0 編集部が注目した重点ポイント
① ネットワンシステムズのグループ化でデジタル事業を強化する
2025年度第2四半期において、連結子会社のSCSKによるネットワンシステムズのグループ化が完了しました。これにより、上流コンサルティングから下流のBPO、データドリブン経営支援までを一気通貫で提供する「アジア太平洋地域No.1のデジタル事業プラットフォーム」の構築を加速させています。ITインフラ領域に強みを持つ企業を傘下に収めたことで、DX・ITニーズへの対応力が飛躍的に向上し、エンジニア等の専門人材にとって活躍のフィールドが大きく広がっています。
② 資産入替を加速し成長分野への再投資を断行する
中期経営計画2026に基づき、事業ポートフォリオの鮮度を高める大規模な資産入替を推進中です。当期はティーガイア株式や米国タイヤ販売事業のマイナス社、欧米州青果事業のメロン事業などの売却を実行。これらで得た資金を、米国航空機リース会社(ALC社)の買収合意(約1兆878億円規模)や、デジタル・ヘルスケア等の成長分野へ機動的に再配分しており、新しい事業フェーズに携わるキャリア機会が豊富に創出されています。
③ 当期利益3,012億円を達成し通期予想を据え置く
2025年度第2四半期累計の当期利益は、前年同期比473億円増の3,012億円となりました。資源価格の下落という逆風はあったものの、非資源ビジネスの伸長や資産売却益が業績を牽引。通期見通しの5,700億円に対する進捗率は53%に達しており、期初に設定したバッファーを縮小させつつも目標達成に向けた確度の高さを示しています。安定した収益基盤を背景に、攻めの投資を継続できる経営状態にあります。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期決算プレゼン資料 P.1
収益
3兆5,372億円
前年比 +0.5%
税引前中間利益
3,724億円
前年比 +12.9%
親会社所有者帰属利益
3,012億円
前年比 +18.6%
2025年度第2四半期累計(2025年4月〜9月)の業績は、親会社の所有者に帰属する利益が3,012億円となり、前年同期比で18.6%の大幅増益を達成しました。石炭や鉄鉱石といった資源価格の下落による減益要因はありましたが、SCSKによる事業拡大や不動産の大口案件引き渡し、さらには米国タイヤ販売事業におけるマイダス社売却益(約280億円)などの一時的要因も利益を押し上げました。キャッシュ・フロー創出力も堅調で、営業活動によるキャッシュ・フローは2,622億円を確保しています。
通期利益予想の5,700億円に対する進捗率は53%となっており、期初計画に対して順調に推移しています。下期に向けては、為替の円高影響や一部の資源価格低迷を想定しつつも、資産入替関連の利益積み増しを見込んでおり、目標達成に向けた基盤は盤石です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期決算プレゼン資料 P.3
メディア・デジタル
事業内容:国内SI大手SCSK、JCOM、海外通信事業(エチオピア)等を軸に、DX・ITソリューションを展開。
業績推移:当期利益216億円(前年比+134億円)。ティーガイア売却の影響はあるが、SCSKの好調が下支え。
注目ポイント:ネットワンシステムズのグループ化により、ネットワークインフラからシステム開発、コンサルまでを網羅する巨大なデジタルプラットフォームへと進化しています。データドリブン経営支援やGPU as a Serviceなど、最先端のIT技術を駆使した新規事業の立ち上げが相次いでおり、高度な専門性を発揮したい人材にとって最高の環境です。
輸送機・建機
事業内容:航空機・エンジン・ヘリコプターのリース、船舶トレード、建設機械の販売代理店・レンタル事業。
業績推移:当期利益403億円(前年比+15億円)。建機需要は軟調だが、リース事業と船舶の売却益が貢献。
注目ポイント:米国大手航空機リース会社(ALC社)から約74億米ドル(約1兆878億円)規模の事業買収に合意しており、世界最大規模の機体保有数を誇る強固な地位を確立しようとしています。景気循環を捉えたアセットマネジメント力の高度化が至上命題となっており、グローバルな金融・法務・アセット管理のプロフェッショナルが強く求められています。
都市総合開発
事業内容:オフィスビル・商業施設・住宅・物流施設の開発、不動産アセットマネジメント事業。
業績推移:当期利益441億円(前年比+236億円)。国内外での大型物件引き渡しや資産入替が極めて順調。
