0編集部が注目した重点ポイント
①アーステクニカの株式譲渡による事業売却を実行
2026年4月1日付で、エネルギーソリューション&マリン事業に含まれる連結子会社「株式会社アーステクニカ」の発行済株式総数の60%を古河機械金属株式会社に譲渡しました。残り40%も2027年4月に譲渡する予定です。この事業売却によりグループの事業ポートフォリオの最適化が進行しており、経営資源が再配分される他の注力領域での採用機会が拡大する可能性があります。
②米国でのユーザー向けファイナンス合弁会社を設立
2025年4月にパワースポーツ&エンジン事業の事業会社である「カワサキモータース株式会社」の株式20%を伊藤忠商事株式会社へ譲渡しました。同時に米国にて合弁でユーザー向けファイナンス会社「Kawasaki Motors Retail Finance, LLC.」を設立しており、北米市場での顧客基盤強化と事業拡大を牽引する人材の活躍が期待されています。
③組織風土改革・コンプライアンス総括部を新設
過去の不適切事案を受け、2026年4月に「品質保証総括部」や人事本部直下に「組織風土改革・コンプライアンス総括部」を新設するなどの大幅な組織体制の刷新を実施しました。「不正ができない仕組みの構築」と「組織風土改革」を三本柱として推進しており、全社的なガバナンス強化やコンプライアンス領域を担う専門人材の需要が高まっています。
1連結業績ハイライト
出典:2025年度決算説明資料 P.5
売上収益
2兆3,112億円 +8.5%
事業利益
1,451億円 +1.4%
当期利益
1,081億円 +22.9%
※事業利益 = 売上収益 − 売上原価 − 販売費及び一般管理費 + 持分法による投資損益 + その他の収益 − その他の費用(事業の経常的な業績を測る指標)
当期の連結業績は、航空宇宙システム事業やエネルギーソリューション&マリン事業の好調、精密機械・ロボット事業の回復が全体を牽引し、増収増益での着地となりました。為替の円安進行によるプラス影響があった一方で、米国関税政策によるコスト上昇の影響を大きく受けましたが、価格適正化や増収効果により吸収し、事業利益は過去最高を更新しています。
2月公表の通期予想に対する達成状況については、売上収益が目標の2兆3,400億円に対して98.7%、事業利益が目標の1,450億円に対して100.0%といずれも順調な進捗を示し、堅調に推移しました。逆風の環境下においても、各セグメントが収益力の強化に努めた結果が表れています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度決算説明資料 P.6
航空宇宙システム
事業内容:防衛省向け航空機や民間航空機分担製造品、民間航空エンジンの開発・製造。
業績推移:売上収益6,136億円(前期比458億円増)、事業利益624億円(同66億円増)。
注目ポイント:ボーイング向けや防衛省向けの増加により増収増益となりました。防衛力強化方針を受けた需要増が期待される中、無人アセット防衛能力や次世代環境技術の開発を推進しており、防衛・航空宇宙分野での高度な技術専門性を持つ人材が求められています。
車両
事業内容:国内および北米などの海外向け鉄道車両、関連システムの製造・販売。
業績推移:売上収益2,362億円(前期比138億円増)、事業利益86億円(同2億円増)。
注目ポイント:国内や米国向けの増収が寄与し、一過性損失の影響がありながらも堅調な業績を維持しています。新型電気式気動車「Green DEC」の地域鉄道への拡販を通じ、導入から状態監視・保守までのライフサイクルを一貫サポートするための運用支援やサービス事業を強化する人材が活躍できる環境です。
エネルギーソリューション&マリン (ES&M)
事業内容:発電設備、ごみ処理施設、各種船舶、舶用推進システムなどの製造・エンジニアリング。
業績推移:売上収益4,335億円(前期比354億円増)、事業利益550億円(同107億円増)。
注目ポイント:船舶海洋分野やプラント分野での増収、ならびに事業全体の採算性改善により大幅な増益となりました。水素液化プラント向け圧縮機の実証運転開始やCO2分離・回収システムなど、脱炭素ソリューションの提供に向けた環境技術プロジェクトを推進するエンジニアの重要性が高まっています。(注:2026年4月に子会社株式会社アーステクニカの株式を一部譲渡し、今後グループから分離予定です)
