【平均年収910万円】川崎重工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収910万円】川崎重工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

川崎重工業は、航空宇宙システムや車両、エネルギーソリューション&マリンなど多岐にわたる事業をグループ各社とともにグローバルに展開する総合重工業メーカーです。連結従業員数は4万人を超え、直近の業績は大幅な増収増益となりました。


目次

※本記事は、川崎重工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、航空宇宙システム、車両、エネルギーソリューション&マリン、精密機械・ロボット、パワースポーツ&エンジンなど多岐にわたる事業を展開する総合重工業メーカーです。子会社136社、関連会社31社とともにグローバルに事業を展開しています。

単体従業員数は15,361名、連結従業員数は41,652名です。事業セグメントは航空宇宙システム、車両、エネルギーソリューション&マリン、精密機械・ロボット、パワースポーツ&エンジン、その他の6つです。

主な国内グループ会社は、日本飛行機(航空宇宙システム事業)、川崎車両(車両事業)、川重冷熱工業、カワサキモータース(パワースポーツ&エンジン事業)、日本水素エネルギー(その他事業)などです。

川崎重工業は2026年2月、連結子会社であるアーステクニカの全株式を古河機械金属に譲渡することを決定しました。2026年4月に60%を譲渡し、残りは2027年4月に譲渡予定です。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


川崎重工業グループは、多岐にわたる重工業分野で事業を展開しており、その規模と事業特性から安定した基盤を持つ企業です。グローバルな事業展開を通じて、従業員には幅広い働き方やキャリアパスが提供される環境であると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均年齢が40代前半、平均勤続年数が15年を超えており、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。従業員が安定して働き続けられる傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 9,101,888円
平均勤続年数 15.3年
平均年齢 41.7歳
単体従業員数 15,361人
連結従業員数 41,652人
単体のグループ内比率 36.9%


同社グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を導入しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および一部の子会社に適用されています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


川崎重工業グループは、人材を中長期的な企業価値創造の源泉と位置づけ、経営戦略と一体で人材戦略を推進しています。社会課題を起点とした経営戦略「グループビジョン2030」の実現に向け、従業員が高い目標に挑戦し、成功も失敗も糧として成長できる風土と基盤の醸成に注力しています。

人事制度は「チャレンジ&コミットメント」をコンセプトとし、期待役割と成果を実現し得る人材を社内外から獲得・配置し、行動特性評価による適正配置を進めています。給与や賞与の決定においては、職務内容、職責の大きさ、役割、期待される成果を基本とし、個人の能力、経験、業績評価結果を総合的に勘案しています。また、外部労働市場の動向や業界水準も踏まえ、賃金競争力と適正な報酬水準の維持・向上を図っています。

人材育成では、社内外の組織や製品の枠を超えて新たな事業領域に挑戦し成果を出す人材の育成に力を入れています。経営層・管理職層の計画的な育成に加え、「Kawasaki経営実戦塾」などの経営者育成プログラムを幅広い層に実施しています。また、DXやWX(ワークトランスフォーメーション)を推進し、AI・デジタル関連人材や新たな事業創出を担う「探索人材」の獲得・育成を強化しています。多様な価値観や働き方を尊重する職場環境の整備、心身の健康と安全を重視した「Well-Being」の推進、人事業務の高度化を目指す「HRDX」にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。労働者の男女の賃金の差異の算出に当たり、「全労働者」及び「パート・有期労働者」の人員数について労働時間をもとに換算して算出しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.6%
男性労働者の育児休業取得率 48.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 69.2%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 69.1%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 84.5%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。男女の賃金の差異の主な要因は、女性管理職や上位職層の女性比率の低さ等にあり、女性管理職比率の引上げ、上位職層への女性登用拡大を含むジェンダー格差解消に取り組んでいます。階層別育成プログラムを順次拡大し、女性の育成・登用に向けた施策を更に強化してまいります。

