1 編集部が注目した重点ポイント
①「不動産事業本部」を新設し、まちづくりとシナジー事業を加速
2025年4月に「不動産事業本部」を新設しました。株式会社日本エスコン等との連携を深め、インフラ事業者としてのまちづくりやマルチユーティリティ事業への展開を加速させており、エネルギー領域外での新たなキャリア機会が拡大しています。
②不適切事案を受けたガバナンス改革と組織風土の変革を推進中
浜岡原子力発電所の審査における不適切事案を受け、独立した外部専門家による調査とともに、組織の透明性を高める人事制度の導入やコンプライアンス最優先の組織風土の変革を全社を挙げて推進しており、企業体質の抜本的な見直しが図られています。
③株式会社JERAの競争力改善が寄与し、経常利益は増益を達成
持分法適用会社である株式会社JERAにおいて、国内火力事業の石炭調達競争力が改善しました。これにより連結経常利益は前期比5.3%増となり、エネルギー事業の根幹における収益基盤の強化が着実に進展しています。
2 連結業績ハイライト
出典:2025setsumeikaishiryou_4qua_revised.pdf P.1
売上高
3兆5,460億円 (3.4%減)
営業利益
2,300億円 (5.0%減)
経常利益
2,910億円 (5.3%増)
親会社株主に帰属する当期純利益
2,277億円 (12.7%増)
2026年3月期の通期業績は、燃料費調整額等の減少により売上高は3兆5,460億円(前期比3.4%減)、営業利益は2,300億円(同5.0%減)となりました。一方で、株式会社JERAの国内火力事業における石炭調達競争力の改善などによる利益増が大きく寄与し、経常利益は2,910億円(同5.3%増)と増益を確保しています。
浜岡原子力発電所の不適切事案に関連する費用を計上したものの、全体として収益基盤の安定性が示されました。なお、次期(2027年3月期)の業績予想については、中東情勢の影響等による不確実性の高まりから現時点では未定とされており、今後のエネルギー市場の動向を注視していく必要があります。
3 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025setsumeikaishiryou_4qua_revised.pdf P.5
ミライズ
事業内容:中部電力ミライズ株式会社による、電力・ガスの販売と各種エネルギーサービスの提供。
業績推移:売上高は2兆8,592億円(前期比3.5%減)、経常利益は1,379億円(同17.9%増)。
注目ポイント:期ずれ差益の発生や電源調達ポートフォリオの組み替えによる費用削減効果が拡大し増益となりました。産業プロセスの電化やGX/DXソリューションによる需要造成が求められており、新たな顧客価値を創出できる企画・営業人材が活躍できるフィールドです。
パワーグリッド
事業内容:中部電力パワーグリッド株式会社による、電力ネットワークサービスの提供。
業績推移:売上高は9,286億円(前期比3.6%減)、経常利益は475億円(前期並み)。
注目ポイント:エリア需要の減少による託送収益の減少がありましたが、需給調整にかかる費用の減少で利益を確保しました。次世代の系統構築やレジリエンス強化に向けた投資が進められており、インフラの安定供給を支える技術者の役割が重要性を増しています。
JERA
事業内容:株式会社JERAによる、燃料上流・調達から発電、電力・ガスの卸販売。
業績推移:経常利益は941億円(前期比39.8%増)。※売上高は持分法適用の為なし。
注目ポイント:国内火力事業における石炭の調達競争力改善などにより大幅な増益を達成しました。水素・アンモニア等の低炭素燃料(LCF)火力化を推進しており、グローバルな視点で脱炭素化をリードできる高度な専門人材が求められています。
その他
事業内容:再生可能エネルギー事業、不動産事業、グローバル事業などのシナジー領域。
業績推移:売上高は7,513億円(前期比4.4%減)、経常利益は1,270億円(同55.9%増)。
注目ポイント:中電不動産株式会社や株式会社日本エスコンと連携したまちづくりが進行中です。また、2030年頃に向けた再エネ320万kW以上の拡大目標に向けた開発や、欧州Eneco等とのグローバルでの脱炭素事業が加速しており、事業領域の多角化を牽引する人材の採用ニーズが高まっています。
4 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025setsumeikaishiryou_4qua_revised.pdf P.20
中長期的な成長に向けて、エネルギー事業をコアとしつつ、不動産やマルチユーティリティなどの「シナジー事業」への経営資源の最適配分を進めています。AI等の先端技術を実装した業務変革とサービスの高度化に注力しており、単なる電力供給にとどまらないインフラ革新に向けた投資が加速しています。
また、浜岡原子力発電所の不適切事案を受けたガバナンス強化や、コンプライアンスを最優先とした組織風土の変革を通じて、ステークホルダーからの信頼回復に努めています。なお、次期(2027年3月期)の業績見通しは中東情勢の影響等による不確実性から未定とされています。変革期において、自律的に新たな価値を提案できる人材にとって、挑戦の舞台が大きく広がっています。
5 求職者へのアドバイス
志望動機では、エネルギー供給にとどまらない「インフラ事業者としての新しいまちづくり」や「グローバルでの脱炭素化の推進」にどう貢献できるかをアピールすると効果的です。AIやデジタル技術を活用したソリューション提案など、自身の専門性を活かしてエネルギーとシナジー事業を融合させ、新しい価値を創造したいという意欲を伝えましょう。
「現在、コンプライアンス最優先の組織風土の変革やガバナンス強化が進められていますが、中途入社の社員が新しい視点を取り入れたり、組織の透明性向上に貢献したりできる機会はどのように用意されていますか?」と質問することで、当事者意識と変革に対する前向きな意欲を示すことができます。
6 転職者が知っておきたい現場のリアル
地域社会に貢献している実感を得られる
エネルギー関連のインフラを支える仕事に携わることで、地域社会に貢献している実感を得られるのは大きなやりがいです。
(40代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]頑張りが給与に反映されにくい
特に入社から8年目までは、評価が横並びで大きな差がつかないため、頑張りが給与に反映されにくいと感じることがあります。
(50代前半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 決算説明会資料



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