0編集部が注目した重点ポイント
① 連結営業利益が前期比43.5%増の382億円に拡大する
2026年3月期(2025年度)は、建築事業における工事採算性の向上や海外グループ会社での販売用不動産売却が寄与し、連結営業利益が前期比43.5%増の382億円を達成しました。採算管理とフロントローディング(設計・準備段階での前倒し検討)の徹底により、収益体制の強化が着実に進展しています。
② 五島市沖浮体式洋上風力発電が2026年1月に運転開始する
2026年1月に長崎県五島市沖での「浮体式洋上風力発電事業」が稼働を開始し、脱炭素・環境エネルギー領域での新たな事業基盤を確立しました。建設技術とエネルギー事業を融合させた重点管理事業の本格化に伴い、先端プロジェクトを牽引する専門人材の活躍機会が大きく広がっています。
③ 2027年3月期の年間配当金を60円へ連続増配する
業績向上と資本効率(ROE)重視の経営を推進し、2026年3月期の年間配当を58円(前期比+28円)へ大幅増配したうえで、2027年3月期も年間60円への連続増配を予定しています。株主還元方針として純資産配当率(DOE)3.5%以上、総還元性向70%程度を掲げ、持続的な企業価値向上に取り組んでいます。
1連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.5
売上高
6,457億円
前期比:+10.1%
営業利益
382億円
前期比:+43.5%
経常利益
439億円
前期比:+51.2%
親会社株主に帰属する当期純利益
369億円
前期比:+46.8%
当連結会計年度の売上高は、建築事業での手持ち大型工事の進捗や海外グループ会社における販売用不動産売却の増加により、前期比10.1%増の6,457億円となりました。営業利益は工事採算性の向上によって前期比43.5%増の382億円を達成し、親会社株主に帰属する当期純利益も政策保有株式売却益の計上により369億円(同46.8%増)へと大幅に拡大しました。
修正後の通期計画に対する達成率においても、売上高102.5%、営業利益121.3%、経常利益123.2%に達しており、通期予想に対して順調な業績進捗となりました。自己資本比率は39.1%へ上昇し、ROEも10.1%(前期は7.3%)へ大きく向上しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.26
建築事業
事業内容:国内官公庁・民間の分譲マンション、オフィス、生産施設、データセンター等の建築工事を設計・施工します。
業績推移:売上高は3,625億円(前期比+1.2%)、営業利益は269億円(前期比+62.8%)と大幅な増益を達成しました。
注目ポイント:設計・施工準備段階におけるフロントローディングと採算管理の徹底により、完成工事総利益率が大きく改善しました。受注残高も豊富で、データセンターや生産施設などの成長市場における建築施工管理や設備設計人材の需要が高まっています。
土木事業
事業内容:山岳トンネル、シールド工事、道路、ダム、インフラ維持更新等の国内土木工事全般を手掛けます。
業績推移:売上高は1,278億円(前期比+0.5%)、営業利益は46億円(前期比▲42.9%)の増収減益の着地となりました。
注目ポイント:一部大型民間工事での採算低下影響があったものの、山鳥坂ダム本体建設工事など大型インフラ案件を安定受注しています。自動化施工(ICT・AI導入)やトンネル覆工再生などの技術開発が進められており、技術革新を主導する現場技術者が求められています。
国内投資開発事業
事業内容:国内におけるマンション自主開発、オフィス・商業施設の開発・賃貸・不動産売買を行います。
業績推移:売上高は334億円(前期比▲30.0%)、営業利益は20億円(前期比▲63.0%)の減収減益となりました。
注目ポイント:販売用不動産の売却時期に由来する一時的な減収減益であるものの、「TODA BUILDING」の運営や常総エリアでのまちづくりなど「SECC事業」を推進しています。開発ノウハウを活用し長期安定収益網を築く不動産開発のプロが不可欠です。
国内グループ会社事業
事業内容:建設子会社(佐藤工業、昭和建設、戸田道路等)による建築・土木工事、ビル管理、人材派遣、リース等を行います。
業績推移:売上高は678億円(前期比+16.6%)、営業利益は27億円(前期比▲8.8%)の増収減益となりました。
注目ポイント:建設子会社の大型工事進捗により売上が拡大しました。グループ全体の総合力を高める「ヨコ展開」の軸であり、専門施工や建築維持管理の現場力を支える人材が幅広いフィールドで活躍しています。
海外グループ会社事業
事業内容:海外連結子会社(PT Tatamulia Nusantara Indah、Thai Toda等)による東南アジア・北米・南米での建設工事、不動産開発・売買。
業績推移:売上高は676億円(前期比+18.7%)、営業利益は56億円(前期比+449.0%)と営業利益が大幅に急伸しました。
注目ポイント:(注:Aqua Nishihara Corporation Ltd.等の新規連結を含む)米国子会社での販売用不動産売却や東南アジアでの受注が寄与しました。タイ・ベトナムやインドネシアでの事業基盤が拡大しており、グローバルな施工・事業推進人材の役割が増しています。
環境・エネルギー事業
事業内容:五島市沖浮体式洋上風力発電事業、ブラジル陸上風力事業等の再生可能エネルギー発電・売電ビジネスを展開します。
業績推移:売上高は33億円(前期比+261.5%)、営業損失は12億円(前期は▲11億円)の赤字継続も売上急増となりました。
注目ポイント:2026年1月に五島市沖の洋上風力発電が運転を開始し、収益化に向けたステップを踏み出しました。SEP船(自己昇降式作業台船)の活用や着床式・浮体式洋上風力での工事受注を見据え、環境技術や再エネプロジェクト開発人材が強く求められています。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明資料 P.19
2027年3月期の通期連結業績予想において、戸田建設は売上高7,530億円(前期比+16.6%)、営業利益390億円(前期比+2.1%)、経常利益400億円(前期比▲9.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益350億円(前期比▲5.4%)を公表し、売上高7,500億円台への大幅成長を目指しています。建築・土木の豊富な手持ち工事残高の進捗が全体を後押しします。
「中期経営計画2027」の推進において、タテ展開(現場価値向上)とヨコ展開(戦略事業連携)を推し進め、2028年3月期に向けた連結売上高8,000億円程度、営業利益435億円以上、ROE 10.0%以上の達成を目指します。新中期計画のもと、年間配当予想は1株あたり60円(配当性向51.4%)を見込み、デジタル技術の活用やフロントシフト(現場人員強化)を軸とした即戦力中途採用を強力に推し進めています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント:
戸田建設は建築・土木の確かな施工実績を強みにしながら、「五島市沖での浮体式洋上風力発電事業の稼働」や「SECC事業による地域創生」といった環境・エネルギー領域への多角的アプローチを急速に深めています。さらに、フロントローディングによる生産性革新や「中期経営計画2027」での強固な成長戦略を描いています。志望動機では自身の専門的バックグラウンド(施工、設計、再エネ、不動産開発、DX等)をどの事業基盤に投入し、同社の「突出価値の創出」に寄与したいかを論理的に示すことが重要です。
面接での逆質問例:
「2026年1月に運転開始した五島市沖洋上風力発電をはじめ、環境・エネルギー事業における今後の大型案件受注に向けた技術・施工体制の強化施策において、中途採用人材に期待される役割について教えてください。」
「『中期経営計画2027』で掲げる『タテ展開』と『ヨコ展開』の推進において、作業所へのフロントシフトやDX・AI活用による現場の生産性革新をどのように主導していく方針でしょうか。」
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 決算説明資料



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