※本記事は、株式会社ワコールホールディングス の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
ワコールホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は103名、グループ連結従業員数は14,784名です。
同社グループは、インナーウェア、アウターウェア、スポーツウェア、その他の繊維製品及び関連製品の製造、卸売、小売を主な事業としています。さらに、飲食・文化・サービス等の事業も展開しており、持株会社1社、子会社46社、関連会社7社で構成されています。
主な国内グループ会社は、・ワコール、ピーチ・ジョン、ワコールマニュファクチャリングジャパンなどです。
同社グループは、不採算事業の一部売却やルシアン株式の譲渡による連結除外を実施しました。また、米国でGlamorise Foundations, Inc.を買収しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、創業以来の「相互信頼」を基盤とし、人的資本を経営の重要な柱と位置づけています。従業員一人ひとりの成長と働きがいを重視し、事業を通じた社会課題の解決と持続的成長の両立を目指す企業文化が特徴です。多様な人財の獲得、育成、そして能力を最大限に発揮できる組織風土の醸成に注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が45.7歳、平均勤続年数が18.0年となっており、従業員が長期にわたって安定して勤務している傾向がうかがえます。経験豊富な従業員が多く在籍し、組織全体として成熟した年齢構成であると言えます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,204,157円 |
| 平均勤続年数 | 18.0年 |
| 平均年齢 | 45.7歳 |
| 単体従業員数 | 103人 |
| 連結従業員数 | 14,784人 |
| 単体のグループ内比率 | 0.7% |
同社グループは、退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を導入しています。この制度は国内および海外のグループ会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人財を重要な経営資源と位置づけ、中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」と連動した人的資本戦略を推進しています。役割や職務価値に応じた公正な処遇を実現し、持続的な企業価値向上を目指す方針です。特に、㈱ワコールでは年功や属性に依存しない役割等級制度への移行を進め、各従業員の役割価値、成果、能力を総合的に評価し処遇に反映する仕組みを構築しています。
給与・賞与の決定においては、性別や年齢に左右されない公平性と納得性を重視し、外部労働市場の動向も踏まえた競争力のある報酬レンジを設定しています。これにより、専門性や経験を持つ人財の獲得と定着を図っています。また、マネジメント層の育成と、その役割・責任に見合った処遇との整合性も重視しています。
人的資本戦略の重点方針として、「人財獲得」「成長支援(育成・キャリア形成)」「健全な組織風土・文化の醸成」の3つを掲げています。人財獲得では、グローバル・EC・DX・新規事業を牽引する専門人財の獲得を最優先とし、専門スキル型採用や実務体験型インターンシップを強化しています。
成長支援では、従業員が自律的にキャリアを形成できるよう、社内公募制度やジョブチャレンジ制度、キャリア留学制度などを提供しています。教育体系「WACOAL TERAKOYA」を再設計し、役割等級制度と連動させることで、主体的な学びと専門性向上を促しています。健全な組織風土・文化の醸成に向けては、マネジメント力の強化やDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の推進、従業員のWell-being実現に注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、取得対象者がいないため「-」と表記されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 32.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 59.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 57.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 66.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱ワコール
女性活躍推進法による公表数値に合わせるため、各指標について㈱ワコールに提出会社を含めた数値を開示しています。正規雇用労働者のうち「管理職」、「総合職」、「販売コース」の「労働者の男女の賃金の差異」は、全正規雇用労働者50.0%、うち管理職90.9%、うち総合職67.2%、うち販売コース-となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 41.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 63.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 49.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 58.9% |
▼ ㈱ピーチ・ジョン
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 87.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 36.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 73.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | - |
▼ ㈱ワコールマニュファクチャリングジャパン
