※本記事は、株式会社 島津製作所 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
島津製作所は、計測機器、医用機器、産業機器、航空機器、その他の幅広い事業分野で、研究開発から製造、販売、保守サービスまで一貫した事業活動を展開しています。同社グループは、これらの分野で社会課題の解決に貢献しています。
単体従業員数は3,779名、連結従業員数は14,649名です。事業セグメントは計測機器、医用機器、産業機器、航空機器、その他の5つです。
主な国内グループ会社は、[製造・販売]、島津サイエンス、島津ダイアグノスティクス、島津理化、、島津システムソリューションズ、島津エイテック、などです。
同社グループは、北米R&Dセンターの新拠点設立や中国での生産拠点立ち上げに加え、国内販売子会社の統合やインド・オーストラリアでの新会社設立など、グローバルな事業体制の強化を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
島津製作所グループは、「科学技術で社会に貢献する」という社是のもと、持続的成長を支える基盤として人を最大の財産と位置づけています。多様な専門性と価値観が活かされる環境を整え、社員一人ひとりの挑戦と成長を促すことで、企業価値の向上と社会貢献を目指しています。同社グループは、人財育成と働きやすい環境づくりに力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
島津製作所では、従業員の平均年齢と平均勤続年数から、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。多様な専門性と価値観を活かし、安心して挑戦できる職場づくりを目指している同社グループの姿勢が、従業員の定着にもつながっていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,240,736円 |
| 平均勤続年数 | 18.5年 |
| 平均年齢 | 43.9歳 |
| 単体従業員数 | 3,779人 |
| 連結従業員数 | 14,649人 |
| 単体のグループ内比率 | 25.8% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を採用しています。同社および一部の国内連結子会社は確定給付企業年金制度、退職一時金制度、確定拠出年金と前払退職金の選択制度を、国内連結子会社は主に確定給付企業年金制度と退職一時金制度を、一部の在外連結子会社は主に確定給付型および確定拠出型退職年金制度を設けています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は670億円、年金資産は1,076億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
島津製作所グループは、「科学技術で社会に貢献する」という社是のもと、人を最大の財産と位置づけ、人的資本を経営の中心に据えた人財戦略を推進しています。社員一人ひとりの挑戦と成長を促し、多様な専門性と価値観が活かされる環境を整えることで、持続的な価値創出を目指しています。
同社では、従業員の職責・役割に基づく等級制度を採用し、本給は個人の評価結果を踏まえて決定されます。賞与は、半期の業績に応じた業績連動型賞与制度であり、連結営業利益率や連結売上高の対前年伸び率、個人の評価結果を勘案して支給水準が決定されます。給与水準は、同業他社や労働市場、物価動向を総合的に勘案して設定されています。
人財育成においては、「高潔な倫理観を持ち、多様な視点や専門性を活かし、果敢に挑戦し、最後までやり遂げ、自ら成長し続ける存在」を求める人財と定義しています。『島津アカデミー』を通じて、グローバルで事業を牽引する経営幹部候補や次世代リーダーの育成に注力し、社員が主体的にキャリアを描き、専門性を高められる環境を整備しています。具体的には、経営幹部候補育成プログラム「経営塾アドバンス」「経営塾」や、部長・課長候補者向けの「ネクストリーダー研修」を実施しています。また、世界の優れた専門家と協業する人財、高度な技術力で社会課題解決に貢献する人財、専門知識で組織力を最大化する人財、データやデジタル技術でビジネスを変革する人財といった4つの専門人財の育成にも力を入れています。大阪大学との共同博士課程での若手技術者・研究者育成や、社会人博士育成支援制度(SPARK)を通じて、社員の博士号取得を支援しています。
社内環境整備では、「Well-Beingな職場」を目標に掲げ、多様性を活かす組織風土、挑戦マインドを育む人事制度、健康で安全な職場、コンプライアンス徹底の実現に向けた施策を推進しています。特に、女性社員の積極採用やキャリアデザイン研修を通じて女性管理職比率の向上に取り組むほか、フレックスタイムやテレワークといった柔軟な勤務制度を導入しています。健康経営にも力を入れ、「健康経営銘柄2026」に選定されるなど、社員のWell-Being向上を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合の集計対象は、提出会社からの出向者を除き、社外からの出向者を含みます。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の額の差異の集計対象は、原籍が提出会社の従業員です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 5.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全従業員) | 68.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規従業員) | 74.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(非正規従業員) | 50.4% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ (株)島津アクセス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 1.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 72.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全従業員) | 65.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規従業員) | 71.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(非正規従業員) | 61.1% |
