島津製作所の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

島津製作所の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

島津製作所の2026年3月期2Q決算は、中間期として売上・営業利益ともに過去最高を更新し、通期予想を上方修正しました。主力の計測機器と航空機器が牽引し、特に北米でのサービス強化や航空防衛分野の急成長が目立ちます。150周年の節目に「デジタル・ソリューション」へ舵を切る同社での役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

中間期の売上高と営業利益が過去最高を更新しました

2026年3月期の中間期決算において、売上高は2,563億円、営業利益は316億円に達し、中間期として過去最高を更新しました。主力の計測機器事業が牽引したほか、航空機器事業も大幅な増益を達成。米国関税の影響や為替レートを見直し、通期の連結業績予想についても上方修正を発表しており、経営の勢いが加速しています。

北米でのサービス事業買収により成長基盤を強化しました

北米市場において、マルチベンダーサービス(製造元を問わず一括でアフターサービスを行う形態)を展開するZef Scientific, Inc.を連結化したことで、サービス・メンテナンス事業の貢献度が増大しました。従来の「製品を売る」モデルから、高収益なリカーリング(継続収益)モデルへの転換をグローバルで推進しており、北米における中長期的なキャリア機会が拡大しています。

航空機器事業の利益率が大幅に向上し過去最高を記録しました

航空機器事業では、防衛力強化方針に伴う国内需要の拡大と、民間航空機市場の回復を背景に、売上高・営業利益・営業利益率のすべてで2期連続の過去最高を更新しました。サプライチェーンの課題による一時的な押し下げ要因を、採算性の改善や民航向け補用部品の増加でカバーしており、高い専門性を持つエンジニアにとって魅力的な成長フィールドとなっています。

1 連結業績ハイライト

中間期として5期連続の増収を達成し、全社的な付加価値訴求により利益率も向上。通期予想を上方修正し、さらなる成長を目指すフェーズにあります。
連結業績ハイライト

出典:2026年3月期 中間期決算説明会資料 P.4

売上高

2,563億円

+2.0%

営業利益

316億円

+4.5%

営業利益率

12.3%

+0.3pt

2026年3月期中間期は、円高進行という厳しい外部環境にありながらも、付加価値の高い製品投入と価格改定の効果により、増収増益を達成しました。特に営業利益増減要因では、販売価格の適正化やコストダウンが功を奏し、原材料高の影響を跳ね返しています。期初に懸念されていた米国関税の間接的影響も想定より緩和され、業績へのインパクトが限定的となったことも追い風です。

通期予想に対する進捗率は、修正後の売上高予想(5,450億円)に対して47.0%、営業利益予想(720億円)に対して43.9%となっています。下期に新製品の拡販や中国の公的検査需要の回復を見込んでおり、全体として概ね順調な推移と評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

主力の計測機器が過去最高業績を更新し続ける中、航空機器も急成長。分野ごとに異なる戦略課題があり、多様な専門性が求められています。
セグメント別実績

出典:2026年3月期 中間期決算説明会資料 P.7

計測機器事業

事業内容:液体クロマトグラフ(分析装置)や質量分析システム等の開発・販売。医薬品、食品、環境分野の品質管理や研究を支援。

業績推移:売上高は1,681億円(前年同期比+4.7%)、営業利益は234億円(同+9.8%)と増収増益を達成しました。

注目ポイント:日本・北米・欧州・インド等の主要市場で成長。特に臨床検査市場向けの質量分析システム(MS)が好調で、5期連続で過去最高売上を更新しています。北米R&Dセンターでの共同開発も加速しており、高度な分析技術とITを融合させるシステムエンジニアの需要が非常に高まっています。

注目職種:分析装置の設計エンジニア、バイオ医薬向けアプリケーション開発、フィールドサービス

医用機器事業

事業内容:X線TVシステムや血管撮影システム等の医療用画像診断装置の提供。AI技術を用いた画像解析も展開。

業績推移:売上高は336億円(前年同期比▲1.2%)、営業利益は13億円(同▲20.6%)と苦戦しています。

注目ポイント:欧州や中国での市況停滞が響きましたが、第2四半期単体では増収増益へ回復しました。北米や東南アジアで新製品のX線TVシステムが評価されており、AIやIoTを活用した医療従事者の業務効率化ソリューションへの刷新が進んでいます。医療DXの知識を持つデジタル人材の活躍余地が広がっています。