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 20.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 73.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 77.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 51.5% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性の管理職登用 | 18.8% |
| 障がい者雇用 | 2.57% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 経験者採用の状況(総合職) | 74.5% |
| エンゲージメントスコア(成長の機会) | 29.4% |
| エンゲージメントスコア(ビジョンへの共感) | 66.5% |
| エンゲージメントスコア(心理的安全性) | 51.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ワコールホールディングスは、インナーウェアを中心とした繊維製品の製造・卸売・小売をグローバルに展開する持株会社です。飲食・文化・サービスなどの事業も手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ワコールホールディングスは、インナーウェア、アウターウェア、スポーツウェア、その他の繊維製品および関連製品の製造、卸売、小売を主な事業としています。製品を顧客に引き渡した時点で収益を認識するモデルであり、値引やリベート、返品を考慮して収益を算定しています。また、販売促進のためのポイント制度も導入しています。
同社グループの事業は、ワコール事業(国内)、ワコール事業(海外)、ピーチ・ジョン事業、その他の事業セグメントに分かれています。海外売上収益が全体の約4割を占めており、為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。特定の販売先への収益集中は見られません。
ワコール事業(国内)
インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア)、アウターウェア、スポーツウェア、その他の繊維関連商品などを企画・デザインし、製造・販売しています。収益は、国内外の縫製会社や協力工場から仕入れた製品を、百貨店、量販店、直営店舗、Eコマースサイトなどを通じて最終消費者に供給することから得ています。運営は、ワコール、ワコールマニュファクチャリングジャパン、ウンナナクール、ランジェノエルなどの国内子会社が行っています。当期は売上収益が前期からほぼ横ばいでしたが、営業利益は大幅に増加しました。
ワコール事業(海外)
インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア)、アウターウェア、スポーツウェア、その他の繊維関連商品などを製造・販売しています。収益は、北中米、欧州、アジア・オセアニアの各地域で、現地の百貨店、専門小売店、直営店舗、ECサイトなどを通じて最終消費者に製品を供給することから得ています。運営は、WACOAL DOMINICANA CORP.、WACOAL AMERICA,INC.、EVEDEN INC.、WACOAL EMEA LTD.、BRAVISSIMO LTD.などの海外子会社および関連会社が行っています。当期は売上収益、営業利益ともに前期から増加しました。
ピーチ・ジョン事業
インナーウェア(ファンデーション、ランジェリー、ナイトウェア)、その他の繊維関連商品などを販売しています。収益は、主にグループ外から仕入れた製品を販売することから得ています。運営は、ピーチ・ジョンなどの国内・海外子会社が行っています。当期は売上収益が前期から増加し、営業損失から営業利益へと転換しました。
その他の事業セグメント
インナーウェア、アウターウェア、スポーツウェアなどの繊維関連製品の販売のほか、飲食・文化・サービスなどの事業を展開しています。収益は、主に製品の販売や不動産賃貸業などから得ています。運営は、Aiなどの国内子会社および関連会社が行っています。当期は売上収益が前期から減少しましたが、営業利益は大幅に増加しました。
| セグメント | 売上収益(2025年3月期) | 売上収益(2026年3月期) | セグメント利益(2025年3月期) | セグメント利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ワコール事業(国内) | 882億円 | 882億円 | 29.7億円 | 188億円 | 21.3% |
| ワコール事業(海外) | 794億円 | 806億円 | 4.2億円 | 4.9億円 | 0.6% |
| ピーチ・ジョン事業 | 106億円 | 114億円 | △2.7億円 | 1.5億円 | 1.3% |
| その他の事業セグメント | 117億円 | 62.5億円 | 1.6億円 | 4.5億円 | 7.2% |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結業績は、過去5年間で売上収益に変動が見られます。税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、過去には損失を計上した期もありましたが、当期は大幅な増益となりました。特に当期は、売上収益が前期からわずかに減少したものの、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は大きく改善しています。
過去の損失計上期においても、営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持しており、本業によるキャッシュ創出力は確保されています。当期の営業利益の大幅な増加には、固定資産売却益が寄与した一方で、のれんの減損損失も計上されています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,721億円 | 1,886億円 | 1,872億円 | 1,739億円 | 1,715億円 |
| 税引前利益 | 40.8億円 | △7.0億円 | △82.9億円 | 56.8億円 | 197億円 |
