
| ジャフコSV6-S投資事業有限責任組合 | 4.57% |
| 大和証券 | 1.94% |
| BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) | 1.84% |
なお、ジャフコSV6-S投資事業有限責任組合は、当事業年度において株式売却により主要株主ではなくなりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性6名・女性3名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は伊澤正司氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 伊澤 正司 | 代表取締役社長 | 1987年4月三喜商事入社、1989年4月伊沢タオル(現同社)入社、1997年4月同社代表取締役社長に就任。IZAWA TEXTILE CO.,LIMITED CEO、IZAWA TOWEL INC CEOも務めています。 |
| 甫天 和宏 | 取締役COO兼経営企画室長 | 1990年4月三菱商事入社、2003年12月Mitsubishi France S.A.S.出向。2021年10月伊澤タオル(現同社)執行役員経営企画室長を経て、2025年11月同社取締役COO兼経営企画室長より現職です。 |
| 三好 拓人 | 取締役CFO兼管理本部長 | 2013年2月新日本有限責任監査法人入所、2018年4月スカイディスク経理マネージャー。2022年4月同社執行役員CFO兼管理本部長を経て、2023年8月同社取締役CFO兼管理本部長より現職です。 |
| 國元 恵子 | 取締役製品本部長 | 1995年4月ジェイアール西日本伊勢丹入社、2010年7月伊沢タオル(現同社)入社。2021年4月同社取締役生産本部長(現取締役製品本部長)より現職です。 |
社外取締役は、田内常夫氏(メタウォーター社外取締役)、八塩圭子氏(東洋学園大学教授)です。社外監査役は、山川信行氏(山川信行公認会計士事務所所長)、久島伸昭氏(東日本国際大学客員教授)、三浦紗耶加氏(ストームハーバー証券資本市場部長兼投資銀行部長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役が独立した立場から経営の監視・監督機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
伊澤タオルでは、取締役の報酬は株主総会で承認された限度額の範囲内で、代表取締役社長に決定権が委任されています。この決定は、社外役員が過半数を占める指名・報酬委員会の審議と答申を踏まえて行われます。監査役の報酬は、株主総会で決議された限度額内で監査役会が協議し、個別の報酬額を決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 92百万円 | 18.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 19百万円 | 3.8百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
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