0 編集部が注目した重点ポイント
①代表取締役のトップ体制を変更し経営の変革を加速する
2026年6月の株主総会以降、南場智子氏が代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)に、岡村信悟氏が代表取締役会長に就任するトップ体制へ刷新します。急速な事業環境の変化に対応し、事業モデルの変革を早急に進めることが目的です。経営スピードの格段の向上により、組織の構造改革や新規事業への挑戦に関わるキャリア機会が拡大する可能性があります。
②スポーツとスマートシティ事業を統合しシナジーを創出する
2026年3月期通期報告より、従来のスポーツ事業にスマートシティ関連を統合した「スポーツ・スマートシティ事業」へ報告セグメントを変更しました。興行における事業経験やアセットを活かし、グループ横断の顧客基盤形成などの利便性向上を図ります。同領域の強化に伴い、地域活性化や大規模開発に携わる専門人材の採用可能性が高まる見込みです。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期通期 決算説明会資料 P.3
売上収益
1,477億円
(前年同期比 -10%)
営業利益(IFRS)
187億円
(前年同期比 -35%)
営業利益(Non-GAAP)
281億円
(前年同期比 -15%)
※営業利益(Non-GAAP)= IFRSに基づく営業利益から、買収、事業・組織変更等に係る一時費用・一時利益、会計上の計上時期の補正等の影響を控除した、事業の経常的な業績を測る指標。
2026年3月期の通期連結業績は、売上収益が1,477億円(前年比10%減)、営業利益が187億円(同35%減)と減収減益での着地となりました。ゲーム事業におけるヒットタイトルの反動減に加え、医療DXに関わるアルム社ののれんについて減損損失96億円をその他の費用に計上したことが影響しています。一方で、ライブストリーミング事業の徹底したコスト管理や、プロ野球事業における観客動員数の歴史的更新が業績を力強く下支えしました。
中期戦略で掲げる最終年度(2027年3月期)のNon-GAAP営業利益目標150億円に対し、当期時点で281億円を確保しており、バランスシートマネジメントの強化を踏まえて目標達成に向けて順調に推移していると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期通期 決算説明会資料 P.5
ゲーム事業
【事業内容】国内外モバイル向けゲームアプリの配信、およびゲームプラットフォーム「Mobage」等の運営を行うコア事業。
【業績推移】当期売上収益は644億円(前年比18%減)、セグメント利益は297億円(同23%減)と反動減により減収減益。
【注目ポイント】当初想定の上限を超えて推移する中、中長期の方針として「ソフトローンチ戦略」を本格確立させます。英語圏を中心に少額・短期間で初期KPIを検証し、ヒットの確率を高める開発手法へ移行。特に検証やQA(品質保証)プロセスではAIを積極活用して生産性を大幅に向上させる計画であり、データ分析やAIを自在に操る先進的な開発・運営人材が強く求められています。
ライブストリーミング事業
【事業内容】国内・海外におけるライブコミュニケーションアプリ「Pococha」や、Vライブアプリ「IRIAM」等を展開。
【業績推移】売上収益は398億円(前年比2%減)と横ばいながら、セグメント利益は40億円(前年は2億円の損失)と急回復。
【注目ポイント】収益性改善に優先順位を置いた事業運営へと集中し、コストコントロールを徹底したことで収益構造の大幅な改善に成功しました。コアユーザーの熱量やコミュニティのアクティビティは依然として堅調。今後は必要な成長投資を再開しつつ、売上の維持・向上にも注力する方針であり、ユーザーコミュニティの健全な発展と収益化を両立できる企画・運営のプロフェッショナルが必要です。
スポーツ・スマートシティ事業
【事業内容】プロ野球球団運営や横浜スタジアム、新開業の「BASEGATE横浜関内」等の賃貸・施設運営を担う。
【業績推移】売上収益は328億円(前年比5%増)と増収。セグメント利益は新施設開業に伴う先行費用により18億円(同3%減)。
【注目ポイント】2025年シーズンの主催試合における観客動員数は236万人と球団史上最多記録をさらに更新し、チケットや物販等が絶好調。常設型ライブビューイングアリーナ「THE LIVE」などの新施設も稼働を開始し、事業全体で年間30億円水準の利益貢献を見込みます。興行アセットとグループ共通アカウント等を掛け合わせた、新たなクロスエンタメビジネスを構築する人材が求められています。
