0 編集部が注目した重点ポイント
①2026年3月にSCSKを完全子会社化してデジタル体制を強める
デジタル・AIグループにおいて、公開買付と株式併合を経て2026年3月にSCSKを完全子会社化しました。ネットワンシステムズのグループ化も重なり、前年同期データとは持分比率が異なるため単純比較不可な側面もありますが、同グループでのキャリア機会が大きく拡大する可能性があります。
②2025年度の当期利益で過去最高益となる6,003億円を達成する
各ビジネスが着実に利益を積み上げ、2025年度の親会社所有者帰属の当期利益は前期比6.8%増の6,003億円と過去最高益を更新しました。非資源ビジネスが270億円の増益を牽引し、全社的なコスト管理や資産入替の推進が実を結んでおり、強固な収益基盤の上で新規事業のコアメンバーとして活躍できる好機が到来しています。
③2026年度もバッファー300億円を織り込み過去最高益を見込む
2026年度の通期連結業績予想において、親会社所有者帰属の当期利益で前期比297億円増の6,300億円と最高益の連続更新を計画しています。不確実な地政学的リスクを想定し、あえて300億円のマイナスバッファーをあらかじめ織り込んだ手堅い経営方針を掲げており、安定した事業基盤のなかで次世代の成長戦略に挑めます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度決算 決算説明会資料 P.1
収益
7兆3,372億59百万円
前年同期比 +0.6%
税引前利益
7,019億98百万円
前年同期比 +0.9%
当期利益(親会社所有者帰属)
6,003億34百万円
前年同期比 +6.8%
※基礎的収益 = 当期利益(親会社の所有者に帰属)から資産入替関連及び特殊損益を除いた指標(事業の経常的な収益力を測るための独自指標)。当期の実績は5,280億円(前年度比+130億円)を記録しています。
当連結会計年度の連結業績は、売上高(収益)が前年同期比0.6%増の7兆3,372億5,900万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前年同期比6.8%増の6,003億3,400万円と過去最高益を更新しました。SCSKにおけるネットワンシステムズのグループ化にともなう増益や、不動産・輸送機リースといった非資源ビジネスの底堅い伸長に加え、徹底した資産入替によって720億円の特殊利益を積み上げたことが最高益の達成に大きく貢献しています。
当期は通期の実績確定であるため、当初の経営目標に対する達成状況を評価すると、親会社の所有者に帰属する当期利益6,003億円は通期計画を100%超えて完全な達成を果たしました。キャッシュ・フロー収益力も2.0兆円の目標水準を維持しており、中期経営計画2026の定量目標に向けて極めて順調で手堅い事業進捗を示して確定しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度決算 決算説明会資料 P.20
鉄鋼
【事業内容】 油井管などのエネルギー分野向け鋼管流通や、グローバルな鋼材サプライチェーンマネジメントを展開するセグメントです。
【業績推移】 当期利益は743億円(前期比+59億円)、基礎的収益は660億円(約40億円減)となりました。
【注目ポイント】 北米での油価下落にともなう需要減やプロジェクトの端境期による影響を、着床式洋上風力発電の基礎構造物「モノパイル」製造最大手への出資といったグリーンエネルギー市場への投資拡大で相殺し、増益を確保しました。成長市場へのリソースシフトを推進できる貿易・事業投資人材の活躍が期待されています。
自動車
【事業内容】 自動車の製造・販売・リース・アフターサービスをグローバルに展開し、多様なモビリティビジネスをカバーしています。
【業績推移】 当期利益は632億円(前期比+120億円)、基礎的収益は380億円(約120億円減)となりました。
【注目ポイント】 主力市場の競争激化や中東情勢の悪化にともなう減益要因を、米国タイヤ販売事業におけるマイダス社の売却関連損益(約+280億円)などの積極的な資産入替でリカバーしました。国内オートリースは堅調であり、フリート配置の最適化やコスト削減など、オペレーション高度化を主導する能力が強く求められています。
輸送機・建機
【事業内容】 世界有数の規模を誇る航空機・エンジン・ヘリコプターのリース事業、および国内外の建設機械レンタル・販売サービスを展開しています。
【業績推移】 当期利益は889億円(前期比126億円減)、基礎的収益は900億円(約120億円増)となりました。
