0 編集部が注目した重点ポイント
① 販売価格適正化で営業利益が大幅増加
国内セメントの販売価格値上げや石炭価格低下に伴い、セメント事業の利益が大きく改善しました。コスト上昇への迅速な対応と収益構造の改革により、営業利益は前年比+45.9%の大幅増益を達成しており、既存事業の底堅い収益回復を示しています。
② 半導体向け新材料事業が成長を牽引
半導体製造装置向け静電チャックなどの品種構成良化を受け、新材料事業の売上高が前年比+15.3%と躍進しました。高機能品領域へのリソース集中投資が実を結びつつあるため、エンジニアや技術開発人材の活躍の場が拡大しています。
③ 脱炭素や次世代通信の新規事業を推進
光通信部品のコスト削減による収益好転に加え、脱炭素分野での新規事業開発や原燃料リサイクル事業の強化を進めています。基幹産業としての安定基盤を保ちつつ、環境対応や先進技術領域への挑戦を加速させている点が強みです。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明資料 P.5
売上高
2,237億円 (前年比 +1.9%)
営業利益
136億円 (前年比 +45.9%)
経常利益
144億円 (前年比 +53.8%)
当期純利益
112億円 (前年比 +24.5%)
2026年3月期通期の連結業績は、売上高2,236億86百万円(前年比+1.9%)、営業利益136億48百万円(同+45.9%)、経常利益144億05百万円(同+53.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益112億14百万円(同+24.5%)となりました。国内セメント需要減という厳しい環境下においても、販売価格の改定と原燃料コスト低下により、営業利益が大幅に改善しV字回復を定着させています。
次期(2027年3月期)の通期予想については、売上高2,345億円、営業利益150億円を見込んでおり、新材料事業における静電チャックの販売増加などを背景に、概ね順調に増収増益の成長軌道を維持する見通しです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明資料 P.12
セメント
事業内容:各種セメント、セメント系固化材、生コンクリートの製造販売、電力供給、原燃料リサイクル等の展開。
業績推移:売上高は1,587億円(前年比+1.5%)、営業利益は54億円(同+526.0%)と大幅増益を達成しました。
注目ポイント:建設人手不足による需要減に対し、国内販売価格の値上げとエネルギーコスト低下で収益力が急回復しました。脱炭素対応や熱エネルギーリサイクルなど、持続可能な製造プロセスの構築を担うプラント技術者やプロセスエンジニアが不可欠となっています。
注目職種:プラントエンジニア、プロセス開発、環境リサイクル営業
鉱産品
事業内容:石灰石、ドロマイト、タンカル、骨材、シリカ微粉などの採掘・加工および販売。
業績推移:売上高は175億円(前年比+0.8%)、営業利益は29億円(同-5.2%)となりました。
注目ポイント:製品価格の改定を進めたものの、採掘コストの増加により減益となりました。自社鉱山という強固な資源基盤を維持しながら、効率的な採掘プロセスと新規用途開拓を推進できる技術人材の活躍が期待されています。
注目職種:採掘技術・鉱山管理、営業開発
建材
事業内容:コンクリート構造物の補修・補強材、混和材、重金属汚染対策材、PC製品等の提供。
業績推移:売上高は230億円(前年比-2.4%)、営業利益は14億円(同-19.5%)となりました。
注目ポイント:工事現場の工期遅延や補修材需要の減少が影響しました。社会インフラの老朽化対策や防災ニーズは根強く、構造物補修・補強技術や環境対応型建材の施工作業・施工管理を担う専門人材の需要が高まっています。
注目職種:施工管理、技術営業、建材製品開発
光電子
事業内容:光通信部品、光計測機器、光電子機器などの設計・製造および販売。
業績推移:売上高は27億円(前年比+8.9%)、営業損失は56百万円と前期赤字から大幅に縮小・好転しました。
注目ポイント:光計測機器の出荷増やコスト削減が奏功し収支が改善しました。5Gやデータセンター拡大に伴う次世代光通信部品のシェア獲得に向け、光学設計や精密電子部品の技術開発人材に対する期待が高まっています。
注目職種:光学設計エンジニア、精密回路設計、品質保証
新材料
事業内容:半導体製造装置向け静電チャック、セラミック製品、ナノ粒子材料、機能性塗料等の開発販売。
業績推移:売上高は180億円(前年比+15.3%)、営業利益は24億円(同+9.5%)と順調な推移を示しました。
注目ポイント:半導体市場の回復とハイエンド機種への製品構成シフトにより高成長を遂げています。グループの成長ドライバーとして優先投資が行われており、半導体材料開発や生産技術のスペシャリストにとって挑戦しがいのあるフィールドです。
注目職種:半導体材料開発、セラミックプロセスエンジニア、生産技術
その他
事業内容:不動産賃貸事業、システム開発・ソフトウェア開発事業の展開。
業績推移:売上高は35億円(前年比-8.3%)、営業利益は13億円(同-13.8%)となりました。
注目ポイント:受注案件の波により減収となったものの安定した収益性を維持しています。グループ全体の不動産資産活用やデジタル化・DX推進を支える基盤として、社内ITインフラやシステムエンジニアの役割が重要視されています。
注目職種:社内SE、ITインフラエンジニア、不動産管理
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明資料 P.10
住友大阪セメントは、2026年度(2027年3月期)を初年度とする新中期経営計画をスタートさせ、既存事業の収益安定と成長分野の拡大を両立させる方針です。特に「高機能品事業」に位置付けられる半導体製造装置向け静電チャックにおいては、需要回復を見込んで生産能力増強と自動化コスト削減を推進し、セグメント営業利益42億円(前年比+73.4%)への急拡大を目指しています。
また、基幹であるセメント事業では石炭・石油などの原燃料価格の上昇リスクに備え、代替燃料の活用やリサイクル強化によるコスト削減を実施します。新材料分野の先端技術開発からセメントプラントの省エネ・脱炭素推進まで、幅広い職種で専門性を持つ中途人材の採用・活躍機会が広がっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
伝統的なインフラ資材であるセメント事業での確固たる盤石基盤に加え、半導体製造装置向け静電チャックなどの高機能品事業を第二の柱として育成している点に魅力を感じた旨を伝えると効果的です。また、エネルギー価格高騰への対応として推進されている原燃料リサイクルや脱炭素化の取り組みに対し、自身の技術や経験をどのように還元できるかを具体的に提示することがポイントとなります。
面接での逆質問例
- 「新中期経営計画において高機能品事業の拡大が掲げられていますが、私が志望する部門において新製品開発や自動化ラインの導入にどのように関わることができるでしょうか?」
- 「セメント業界全体で脱炭素対応や省エネ推進が急務となる中、現場のエンジニアや技術者が新しい技術にチャレンジできる環境やサポート体制について教えていただけますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
キャリア志向の方は居づらいかもしれない
比較でのんびり、穏やかな社風なので、バリバリと仕事をこなすキャリア志向の方は居づらいかもしれない。
(30代後半・管理関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度(2026年3月期) 決算説明資料



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