注目ポイント:国内の「淀屋橋ゲートタワー」や「HARUMI FLAG SKY DUO」などの大型開発に加え、米国や豪州、インドでのオフィス・住宅事業を積極的に拡大しています。単なる開発に留まらず、インフラ知見を融合させた都市開発を掲げており、多角的な視点でグローバルな街づくりに挑戦したい人材には、これ以上ない舞台が用意されています。
資源・エネルギー
事業内容:銅、石炭、鉄鉱石等の鉱山開発、および電力IPP、ガスバリューチェーン等のエネルギー事業。
業績推移:資源利益316億円、エネルギー利益481億円。価格下落影響はあるが、銅やガストレードが堅調。
注目ポイント:脱炭素社会の実現に向け、エネルギートランスフォーメーションを加速。洋上風力発電用の基礎構造物製造(EEW社への出資)やバイオガス事業など、次世代エネルギーへのシフトを急いでいます。資源開発のプロだけでなく、GX(グリーントランスフォーメーション)の仕組みづくりを担える戦略人材のニーズが急速に高まっています。
自動車・化学品・ライフスタイル
事業内容:自動車流通販売、リース、農薬、化学品トレード、スーパー(サミット)、ドラッグストア等。
業績推移:自動車534億円、化学品等148億円、ライフスタイル23億円。自動車はマイダス社売却益が貢献。
注目ポイント:生活者との接点を強化し、バリューアップ(事業価値向上)を徹底。サミットのDX推進や、ブラジル・欧州におけるアグリ事業の回復など、実業に深く入り込んだ経営支援が実を結びつつあります。事業会社の経営改善や現場のオペレーション改革を主導できる、ハンズオン型の経営人材にとってやりがいのあるプロジェクトが豊富です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期決算プレゼン資料 P.4
住友商事は、2024年度から2028年度までの5年間で「株主還元後フリーキャッシュ・フロー黒字」の確保を基本方針としつつ、約1.8兆円の戦略投資を計画しています。特に航空機リースやデジタル領域での大型M&Aの完了を受け、今後はこれらの事業をいかに早期に収益化し、グループシナジーを生み出していくかが焦点となります。
成長戦略の着実な遂行により、2030年にはデジタルSBU(戦略事業単位)だけで約600億円の利益規模を目指すなど、長期的な視点での成長ターゲットが明確です。これに伴い、既存の商社パーソンの枠に捉われない、特定分野の深い知見を持つスペシャリストの採用が今後さらに強化される見通しです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、伝統的なトレード業務から「事業経営・バリューアップ」へと舵を切っています。特にデジタルや航空機リースなどでの過去最大級の投資は、自身の専門性をグローバルな舞台で試したい人材にとって強力な志望動機になります。「商社のリソースを使って業界課題をどう解決したいか」という具体的なビジョンを、最近のM&A実績と紐付けて語ることが有効です。
面接での逆質問例
・「SCSKによるネットワンシステムズの統合後、グループ全体のDX推進における個々の事業部門の役割はどう変化していくと考えていますか?」
・「航空機リース事業におけるALC社買収後のPMI(ポスト・マージン・インテグレーション:買収後の統合プロセス)において、外部から参画する専門人材に最も期待する役割は何でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
リーダーシップの強化が求められる
ボトムアップのアプローチが主流で、社員の声が反映されやすい一方で、リーダーシップの強化が求められる場面もあります。
(40代前半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]多様な働き方が支援されている
時短勤務を利用している社員もおり、多様な働き方が支援されています。全体的に働きやすい環境が整っていると感じます。
(20代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年度 第2四半期決算 プレゼン資料(2025年10月31日発表)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(2025年10月31日発表)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。