【注目ポイント】 前期の特殊利益の反動減があったものの、航空機リース事業の堅調な推移や船舶売船益により、実力ベースの基礎的収益は大幅なプラスを維持しました。2026年4月に世界第4位の米国航空機リース会社を買収完了しており、世界最大規模の機材ポートフォリオ管理や資産回転型モデルの高度化に携わる絶好のキャリアフィールドが広がっています。
都市総合開発
【事業内容】 オフィスビル、住宅、物流施設などの開発・売却型ビジネスを国内外で推進し、未来の街づくりを先導するデベロッパーです。
【業績推移】 当期利益は815億円(前期比+45億円)、基礎的収益は840億円(約120億円増)となりました。
【注目ポイント】 国内オフィスビルや物流施設の積極的な資産回転、大口案件の引渡し実行、工業団地事業の順調な推移が業績を牽引しました。九州大学箱崎キャンパス跡地などの大規模複合開発やベトナムでのスマートシティ計画など単体開発から総合開発へのシフトを進めており、商社のアセットを掛け合わせた新しい街づくりを構想できる開発プロフェッショナルが不可欠です。
コミュニケーションサービス
【事業内容】 JCOMやジュピターショップチャンネルなどの国内有力メディア事業の価値最大化、および海外通信事業を展開しています。
【業績推移】 当期利益は160億円(前期比98億円減)、基礎的収益は150億円(約70億円増)となりました。
【注目ポイント】 前期に実施したティーガイア売却の影響により当期利益は表面上減少しましたが、エチオピア通信事業における現地通貨安の進行鈍化にともなう評価損の縮小などにより、基礎的収益は着実に改善しています。テレビ通販やケーブルテレビ等の強固な顧客基盤を活かしつつ、新規デジタル・付加価値サービスの立ち上げを推進できる事業企画人材への期待が高まっています。
デジタル・AI
【事業内容】 上流コンサルティングからシステム開発、デジタル技術を活用したデータドリブン経営支援まで、国内外のITニーズに対応するグループです。
【業績推移】 当期利益は353億円(前期比+159億円)、基礎的収益は330億円(約140億円増)となりました。
【注目ポイント】 ネットワンシステムズのグループ化にともなう増益や、SCSK株式会社の段階的な追加取得にともなう持分比率の上昇(2026年3月に完全子会社化)が収益を大きく押し上げました。全社的なデジタル・AI戦略(DAIS)の策定を進めており、SCSKを含むグループ内デジタルソリューションとの共創を加速させ、データドリブン経営を支援する最先端のエンジニアリング組織を構築する人材を求めています。
ライフスタイル
【事業内容】 食品、リテイル、国内ドラッグストア、ヘルスケアなど、消費者の生活に直結する多様なライフスタイルビジネスを担っています。
【業績推移】 当期利益は36億円(前期比177億円減)、基礎的収益は100億円(約20億円減)となりました。
【注目ポイント】 供給過多に陥った欧米州青果事業のメロン事業において、下期に売却・撤退を実施したことにともなう一時的な損失(約△140億円)が響きました。一方で、国内スーパーマーケットのサミットやドラッグストアのトモズなどのリテイル事業は、改装効果や調剤ロールアップ、DX推進を通じたオペレーション高度化により好調を維持しており、店舗網のバリューアップを担う人材が力を発揮できます。
資源
【事業内容】 銅、石炭、鉄鉱石、アルミニウムなどのベースメタルやエネルギー資源の権益投資および中下流ビジネスを展開しています。
【業績推移】 当期利益は823億円(前期比88億円減)、基礎的収益は730億円(約140億円減)となりました。
【注目ポイント】 オーストラリアの石炭事業における価格下落や販売数量減少が足元の減益要因となりましたが、銅価格の上昇にともなう投資先からの利益貢献が業績を下支えしました。既存資産の価値最大化に向け、チリなどの優良銅鉱山権益における操業改善と生産量増加に向けたプロセス管理が徹底されており、鉱山マネジメントの知見を持つ専門家への需要が継続しています。
化学品・エレクトロニクス・農業
【事業内容】 合成樹脂や硫酸などの基礎化学品、半導体関連の電子商材、国内外の農業資材・直販ビジネスを包括的に手掛けるセグメントです。
【業績推移】 当期利益は265億円(前期比+51億円)、基礎的収益は280億円(約50億円増)となりました。
【注目ポイント】 ブラジルの過酷な穀物市況低迷によるアグリ事業の苦戦を、世界的な半導体需要の回復にともなうエレクトロニクス分野の販売増や、硫酸事業の堅調な取引でカバーして増益を達成しました。チリや米国におけるバイオ農薬製造会社への出資など、環境配慮型の高付加価値製品の販売強化および販路拡大を主導できる事業開発人材への注目が高まっています。
