0編集部が注目した重点ポイント
① 6期連続の最高売上と4領域での成長を達成
売上高が6期連続で過去最高を更新し、営業利益も2期ぶりに過去最高となりました。ヘルスケア、グリーン、マテリアル、インダストリーの4注力領域での戦略展開が、持続的な成長を牽引しています。
② リカーリング強化に向けた新組織を設立
アフターサービスや試薬・消耗品事業を統括する新組織を設立し、顧客のワークフロー全体に密着したサポート体制を強化しています。製品ライフタイム全体での提供価値最大化が期待されます。
③ 地産地消を推進するグローバル体制を構築
北米R&Dセンター新拠点の設立や、中国でのターボ分子ポンプ生産拠点の立ち上げなど、地産地消の開発・生産体制を推進しています。世界各地域の需要に応える販売体制の再編も実行されました。
1連結業績ハイライト
出典:株式会社島津製作所 2026年3月期 通期決算説明会 P.4
- 売上高 560,728百万円 +4.0%
- 営業利益 73,702百万円 +2.8%
- 経常利益 82,753百万円 +14.9%
- 当期純利益 60,499百万円 +12.5%
2026年3月期の通期実績は、日本、北米、欧州、その他のアジア地域での堅調な推移により、売上高が前年同期比4.0%増の560,728百万円となり、6期連続での過去最高を更新しました。地政学リスク等の不透明な環境下でも、新製品の積極的投入やソリューション提案力の強化が奏功しています。
通期予想に対する進捗状況の評価として、営業利益、経常利益、純利益のすべての利益項目で過去最高益を更新しており、極めて順調な成果を収めました。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:株式会社島津製作所 2026年3月期 通期決算説明会 P.7
計測機器事業
事業内容:液体クロマト分析システムや質量分析システム等の計測機器、およびソリューションを提供しています。
業績推移:日本や欧米、その他のアジア地域での成長が牽引し、売上高364,908百万円と増収増益を達成しました。
注目ポイント:ヘルスケア領域の製薬・臨床市場や、GX/マテリアル領域の環境分析・化学市場向け製品が好調です。マルチベンダーサービスやAI活用によるプロセスの革新が求められており、製品ライフタイムを通じた価値提供を推進できる人材が活躍できます。
医用機器事業
事業内容:X線TVシステムや一般撮影システム、血管撮影システムなど、医療現場の課題解決に向けた機器を提供しています。
業績推移:その他のアジア地域での需要増が貢献し、売上高73,794百万円と増収増益を確保しました。
注目ポイント:AI画像解析とIoT技術を融合したイメージングトランスフォーメーションを推進しています。医療従事者の業務効率向上と患者負担軽減に貢献する次世代製品の開発や、アフターサービスの強化を担う専門人材のニーズが高まっています。
産業機器事業
事業内容:先端半導体製造等に不可欠なターボ分子ポンプ(TMP)、油圧機器、車載用セラミックス製造向け工業炉等を提供しています。
業績推移:日本での一部減少により減収となったものの、リカーリング事業の伸長等で営業利益は増益を達成しました。
注目ポイント:生成AIやデータセンターの発展を背景に成長が見込まれる半導体市場向けTMP事業が主力です。顧客基盤を活用した純水・ガス・表面分析のトータルソリューション提案や、海外生産拠点立ち上げに関わる技術人材への期待が膨らんでいます。
航空機器事業
事業内容:防衛分野および民間航空機向けの搭載品や、補用部品の製造・販売を展開しています。
業績推移:防衛分野向け需要の拡大と民間航空機分野の堅調な推移により、大幅な増収増益となりました。
注目ポイント:政府の防衛力強化方針に伴う需要増や、グローバルな航空旅客需要の拡大を追い風としています。中長期的に成長と収益を確保できる事業体制の確立を進めており、品質保証やサプライチェーン管理などを担う中核人材が求められています。
その他の事業
事業内容:不動産賃貸、不動産管理、建設舗床などの各種サービスおよびソリューションを提供しています。
業績推移:売上高は7,130百万円と微減したものの、営業利益は1,180百万円と大幅な増益を達成しました。
注目ポイント:グループ全体の安定的な収益基盤として機能しています。多様な事業を展開する中での効率的な運営やアセットマネジメントが評価されており、事業管理やファシリティマネジメントの知見を持つ人材が活躍できる土壌があります。
日本地域
事業内容:国内市場向けに全事業セグメントの製品・サービスを展開しています。
業績推移:防衛分野向けや製薬・食品市場向けの計測機器が堅調に推移し、売上高242,581百万円と増収を確保しました。
注目ポイント:政府の防衛力強化方針に伴う航空機用搭載品の増加や、特装車向け油圧ユニットの需要伸長が特徴的です。国内での安定した事業基盤を背景に、ソリューション提案型の営業職やカスタマーサポートの体制強化が求められています。