ヘルスケア・メディカル事業
【事業内容】健診データ等を利活用する健康増進支援サービスや、医療DX関連アプリ「Join」の国内外展開を推進。
【業績推移】売上収益は87億円(前年比19%減)に留まるも、セグメント損失は23億円(前年は36億円の損失)へ赤字幅が縮小。
【注目ポイント】2027年3月期の黒字化に向け、メディカル領域におけるノンコア事業の整理や海外体制の見直しなど選択と集中を大幅に加速させ、固定費改革を推進しました。国内の「Join」導入施設数は高シェアを維持しており、今後はデータ利活用を主軸としたビジネスモデルの変革を推し進める計画。医療業界のDXを牽引する、ソリューション営業やデータアナリストの拡充が急務です。
新規事業・その他
【事業内容】AIに関する中長期的な技術実装の推進、および事業ポートフォリオ強化に向けた各種新規事業開発。
【業績推移】売上収益は25億円(前年比30%減)、セグメント損失は155億円(前年は1億円の損失)と投資先行により損失拡大。
【注目ポイント】AIを中核としたグローバルの成長機会獲得に注力。全社へ自律型AI「Devin」を導入し、開発生産性を劇的に向上させる一方、他社のAI駆動開発を支援する新会社「DeNA AI Link」を設立しました。複数のto C向けAIプロダクトのオープンβテストも進行中で、最先端テクノロジーによる新規ビジネスの創出と急成長を担うコア人材を必要としています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期通期 決算説明会資料 P.28
2027年3月期の通期連結業績予想は、売上収益が1,540億円(前期比4.3%増)、Non-GAAP営業利益が150億円を見込んでいます。ゲーム事業における前年のヒット初動の一巡を考慮するほか、経営の変革期として将来成長に向けた投資やM&A、新規事業トライアルを大幅に拡大するため、利益面では一時的に減少する見通しです。
採用における最大の注目点は、組織全体で推進する「AI-ALL-IN」への変革です。全社員へのAIエージェントの導入や「AIジェネラリスト」新卒採用コースの新設など、従来の開発環境の常識を覆すスピード改革を進行中。M&Aの積極展開やエクイティ収益の多様化を目指す中で、単なる自社事業の運用に留まらず、アジリティ高く変化を起こせる挑戦志向の人材のニーズが高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
DeNAは、AIの全社導入による劇的な生産性向上や、ゲームの「ソフトローンチ戦略」確立、スポーツとスマートシティを融合したアリーナ経営など、既存の事業構造そのものをテクノロジーによって破壊し、再構築するフェーズにあります。「組織が人を使うのではなく、人が組織を使う」という組織改革を掲げている同社に対し、「最先端AI環境を駆使して自ら新たなビジネスモデルの変革を牽引したい」、あるいは「既存事業の枠組みを超えたM&Aやパートナー協業を通じて、グローバルな市場で大きなDelightを創出したい」という主体的な挑戦姿勢を示すことが、評価を高める強力な鍵となります。
面接での逆質問例
・「2027年3月期はグループの事業ポートフォリオ・事業創造の戦略アップデートと実行を最優先とし、新規事業のトライアルを大幅に拡大する方針とのことですが、私が志望する部門においては、現在具体的にどのような新規テーマや投資プロジェクトが優先的に計画されているかをお伺いしたいです。」
・「開発QAプロセス等におけるAIツールの積極活用や生産性の飛躍的向上が示されていますが、実際の配属現場において、AIを前提とした新しい業務フローへの適応や個人のスキル評価方法(DARS指標など)がどのように運用されているか、具体的なイメージを教えていただけますでしょうか。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
勤務時間が不規則になりやすい
職種やプロジェクトフェーズによっては恒常的にありうる。特にゲーム系やインフラ系職種では、勤務時間が不規則になりやすく、深夜でも対応する必要がある。
(20代後半・プログラマ・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社ディー・エヌ・エー 2026年3月期 通期決算説明会資料(2026年5月12日発表)
- 株式会社ディー・エヌ・エー 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月12日発表)



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