▼ 島津メディカルシステムズ(株)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 3.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 78.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全従業員) | 68.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規従業員) | 69.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(非正規従業員) | 67.0% |
▼ 島津プレシジョンテクノロジー(株)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 9.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全従業員) | 84.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規従業員) | 90.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(非正規従業員) | 87.3% |
グループ全体(連結)
海外子会社を含めて集計されており、定義や計算方法は女性活躍推進法に準拠しています。男性労働者の育児休業取得率は海外連結子会社の集計を含んでいません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 13.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 74.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全従業員) | 70.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規従業員) | 73.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(非正規従業員) | 57.6% |
人財育成に関する指標
経営幹部候補育成プログラム参加者数およびビジネスリーダー育成研修修了者数は提出会社の状況です。高度専門人財数およびDX研修修了者数は提出会社および国内グループ会社の状況です。高度専門人財数には博士号のほか難易度の高い国家資格等保有者や社内資格保有者が含まれます。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 経営幹部候補育成プログラム参加者数 | 148人 |
| 高度専門人財数(博士号・高度資格保有者) | 594人 |
| ビジネスリーダー育成研修修了者数 | 1,000人 |
| DX研修修了者数 | 6,720人 |
社内環境整備に関する指標
新卒総合職採用に占める採用目的でのインターンシップ実施件数の割合は提出会社の状況です。休業災害件数およびハラスメント防止研修受講率は提出会社および国内グループ会社の状況です。その他の指標は提出会社およびグループ会社の状況です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(当社およびグループ会社) | 13.3% |
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(当社) | 5.7% |
| 新卒総合職採用に占める採用目的でのインターンシップ実施件数の割合 | 33% |
| 柔軟な勤務制度導入グループ会社数(国内) | 16社 (76%) |
| 従業員エンゲージメント肯定的回答率(当社) | 66% |
| 従業員エンゲージメント肯定的回答率(当社およびグループ会社) | 60% |
| 健康増進イベント年間参加者数 | 7,237人 |
| 休業災害件数 | 7件 |
| 企業倫理コンプライアンス研修受講率 | 100% |
| ハラスメント防止研修受講率 | 99.3% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
島津製作所は、計測機器、医用機器、産業機器、航空機器といった多岐にわたる分野で事業を展開し、製品の製造から販売、保守サービスまでを一貫して手掛ける企業です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、計測機器、医用機器、産業機器、航空機器、その他の事業を展開しています。研究開発から製造、販売、保守サービスまでを一貫して行い、幅広い分野で社会課題の解決に取り組んでいます。
同社グループの収益は、主に製品の販売と役務の提供から得ています。顧客との契約に基づく取引価格から値引きなどを控除した金額で収益を認識しており、取引の対価は履行義務充足後1年以内に受領されることがほとんどです。各事業セグメントにおいて海外売上高が一定の割合を占めており、為替の影響を受ける可能性があります。
計測機器事業
計測機器事業は、ライフサイエンス分野やGX/マテリアル領域を中心に、質量分析システムや液体クロマト分析システム、ガスクロマト分析システムなどの新製品投入とソリューション提案を強化しています。アフターサービスや試薬・消耗品のリカーリング事業も拡大しています。収益は、これらの製品販売とサービス提供から得ており、当連結会計年度では日本、欧米、その他のアジア地域での成長が寄与し、全体として増加しました。
医用機器事業
医用機器事業では、AI画像解析とIoT技術を融合した新製品や、内視鏡検査向けソフトウェアを搭載したX線TVシステムの拡販に注力しています。血管撮影システム、X線TVシステム、一般撮影システムなどを提供し、医療現場の効率化に貢献しています。収益は、これらの医用機器の販売と関連サービスから得ており、当連結会計年度ではその他のアジア地域が牽引し、全体として増加しました。
産業機器事業
産業機器事業では、半導体製造装置やコーティング装置向けのターボ分子ポンプの生産能力拡大と販売強化を進めています。油圧機器も手掛け、省力化需要に対応しています。収益は、ターボ分子ポンプや油圧機器の販売、およびリカーリング事業から得ており、当連結会計年度では日本が減少したものの、海外(欧州、中国、その他のアジア)の成長により、全体としては横ばいとなりました。
航空機器事業
