0編集部が注目した重点ポイント
①売上高と当期純利益で過去最高を達成する
2026年3月期通期の売上高は8,116億円(前期比0.5%増)、当期純利益は310億円(同22.4%増)となり、売上高および当期純利益で過去最高を更新しました。政策保有株式の計画的な縮減による特別利益計上などが最終利益の押し上げに貢献しています。
②先端事業の営業利益比率が53%へ拡大する
医療機器(Medical)のグローバル展開やサプリメント(Supplement)の拡販が牽引し、営業利益における先端事業の構成比率が2024年度の48%から2025年度には53%へと拡大しました。高付加価値領域へのポートフォリオ変革が着実に成果を上げています。
③2027年3月期は大幅増配と自社株買いを行う
2027年3月期は年間配当210円/株(前期比50円増配)を予定し、累進配当を継続する方針です。さらに上限70億円の自己株式取得を公表し、資本効率の向上と積極的な株主還元を強力に推進しています。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.2
売上高
811,638百万円
前年同期比: +0.5%
営業利益
32,894百万円
前年同期比: ▵17.9%
経常利益
28,873百万円
前年同期比: ▵12.1%
親会社株主に帰属する当期純利益
30,977百万円
前年同期比: +22.4%
2026年3月期通期の連結業績は、アジア塩ビ市況の低迷や米国住宅市場の低調に伴う影響があったものの、医療機器やサプリメントを中心とするライフサイエンス領域の拡大が寄与し、売上高および当期純利益で過去最高を更新しました。第4四半期には営業利益が107億円まで急速に回復しており、強いモメンタムを取り戻しています。
期初および公表業績予想に対する進捗率としては、売上高達成率101.5%、営業利益達成率96.7%、経常利益達成率102.0%、当期純利益達成率98.3%となり、不透明な世界経済のなかで概ね会社予想通りの堅調な着地を達成したと評価できます。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.9
Material Solutions Unit
事業内容:一般用塩化ビニル樹脂、か性ソーダ、モディファイア、変成シリコーンポリマー、生分解性バイオポリマー等。
業績推移:売上高327,235百万円、営業利益24,928百万円。アジア塩ビ市況低迷や欧米住宅需要調整により減収減益。
注目ポイント:市況の影響を受けたものの、MODでの高付加価値グレード「MX」の拡大やMSでのベルギー能力増強設備が機能しています。また生分解性バイオポリマー「Green Planet®」は国内外で大型案件の顧客評価が進むなど、環境対応型素材の社会実装を主導する研究・事業開発人材の活躍の場が広がっています。
Quality of Life Solutions Unit
事業内容:スチレン系発泡樹脂、ポリイミドフィルム、太陽電池、住宅用蓄電池、アクリル系合成繊維等。
業績推移:売上高194,340百万円、営業利益17,954百万円。Foamは堅調も原料価格高騰等の影響を受け微増収減益。
注目ポイント:E&IではAI活用の進展に伴い高周波ポリイミドフィルム等の高付加価値グレードの需要が急増しており、能力増強を決定しました。次世代型タンデムペロブスカイト太陽電池がNEDO事業に採択されるなど、先端電子・エネルギー分野での技術革新を牽引する専門人材が求められています。
Health Care Solutions Unit
事業内容:血液浄化器、カテーテル等の医療機器、低分子医薬品原料・API、バイオ医薬品等。
業績推移:売上高82,975百万円、営業利益14,840百万円。Medical分野の飛躍的な伸長により増収増益。
注目ポイント:血液浄化器およびカテーテルのグローバル拡販が進み、全社最大の収益事業として成長を牽引しています。北海道カテーテル新工場の建設やEndoStream Medical社の脳動脈瘤治療用デバイスの市場投入など、グローバル医療機器市場での事業拡大を支える即戦力人材を強化中です。
Nutrition Solutions Unit
事業内容:還元型Q10、乳酸菌等のサプリメント素材、食用油脂、パン酵母、乳製品等。
業績推移:売上高205,977百万円、営業利益13,712百万円。サプリメントの海外拡販と食品の価格改定により増収増益。
注目ポイント:米国を中心に還元型Q10や乳酸菌のグローバル拡販が好調に推移しています。Foods分野でも価格改定やB2C高付加価値品へのシフトが進んでおり、健康・食品機能性素材のグローバルマーケティングや応用開発力を持った人材が強く必要とされています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.13
2027年3月期の通期予想は、売上高820,000百万円(前期比1.0%増)、営業利益36,000百万円(同9.4%増)と増収増益を見込んでいます。中東情勢や原材料高などの不確実性を見込みつつも、医療機器やAI関連のポリイミドフィルム、還元型Q10などライフサイエンス・先端事業への資源投入を一段と強化する計画です。
また、株主還元として年間配当210円/株(50円増配)と上限70億円の自己株式取得を予定しており、累進配当を維持します。「R2B+P(研究からビジネス・モノづくりまでの一体化)」や「AI×DX」を通じた製造・営業革新が進んでおり、新技術の事業化や海外展開を推進する専門人材の採用意欲は極めて高い状況です。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「カガクでネガイをカナエル会社」というパーパスのもと、異種技術を組み合わせる「ハイブリッド経営」と「R2B+P」への理解を示すことが鍵となります。医療機器のグローバル拡大や生分解性バイオポリマー「Green Planet®」などの環境・健康課題解決型ソリューションに対し、自身のスキルや経験をどのように結びつけて事業化・成果創出に貢献できるかを具体的にアピールしましょう。
面接での逆質問例
- Health Care SUにおける医療機器(カテーテル等)のグローバル市場展開にあたり、現地ニーズを迅速に製品開発へ反映させるためのチーム連携プロセスについて教えてください。
- 生分解性バイオポリマー「Green Planet®」など先端素材の社会実装において、異分野の技術や外部パートナーとの協業(R2B+P)を進める際に中途採用者に期待される役割は何ですか?
- 製造現場での「AI×DX」を活用したプラント高度化において、技術部門とデジタル推進部門の具体的な協働プロジェクトはどのように進められていますか?
5転職者が知っておきたい現場のリアル
成長を実感しやすい環境
若手社員にとっては、仕事に対する裁量が大きく、成長を実感しやすい環境です。自分の手がけた製品が市場に出回るのを目にしたときには、達成感を味わうことができます。
(20代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]研修制度については名目だけのものが多く
特に、退職者が多い部署ではその原因をしっかりと分析し、改善策を講じる必要があると感じる。研修制度については、名目だけのものが多く、実際に役立つスキルを身につける機会は限られている。
(30代前半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明資料



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