エネルギートランスフォーメーション
【事業内容】 ガスバリューチェーンの構築や再生可能エネルギー発電、国内外のIPP(独立系発電事業者)事業を通じて、脱炭素とエネルギーの安定供給を目指すセグメントです。
【業績推移】 当期利益は1,024億円(前期比+60億円)、基礎的収益は880億円(約120億円減)となりました。
【注目ポイント】 ベトナムでの火力発電事業における持分利益減少や電力EPC(設計・調達・建設)案件の端境期に直面したものの、電力小売事業の安定稼働により全体の増益を維持しました。市場特性に合わせ、マイルストーン達成後に部分売却を行うなど開発と売却を組み合わせた「回転型ビジネス」へ舵を切っており、プロジェクトの資本効率を最大化するアセットハンドリング人材が活躍できます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度決算 決算説明会資料 P.11
2026年度の通期連結業績予想において、本業の実力を示す基礎的収益を前年比920億円増の6,200億円と見込み、戦略的な大口投資からの利益貢献(約+910億円)をベースとした安定的な成長軌道を描いています。一方で、中東情勢の緊迫化やホルムズ海峡の混乱にともなう物資供給障害のリスクを厳格に捉え、通期業績予想へあらかじめ△300億円のマイナスバッファーを織り込む手堅い財務方針を徹底しています。
また、課題であったマダガスカルのアンバトビーニッケルプロジェクトについては、2026年5月1日に全出資持分の譲渡契約を締結しました。2026年度に約700億円の売却損失を計上する見込みですが、税効果の認識により連結最終利益への影響は軽微であり、今後は同事業に関する追加の損失リスクが完全消滅します。大型投資の実行によって一時的に上昇したネット有利子負債およびNet D/E Ratio(負債資本倍率)については、低成長事業からの回収や資産回転の加速(3年間で約1.2兆円の回収を計画)を通じて2028年度末までに投資前の水準(約0.6倍程度)へ低下させる改善方針を定めており、より厳選された投資規律のなかで持続的な高成長を維持する土台が整っています。
4 求職者へのアドバイス
中期経営計画2026のもとで進む、デジタル、リース、不動産、エネルギーソリューションの「成長8分野」を牽引する力強い利益成長に自身の経験を重ね合わせることが重要です。特に、SCSKの完全子会社化にともなうデジタル・AI戦略(DAIS)の全社的推進や、開発と売却を機動的に組み合わせる「回転型ビジネスモデル」への転換など、商社の枠を超えた新たな価値創造と資産効率改善にコミットしたいという強い意欲を示すことで、ポートフォリオ変革の最前線に挑む同社のニーズと深くマッチします。
・中計2026において「資産入替の加速」が明言され、低成長・低ROIC事業から3年間で約1.2兆円規模の回収を進める計画ですが、中途採用者が配属先となる各事業本部でポートフォリオの新陳代謝に直接関わる際、どのような役割や自律的な挑戦が最も期待されていますでしょうか。
・2026年4月に設置されたデジタル・AIグループにおいて、SCSKやネットワンシステムズといった強力なIT子会社と住友商事のグローバルな現場アセットを融合させる際、異なる企業カルチャーを繋ぎ合わせてデータドリブン経営支援を早期に実現するための最大の課題や突破口はどこにあるとお考えですか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
チームワークが強みです
社員同士の連携は良好で、自己中心的な行動を取る人は少なく、チームワークが強みです。会社全体が一丸となって取り組む姿勢があるため、内部の雰囲気は良好です。
(30代前半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]ワークライフバランスを保つのが難しい
業務量が多く、部署によっては残業や出張が頻繁に発生することもあります。ワークライフバランスを保つのが難しいと感じることもあるかもしれません。
(20代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 住友商事株式会社 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 住友商事株式会社 2025年度決算 決算説明会資料



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