0 編集部が注目した重点ポイント
① BtoBネットワーク等を融合し法人ビジネスを拡大
ヤマトグループは事業ポートフォリオの変革を掲げ、国内外の輸配送網と倉庫機能を融合した高付加価値ソリューションの展開を推進しています。宅急便の顧客基盤を活用し、コントラクト・ロジスティクス事業やグローバル事業を新たな成長の柱へと育成することで、グループ全体の成長を牽引する計画です。
② 聖域なき見直しを断行し基盤領域の収益性を回復
エクスプレス事業を中心とする基盤領域において、契約の精緻化によるプライシングの適正化と、AI需要予測に基づくオペレーティングコストの変動費化を断行しています。資本コストを上回る資本収益性の早期実現に向け、収益構造の抜本的な改善を進めています。
③ ナカノ商会ののれん償却を実施し事業再構築を推進
子会社のナカノ商会について事業計画を実態に合わせて下方修正し、当期に約134億円ののれん一時償却を実施しました。今後はヤマト運輸の顧客基盤へのクロスセル強化など新体制での事業再構築を進め、来期以降の償却費軽減とともにグループ一体での収益力向上を図ります。
1 連結業績ハイライト
2026年3月期 通期決算は、増収および大幅な営業増益を達成。一方で期首予想に対しては未達となり、構造改革を加速させる方針です。
出典:ヤマトグループ 決算説明資料<2026年3月期 通期> P.2
営業収益
1兆8,656億円 (前年同期比 +5.8%)
営業利益
283億円 (前年同期比 +99.2%)
経常利益
262億円 (前年同期比 +34.1%)
親会社株主に帰属する当期純利益
136億円 (前年同期比 -64.0%)
2026年3月期通期の連結業績は、営業収益が1兆8,656億円(前年比+5.8%)、営業利益が283億円(前年比+99.2%)となり、増収および大幅な営業増益を達成しました。一方で、前年度に計上した大型不動産売却益の反動や、当期ののれん一時償却などにより、当期純利益は減益となりました。
通期の営業利益は期首予想に対して約70%の達成率にとどまり、進捗が遅れている状況となりました。これは、最需要期の第3四半期において想定を超える数量減少に対し即座に体制を最適化できず、コストの下方硬直性が顕在化したことなどが要因です。今後は社長直轄体制での構造改革を加速させ、高収益体質への転換を目指します。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
エクスプレス事業の収益性回復を進めるとともに、CL事業やグローバル事業を新たな成長の柱へと育成しています。
出典:ヤマトグループ 決算説明資料<2026年3月期 通期> P.4
エクスプレス事業
事業内容: 個人・法人顧客向け宅配事業、貨物自動車運送事業など。
業績推移: 営業収益1兆5,579億円(前年比+1.5%)、営業利益22億円(前年比+151億円)。
注目ポイント: 大口法人向けのプライシング適正化や、中継拠点を活用した輸送ネットワークの効率化を推進しています。データ主導のネットワーク最適化を実現するため、物流企画やデータ分析を担う専門人材の活躍が期待されています。
注目職種: 物流オペレーション企画、データアナリスト
コントラクト・ロジスティクス事業
事業内容: 法人向け3PL事業、不動産事業など。
業績推移: 営業収益1,646億円(前年比+69.6%)、営業利益62億円(前年比+6億円)。(注:前年同期はナカノ商会が第4四半期のみの連結のため単純比較不可)
注目ポイント: 全国の輸配送網と倉庫機能を融合した統合型ビジネスソリューションの展開を加速しています。企業のサプライチェーン全体の課題を解決するため、高度な法人営業やロジスティクス企画人材のニーズが高まっています。
注目職種: 法人ソリューション営業、ロジスティクス企画
グローバル事業
事業内容: 法人向け運送事業、輸出入通関事業、航空運送代理店業など。
業績推移: 営業収益975億円(前年比+13.5%)、営業利益81億円(前年比△8億円)。
注目ポイント: 北米、中国、東南アジアを中心に営業力を強化し、越境ECやBtoB領域でのシェア拡大を図っています。国内の顧客基盤を活かし、グローバルサプライチェーンの最適化を提案できる国際物流の専門人材が求められます。
注目職種: 国際フォワーディング営業、グローバル物流企画
モビリティ事業
事業内容: 自動車整備事業、燃料販売事業、損害保険代理店業など。
業績推移: 営業収益220億円(前年比+7.5%)、営業利益52億円(前年比+14億円)。
注目ポイント: EVの調達や再生可能エネルギーの供給をパッケージ化した「EVライフサイクルサービス」の拡販を推進しています。物流業界の環境課題解決に貢献する、環境ソリューション営業や自動車整備士が活躍できるフィールドです。
注目職種: 環境ソリューション営業、自動車整備士
その他
事業内容: ITシステム開発・運用管理事業、コールセンター事業、金融サービス業など。
業績推移: 営業収益235億円(前年比△3.9%)、営業利益66億円(前年比△15億円)。
注目ポイント: ヤマトグループ全体のデジタルトランスフォーメーションを支える重要な基盤です。AI活用やデータドリブン経営を技術面からリードするITエンジニアやシステム企画人材の存在感が増しています。
注目職種: ITエンジニア、システム企画
3 今後の見通しと採用の注目点
来期は「聖域なき見直し」の効果を発現させ、大幅増益を目指す計画です。
出典:ヤマトグループ 決算説明資料<2026年3月期 通期> P.17
2027年3月期の通期業績は、「聖域なき見直し」の成果発現により、営業利益で前期比+136億円となる420億円の計画を掲げています。中長期的な成長に向けては、AIやデータドリブン経営を通じた業務プロセスの刷新と、創出した人的リソースの高付加価値領域へのシフトを推進する方針です。
採用面では、持続的にネットワークを維持・強化するための人材投資を計画的に実行しており、インフレ基調を踏まえたベースアップ等の処遇改善にも取り組んでいます。物流ネットワークの強靭化や法人向けソリューションの拡大を牽引できる、変革意欲の高い人材にとって魅力的な環境が整いつつあります。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ヤマトホールディングスは、単なる輸配送業からサプライチェーン全体を最適化するソリューション企業への変革を進めています。志望動機では、同社の強固なネットワークと最新のテクノロジー(AI・データ活用など)を掛け合わせ、どのように企業の物流課題や社会の環境課題解決に貢献したいかを具体的に伝えることが有効です。
面接での逆質問例
- 「AIやデータ活用による物流ネットワークの最適化において、現場と本部がどのように連携して施策を推進しているかお聞かせください。」
- 「法人向けビジネスの拡大に向けて、国内ネットワークとグローバル事業が連携して生み出しているシナジーの具体例があれば教えてください。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
働いた分だけしっかりと出る
働いた分だけしっかりと出るので自分の働き方次第で稼ぐことは可能である。報酬についても残業代や時間外勤務がしっかりと反映されるのでよい。
(20代前半女性・物流サービス・契約社員) [キャリコネの口コミを読む]仲間とともに働くことに喜びを感じる
仲間とともに働くことに喜びを感じる。先輩や後輩との人間関係、これはどこの会社に行っても同じようなことかもしれないが、基本は人。モチベーションを上げるのも下げるのも一緒に働く人とのコミュニケーションがたいせつであり、そういった点では問題無い環境であると感じる。
(20代後半男性・その他・契約社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- ヤマトグループ 決算説明資料<2026年3月期 通期>
- 2026年3月期 決算短信



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