精密機械・ロボット
事業内容:建設機械向け油圧機器や半導体製造装置向け等の産業用ロボットの開発・製造。
業績推移:売上収益2,591億円(前期比176億円増)、事業利益143億円(同73億円増)。
注目ポイント:中国建設機械市場向け油圧機器や半導体製造装置向けロボットの増加により、大幅な増益を達成しました。ボッシュ・レックスロス社との協業による次世代建設機械ソリューションの確立やスマートファクトリー化に向けたロボット技術・油圧制御技術の融合を担う開発人材のニーズが急速に拡大しています。
パワースポーツ&エンジン (PS&E)
事業内容:先進国および新興国向け二輪車、四輪車(オフロード等)、パーソナルウォータークラフト、汎用エンジン等の製造販売。
業績推移:売上収益6,828億円(前期比734億円増)、事業利益227億円(同251億円減)。
注目ポイント:北米向け四輪車などの好調で増収となった一方、米国関税コストの上昇や競争激化により大幅な減益となりました。逆境下でも、伊藤忠商事との合弁によるユーザー向けファイナンス会社の設立など事業基盤の強化を進めており、グローバルな販売・マーケティング戦略を立て直す人材の活躍の場があります。
その他
事業内容:全社的な新規事業投資およびその他の関連サービス等。
業績推移:売上収益858億円(前期比43億円減)、事業利益70億円(同18億円増)。
注目ポイント:減収ながらも増益を確保しています。グループ全体における新規事業開発やイノベーション創出に向けた重要な基盤となる領域であり、新たなビジネスモデルの構築に向けた取り組みが続いています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度決算説明資料 P.43
2027年3月期の業績見通しは、売上収益2兆5,600億円(前期比10.8%増)、事業利益1,700億円(前期比17.2%増)と、過去最高の事業利益を大きく更新する計画を見込んでいます。中東情勢による材料調達難や生産遅延のリスク、米国関税政策の継続的な影響を一定程度織り込んだ上での強気な見通しです。
今後の成長戦略として、水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機の実証運転開始や、大型商船向け水素燃料エンジンの開発など「エネルギー・環境ソリューション」への投資を力強く加速しています。また、手術支援ロボット「hinotori™」の欧州展開や建設機械の自動運転技術の高度化など、幅広い事業領域でイノベーションを推進しており、脱炭素やAI・ロボティクス、次世代モビリティに関する高度な専門性を持つ外部人材の採用機会は多岐にわたって大きく広がっていると言えます。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
川崎重工業の持つ幅広い技術アセットを活用し、水素エネルギー社会の構築や防衛力の強化といった国家レベルの課題解決に貢献したいというアプローチが有効です。また、過去の不適切事案を乗り越え、組織風土改革やガバナンス体制の強化に真摯に取り組む企業の変革期において、自身の経験をどう活かせるかを具体的に示すと評価が高まります。
面接での逆質問例
- 「ボッシュ・レックスロス社との協業など、外部パートナーとのアライアンスにおいて、当社エンジニアに求められる新たなマインドセットや役割はどのようなものでしょうか?」
- 「PS&E事業における米国でのファイナンス会社設立など、モノづくりにとどまらないサービス・ソリューションビジネスの拡大において、現場ではどのような課題を感じていますか?」
- 「水素関連プロジェクトが実証段階から商用化に向けて進む中で、異業種出身の中途採用者に期待される知見やスキルについて教えてください。」
5転職者が知っておきたい現場のリアル
とらずに頑張っている人は評価される
リモートやフレックスは強硬しないとできない。まず取るなと言われるか他に迷惑かけないようにと嫌味を言われるので取らない人が多い。取った人は冷遇され、とらずに頑張っている人は評価される。
(40代前半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2025年度決算説明資料



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