0 編集部が注目した重点ポイント
① 臓器移植分野へ参入しオーガンテクノロジーズ事業を新設
2025年10月29日付でOrganOx社の全株式を取得し完全子会社化したことで、新規に「オーガンテクノロジーズ事業」を報告セグメントとして追加しました。未充足ニーズが大きく成長が見込まれる臓器保存デバイス領域をグローバル展開し、新たな成長ドライバーとして事業規模の拡大を牽引します。
② ドイツの工場を取得しCDMO事業をグローバルへ拡大
2025年9月30日付でWuXi Biologics社からドイツ・レバークーゼン工場を取得しました。この拠点を同社初の海外CDMO(医薬品開発製造受託)生産拠点として活用することで、生産キャパシティの拡充とグローバル対応力の強化を推し進め、コンビネーションプロダクトの事業拡大を加速させます。
③ 売上収益および各段階利益で過去最高を更新
2026年3月期の連結業績は、北米を中心に主要ビジネスが成長し、売上収益、営業利益、当期利益のいずれも過去最高を更新しました。米国関税政策の影響や一時費用を吸収しつつ、価格政策の浸透や販売物量の増加によって強固な収益基盤を確立しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算概要 P.3
1兆1,318億円
前年同期比 +9.2%
1,763億円
前年同期比 +11.8%
2,193億円
前年同期比 +7.8%
1,359億円
前年同期比 +16.2%
※調整後営業利益 = 営業利益から買収に伴い取得した無形資産の償却費及び一時的な損益を調整した利益(各事業運営の業績を把握し、持続的な成長を評価するための経営管理指標)
2026年3月期の通期決算は、グローバルでの医療需要の拡大を背景に、通期での売上収益および各段階利益が過去最高を更新する極めて力強い結果となりました。特に米州を中心に、インターベンショナルシステムズ事業(血管内治療用製品など)や、血漿イノベーションビジネスが大きく伸長し、全社の成長エンジンとして業績を力強く牽引しています。
通期ベースでの進捗評価としては、米国における関税政策の影響や、M&Aに伴う一時費用などを計上したものの、グローバルでの価格政策の浸透や高付加価値製品群の販売増がそれを上回り、極めて順調な結果で着地しました。次期(FY26)の業績予想においても、6期連続の過去最高更新を見込んでおり、堅調な中長期の成長軌道を維持しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:GS26最終年度とその先へ & ニューロ事業成長への道筋 P.7
心臓血管カンパニー (C&V)
事業内容:インターベンショナルシステムズ(血管内治療)、ニューロ(脳血管内治療)、人工心肺や人工血管等の高度な医療機器をグローバルに展開しています。
業績推移:売上収益は6,764億円(為替影響除く前年同期比+7.4%)。北米を中心に需要が拡大し、継続的な成長を牽引しています。
注目ポイント:特にニューロ事業は年平均成長率(CAGR)+17%と高い成長力を誇ります。中国でのVBP(集中購買)を活用した販路拡大や、北米での価格政策など、各地域での販売戦略を推進しており、グローバルなマーケティング・薬事戦略の専門人材が強く求められる領域です。
海外営業、プロダクトマネージャー、薬事申請担当、海外事業企画など
メディカルケアソリューションズカンパニー (TMCS)
事業内容:病院向け輸液・シリンジ、糖尿病マネジメント等のライフケア、製薬企業向けの薬剤充填用シリンジやCDMO事業を展開しています。
業績推移:売上収益は2,161億円(同+1.9%)。国内のホスピタルケアは一部事業譲渡の影響を受けましたが、CDMO事業がカバーし増収を維持しました。
注目ポイント:ドイツ・レバークーゼン工場の取得により、ファーマシューティカルソリューション事業の海外生産体制が確立されました。医薬品と医療機器の融合(コンビネーションプロダクト)を推進するため、医薬品開発や製造プロセス改善の知見を持つエンジニア・研究開発人材の需要が急増しています。
生産技術エンジニア、CDMO事業企画、品質保証、研究開発職など
血液・細胞テクノロジーカンパニー (TBCT)
事業内容:献血・成分採血システム、血液自動製剤システム(Reveos)、細胞治療向け細胞採取・増殖システム等を提供しています。
業績推移:売上収益は2,310億円(同+15.2%)。北米を中心に血漿ビジネスが大きく成長し、大幅な増収増益を達成しました。