▼ 川崎車両

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.4%
男性労働者の育児休業取得率 37.7%


▼ カワサキモータース

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.6%
男性労働者の育児休業取得率 34.5%


▼ 日本飛行機

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 1.2%
男性労働者の育児休業取得率 77.8%

社内環境整備方針


「社員を活かす環境」は働きやすさ、「社員エンゲージメント」は働きがいに関する指標です。

指標 数値
「社員を活かす環境」と「社員エンゲージメント」が共に高い従業員割合(2025年度実績) 36.0%

DE&Iの促進

指標 数値
女性・外国人・キャリア採用者の部長級以上への登用率(2025年度実績) 9.5%
男性育児休業取得率(2025年度実績) 45.6%

安全・衛生・健康


休業災害度数率は、労働時間100万時間あたりの休業災害による死傷者数を示す指標です。

指標 数値
休業災害度数率(2025年実績) 0.44

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


川崎重工業グループは、航空宇宙から車両、エネルギー、精密機械、パワースポーツまで、多岐にわたる重工業分野で事業を展開しています。幅広い製品とサービスを通じて、社会インフラから個人のモビリティまでを支えるビジネスモデルを構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、航空宇宙システム、車両、エネルギーソリューション&マリン、精密機械・ロボット、パワースポーツ&エンジン、その他という6つの事業セグメントで構成されています。各事業は、それぞれの専門分野において製品の製造・販売を行い、収益を上げています。特に、防衛省が同社グループの主要な顧客の一つであり、連結売上収益の一定割合を占めています。

航空宇宙システム事業

航空機、航空機用エンジン、宇宙関連機器などの製造・販売を手掛けています。収益は、これらの製品の提供から得ています。運営は、川崎重工業と同社連結子会社の日本飛行機が行っています。

車両事業

鉄道車両や除雪機械などの製造・販売を行っています。収益は、国内外の鉄道事業者などへの製品供給から得ています。運営は、同社連結子会社の川崎車両、Kawasaki Rail Car, Inc.、Kawasaki Rail Car Lincoln, Inc.が行っています。

エネルギーソリューション&マリン事業

エネルギー関連機器・システム、水素関連設備、舶用推進関連機器・システム、プラント関連機器・システム、船舶、破砕機などの製造・販売を行っています。収益は、幅広いエネルギー・海洋関連製品やシステムの提供から得ています。運営は、川崎重工業のほか、川重冷熱工業、カワサキマシンシステムズ、アーステクニカ、安徽海螺川崎工程有限公司、南通中遠海運川崎船舶工程有限公司、大連中遠海運川崎船舶工程有限公司など多数の連結子会社および持分法適用関連会社が行っています。

精密機械・ロボット事業

油圧機器や産業用ロボットなどの製造・販売を行っています。収益は、建設機械市場向けの油圧機器や半導体製造装置向けロボットなどの提供から得ています。運営は、川崎重工業のほか、Flutek, Ltd.、川崎精密機械(蘇州)、川崎精密機械商貿(上海)、Kawasaki Robotics (USA) Inc.、川崎機器人(昆山)、川崎機器人(天津)、メディカロイドなど多数の連結子会社および持分法適用関連会社が行っています。

パワースポーツ&エンジン事業

二輪車、オフロード四輪車、パーソナルウォータークラフト「ジェットスキー」、汎用ガソリンエンジンなどの製造・販売を行っています。収益は、これらの個人向けモビリティ製品の販売から得ています。運営は、同社連結子会社のカワサキモータース、Kawasaki Motors Manufacturing Corp., U.S.A.、Kawasaki Motores de Mexico S.A. de C.V.、Kawasaki Motors Enterprise (Thailand) Co., Ltd.、カワサキモータースジャパン、Kawasaki Motors Corp., U.S.A.、Kawasaki Motors Europe N.V.、Kawasaki Motors (Phils.) Corporation、PT. Kawasaki Motor Indonesiaなど多数の連結子会社が行っています。

その他事業

商業、販売・受注の仲介・斡旋、福利施設の管理など多岐にわたる事業を営んでいます。収益は、これらのサービス提供から得ています。運営は、同社連結子会社の川重商事、カワサキライフコーポレーションなどが行っています。

セグメント 売上収益(2025年3月期) 売上収益(2026年3月期)
パワースポーツ&エンジン事業 6,107億円 6,840億円
航空宇宙システム事業 5,836億円 6,279億円
エネルギーソリューション&マリン事業 4,224億円 4,601億円
精密機械・ロボット事業 2,628億円 2,799億円
車両事業 2,225億円 2,363億円
その他事業 1,187億円 1,163億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの連結業績は、直近5年間で売上収益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益ともに増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上収益が前期から大きく伸び、それに伴い税引前利益と親会社の所有者に帰属する当期利益も大幅な増益となりました。これは、パワースポーツ&エンジン事業をはじめとする各事業での増収や、エネルギーソリューション&マリン事業、精密機械・ロボット事業での増益が寄与しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上収益 1兆5,009億円 1兆7,256億円 1兆8,493億円 2兆1,293億円 2兆3,113億円
税引前利益 277億円 703億円 320億円 1,075億円 1,455億円
税引前利益率 1.8% 4.1% 1.7% 5.0% 6.3%
親会社の所有者に帰属する当期利益 126億円 530億円 254億円 880億円 1,082億円
1株当たり当期純利益(円) 15.10 63.32 30.30 105.08 129.41