注目職種:医用画像解析ソフトウェア開発、ヘルスケアITソリューション営業、医療機器保守

産業機器事業

事業内容:半導体製造装置用ターボ分子ポンプ(TMP)や油圧機器、航空宇宙産業向けの精密機器などを製造。

業績推移:売上高は329億円(前年同期比▲8.7%)、営業利益は46億円(同▲12.8%)となりました。

注目ポイント:EV用セラミックス製造向け工業炉の需要減が影響しましたが、TMPのリカーリング売上は21%増と急成長。生成AI分野などの先端半導体製造に貢献するキーコンポーネントとしての存在感が増しており、グローバルなサプライチェーン管理や製造技術のスペシャリストが求められています。

注目職種:真空技術開発、精密加工技術者、海外生産管理・SCM

航空機器事業

事業内容:防衛・民間航空機向けの搭載品や、航空会社向け補用部品の供給。高い信頼性が求められる航空宇宙分野に従事。

業績推移:売上高は182億円(前年同期比+1.0%)、営業利益は36億円(同+49.0%)と大幅増益。

注目ポイント:民間航空機市場の回復により補用部品が好調。防衛分野も政府方針を受け需要が拡大中で、営業利益率は驚異の19.6%へ到達しました。増産に向けた製造体制の強化が急務となっており、厳格な品質保証体制のもとでプロジェクトを推進できる人材への期待が大きくなっています。

注目職種:航空機部品設計、品質保証(QA)、防衛案件プロジェクトマネージャー

3 今後の見通しと採用の注目点

新製品の売上構成比向上とサービス事業の拡大が、利益率を押し上げるフェーズへ。中国の回復や米国の規制対応など、グローバルな変動への即応力が鍵となります。
通期業績予想

出典:2026年3月期 中間期決算説明会資料 P.14

島津製作所は、2026年3月期の通期売上高を5,450億円へと上方修正しました。下期はヘルスケアや環境(PFAS規制対応等)領域の新製品拡販を強力に推進する方針です。質疑応答で言及された内容によると、中国市場では民需の本格回復に時間を要するものの、製薬や電池、半導体といった特定分野での投資継続を期待しており、政府の経済対策(設備更新)が下期の追い風になる見込みです。

また、北米R&Dセンターでは現在16件の開発テーマが進行中で、今後2〜3年での成果具体化を目指しています。バイオ医薬分野などの後発領域でも「共同開発」を武器に攻勢をかけており、技術シーズをビジネス化できる事業開発人材の採用も注目ポイントとなります。新製品の目標比率30%達成に向け、開発スピードと市場適合性を高める取り組みが強化されています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「創業150周年」という節目にあり、伝統を土台にしつつ、AI・ロボティクスを融合させた「デジタル・ソリューション」への転換を急いでいる姿勢が魅力です。特に、単なる装置メーカーから「メンテナンスや消耗品で稼ぐリカーリングモデルへの深化」に貢献したいという視点は、経営層が重視している戦略と合致します。ヘルスケア、グリーン、先端半導体といった成長市場への貢献意欲を具体的に語ることが有効です。

Q&A

面接での逆質問例

・「北米R&Dセンターで進行中のテーマが事業化される際、開発チームにはどのようなビジネス・デジタル双方の専門性が期待されていますか?」
・「サービス事業のマルチベンダー化(Zef Scientific社等の買収)が進む中、日本国内でのアフターサービス戦略にはどのような変化が起きる予定でしょうか?」
・「航空機器事業の利益率が大幅に向上していますが、この高収益体質を維持・継続するための製造現場の最優先課題は何ですか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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営業は有給は取り安い

部署によるが少なくとも営業は有給は取り安い。休日出勤も殆ど無い。労働組合も強い。プライベートと仕事のバランスは取れており、No残業デーを推進するなどの動きはある。

(30代後半・カウンターセールス・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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管理職となると別

但し、管理職となると別です。 部門によりますが、22時頃まで勤務するのが普通で、休日も在宅で、あるいは出勤している人を見ます。 特に、企画部門はそうです。

(40代前半・マーケティング・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕
  • 2026年3月期 中間期決算説明会資料
  • 2025年度(2026年3月期) 中間期決算説明会質疑応答(要旨)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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