1 編集部が注目した重点ポイント
①米国Glamorise社を買収し、プラスサイズ市場のシェアを拡大
2026年3月末に、米国においてD2Cや大きいサイズ市場に強みを持つGlamorise Foundations, Inc.の買収を決定しました。これにより、米国事業におけるECチャネルの強化と収益性の改善が期待され、グローバル展開における新たなキャリア機会が広がっています。
②構造改革の成果と資産効率化により、営業利益が大幅に改善
株式会社ワコールにおいて取り組んだ構造改革の成果により、粗利・販管費合わせて約20億円の利益改善を実現しました。また、新京都ビルの売却などアセットライト化を推進し、営業利益は前期比504.5%増と大幅な改善を達成しています。
③「CW-X」等の注力ブランドが牽引し、中核事業は回復基調へ
中核子会社である株式会社ワコールでは、プロモーションを強化した「CW-X」や高価格帯の「Salute」が前期を上回る実績を残しました。リブランディング施策の効果が発現し、下期以降は回復基調に転じており、ブランド戦略の実行力が高まっています。
2 連結業績ハイライト
出典:wacoalpresentation20260514_1.pdf P.4
売上収益
1,715億円 (1.4%減)
事業利益
-5億円 (赤字縮小)
営業利益
198億円 (504.5%増)
親会社の所有者に帰属する当期利益
131億円 (81.8%増)
※事業利益 = 売上収益 − 売上原価 − 販売費及び一般管理費(事業の経常的な業績を測る指標)
2026年3月期通期の業績は、不採算事業の売却や米・中の売上低迷により売上収益は1,715億円(前期比1.4%減)となりました。一方で、株式会社ワコールにおける構造改革の成果や販管費の縮減が寄与し、事業利益の赤字幅は大幅に縮小しています。
さらに、新京都ビルや寮・社宅等の固定資産売却益が大きく寄与したことで、営業利益は前期比504.5%増の198億円となり、当期利益も81.8%増と大きく改善しました。通期着地としては、不採算事業の整理やコストコントロールが着実に進展しており、収益基盤の強化は概ね順調に進捗していると評価できます。
3 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:wacoalpresentation20260514_1.pdf P.26
ワコール事業(国内)
事業内容:株式会社ワコールをはじめ、ウンナナクール、ランジェノエル等が展開する国内インナーウェア事業。
業績推移:売上収益は877億円(前期比0.1%減)、営業利益は固定資産売却益も寄与し187億円(同532.7%増)。
注目ポイント:「CW-X」のスポーツタイツや、高価格帯の「Salute」が好調に推移しました。「わたしに合うブラ診断」の利用者数が50万人を突破するなどOMO戦略が売上拡大に貢献しており、デジタル領域や新規チャネル開拓を担う人材が強く求められています。
ワコール事業(海外)
事業内容:ワコールインターナショナル(米国)、ワコールヨーロッパ、中国ワコール等が展開するグローバル事業。
業績推移:売上収益は684億円(同1.8%増)、営業利益は買収費用や減損を計上し4億円(同16.5%増)。
注目ポイント:欧州では前期買収のBravissimo社が増収に寄与しました。米国では期末にGlamorise社を買収したことでECを通じたプラスサイズ市場の開拓が加速するため、海外マーケティングやPMI(M&A後の統合)の知見を持つ人材の活躍機会が広がっています。
ピーチ・ジョン事業
事業内容:株式会社ピーチ・ジョンによる若年層向けインナーウェアおよびルームウェアの展開。
業績推移:売上収益は111億円(同6.4%増)、営業利益は1.4億円(黒字転換)。
注目ポイント:「ナイスバディブラ」シリーズなどの定番商品が牽引し、自社・他社を問わずECチャネルを中心に全方位で伸長しました。新規顧客獲得に向けたデータ分析や商品企画の体制が強化されており、顧客起点のマーケティング人材が活躍できる環境です。
その他
事業内容:株式会社Aiなどによる水着事業や、人材サービス等の関連事業。
業績推移:売上収益は41億円(同50.1%減)、営業利益は事業譲渡益が寄与し4.4億円(同172.1%増)。
注目ポイント:非中核事業の整理・売却により事業ポートフォリオの最適化が進行中です。売上は減少(注:前年同期はルシアン等が連結のため単純比較不可)しましたが、グループ全体のアセットライト化という戦略的意図を持った再編が進んでいます。
4 今後の見通しと採用の注目点
出典:wacoalpresentation20260514_1.pdf P.28
次期(2027年3月期)の通期予想は、売上収益1,876億円、事業利益5億円、営業利益15億円を計画しています。前期の固定資産売却益の反動で営業利益は減益予想ですが、事業利益は黒字転換を見込むなど、本業の稼ぐ力は着実に回復する見通しです。
国内では社長直轄の「構造改革室」を新設し、戦略の実行力と課題解決のスピードを高める体制が整いました。また、海外事業は欧米および中国・アジアの2本部体制へ再編され、Glamorise社の統合によるシナジー創出も本格化します。持続的な成長に向けてグローバル経営体制の強化が進んでおり、変革期を自らリードできる意欲的な人材にとって、今が非常に魅力的なタイミングと言えます。
5 求職者へのアドバイス
志望動機では、同社が推進する「OMO戦略による顧客体験の向上」や「海外企業買収によるEC展開の加速」に焦点を当てると効果的です。デジタルマーケティングやデータ分析の専門性を持つ方は、「わたしに合うブラ診断」などのDX施策をさらに進化させ、顧客のLTV(生涯顧客価値)向上にどう貢献できるかを具体的にアピールしましょう。
「今回の組織再編で社長直轄の『構造改革室』が新設されましたが、現場レベルでの意思決定のスピードや、新しい施策への挑戦のしやすさはどのように変化していますか?」と質問することで、会社の変革に対する前向きな関心と、自律的に動きたいという意欲を面接官に伝えることができます。
6 転職者が知っておきたい現場のリアル
人間関係は良好でした
女性が9割でしたが、女性特有の陰湿さはなく、人間関係は良好でした。良くも悪くも、同僚、上司かかわらず適度な距離感を保ち、プライベートには干渉し合わない雰囲気です。
(20代前半・ショップスタッフ・女性) [キャリコネの口コミを読む]配属される店舗によって異なりますが
配属される店舗によって異なりますが社食があったり、社食がない店舗への配属ではお昼手当がもらえました。
(30代前半・ショップスタッフ・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算説明資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)



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