0 編集部が注目した重点ポイント
① 4つの新セグメント体制へ組織を移行する
2026年4月1日付で組織再編を実施し、報告セグメントを「アパレル&インダストリーズ」「ヘルスケア&ライフソリューションズ」「エレクトロニクス&エナジー」「スペシャリティマテリアルズ」の4区分へ刷新しました。顧客起点型ビジネスの強化に伴い、専門人材の採用や配置転換の動きが進んでいます。
② 構造改革を断行し次期純利益450億円を見込む
2026年3月期は減損損失計上などにより880億円の当期損失となりましたが、炭素繊維の米国工場一時休止や北米複合成形材料事業の譲渡(2025年7月完了)など抜本的な構造改革を実行しました。2027年3月期には改革効果とデュポン帝人アドバンスドペーパー株売却益(約455億円)により大幅な黒字転換を達成する見込みです。
③ 旭化成アドバンスとの経営統合を推進する
繊維・製品分野における持続的成長を目指し、子会社の帝人フロンティアと旭化成アドバンスとの経営統合準備を進めており、2026年10月1日の統合を予定しています。基盤強化に伴い繊維事業での新たなキャリア機会の拡大が期待されます。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度決算 および 2026年度業績見通し P.4
売上収益
873,190 百万円
前年同期比 13.2%減
事業利益
25,781 百万円
前年同期比 6.6%減
営業損失
△70,714 百万円
前年同期は損失71,828百万円
親会社の所有者に帰属する当期損失
△88,003 百万円
前年同期は利益28,347百万円
※事業利益 = 営業利益 + 持分法による投資損益 - 非経常的な損益(事業の経常的な業績を測る指標)
2026年3月期の通期連結業績は、売上収益が前年同期比13.1%減の8,731億90百万円、事業利益が同6.6%減の257億81百万円となりました。複合成形材料の北米事業譲渡に伴う事業縮小やアラミド事業での定修影響があったものの、ヘルスケア事業の増益や全社的なコスト削減が事業利益を下支えしました。
当期の進捗評価として、将来的な収益性向上に向けたアラミド事業(504億円)やヘルスケア事業(254億円)、炭素繊維事業(83億円)に関する減損損失計上889億円を断行したため当期損失となりましたが、構造改革の完了により不採算リスクの出し切りを完了した評価となっています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度決算 および 2026年度業績見通し P.14
マテリアル事業領域
事業内容:アラミド繊維、ポリカーボネート樹脂、炭素繊維、複合成形材料などの高機能素材の製造・販売を行っています。
業績推移:売上収益3,386億円(前年同期比26.3%減)、事業利益1億円(同98.0%減)となりました。
注目ポイント:北米複合成形材料事業の譲渡完了(2025年7月)や米国炭素繊維工場の一時休止など、抜本的なコスト構造改革を推進中です。収益安定化に向けたグローバル生産体制の見直しをリードできる事業再生や生産技術の専門人材が必要とされています。
注目職種:生産技術エンジニア、構造改革推進マネージャー
繊維・製品事業
事業内容:ポリエステル繊維、衣料用テキスタイル、各種産業資材製品等の製造・販売を行っています。
業績推移:売上収益3,501億円(前年同期比0.5%減)、事業利益171億円(同4.2%減)となりました。
注目ポイント:北米向けテキスタイルや国内・中国向け衣料品の販売が好調を維持しています。帝人フロンティアと旭化成アドバンスとの経営統合(2026年10月予定)に向け、統合効果を最大化できる企画営業やサプライチェーン推進人材の活躍期待が高まっています。
注目職種:テキスタイル企画営業、SCMスペシャリスト
ヘルスケア事業
事業内容:医薬品・医療機器の製造・販売およびCPAP・HOTなどの在宅医療サービスを提供しています。
業績推移:売上収益1,386億円(前年同期比1.2%増)、事業利益134億円(同136.0%増)となりました。
注目ポイント:CPAP(在宅持続陽圧呼吸療法)機器のレンタル台数増加やライセンス収入が貢献しました。希少疾患・難病領域への絞り込みを進めており、副甲状腺機能低下症治療剤「ヨビパス」(2025年11月上市)などの高付加価値領域を担う専門医療人材が求められています。
注目職種:メディカルアフェアー、在宅医療営業
その他
事業内容:電池部材・メンブレン分野、再生医療CDMO事業、埋込医療機器分野等を含んでいます。
業績推移:売上収益460億円(前年同期比19.7%減)、事業利益46億円(同35.6%減)となりました。
注目ポイント:帝人ナカシマメディカルの株式譲渡完了など選択と集中を実行する一方、半導体関連メンブレンや再生医療CDMO事業の立ち上げが順調に進展しており、先進バイオ・素材分野の技術者に活躍の場が広がっています。
注目職種:再生医療研究員、先端メンブレン技術開発
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度決算 および 2026年度業績見通し P.15
2027年3月期(2026年度)の通期連結業績見通しは、売上収益8,500億円(前期比2.7%減)、事業利益300億円(同+16.4%)、親会社の所有者に帰属する当期利益450億円(前期の損失880億円から黒字転換の予想)を見込んでいます。
「中期経営計画2026-2028」のもと、新セグメント(アパレル&インダストリーズ、ヘルスケア&ライフソリューションズ、エレクトロニクス&エナジー、スペシャリティマテリアルズ)において顧客起点型ビジネスを推進します。ROIC経営の徹底と構造改革効果の発現により、V字回復をリードできるCX・DX推進人材や事業戦略担当者の採用が活発化する見通しです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
帝人は2026年4月の新セグメント体制発足や事業構造改革を経て、素材重視から「顧客起点型ビジネス」への大変革を実行しています。志望動機では、前職での顧客課題解決力や構造改革・新規事業立ち上げの経験が、同社の新4セグメントにおける収益性向上やROIC向上にどう寄与できるかを明確にアピールすることが成功の鍵となります。
面接での逆質問例
「2026年4月からの新セグメント体制において、従来のマテリアル領域と顧客起点型ビジネスとのシナジー創出に向け、どのような社内横断プロジェクトが進行していますか?」
「ヘルスケア事業での希少疾患・難病領域への集中や、アパレル分野での旭化成アドバンスとの統合など大きな変革の中で、中途採用者に早期に期待される役割は何でしょうか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2025年度決算 および 2026年度業績見通し



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