米州地域 (北米)
事業内容:北米市場向けに最新の計測機器やメドテック製品を中心とした展開を行っています。
業績推移:関税影響等による一部減収要素を吸収し、全体として売上高81,866百万円と増収を達成しました。
注目ポイント:北米R&Dセンターを通じた顧客との共同開発製品が臨床検査市場で増加しています。バイオ医薬や環境規制市場でのエコシステム提案を担うビジネス開発や、先端技術研究に携わる人材がキーパーソンとなります。
欧州地域
事業内容:欧州市場において、環境分析、化学、半導体関連の機器や臨床向け製品を展開しています。
業績推移:官公庁・大学向け計測機器や半導体向けTMPが増加し、売上高54,802百万円と高い成長率を記録しました。
注目ポイント:環境規制需要を捉えた水質検査用途の質量分析システムなどが好調です。臨床MSセンターを活用したビジネスモデル構築や、現地の規制当局・パートナーと協業できるグローバル人材の採用機会が広がっています。
中国地域
事業内容:中国市場の製薬、半導体、アカデミア向けに各種機器およびソリューションを提供しています。
業績推移:民間市場の停滞影響を受けつつも、政府の経済対策需要を捉え、売上高91,736百万円と底堅い推移を見せました。
注目ポイント:大規模設備投資支援等によるアカデミア向けの増加や、半導体製造装置向けTMPが好調を維持しています。国産優遇政策に対応する機種の拡充や現地生産の強化を担える、中国市場に精通した事業開発や生産技術人材が求められています。
その他のアジア地域
事業内容:インドや東南アジア、韓国、台湾において、製薬、食品、半導体市場向けに機器を販売・サポートしています。
業績推移:インドや東南アジアでの需要拡大が大きく牽引し、売上高71,468百万円と大幅な増収を達成しました。
注目ポイント:インド等での製薬・食品市場向け需要や、台湾・韓国でのTMPリカーリング事業が好調です。「Make in India」政策への対応として新工場建設も進む中、急成長市場を牽引するグローバルマネジメントや現地オペレーションの専門人材が急務とされています。
その他地域
事業内容:オーストラリア、中近東、アフリカなどにおいて、多様な産業基盤向けに分析機器等を提供しています。
業績推移:一部市場の変動影響を受け、売上高は18,272百万円と一時的な減収となりました。
注目ポイント:各国の成長フェーズに合わせたきめ細やかなサポート展開を行っています。新市場開拓やグローバル事業体制の最適化を担う、フロンティアスピリットを持った営業や事業開発担当者が活躍できるフィールドです。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:株式会社島津製作所 2026年3月期 通期決算説明会 P.13
次期(2027年3月期)の連結業績予想として、売上高5,750億円、営業利益760億円と、中東情勢悪化に伴う原材料価格や物流費上昇のリスクを織り込みながらも増収増益を見込んでいます。
経営基盤の強化に向けて、AIを活用した研究開発の迅速化や業務効率化を推進しています。また、北米R&Dセンターを中心とした最先端市場でのエコシステム構築や、インド新工場建設を通じた「Make in India」対応など、海外事業の拡大に大きく投資しています。世界のパートナーと共に社会課題を解決し、プラネタリーヘルスの追求に共鳴できるイノベーティブな人材が強く求められています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
面接では、リカーリングビジネス(アフターサービスや消耗品展開)の拡大に対する自身の貢献余地をアピールすることが有効です。また、海外売上高比率が半数を超え、地産地消の体制構築が進む中、グローバルな視点や現地ニーズに寄り添う姿勢を示すと、同社の戦略と深くマッチします。
面接での逆質問例
- 「AIとロボティクスを活用した分析プロセスの革新が進んでいますが、現場ではどのような技術的課題が優先して取り組まれていますか?」
- 「環境規制市場へのエコシステム提案において、他部門とどのように連携してプロジェクトを進めるケースが多いでしょうか?」
- 「北米R&Dセンター等との共同研究に関わる機会は、入社後のキャリアパスとしてどのように用意されていますか?」
5転職者が知っておきたい現場のリアル
分析事業があってこその島津製作所
分析事業があってこその島津製作所になっているが、分析事業が上手くいかない時は、他の事業がカバーできるくらいに成長しないと不味い。
(20代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社島津製作所 2026年3月期 通期決算説明会資料
- 株式会社島津製作所 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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