航空機器事業は、防衛分野や民間航空機向けの搭載品、補用部品の需要拡大に対応しています。日本では政府の防衛力強化方針に伴う需要増、海外では民間航空旅客需要の増加が収益に貢献しています。収益は、航空機用搭載品や補用部品の販売から得ており、当連結会計年度では日本での増加が大きく寄与し、全体として増加しました。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントは、不動産賃貸、不動産管理、建設舗床などの事業を含んでいます。収益は、これらの多角的な事業活動から得ており、当連結会計年度では減少となりました。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 計測機器 | 3,479億円 | 3,649億円 |
| 医用機器 | 726億円 | 738億円 |
| 産業機器 | 723億円 | 715億円 |
| 航空機器 | 387億円 | 434億円 |
| その他の事業セグメント | 75.7億円 | 71.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で着実に増加傾向にあります。当連結会計年度においては、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前年度を上回り、売上高は過去最高を更新しました。利益面も売上高の増加等により堅調に推移しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,282億円 | 4,822億円 | 5,119億円 | 5,390億円 | 5,607億円 |
| 経常利益 | 656億円 | 709億円 | 769億円 | 720億円 | 828億円 |
| 経常利益率 | 15.3% | 14.7% | 15.0% | 13.4% | 14.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 473億円 | 520億円 | 570億円 | 538億円 | 605億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 160.49 | 176.64 | 193.54 | 183.55 | 209.39 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当連結会計年度において前期から増加しています。これは、同社グループ全体の売上高の伸長が寄与しているものと考えられます。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から横ばいとなっています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 37.2百万円 | 38.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.0百万円 | 5.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
島津製作所グループは、強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で着実に利益を創出し、将来に向けた投資も継続している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
島津製作所グループの自己資本比率は、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均(9.4%)を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も潤沢に確保されており、事業環境の変化に対する耐性がある状態です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 4,981億円 | 5,652億円 |
| 自己資本比率 | 74.1% | 76.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.9% | 11.4% |
| 現金及び預金 | 1,434億円 | 1,673億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
島津製作所グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期に547億円の収入となり、前期から増加しています。これは税金等調整前当期純利益の増加が主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは、設備投資による支出や投資有価証券の取得による支出があり、159億円の支出となりましたが、前期に比べ支出が減少しています。
財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払額が主な要因で255億円の支出となり、前期から支出が減少しました。フリーキャッシュフローは当期に388億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 520億円 | 547億円 |
| 投資CF | △232億円 | △159億円 |
| 財務CF | △484億円 | △255億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 288億円 | 388億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、日本を含む世界各国の政策や景気動向、設備投資動向の変化が業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、新製品・新技術の研究開発に多額の投資を行っていますが、商品化の遅れや市場ニーズを満たす新製品を開発できない場合には、競合力の低下や収益性の低下に繋がる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業成長に必要な人財の確保において企業間の獲得競争に直面するリスクを挙げています。特に日本では労働人口の減少を背景に、社内需要を充足できなくなる可能性や、人財流動化の進展による社員の離職増加リスクがあるとしています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
島津製作所は、科学技術を通じて社会に貢献することを社是とし、人と地球の健康への願いを実現するという経営理念を掲げています。永年にわたり培ってきた技術とノウハウを活かし、社会課題の解決と企業価値の向上を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、社是「科学技術で社会に貢献する」と経営理念「『人と地球の健康』への願いを実現する」を掲げています。これらの理念のもと、永年の事業で培った技術とノウハウを活かし、複雑化・多様化する社会の課題や要請に応える製品・サービスを提供しています。
