0 編集部が注目した重点ポイント
① コンポーネント事業からインダストリー事業へ名称を変更
2027年3月期より、報告セグメント「コンポーネント事業」の名称を「インダストリー事業」に変更し、併せてニコンビジョンを映像事業へ移管する体制変更を実施します。半導体関連やEUV関連コンポーネントの展開に向けた新体制下での組織再編により、BtoB領域における事業成長を支える営業や技術職のキャリア機会が変化する可能性があります。
② デジタルマニュファクチャリング事業の減損計上と黒字化への再建
2026年3月期において非金融資産に係る減損損失を計上したものの、大型金属3Dプリンター市場は防衛及び宇宙領域が牽引し需要が拡大しています。中長期的には2028年3月期の事業黒字化を目指しており、成長市場での事業再建と販路拡大をリードできる中核人材の重要性が一段と高まっています。
③ 映像事業におけるポートフォリオの再編と構造改革の断行
事業ポートフォリオの見直しの一環として、英国子会社Mark Roberts Motion Control Limitedの全株式譲渡による支配喪失を実施しました。デジタルカメラ市場の不確実性に対応した構造改革が進む中で、プロモーションや戦略的マーケティングを推進できる人材が引き続き求められます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算報告 P.4
売上収益
6,771億円
前年比: -5.3%
営業利益
▲1,124億円
前年比: 赤字転落
2026年3月期の通期決算は、売上収益6,771億円、営業利益は▲1,124億円の赤字となりました。売上収益は精機事業での販売台数減少等が響き前年比で減収となりました。また、営業利益については、デジタルマニュファクチャリング事業において非金融資産に係る減損損失を計上したことや、映像事業での株式譲渡関連費用といった計画外の一時費用が発生したことにより、前年の24億円から大幅な赤字へと転落しています。
これらの減損損失などの影響が期初の想定を大きく下回る要因となり、現時点での業績回復の進捗は遅れていると言わざるを得ません。しかしながら、次期(2027年3月期)においては一時損益の剥落や構造改革効果の発現により、営業利益100億円の黒字化を見込むなど、中長期的な立て直しに向けた施策が既に稼働しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算報告 P.14
映像事業
事業内容:レンズ交換式・レンズ一体型のデジタルカメラやデジタルシネマカメラ、交換レンズなどを展開しています。
業績推移:売上収益2,900億円(前年比-1.8%)。一時費用の影響や競争激化に伴う販促費増により減益となりました。
注目ポイント:子会社RED Digital Cinema, Inc.の技術を融合した初のデジタルシネマカメラ「ZR」が牽引役となっています。次期からはニコンビジョンが本セグメントに移管されるため、高付加価値領域での製品企画やマーケティング体制の強化を担える人材が活躍できる環境です。
精機事業
事業内容:FPD露光装置および半導体露光装置など、製造プロセスの根幹を支える製品・サービスを提供しています。
業績推移:売上収益1,672億円(前年比-17.2%)。露光装置の販売台数減少と減損損失計上により減収減益となりました。
注目ポイント:ニコン初となる半導体製造の後工程向けデジタル露光装置「DSP-100」の受注開始や、ArFドライ露光装置の初号機出荷など次世代向け製品への移行が進んでいます。高度なエンジニアリング知見と、顧客サポート体制の構築に貢献できる技術者が強く求められます。
ヘルスケア事業
事業内容:ライフサイエンス分野、アイケアソリューション分野、および細胞受託生産ソリューション分野を展開しています。
業績推移:売上収益1,119億円(前年比-3.9%)。アイケアは欧米で拡販し増収となるも、米国市場の停滞影響で全体では減収でした。
注目ポイント:細胞受託生産ソリューション分野は引き続き好調に推移しており、次期も既存プロジェクトの拡大が見込まれています。医療・バイオ分野における新規ビジネス立ち上げや、海外市場への販路拡大を推進できる専門人材が必要とされています。
コンポーネント事業(次期よりインダストリー事業)
事業内容:画像測定システム等の産業機器関連や、光学コンポーネントなどのカスタムプロダクツを展開しています。
業績推移:売上収益761億円(前年比+2.8%)。製品ミックスの良化と構造改革の効果により増収増益を達成しました。
注目ポイント:前期の再編による収益性向上の成果が現れています。次期からは「インダストリー事業」へ名称変更され、EUV(極端紫外線)関連市場などの底堅い需要を見据えた事業成長を支える営業体制の強化や技術職の採用が見込まれます。
デジタルマニュファクチャリング事業
事業内容:金属3Dプリンター等の製品・サービスをグローバルに展開しています。
業績推移:売上収益280億円(前年比+20.3%)。大型装置販売増で増収となるも、巨額の減損損失計上で赤字拡大しました。
注目ポイント:厳しい減損を計上しましたが、大型金属3Dプリンター市場は防衛及び宇宙領域を中心に需要が増加しています。2028年3月期の事業黒字化を至上命題としており、市場開拓と事業再建を力強く推進できるコア人材が強く求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算報告 P.16
2027年3月期の通期見通しでは、売上収益7,400億円へと増収を図り、営業利益100億円の黒字転換を見込んでいます。その牽引役となるのが、精機事業における半導体ArFドライおよび液浸露光装置の販売拡大や、デジタルマニュファクチャリング事業の構造改革効果の発現です。
一方で、決算資料からはインド子会社における税務当局との訴訟や、米国法令に抵触する可能性のある事案に対して引当金を計上するなど、グローバル展開におけるコンプライアンス管理の課題も読み取れます。そのため、各事業部門でのエンジニアや営業職だけでなく、法務・ガバナンス強化を担う管理部門のプロフェッショナル人材の採用需要も高まると推測されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
構造改革や事業再編が進行する中、特定のセグメント(例えばデジタルマニュファクチャリング事業の再建や、新設されるインダストリー事業)において、自身の専門的な経験がどのように事業の黒字化や成長軌道への回帰に直接的に貢献できるかを具体的に語れることが大きなアピールポイントとなります。
面接での逆質問例
「デジタルマニュファクチャリング事業において2028年3月期の黒字化を目指す中、現状最も優先順位の高い課題は何と捉えておられますか?」
「インダストリー事業への名称変更に伴い、組織間の連携や新規開拓の営業体制においてどのような変化を期待されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
給与水準は高い
給与水準は高いです。査定制度は、きれいごとは言っても、分布にのるように査定されます。他の日本企業と同様に累加主義で最初の頃の人事考課が後の人事考課を決めます。
(50代後半男性・その他・正社員) [キャリコネの口コミを読む]女性は働きやすいと思います
女性は働きやすいと思います。配慮された様々な制度があり、育児をしながらでも働けます。また男性社員が女性社員に対して優しいこともあり、セクハラとは無縁です。また、まずはじめに人数ありきで、女性管理職の登用があります。
(50代後半男性・その他・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期 決算報告



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