0 編集部が注目した重点ポイント
①オリックス銀行の完全子会社化で銀行機能を大幅に拡充する
完全子会社である大和ネクスト銀行がオリックス銀行の全株式を取得し、完全子会社化することを決定しました。融資や信託機能を抜本的に補強することで、顧客の負債をも対象とした「総資産コンサルティング」を強力に推し進めます。転職者にとっては、証券と銀行・信託が有機的に融合した高付加価値な提案業務に携わるキャリア機会が飛躍的に拡大する好機です。なお、本子会社化は2026年10月までを予定しており、今回の連結財務データには反映されていません。
②純利益が過去最高の1,752億円を達成する
資産残高に連動して安定的に積み上がる「残高ベース収益」の拡大を背景に、親会社株主に帰属する純利益が前年度比13.5%増の1,752億円を達成し、過去最高を更新しました。顧客ニーズを的確に捉えた証券関連ビジネスの好調と、グループの強固な収益基盤の構築が目に見える成果として結実しています。
③安定的なベース利益が中計目標を大幅に超過する
ウェルスマネジメント、証券・不動産アセットマネジメントの経常利益合計であるベース利益が前年度比32.9%増の1,827億円へ急成長しました。中期経営計画の最終年度目標である1,500億円を計画2年目にして大幅にクリアしており、相場環境に左右されにくい抜群の安定感を持つ企業体へと進化を遂げています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第4四半期 決算説明資料 P.4
純営業収益
7,204億27百万円
前年度比 +11.5%
営業利益
2,073億33百万円
前年度比 +24.3%
経常利益
2,345億10百万円
前年度比 +4.4%
当期純利益
1,752億81百万円
前年度比 +13.5%
※ベース利益(ウェルスマネジメント部門、証券・不動産アセットマネジメントの経常利益合計):1,827億円(前年度比+32.9%)
当連結会計年度の純営業収益は、前年度比11.5%増の7,204億27百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同13.5%増の1,752億81百万円と過去最高を更新しました。市場の活発化に伴う手数料収入の増加に加え、ウェルスマネジメント本部が総資産コンサルティングに注力したことで、ストック型の安定収益が確実に上積みされています。ROE(自己資本当期純利益率)も前年度の9.8%から10.3%へと向上し、資本効率の改善も着実に進展しています。
通期目標に対する進捗評価について、同社は有価証券関連業の不確実性から通期の連結業績予想を開示していません。しかしながら、中期経営計画が目標に掲げる「ベース利益1,500億円」に対し、2年目にして目標を大幅に上回る1,827億円を稼ぎ出していることから、戦略の実行および進捗状況は極めて順調であると高く評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第4四半期 決算説明資料 P.6
ウェルスマネジメント部門(大和証券、大和ネクスト銀行)
【事業内容】
主に個人や未上場法人の顧客に対し、大和証券を通じた資産運用コンサルティングや大和ネクスト銀行の預金などの総合的な金融サービスを提供しています。
【業績推移】
純営業収益は前年度比15.6%増の2,957億88百万円、経常利益は同38.9%増の1,120億33百万円となり、過去最高を大幅に更新しました。
【注目ポイント】
大和証券のファンドラップおよび株式投信の純増額が過去最高を更新し、大和ネクスト銀行も利鞘の拡大等により預金残高が順調に推移し、経常利益は過去最高の211億円に達しました。ストック収益を拡大するPB(プライベート・バンキング)分野のコンサルタントや、証券・融資・信託のゲートウェイとして機能する銀行サービス開発等のプロフェッショナルが渇望されています。
アセットマネジメント部門(大和アセット、大和リアル、大和エナジー等)
【事業内容】
各種投資信託の運用、機関投資家向け投資助言、不動産J-REIT、再生可能エネルギー、プライベート・エクイティなどの多様なアセットの運用・管理を担います。
【業績推移】
純営業収益は前年度比9.2%増の1,119億30百万円を確保。経常利益は一部再生可能エネルギー投資における引当の影響があり、同15.5%減の654億32百万円となりました。
【注目ポイント】
大和アセットマネジメントは公募投資信託運用残高が37兆円を突破し過去最高を更新。大和リアル・エステート・アセット・マネジメントも運用残高が1.6兆円を突破し最高水準を維持しています。オルタナティブ投資での引当といった一時的マイナスを克服しつつ、多様なアセットクラスへの運用力を強化するため、専門的な運用スキルやオルタナティブ投資の実務経験を持つ中途人材の採用ニーズが強まっています。
グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング(GM&IB)部門
【事業内容】
国内外の機関投資家や事業法人を対象に、株式・債券等のセールス&トレーディングや、資金調達の引受け、M&Aアドバイザリー業務を提供します。
【業績推移】
純営業収益は前年度比9.9%増の2,573億95百万円、経常利益は同38.0%増の589億95百万円と極めて高い増益率を記録しました。
【注目ポイント】
グローバル・インベストメント・バンキング(GIB)において、大和証券による国内M&A案件が非常に活発に推移し、経常利益は過去最高の145億円を突破しました。また、グローバル・マーケッツ(GM)でも、ボラティリティを捉えた適切なトレーディングが機能しました。M&Aアドバイザリー業務やグローバルな引受業務等において、即戦力となる高度な専門人材が幅広く活躍しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第4四半期 決算説明資料 P.19
今後の成長戦略を紐解く上で、最も注視すべきはオリックス銀行の完全子会社化(2026年10月までに完了予定、取得対価3,700億円)の決定です。日本経済がデフレから脱却し「金利ある世界」に移行する中で、融資や信託といった本格的な銀行機能を手に入れた同グループのコンサルティング能力は劇的に変化します。大和ネクスト銀行が抱える2兆円規模の資金運用高度化や、大和証券での不動産・証券担保ローンや相続信託へのニーズに対し、オリックス銀行の強力な融資ノウハウを有機的に融合させる方針です。これにより、従来の「証券」だけに留まらない、銀行実務や融資審査、信託組成といった異分野のバックグラウンドを持つ金融プロフェッショナルの中途採用枠が大きく拡大する可能性が極めて濃厚と言えます。
4 求職者へのアドバイス
HINT 志望動機のヒント
大和証券グループは、これまでの単なる有価証券関連の枠を超え、銀行機能や信託機能を融合させた「総資産コンサルティング」へのトランスフォーメーションを推進しています。特にオリックス銀行の完全子会社化の決定は、これまでにない融資・信託のソリューションを創出するための歴史的決断です。志望動機を構築する際は、「金利ある世界において、顧客の資産だけでなく負債面を含めた総資産に深くアプローチするコンサルタントを目指したい」という点を訴求するのが非常に効果的です。また、安定的なベース利益が中期経営計画目標を大幅に上回り推移している事実から、「高い財務安定性と明確な成長ドライバーを両立している強固な基盤の上で、自身の金融プロフェッショナルとしての専門性を磨き上げたい」というビジョンを明確に示すと、面接官に力強く響きます。
Q&A 面接での逆質問例
- 「オリックス銀行の完全子会社化(2026年10月完了予定)により、大和ネクスト銀行や大和証券のフロント業務はどのように連携を強化される見込みでしょうか。また、今回の融合を通じて、新しく中途入社するメンバーに最も期待される役割やスキルについてお聞かせください。」
- 「ベース利益が2025年度累計で1,827億円と、中期経営計画の最終年度目標(1,500億円)を中計2年目で大きく超過する極めて強固な業績を維持しています。この安定的なベース収益基盤を活用し、今後中長期的にグループが最優先で投資・開拓を計画されている新規事業について伺いたいです。」
- 「アセットマネジメント(オルタナティブAM)において、一部投資先の引当といった課題にも対処されていますが、今後グループとして再生可能エネルギーや海外インフラなどのオルタナティブ領域への投資拡大における中期的な投資方針や人材配置をどのようにお考えでしょうか。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
比較的待遇に差は感じない
もちろん、入社以来いい成績を出してきた人間とは多少差がつく。また支店経験や営業経験がないと、商品知識という点で差が出てくる。金融未経験の人は注意する必要がある。
(40代前半男性/正社員/その他) [キャリコネの口コミを読む]福利厚生は良い
インフラ的なものは巨大グループには劣るが、制度自体は極めて手厚い。介護や子育てなども十分に考えられており、非常に心強いと思う。
(40代前半男性/正社員/その他) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社大和証券グループ本社 2025年度 第4四半期 決算説明資料(2026年4月27日公表)
- 株式会社大和証券グループ本社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月27日公表)



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