| 税引前利益率 | 2.4% | △0.4% | △4.4% | 3.3% | 11.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 17.3億円 | △16.4億円 | △86.3億円 | 72.2億円 | 131億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 27.83 | △27.44 | △151.62 | 133.90 | 261.65 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は、前期から増加しています。これは、従業員数の減少があったものの、売上収益の減少幅が小さかったことによるものです。
また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から大きく増加しました。これは、当期に営業利益が大幅に改善したことが主な要因です。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質強化と組織効率化の進展を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 10.8百万円 | 11.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.2百万円 | 1.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、堅固な財務基盤を維持しており、事業活動を通じて安定した資金を創出しています。また、投資活動においても資金収入が上回る状況となっています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって特徴づけられています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均を大きく上回る水準で推移しており、強固な財務体質を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、前期からは改善傾向にあります。手元資金も増加しており、不測の事態への耐性も高い状態です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性につながる要素と言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 親会社の所有者に帰属する持分合計 | 1,920億円 | 2,096億円 |
| 自己資本比率 | 70.4% | 71.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.6% | 6.5% |
| 現金及び現金同等物 | 234億円 | 442億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、84.9億円の収入となりました。これは当期利益の増加や法人所得税費用などによる調整が主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産等の売却などにより、前期から大幅に増加し361.0億円の収入となっています。これにより、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは445.8億円のプラスとなり、前期から大きく増加しました。財務活動によるキャッシュフローは、自己株式の取得などにより、262.9億円の支出となっています。全体として、本業で安定的に資金を創出し、資産売却によって得た資金も活用しながら、自己株式取得や配当といった株主還元を行っている状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した経営基盤を維持し、将来に向けた事業運営の余力があることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 49.7億円 | 84.9億円 |
| 投資CF | 93.8億円 | 361.0億円 |
| 財務CF | △229.5億円 | △262.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 143.5億円 | 445.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、市場の構造変化をリスクとして認識しています。百貨店や量販店の減少、EC市場の拡大といった変化が業績に影響を与える可能性があります。また、新しい市場・顧客の開拓もリスクとして挙げられています。国内市場の縮小や消費者の価値観の多様化に対応し、計画した成果が出せない場合、グループ業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人材・人員の確保を重要なリスクとして挙げています。特にものづくり、IT・デジタル、販売員、海外経営・物流の分野において、人材の確保や育成ができない場合、今後の成長や競争優位性の維持が困難となり、グループ業績が低迷する可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ワコールホールディングスは、人々の美しさに貢献し、広く社会に寄与することを目標としています。純粋持株会社として、インナーウェア事業などを通じて、世界中のあらゆる人々の豊かな生活に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、純粋持株会社として「人々の美しさに貢献することで、広く社会に寄与すること」を目指して活動してきました。2022年には、「世界中のあらゆる人々の豊かな生活に貢献すること」、「画一的な外見美ではなく、内面も含めた自分らしさの実現をお手伝いすること」、「環境や人権などさまざまな社会課題の解決に努めること」を「ミッション」として定義しています。