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの連結従業員1人あたりの売上収益は、当連結会計年度において前期から増加しました。また、従業員1人あたりの税引前利益も前期から増加しており、連結ベースでの収益性と生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化や事業活動の拡大が寄与していると考えられます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 52.4百万円 55.5百万円
従業員1人あたり税引前利益(連結) 2.6百万円 3.5百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


川崎重工業グループの財務基盤は安定しており、本業で着実に資金を創出している状況です。将来に向けた投資も継続的に行われています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


川崎重工業グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)から安定していることがうかがえます。当期の自己資本は8,781億円、自己資本比率は26.4%となっています。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)を上回る水準です。

ROE(自己資本利益率)は当期13.7%であり、プライム市場平均(9.4%)と比較しても高い水準を示しています。手元資金である現金及び現金同等物は当期1,154億円を確保しており、不測の事態にも対応できる資金的な余裕がある状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を持ち、従業員の雇用や給与の安定性にもつながることを示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
自己資本 7,029億円 8,781億円
自己資本比率 23.3% 26.4%
ROE(自己資本利益率) 13.2% 13.7%
現金及び現金同等物 1,328億円 1,154億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


川崎重工業グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,401億円のプラスとなりました。これは本業で安定的に資金を稼ぎ出していることを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは△1,280億円の支出となり、主に有形固定資産の取得によるものです。

この結果、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは120億円のプラスとなり、2期連続で黒字を確保しています。財務活動によるキャッシュ・フローは△332億円の支出となり、主に短期借入金の純減によるものです。同社グループは本業で創出した資金を将来への投資に回しつつ、余剰資金も確保している状況であり、これは長期的な成長と雇用・給与の安定性につながるものと考えられます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 1,489億円 1,401億円
投資CF △1,112億円 △1,280億円
財務CF 96億円 △332億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 377億円 120億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、地政学リスクや経済安全保障政策の動向が事業の継続性に影響を及ぼす可能性があると認識しています。国際情勢の変化による部品・原材料の調達停滞やコスト上昇、製品取引への影響が懸念されています。

また、為替変動リスクも経営成績に影響を与える可能性があります。特に中東情勢の不安定化は為替相場のボラティリティを上昇させ、原油価格を通じて長期的な影響を与えるおそれがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、人財の獲得・維持を重要な経営課題と位置付けています。少子高齢化による労働人口の減少や人財獲得競争の激化、キャリア意識の多様化に伴う労働市場の流動化により、人財の獲得・維持が困難となるリスクがあることを示しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


川崎重工業は、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションに掲げ、最先端の技術で新たな価値を創造することを目指しています。経済的価値と社会的価値の両面から企業価値を高める経営を推進している会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


川崎重工業グループは、「世界の人々の豊かな生活と地球環境の未来に貢献する“Global Kawasaki”」をグループミッションとして掲げています。最先端の技術で新たな価値を創造し、顧客や社会の可能性を切り拓く企業グループを目指しているとのことです。

「質主量従」と「リスクマネジメント」を指針とし、資本コストを上回る利益を安定的に創出する方針です。社会課題に対するソリューション提供を通じてSDGs達成に貢献し、経済的価値と社会的価値の二つの軸で企業価値を高める経営を推進しています。

同社グループは、2030年に向けた将来像として「グループビジョン2030」を制定し、その実現に向けて各種施策を進めています。既存事業の強化や新事業育成、新たな社会課題へのソリューション提供を通じて持続的な成長を追求しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


川崎重工業グループは、「質主量従」と「リスクマネジメント」を経営の指針としています。従業員の多様性を尊重し、個性と能力を発揮できる環境を整えることで、一人ひとりが高い目標に挑戦し続ける風土・文化の醸成を目指しています。

同社グループは、コンプライアンス強化と組織風土・意識改革を重要なテーマとしています。「不正ができない仕組みの構築」「不正発見の強化」「組織風土・意識改革」を改革の三本柱として、信頼と対話を基盤とした風通しの良い組織風土への改革を加速させています。

2025年1月には、「法務・コンプライアンス基本方針」を制定し、「あらゆる局面でコンプライアンスは全てのことに優先する」というコンプライアンスファーストの考え方を明記しました。行動規範の読み合わせやeラーニングによる教育も実施しています。

また、「グループビジョン2030」の達成に向けて、「枠を超え成長し続けるオープンで自由闊達・創造的なチーム」であることを重視しています。組織を横断した「K-Win活動」を通じて企業文化と従業員意識の改革に取り組んでおり、2025年には「DE&Iポリシー」を策定し、多様な人財が能力を発揮できる組織づくりを進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


