0編集部が注目した重点ポイント
① 社名変更に伴う「企業変革」を断行する
2026年3月にマルハニチロから「Umios株式会社」へと社名を変更しました。同時に本社移転や挑戦・共創を掲げる人事評価制度への刷新を行い、一過性の企業変革費用41億円(販管費20億円、特別損失21億円)を投入しました。グループ全体の構造改革とブランディングを多面的に推進しており、組織風土の刷新とともに新たな事業機会が生まれています。
② 物流子会社株式の譲渡で資産効率を高める
2026年5月、連結子会社であるUmiosロジ(旧マルハニチロ物流)の株式51%をセンコーグループホールディングスへ譲渡することを決議しました。2027年3月期に持分法適用会社へ移行する予定であり、総資産約500億円および有利子負債約300億円が連結B/Sから除外されます。資本効率(ROIC)の向上に向けた大規模な資産適正化が着実に進んでいます。
③ 水産資源事業のV字回復で過去最高益を達成する
2026年3月期の営業利益は、一過性費用を計上しながらも過去最高となる312億円(前期比+2.7%)を達成しました。不採算事業の撤退や北米生産拠点の統合といった構造改革が実を結び、水産資源セグメントの営業利益が24億円(前期は▲39億円)と劇的にV字回復したことが全社業績を強力に牽引しました。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.7
売上高
1兆1,059億円
前期比:+2.5%
営業利益
312億円
前期比:+2.7%
経常利益
313億円
前期比:-3.1%
親会社株主帰属当期純利益
222億円
前期比:-4.7%
当連結会計年度の売上高は、水産物単価の上昇や欧州子会社の連結貢献により前期比+2.5%の1兆1,059億円となりました。営業利益は一過性の企業変革費用20億円を吸収し、過去最高となる312億円(前期比+2.7%、企業変革費用を除く実質ベースでは332億円)を達成しました。純利益は特別利益の反動減などにより222億円となりましたが、期末配当を増配(分割後28円、年間配当44.67円相当)として配当性向30.4%を実現しています。
2026年3月期通期の公表計画(売上高1兆800億円、営業利益300億円)に対する達成率は、売上高102%、営業利益104%、経常利益108%、当期純利益114%に達しており、期初目標を超えて順調に着地しました。持続可能な事業への選択と集中が進み、業績基盤の堅調さが示されています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.9
水産資源事業
事業内容:国内外での漁業(漁業ユニット)、国内クロマグロ・ブリ等の養殖(養殖ユニット)、北米での水産加工・販売(北米ユニット)を展開します。
業績推移:売上高は1,294億円(前期比+1.4%)、営業利益は24億円(前期の▲39億円から大幅な黒字化)を記録しました。
注目ポイント:不採算漁業からの撤退や北米生産拠点の統合といった構造改革が実を結びました。養殖の高水温対策(沈下式生簀)や北米におけるカニカマ製品・スケソウダラの好調が重なり、収益ボラティリティの低い強固な事業基盤の構築を担う専門人材が求められています。
食材流通事業
事業内容:水産物の調達・卸を行う水産商事、業務用商材の食材流通、国内外の農畜産物を扱う農畜産ユニットから構成されます。
業績推移:売上高は7,699億円(前期比+2.5%)、営業利益は158億円(前期比-12.5%)となりました。
注目ポイント:(注:2025年5月取得の欧州子会社Seafood Connection完全子会社化により、一部前年同期は未連結のため単純比較不可)欧州事業の拡大やホタテ・エビ等の好調で増収を確保しました。国内コスト増や豚肉価格動向を受け減益となったため、給食食材営業部の新設などグループ連携による川下開拓を主導する人材が不可欠です。
加工食品事業
事業内容:冷凍食品・缶詰・練り製品・ペットフード等を製造販売する加工食品ユニット、化成品のファインケミカルユニットで構成されます。
業績推移:売上高は1,858億円(前期比+3.3%)、営業利益は101億円(前期比-27.7%)となりました。
注目ポイント:タイでのペットフード事業や医薬品向け素材(DHAなど)の販売は堅調でした。一方、国内加工食品は価格改定後の数量減に伴う工場稼働低下や原材料高が響いたため、国内生産体制再編や商品ポートフォリオの最適化を進める企画・エンジニアの役割が重要視されています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.17
2027年3月期の通期計画において、Umiosは売上高1兆1,100億円(前期比+0.4%)、営業利益320億円(前期比+2.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益150億円を見込んでいます。営業利益は一過性の企業変革費用約30億円を除くと実質350億円規模であり、3期連続の増益計画を掲げています。配当性向は45.4%(1株あたり年間45円予想)へと引き上げ、株主還元を一段と強化します。
中期経営計画の最終年度(2028年3月期)における営業利益400億円、ROIC 5.0%の達成に向け、総額1,400億円の成長投資枠を設定しています。そのうち56%を北米・欧州を中心とした「川下強化(M&A含む)」、18%を「ペットフード事業強化」に投じる方針です。事業ポートフォリオ再編や海外M&Aを推進できるビジネスプロデューサーや経営企画人材の採用が一段と活発化しています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント:
同社は社名変更に伴い、「マルハニチロ」という伝統的ブランドから、持続可能なタンパク質と健康価値を提供するグローバル海洋企業「Umios」へと進化を遂げています。「物流子会社株式の譲渡によるB/S適正化」や「1,400億円規模の成長投資を通じた北米・欧州での川下M&A推進」など、積極的な事業構造改革が進行中です。面接では、新社名のもと推進される「グローカル戦略」や「川下強化」において、自身の経験(M&A、グローバル営業、サプライチェーン再編等)をどう活かせるかを具体的に言語化することが強みとなります。
面接での逆質問例:
「欧州でのSeafood Connection完全子会社化や北米での加工・流通M&Aなど、海外における川下強化が加速していますが、海外子会社のPMIやガバナンス強化において中途採用人材に期待される役割について教えていただけますでしょうか。」
「Umiosロジの株式譲渡によるB/S圧縮をはじめ、ROIC 5.0%に向けた資産効率化が推進されていますが、国内加工食品事業の生産体制再編や商品ポートフォリオ見直しにおいてどのような職種が中心となって主導していく方針でしょうか。」
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明会資料



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