このミッションと70年を超える「創業の精神」を礎に、事業を通じて「社会課題の解決」と「持続的成長」の両立を目指す「サステナビリティ経営」を推進し、企業価値の向上に努める方針です。中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」では、「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供し、『世界のワコールグループ』として進化・成長する」ことを目指す姿として掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「相互信頼」を基調とした格調の高い社風を確立し、一丸となって「世界のワコール」を目指し不断の前進を続けることを社是としています。
経営の基本方針として、「愛される商品を作る」「時代の要求する新製品を開発する」など、五つの指針を掲げています。
役員・従業員の行動指針(アクション)では、「誰かの幸せを想う」「好奇心を持って、五感を使い観察する」「異なる意見を尊重する」など、八つの行動を求めています。
人的資本経営においては、創業の精神の一つである「相互信頼」を不変の原則とし、従業員一人ひとりが「やりがい・働きがい・生きがい」を感じながら職務を遂行できる魅力ある企業風土の実現を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、優先的に対処すべき課題として、国内市場環境の変化を踏まえた事業構造の変革を挙げています。従来のインナーウェア事業から、体型データに基づく「エンパワーメントソリューション」への事業領域再定義を進める方針です。
海外事業では、グループ経営強化を目的とした事業運営体制の強化を進めています。欧米本部と中国・アジア本部の2本部体制へ再編し、意思決定の迅速化とガバナンス強化を図る方針です。
また、気候変動や人権問題などの社会課題への対応も重要なテーマです。これらを「成長機会」と捉え、「サステナビリティ経営」を推進することで、社会課題の解決と持続的成長の両立を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社グループは監査役会設置会社として、取締役会と監査役会による業務執行の監督および監査を行っています。社外取締役が委員長を務める役員指名諮問委員会および役員報酬諮問委員会を任意に設置し、公正性、独立性、客観性を高める体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が筆頭株主となっています。その他、明治安田生命保険相互会社や京都銀行といった金融機関が上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 9.70% |
| 明治安田生命保険相互会社 | 6.17% |
| 京都銀行 | 4.76% |
| 三菱UFJ銀行 | 4.62% |
| GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL | 3.55% |
なお、大量保有報告書において、三菱UFJフィナンシャル・グループ及びその共同保有者、3Dインベストメント・パートナーズ・プライベート・リミティッド、野村證券及びその共同保有者が株式を所有している旨が記載されていますが、同社として実質所有株式数の確認ができないため、大株主の状況には考慮されていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性10名・女性3名)で構成され、女性役員比率は23.1%です。代表取締役社長執行役員は矢島昌明氏が務めています。社外取締役比率は62.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 矢島昌明 | 代表取締役社長執行役員 | 1984年3月同社入社。WACOAL INTERNATIONAL HONG KONG CO., LTD取締役社長、華歌爾(中国)時装有限公司董事総経理、株式会社ワコール取締役常務執行役員などを経て、2024年4月より現職。 |
| 川西啓介 | 取締役執行役員 | 1994年4月同社入社。WACOAL AMERICA, INC.取締役副会長、株式会社ワコール執行役員、同社代表取締役社長執行役員などを経て、2024年6月より現職。 |
| 宮城晃 | 取締役 | 1984年3月同社入社。華歌爾(中国)時装有限公司董事副総経理、同社経営企画部長、取締役副社長執行役員グループ管理統括担当などを経て、2026年4月より現職。 |
社外取締役は、岩井恒彦氏(元資生堂代表取締役執行役員副社長・役員指名諮問委員会委員長・役員報酬諮問委員会委員長)、山内千鶴氏(元日本生命保険相互会社取締役常務執行役員)、佐藤久恵氏(学校法人国際基督教大学評議員)、日戸興史氏(オムロン取締役執行役員専務CFOグローバル戦略本部長)、原田哲郎氏(ドリームインキュベータ取締役取締役会議長)です。社外監査役は、鈴木人司氏(元日本銀行政策委員会審議委員)、田中素子氏(田中公認会計士事務所所長)、志甫治宣氏(三宅・今井・池田法律事務所パートナー)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役8名のうち5名が社外取締役で、その構成比は63%です。社外取締役は、経営者としての知見や投資・金融資本市場に関する見識に基づき、取締役会の意思決定の適正性向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬制度は、固定報酬である「基本報酬」、各事業年度の業績に連動する「業績賞与」、および中長期インセンティブである「譲渡制限付株式報酬」と「業績連動型譲渡制限付株式報酬」で構成されています。業務執行から独立した社外取締役および監査役は、固定報酬である基本報酬のみが支給される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.8億円 | 61.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 41百万円 | 20.5百万円 |
| 社外役員 | 9名 | 77百万円 | 8.6百万円 |
なお、報酬の支給対象となった人数は事業年度中に退任した役員を含みます。また、取締役(社外取締役を除く)に対する報酬等の総額には、連結子会社からの役員報酬が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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