注目ポイント:北米での原料血漿採取システム(Rika)の大幅な伸びや、アジアでの大型テンダー(入札)獲得が収益性の改善に直結しています。次世代の細胞・遺伝子治療分野に向けた装置の切り替え需要も継続しており、グローバルな販売網を構築・管理できるビジネスディベロップメント人材が活躍できる環境です。
海外セールス・マーケティング、フィールドサービスエンジニアなど
オーガンテクノロジーズ事業 (OT)
事業内容:常温機械灌流(NMP)技術を用いた革新的な臓器保存デバイスの開発および製造・販売を行っています。
業績推移:当3Qからの新規連結(前年同期は未連結のため単純比較不可)により、売上収益79億円、調整後営業利益16億円を計上しました。
注目ポイント:OrganOx社の買収によって設立された新セグメントです。北米市場を中心とした肝臓移植分野でのシェア獲得が急激に進み、調整後営業利益率21%の高収益モデルを既に確立しています。最先端の医療エコシステム構築に向け、高度な臨床開発スキルを持つ人材の参画が期待されています。
新規事業開発、クリニカルスペシャリスト、メディカルアフェアーズなど
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算概要 P.14
次期(FY26)の連結業績予想は、売上収益1兆2,390億円、営業利益2,245億円と、6期連続の過去最高更新を見込んでいます。中東情勢などの地政学リスクや原材料コストの上昇、米国関税政策(通商法第122条等)の不透明感は存在するものの、これらを織り込んだ上での強気の見通しを立てています。
今後は、5カ年成長戦略「GS26」で掲げた「デバイスからソリューションへ」の目標達成に向け、高成長が見込まれるCDMO領域やニューロ領域、臓器移植関連領域への戦略的なリソース投下と積極的な設備投資(約920億円を計画)を継続します。AIの活用や製造現場のオペレーショナルエクセレンス向上も推進しており、既存枠組みにとらわれず、新たな価値提供を牽引できる変革型人材が全方位で求められています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機作成のヒント
テルモは現在、単なるデバイスメーカーから「ソリューション・プロバイダー」へのパラダイムシフトを推進しています。志望動機では、「医療現場の課題(人手不足や業務効率化)をどのように解決したいか」という視点を盛り込むと良いでしょう。特に、OrganOx社の買収を通じた臓器移植分野への参入や、レバークーゼン工場取得によるCDMO事業のグローバル展開など、直近のダイナミックな事業変革に触れ、「新たなフィールドで自身の〇〇の経験を活かし、企業の成長に貢献したい」とアピールすることが非常に有効です。
面接での逆質問例
- 「オーガンテクノロジーズ事業が新設されましたが、社内での他部門との連携シナジーは現在どのように描かれていますでしょうか?」
- 「CDMO事業におけるドイツ新工場と国内拠点の役割分担について、今後の展望を教えていただけますか?」
- 「米国関税政策や原材料高騰などのリスクに対し、現場レベルではどのようなオペレーション改善が最も重視されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
プロパー社員と転職してきた社員の出世や待遇の違いはない
プロパー社員と転職してきた社員の出世や待遇の違いはない。自分のスキルと評価、組織バランス次第では役職につけることができる環境。経営でも中途入社は多いため、はえぬきかどうかは関係無いと思う。
(30代前半女性・その他・正社員) [キャリコネの口コミを読む]それぞれに合わせた働き方ができる
出産育児介護などの面においても、それぞれに合わせた働き方ができる。特に男性の育休についても取得する方が多く、上司も積極的に活用するよう声掛け業務調整をしてくれる環境にある。
(20代後半男性・経理・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算概要
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- GS26最終年度とその先へ & ニューロ事業成長への道筋



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