0 編集部が注目した重点ポイント
① 非侵襲血糖値センサー開発企業への出資で事業領域を広げる
2026年1月、採血不要の「非侵襲血糖値センサー」を開発するライトタッチテクノロジー株式会社への出資を完了しました。従来の光学技術に加え、ヘルスケア・センシング領域への構造的変化を鮮明にしています。医療・ヘルスケア分野での新規事業開発や、高度なセンシング技術を扱えるエンジニアのキャリア機会が急拡大しています。
② 自社ブランド製品の投入を加速し過去最多の年間10本以上を狙う
主力の写真関連事業では、OEM製品の販売低迷を補うため、自社ブランドの強化を推進しています。2026年は年間10本以上の新製品投入という、従来の倍近い開発ペースを計画しています。キヤノンRFマウントを含む4マウント体制の確立により、製品企画から設計、広報宣伝まで、自社ブランド成長を牽引する人材の重要性が高まっています。
③ 監視・車載・医療の非写真領域が2桁の増収で成長を支える
写真関連事業が減収となるなか、監視&FA関連およびモビリティ&ヘルスケア事業が2桁の力強い増収を達成しました。特に医療用レンズは前年比約1.6倍の大幅増となっており、特定の事業に依存しないバランスの取れた収益構造へ移行しています。多角化が進む現場では、領域を跨いで活躍できる専門職の採用が活発化する見通しです。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.5
売上高
18,485百万円
(前年比 -5.0%)
営業利益
3,441百万円
(前年比 -18.7%)
四半期純利益
2,712百万円
(前年比 -4.5%)
2026年第1四半期の売上高は18,485百万円となりました。前年同期比では減収となっていますが、これは写真関連事業におけるOEM製品が約4割の大幅減収となったことが主因です。一方で、監視・FA市場や車載市場の旺盛な需要が下支えとなり、減収幅は抑制されています。為替相場が米ドル・ユーロともに円安推移したことも、売上高に対して+5.3億円のプラス影響をもたらしました。
利益面では、原材料や光熱費の高騰に加え、将来の成長に向けた研究開発(R&D)の強化や人件費の上昇により、営業利益は前年比で減少しました。しかし、徹底した原価低減活動や販管費の抑制により、営業利益率は18.6%の高水準を維持しています。通期予想に対する進捗率は、第1四半期時点で売上高約20.3%、営業利益約18.6%となっています。
一見すると25%を下回っていますが、会社側は当初の内部計画を上回って進捗していると評価しています。特に下期に向けて新製品10本以上の投入効果が期待されることから、通期の増収増益達成に向けた歩みは概ね順調と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.12
写真関連事業
事業内容:一眼レフ・ミラーレスカメラ用交換レンズの製造販売。自社ブランド「TAMRON」と他社向けOEMを展開。
業績推移:売上高11,305百万円(前年比-16.7%)。自社ブランドは微増も、OEM製品の約39%減収が大きく響いた。
注目ポイント:地域別では、低迷していた欧州市場が2桁の販売伸長でプラス転換しました。OEMの不振を補うため、年間10本以上の新製品投入という強気な計画を遂行中です。キヤノンRFマウント市場への本格参入もあり、光学エンジニアや商品企画の専門人材には、攻めの開発に携わる大きなチャンスがあります。
監視&FA関連事業
事業内容:都市監視・オフィス監視用レンズ、および工場自動化(FA)向けマシンビジョン用レンズを提供。
業績推移:売上高3,602百万円(前年比+25.2%)。全製品カテゴリーで2桁増収を達成し、大幅な増益を確保。
注目ポイント:監視市場では高精細ニーズによる単価上昇が寄与し、FA分野も在庫調整の一巡で需要が回復。新たに「遠赤外ズームカメラモジュール」の開発や、農業・食品分野向けSWIR(短波遠赤外光)などの新規分野開拓を強化しています。光学を軸とした「ソリューション提案」ができる人材の需要が高まっています。
モビリティ&ヘルスケア、その他事業
事業内容:車載カメラ用レンズ(ADAS向け等)および内視鏡等の医療用レンズの製造販売。
業績推移:売上高3,577百万円(前年比+19.1%)。営業利益率は25.2%と非常に高い収益性を誇る。
注目ポイント:医療分野はラインナップ拡充が奏功し、売上高が約1.6倍に急伸しました。車載分野もADAS(先進運転支援システム)の普及を背景に、センシング用途の需要が依然として旺盛です。がん細胞を可視化する蛍光フィルターなどの先進開発も進んでおり、医療・車載という高信頼性が求められる領域で、自身の技術を磨きたい人材に適した環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.4
タムロンは2026年2月、2035年に向けた新長期ビジョンを策定しました。「総合光学・センシングソリューション企業」への進化を宣言し、従来のレンズメーカーという枠組みを超えた成長を目指しています。その布石として、1月には「非侵襲血糖値センサー」を開発するスタートアップへ出資。中期的には売上高950億円、営業利益205億円(中期経営計画ver2.0)という高い目標を掲げています。
採用面での注目点は、従来の光学設計に加え、ソフトウェアやAI、センシングシステム開発といった周辺領域での専門人材確保です。質疑応答資料等でも示唆されるように、新規分野での製品上市(SWIRやレーザー加工ヘッドなど)を2026年に控えており、0から1を創り出すエンジニアにとっては、研究開発費が売上比9%超まで強化されている現在の環境は非常に魅力的です。グローバルでの為替感応度も管理されており、財務基盤の安定性も転職者にとって安心材料と言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「レンズ単体」から「ソリューション」へと舵を切る同社の変革期を強調しましょう。例えば、「非侵襲血糖値センサーやADAS向けセンシングといった、社会貢献性の高い新規領域への挑戦に魅力を感じた」という視点は、新長期ビジョンと合致しており高い評価を得やすいでしょう。また、自社ブランド比率を向上させ、年間10本以上の新製品を出すスピード感の中で、自身の専門性をどう還元できるかを語ることが重要です。
面接での逆質問例
- 「新長期ビジョンで掲げられたセンシングソリューション企業への進化において、私の配属予定部署が果たすべき具体的な役割は何でしょうか?」
- 「自社ブランド製品の投入ペースが加速していますが、開発の生産性向上や品質管理において、現場で今最も必要とされているスキルは何ですか?」
- 「医療や車載といった高成長な非写真領域において、他社と差別化するための技術的優位性はどこにあるとお考えでしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
柔軟に働くことが可能となっている
勤務時間については最近フレックスタイム制が導入され、柔軟に働くことが可能となっている。また、短時間勤務制度や許可されれば在宅勤務も可能であり、柔軟な働き方が可能である。
(44歳・技術・男性) [キャリコネで給与明細を見る]実績があっても昇進できない
昇進試験も社歌、マネジメントのフルネーム、マネジメントの今年の抱負の一部の穴埋めなどでそれに受からなければどんなに実績があっても昇進できない。
(20代後半・海外営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年12月期 第1四半期 決算説明資料(2026年5月1日発表)
- 2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)



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