それを基にした社会課題解決の仕組み作りを行い、ステークホルダーからの信頼獲得と企業価値の向上に努めています。また、社是・経営理念に基づく事業活動を通してサステナブルな社会の実現を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、創業以来の社是を同社のDNAとして全社員の行動指針とし、人を大切にする企業文化を育んできました。サステナブルな社会の実現に向け、「島津グループサステナビリティ憲章」を制定し、サステナビリティ経営を推進しています。
人財戦略においては、社員を「高潔な倫理観を持ち、多様な視点や専門性を活かし、果敢に挑戦し、最後までやり遂げるとともに、自ら成長し続ける存在」と定義しています。挑戦と成長を通じてイノベーションを創出し、社会に貢献できる人財の育成を目指しています。
「Leadership & Diversity」をスローガンに、多様性への理解を深め、リーダーシップを発揮できる環境づくりを推進しています。全ての社員が自律的に挑戦し、学び続けることで、学びと成長を基盤にした企業文化を醸成しています。
多様な人財が健康で働きがいを感じ、夢と成長の実現に向けた新たな挑戦ができる職場を「Well-Beingな職場」と定義し、その実現を目指しています。社員の行動指針である「島津グループ企業倫理規程」の内容を詳解する「島津グループ企業倫理行動ガイドライン」を作成し、企業倫理意識の浸透を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、経営基盤の強化を優先的に対処すべき課題の一つとしています。AIを活用した研究開発の迅速化、アジャイル開発の拡大、グローバル拠点を活用した共同研究を推進しています。
また、自社開発に加え、「SHIMADZUみらい共創チャレンジ」やCVC「Shimadzu Future Innovation Fund」を通じた新事業創出を継続しています。多様性を生かし、世界各地で活躍する人財の育成に向けて、次世代リーダー育成を含む人財育成プログラムの充実を図っています。
健康経営施策や安全衛生への取り組み、コンプライアンスの徹底を通じて、社員のさらなるWell-Being向上と労働安全リスクの低減、企業倫理意識の浸透を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社グループの経営体制は、重要な業務執行の意思決定と監督を担う取締役会を中心に、指名・報酬委員会、執行役員会、監査役会、会計監査人を設置しています。社外取締役を複数名選任することで、経営の監視・監督機能の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成は、信託銀行や生命保険会社といった機関投資家が上位を占める特徴があります。特定の事業会社や創業家が経営に強い影響力を持つような構成ではありません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 12.96% |
| 明治安田生命保険相互会社 | 7.18% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.46% |
なお、マサチューセッツ・ファイナンシャル・サービセズ・カンパニーは2025年8月29日現在で11,967千株(4.04%)の株式を保有している旨が記載されていますが、2026年3月31日現在の実質所有株式数は確認されていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性8名・女性3名)で構成され、女性役員比率は27.3%です。代表取締役会長は上田輝久氏が、代表取締役社長CEOは山本靖則氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 上田 輝久 | 代表取締役 会長 取締役会議長 | 1982年同社入社。2015年代表取締役社長CEOを経て、2022年より代表取締役会長取締役会議長に就任。明治安田生命保険相互会社社外取締役も務める。 |
| 山本 靖則 | 代表取締役 社長 CEO | 1983年同社入社。2022年より代表取締役社長CEOに就任し、現在に至ります。 |
| 渡邊 明 | 取締役 専務執行役員 CRO、 環境経営(GX)担当、 コーポレート・トランス フォーメーション(CX)担当 | 1985年同社入社。専務執行役員を経て、2022年より取締役。CRO、環境経営(GX)担当、コーポレート・トランスフォーメーション(CX)担当を務める。 |
社外取締役は、花井陳雄氏(元協和キリン代表取締役社長・指名・報酬委員会議長)、中西義之氏(元DIC代表取締役社長執行役員・指名・報酬委員会委員)、濱田奈巳氏(マイル・ハイ・キャピタル共同創業者マネージング・ディレクター・指名・報酬委員会委員)、北野美英氏(SynFiny Advisors パートナー・指名・報酬委員会委員)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会、指名・報酬委員会、執行役員会、監査役会および会計監査人を設置しています。社外取締役を複数名選任し、客観的な視点から経営の監視・監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社グループの役員報酬は、金銭報酬である基本報酬と短期業績連動報酬、および非金銭報酬である株式報酬で構成されています。基本報酬は報酬全体の約6割を目安とし、短期業績連動報酬は連結売上高や営業利益の成長率、部門別・個人評価を勘案して決定されます。株式報酬は株主との価値共有と企業価値向上へのインセンティブを目的とし、短期業績連動部分と中長期業績連動部分で構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 3.1億円 | 76.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 3名 | 52百万円 | 17.3百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 59百万円 | 14.8百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 24百万円 | 12.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
個人別報酬が開示されている役員は、上田輝久氏(1.20億円)、山本靖則氏(1.26億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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