川崎重工業グループは、2024年に判明した不正事案を受け、コンプライアンス強化と組織風土・意識改革を重点テーマとしています。社長を委員長とするコンプライアンス特別推進委員会主導のもと、「膿を出し切る」覚悟で再発防止策に取り組んでいます。

具体的には、「不正ができない仕組みの構築」「不正発見の強化」「組織風土・意識改革」を改革の三本柱としています。検査プロセスの自動化、経費精算データ監査の運用開始、風通しの良い職場環境の醸成などを進めています。

また、ガバナンス体制の強化として、防衛事業管理本部の設立、法務組織の強化、監査組織体制の見直し、役員報酬返還規程の新設を実施しました。2026年4月には「組織風土改革・コンプライアンス総括部」と社長直下の「品質保証総括部」を新設し、信頼と対話を基盤とした組織風土への改革を加速させています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


川崎重工業では、取締役会が多様な構成員によって形成され、経営に対する監督機能の強化が図られています。また、任意の諮問委員会を設置し、透明性の高い経営体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


川崎重工業の株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家が上位を占める傾向にあります。また、従業員持株会や共栄会も上位株主として名を連ねており、従業員による持株も一定程度存在しています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 13.57%
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 8.00%
日本生命保険相互会社 3.42%
川崎重工業従業員持株会 2.67%
川崎重工共栄会 2.12%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性8名・女性4名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長執行役員最高経営責任者は橋本康彦氏が務めています。社外取締役比率は8.3%です。

氏名 役職 主な経歴
橋本 康彦 取締役社長執行役員(代表取締役)最高経営責任者 1981年同社入社。ロボットビジネスセンター長、執行役員、常務執行役員、精密機械・ロボットカンパニープレジデントを経て、2020年より取締役社長執行役員最高経営責任者。
山本 克也 取締役副社長執行役員(代表取締役)社長補佐、最高財務責任者・企画・法務・マーケティング・渉外担当 1981年同社入社。精密機械カンパニー企画本部長、執行役員、常務執行役員、常務取締役、取締役を経て、2020年より取締役副社長執行役員。
中谷 浩 取締役副社長執行役員(代表取締役)社長補佐、技術・生産・品質保証・調達・DX戦略担当 1984年同社入社。技術開発本部技術企画推進センター副センター長、執行役員、常務執行役員を経て、2022年より取締役副社長執行役員。
金花 芳則 取締役会長 1976年同社入社。車両カンパニープロジェクト本部長、執行役員、常務執行役員、常務取締役、取締役副社長、取締役社長を経て、2021年より取締役会長。


社外取締役は、ジェニファーロジャーズ氏(アシュリオンジャパン・ホールディングス合同会社ゼネラル・カウンセル インターナショナル)、辻村英雄氏(元サントリーホールディングス常務執行役員・指名諮問委員会委員長・報酬諮問委員会委員長)、吉田勝彦氏(元花王代表取締役専務執行役員・指名諮問委員会委員・報酬諮問委員会委員)、メラニー・ブロック氏(株式会社Melanie Brock Advisory代表取締役)、津久井進氏(弁護士法人芦屋西宮市民法律事務所代表社員弁護士・監査等委員会委員・指名諮問委員会委員・報酬諮問委員会委員)、天谷知子氏(元金融庁金融国際審議官・監査等委員会委員)、板垣利明氏(元中外製薬上席執行役員最高財務責任者・監査等委員会委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の任意の諮問機関として指名諮問委員会及び報酬諮問委員会を設置しています。取締役会は社外取締役が過半数を占める構成となっており、経営に対する監督機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


川崎重工業の役員報酬は、「基本報酬」、「短期インセンティブ型報酬」、及び「長期インセンティブ型報酬」で構成されています。短期インセンティブ型報酬は単年度の業績目標達成度等に応じて決定され、長期インセンティブ型報酬は業績連動型株式報酬として中長期的な企業価値向上への貢献に報いる仕組みです。2025年7月以降の報酬では、短期インセンティブに「従業員エンゲージメント指標」、長期インセンティブに「ESG指標(CO2削減と第三者機関評価)、株価指標」が導入され、報酬構成比は概ね「35%:35%:30%」となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 5.5億円 1.37億円
監査等委員(社外除く) 2名 68百万円 34.0百万円
社外取締役 8名 1.3億円 16.2百万円


株式報酬については、当事業年度中に費用計上した額を記載しており、実際の支給額とは異なります。なお、合計欄は実際の支給人数を記載しています。

個人別報酬が開示されている役員は、橋本康彦氏(1.82億円)、金花芳則氏(1.44億円)、山本克也氏(1.11億円)、中谷浩氏(1.10億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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